○その頃の女性陣
十灼と左慈が騒ぎを起こしている頃、女性の柱たちは先に解散して女性たちだけで恒例のお茶会をしていた。
「しかし良かったのだろうか?藤川さんと十灼は言い合いを止めずに来てしまったのは」
「いいですよ。毎回のことでこっちも疲れちゃいますし」
杏寿がそう言うが沙羅は呆れたように言ってのける。
沙慈の十灼への説教は毎回のことであり、女性陣は呆れて男性陣(主に剣至と李和)に任せることにしたのだ。
杏寿は剣至と李和に対して苦しく思っているが他の女性陣はなんとも思っていなかった。
「んじゃ!とりま恋バナしよっ!」
燕夏が楽しそうに恋バナを切り出す。
「杏寿パイセンはどうすかっ?なんかメロい話はあったりぃ?」
「うむ!中々良い出会いがなくてな。母上が縁談を持ってきてくれたのだが私の最低条件に合う男性がいなくて困っている」
「杏寿さんの最低条件って?」
「私より強い男だ!」
『………』
杏寿の一言に全員が言葉を失ってしまう。
炎柱である杏寿より強い男など柱の男性陣ぐらいしかいない。
しかし、どの男性陣にも問題がある。
(左慈さんと李和くんは論外として残りは4人よねぇ)
(ヴァルさんは超がつくほどのシスコンだから無理……武藤くんは六番組の組長と付き合っているし、東くんはコミュ障だし)
(残りはウロコっちだけどぉ……)
3人は隆治と杏寿が恋人関係になる想像をするがどうしても尻に敷かれて泣いている隆治の姿しか思い浮かばなかった。
結果的に杏寿が求める男性がいないことになり、3人は慈愛のこもった目で杏寿を見た。
「む?どうしたのだ?優しい目になって」
3人は口を閉じて、その目で杏寿を見続けた。
「沙羅パイセンはどうなん?」
「私は今のところ順調ね」
「確か、二番組の組長だったか?」
「はい、彼女とは腐れ縁で中学からの仲なんですよ。昔からヤンチャで何度も私が諌めました」
「へぇー!なんかエモい!」
「今でも恥ずかしがってすぐ顔を赤くするの。その様子がまた可愛くて……ふふっ」
沙羅は自身の恋人を思い出して自然と笑みが溢れる。
「仲睦まじいのは良いことだ!彼女とは同じ地域の管轄なんだろう?」
「はい、お館様のご配慮で地域が被るようにしてくれました。お陰で休みの日一緒に過ごせてるんですよ」
「いーなぁ。そうやってイチャラブできて」
「そういう燕夏ちゃんはどうなのかしら?学校に気になる人はいないの?」
翼にそう言われるが燕夏は難しい表情になる。
「うーん……男子に気になるって人はないかなー。あっ!でも面白い子がいてね!なんと魔女なんだって!」
「魔女?そういう能力の家系の人?」
「かもかも!しかも使い魔ポジの男子4人と同棲してんの!エモだよねぇ〜」
「それは……エモいのかしら?」
こうして女性柱4人のお茶会は楽しく進んだ。
○岩と風
十灼との一件が終わったが左慈の怒りは収まっていなかった。
「あ"ぁっ!!あのクソガキ!!次会ったらタダじゃおかないからなぁッ!!!」
怒鳴り声を上げて怒りをぶちまけていた。
そこにお茶を淹れた李和が宥める。
「左慈さん、お茶いれましたから飲んで落ち着いてください」
「……すまん」
左慈は縁側に座ってお茶を飲むと一息つき、落ち着きを取り戻した。
「………会議の場では東を柱から外すべきだと言ったが無理なのは分かっている。ムカつくが柱の中で最強なのはアイツだ」
「はい……一隊士として命令して動いてもらうより、柱として動いてもらう方がいい」
左慈は湯呑みを見ながら話し出す。
「ここまで鬼殺隊を建て直すのに8年かかった。今の柱は前の世代より強い………若い世代に越されるのは情けないがな」
「………俺も左慈さんもまだまだやれますよ」
李和の慰めの言葉に少し笑みを浮かべるがすぐに真剣な表情になる。
「俺たちの目標は月ノ皇の討伐だ。その前に倒さないといけない鬼共がいる」
「『
李和もその名前を出すと目が鋭くなり、殺気が漏れる。
「8年前、六道の鬼に襲撃されて鬼殺隊は壊滅状態になった。当時の柱は全員殺されて、隊士の数も大幅に減った。そして……先代のお館様も殺されてしまった。俺たちの目の前でだ……!」
左慈も当時のことを思い出して力が入り、湯呑みに罅が入る。
「魔都で異変が起きているいま、俺たちも気合いを入れ直すぞ」
「はい」
左慈は立ち上がると李和の肩に手をおく。
「お前は一番にお館様の側にいて守ることを考えろ。折角結婚したのに一緒にいれないのは辛いだろう」
「俺も柱です。そんなことは言ってられません」
「……義務に追われるといつの間にか大切な物を取りこぼしてしまう。俺みたいになるな」
「………はい」
いつも気難しい顔をしている左慈とは打って変わって優しい顔で言われて李和は何も言えなくなる。
柱の中でも年長者組である2人はその後も今後の鬼殺隊について話を進めた。
○鬼殺隊用語
・柱について
紅柱
名前:武藤 剣至
年齢:22歳
備考:使用する呼吸は血の呼吸。魔都を担当する柱であり、魔防隊との連携係になっている。赤みがかった髪色と瞳の色をしている。幼少期に鬼に家族を奪われており復讐心で鬼殺隊に入ったが現在は柱として人々の平和を守るために戦っている。鍛えるために多くの柱、元柱に弟子入りを技を鍛えており一応全ての呼吸を使えるが最も練度が高いのは炎の呼吸。弟子入りをする際に十灼、京香、杏寿と知り合った。恋人は魔防隊六番組組長の天花となっているがもう1人の女性との関係も噂されている。
風柱
名前:藤川 左慈
年齢:36歳
備考:使用する呼吸は風の呼吸。鬼殺隊の柱の中で最も年長者であり翼、李和と共に柱をまとめている。性格は苛烈で自分にも他者にも厳しい。両腕を欠損しているが義手に特殊な日輪刀を装着することで戦っている。日輪刀は籠手に5本の日輪刀をつけた鉤爪のようになっている。
過去に結婚しており、娘もいたが8年前に亡くなっている。
羽柱
名前:翊衣 翼
年齢:33歳
備考:使用する呼吸は羽の呼吸。性格は温厚であり、よく相談をされたり頼られている。児童養護施設を経営しており鬼の被害、魔都災害の子供たちを養っている。実は怒ると1番怖い。
岩柱
名前:北條寺 李和
年齢:30歳
備考:使用する呼吸は岩の呼吸。性格は冷静沈着で柱合会議ではまとめ役をしている。基本的に産屋敷邸に常在して産屋敷 輝倻の護衛をしている。左慈、翼とは先輩、後輩の中で8年前の鬼殺隊襲撃の際に3人がまとめて柱に就任した。輝倻とは結婚して1年目で新婚さんであり、夫婦仲は良好でもはや長年連れ添った夫婦のような空気が流れているとのこと。
鋼柱
名前:ヴァル・ハウンド
年齢:27歳
備考:使用する呼吸は鋼の呼吸。鬼殺隊結成以来初の外国人の柱。ヨーロッパ圏出身で両親がある組織に殺されてしまい、追われて妹と共に日本に亡命した。妹は体が弱く、過保護になっている。一度行われた柱での力比べだと1番になった。
炎柱
名前:煉獄 杏寿
年齢:26歳
備考:使用する呼吸は炎の呼吸。鬼殺隊に長年仕える煉獄家の長女。女性の柱の中では1番の実力者。煉獄家は隊士の基礎教育を行っており多くの隊士の面倒を見ている。剣至、十灼、京香とは姉弟弟子の関係であり、幼い頃からの関係で気にかけている。最近の悩み事は両親からいい人はいないのかと聞かれること。
雲柱
名前:東 十灼
年齢:22歳
備考:使用する呼吸は雲の呼吸。鬼殺隊最強の柱。顔に炎の形をした痣がある。一匹狼の性格で誰も寄せ付けないが兄弟弟子である剣至の言うことはある程度聞いてくれる。実家との関係は自分から絶っているが、母親(風舞希)は気にかけており剣至を通して近況を確認している。
鳴柱
名前:守麗 沙耶
年齢:21歳
備考:使用する呼吸は雷の呼吸。目が怪我により盲目となっているが桁外れの聴覚と空間把握能力により目に見える以上に状況を把握できる。現在、魔防隊に所属している幼馴染と恋人関係であり恥ずかしがる恋人を日々愛でている。
花柱
名前:土浦 燕夏
年齢:16歳
備考:使用する呼吸は花の呼吸。好奇心旺盛で派手好き。天才肌で隆治と同時期に柱に就任した。学校では友達が多く、ムードメーカー的な存在である。なお学校には魔女の末裔やその使い魔など個性溢れるクラスメイトが多数在籍しているとのこと。黒ギャルを目指しているらしい。
水柱
名前:鱗滝 隆治
年齢:15歳
備考:使用する呼吸は水の呼吸。引っ込み思案で若干卑屈。柱の中では1番の潜在能力を持っているがその性格のせいで威厳がない。鬼殺隊に入ってから1年で柱に就任。日々、柱になってから不安になっておりストレス解消のために地元の山梨で趣味のソロキャンプをしているがその時に静岡からの転校生に絡まれてしまった。
・隠について
過去の隠とは異なり隊士のサポートだけでなく、鬼の情報収集、各隊士に連絡、関係各所に連絡など多岐に渡り能力者も多く在籍している。