魔都精兵のスレイヤー   作:マーベルチョコ

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第27話 合同訓練 炎柱 煉獄杏寿VS五番組・七番組

門に着いた剣至だが、天花が名残惜しそうにしていた。

 

「せっかく一緒にいられると思ったのに……」

 

「一緒にって……訓練がメインだからそんな暇ないぞ?」

 

「隙を見てするのもスリリングじゃない?」

 

「……夜雲に見つかって何も出来ないと思うけどな」

 

「……確かにそうだね」

 

簡単に想像できる未来に残念そうにした天花だが、剣至にキスをして見送る。

 

「じゃあ、またねケンくん」

 

「あぁ、天花も訓練頑張れよ」

 

剣至は門を通って現世へと向かった。

 

 

杏寿は日万凛、朱々、八千穂、サハラ、サキと対峙していた。

 

「組長以外の者とは一斉に戦ってもらう。時間が惜しいのでな」

 

そう言う杏寿に八千穂は少し不機嫌そうな表情を浮かべる。

 

「舐められたもんじゃのう。この人数差に対して余裕の態度とは」

 

「八千穂、油断しないで。あの人は十灼と同じ柱なのよ」

 

「分かっておるわ。同じ柱と言えどあのバケモノ外とまではいかんじゃろ」

 

八千穂と日万凛がそんなことを話しながら自分たちの兄を思い浮かべる。

他の2人は実力が未知数な杏寿を警戒しながら準備をする。

 

「非戦闘員である2人は悪いが見学だ。組長はこの後1人ずつ戦おう」

 

探知と治療が主な役割である寧とカイコには杏寿は指導できることは少ないが、戦闘時の見聞を教えるつもりではいる。

そして組長とは一対一での戦いを提案し、2人は了承した。

前衛に朱々とサキが、中衛と護衛として日万凛、そして後衛の八千穂の陣形をとった。

 

「取り敢えずはこの陣形でいきましょう。煉獄さんの実力が分からない今はこの形で様子を見るわ。サキさんもいいですか?」

 

「(コク)」

 

「仕方ないのう!日万凛、しかとと・な・りで!私様を護衛するんじゃぞ!」

 

「隣だったら上手く守れないでしょうが……」

 

共闘できることにテンションが上がる八千穂に日万凛は呆れてしまう。

全員が準備を終えて向かい合い、審判は京香がやることになった。

 

「双方準備はいいか?」

 

「ああ!」

 

『はい!』

 

全員が身構えるの見届けて京香は合図を出す。

 

「それでは……始めッ!!」

 

合図と共に八千穂は早速能力を発動させようと自称雅な構えをとる。

 

(何かされる前に時間を止めて終わらせてやる!)

 

能力を使おうとした瞬間、目の前に木刀が迫っていた。

次の瞬間、木刀は八千穂の側頭部を振り抜き、八千穂は地面に倒れた。

 

「陣形を見れば君が後方で何かを仕掛けるのは分かった。なら狙われるのも必至。自分の身は自分で守れるように地力を上げなさい」

 

八千穂に向かってそう指導するが白目を剥いて気絶してしまった八千穂には届いていなかった。

日万凛たちは冷や汗を流して驚愕した。

全員が杏寿から目を離さず、注視していた。

それなのに気づけば目の前から消えて、一陣の風を感じた瞬間には八千穂が倒されていた。

 

「さあ、次はどうする?」

 

杏寿が固まっている3人に聞くと日万凛がハッとして指示を出した。

 

「朱々と私は前衛!サキさんは援護をお願いします!」

 

その指示に従い、朱々は能力で巨大化し、その肩に日万凛は乗って片腕を機関銃に変化させて杏寿を狙い、サキは両腕をミサイルポッドに変化させていつでも援護できるようにする。

 

「かかってこい!」

 

「朱々!!ぶちかましちゃえッ!!」

 

「うん!!ドォーンッ!!」

 

巨大化した朱々が杏寿目掛けて足を振り下ろす。

隕石が落ちてきたような衝撃が杏寿を襲い、土煙が巻き起こる。

しかし、その中から足を伝って杏寿が駆け上がってくる。

 

「くっ!」

 

日万凛が機関銃で攻撃するがそれを全て見切ってかわしていく。

 

(なんて速度……!十灼ほどまではいかないといってもやっぱり柱!人外じみてる!)

 

そんなことを考えながら攻撃していると杏寿が日万凛に向かって飛び掛かる。

しかし、朱々が腕を払って払いのけようとして杏寿はそれを蹴って距離を取るが、サキが杏寿に向かって複数のミサイルを打つ。

空中にいる杏寿はかわすことは出来ずに受けることしか出来ないが杏寿は笑みを浮かべて焦る様子はない。

 

炎の呼吸 弍ノ型 昇り炎天

 

下から上に向かって円を描くように斬り上げた斬撃が全てを切り伏せた。

爆炎さえも斬撃で巻き込み、杏寿は無傷だった。

 

「強力な銃火器だ!並の醜鬼ではひとたまりもないな!」

 

「っ!」

 

着地した杏寿はサキを見据える。

 

「先に君を倒させて貰おう」

 

杏寿は駆け出し、サキに向かって行く。

サキは両腕を機関銃に変化させて杏寿に向かって放つが全てをかわして防いでいく。

どんどん縮まっていく距離に日万凛は焦りを覚えて、朱々に指示を出す。

 

「朱々!サキさんを援護!私も前に出るから!」

 

「了解!」

 

朱々と日万凛も杏寿に向かうと、それに杏寿は振り向く。

 

「それは悪手だぞ。東妹」

 

杏寿はサキに向かっていた足を逆に朱々に向かって走り出す。

サキは杏寿を狙って攻撃を続けるがその攻撃が間違って朱々に当たりそうになってしまい、攻撃の手を止める。

その隙を見逃さず、杏寿は朱々に向かって飛び上がる。

朱々は慌てて手を上げて防ごうとするが杏寿はそれを叩き落とし、顎に向かって木刀を振るった。

顎を打たれた朱々は脳震盪を起こして膝から崩れ落ちて気絶してしまう。

 

「くっ!?」

 

肩に乗っていた日万凛は崩れ落ちる朱々の肩から飛び降りるがそこに杏寿がわかっていたかのように駆け付ける。

 

「くそっ!」

 

「遅いッ!!」

 

日万凛が抵抗しようとするがそれより早く杏寿は木刀を振るって気絶させた。

そして最後に残ったサキも抵抗虚しく、即座に倒された。

 

「はえー、副組長クラスをあっという間に倒しちゃったよ。皆んな弱くないのにね」

 

「フッ、杏寿さんは実力はそれ程までに高いということだ」

 

杏寿の実力に驚く夜雲に京香は得意気な顔で自慢した。

 

「駿河少女は攻撃力は強いが大振りで雑なところが多い。雑魚相手ならそれでいいが格上相手にはもっと手数を増やすべきだ」

 

「はぁい……うぅ、頭がクラクラする」

 

「東妹は最初の指示は良かったが自分が前に出た瞬間に破綻したな。もう少し後ろに下がり援護、指示出しに徹した方が良かったかもしれんな」

 

「はい!精進します!」

 

「所山女史は逆にもっと前に出るべきだ。折角の高火力、多彩な攻撃方法があるのに勿体無い」

 

「……了解です」

 

それぞれにアドバイスをする杏寿は正しく指導者としての姿だった。

返事をする日万凛たちに満足そうに杏寿は頷く。

 

「うむ、今回の合宿ではまた指導していく。一緒に頑張っていこう。それでは次に誰と戦おうか?」

 

杏寿は控えていた夜雲と京香に目を向ける。

京香が名乗り出ようとしたが夜雲がすかさず名乗り上げた。

 

「はいはーい!次は夜雲さんがやりまーす!煉獄さんのその逞しい技とカラダ、楽しませてもらいますよ♡」

 

「お前な……」

 

夜雲の下心が見え見えな態度に京香は呆れてしまうが杏寿はそれを好戦的な笑みで受け止める。

 

「ふふっ、それは楽しみだな!」

 

 

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