ともあれ閲覧数1000突破、夢の様です、見てくれた皆様に感謝を。
コレ以降も不定期ではありますが、書き続けたいと思う所存ですので、どうか見守っていてください。
あの子、私の顔を見て…長間未旱さん…だっけ。
…そんなことより、お母さんが心配するから帰らないと。
連絡を入れている筈だし、言われた通りの門限にもまだ間に合うから、大丈夫。
「ただいま、お母さん」
「おかえりまふゆ、ちょうど良かった、今お茶入れたから、一緒に飲みましょ」
「わぁ、良い香り、なんのお茶なの?」
「ラベンダーのお茶らしいわ、あまり根を詰めないようにって、螢君から頂いたのよ?まふゆに負けずやさしい子ね」
…螢がくれたんだ、なら、意味があるのかな。
根を詰め過ぎないだなんて、私達には、言ったところで意味なんてないのに。
「そう、螢が…嬉しいな、明日にでもお礼を言っておかないとな」
「ええ、私からも改めてお礼を言っておかないと、螢くんだって大変な時期なんだから」
「うん…おいしいね、お母さん」
なにか…落ち着く気がする…気の、せいかな。
…
「じゃあお母さんはお買い物に行ってくるから、お留守番お願いね?まふゆ」
「うん、行ってらっしゃい、お母さん」
…扉を開けて外へ出るところを見る、お母さんの買い物は少しばかり長い、だからしばらく自室で作業をしていても、バレはしない、と思う。
…いた。
自室に上がり、ノートパソコンを起動しナイトコードを覗けば、螢がミュート状態で作業をしていた。
…ただ無性に、螢の環境が羨ましくなる。
誰かが見ている訳でも無い、
誰かが聞いている訳でも無い、
誰かが期待している訳も無い、
誰も居ないあの場所が。
…くだらない、他人は他人で、そうしても、何かが満たされる訳でもないのに、何を考えているんだろう。
『…雪?どうしたの』
そんなことを考えていると、私のログインに気付いて、螢がミュートを解除して話しかけてくる…この時間帯にいる事が、珍しいのかな。
『ううん、お茶、おいしかった』
『…何回も言うけど、別にそう思ってないなら言わなくて良い。それにアレは一応リラックス効果があるものだったけど、やっぱり効果は薄いね』
リラックス…?落ち着くと思ったけど、本当にあったんだ、じゃあ。
『次から気を付ける…でも、あのお茶を飲んだら、少しだけ落ち着けた気がしたのは、本当、だと思う』
『…そう、なら似た効果を持つモノ、幾つか譲るよ、おばさんに怪しまれない程度の頻度で』
『わかった』
わたしは、この時間が落ち着ける時間だと、そう思っている。
螢は私の全部を見透かして、その上でお礼も何も言わなくて良い、良い子にならなくて良いと言ってくれる、多少強制力が強いと思うが、それでも、私自身をどうやってさらけ出すか、いっしょに悩んでくれるこの時間が、落ち着く。
『…でも、足りなかった』
『要領を得ないけれど』
『アナタとの時間は落ち着く、少しの間、苦しいことも忘れてしまえるくらい、でもそれだけ』
ニーゴの時間も無意味だった、アナタとの時間も無意味だった。
今度は自分自身で音楽を創ろうとしている、螢を巻き込んで、あの何も無いセカイのミクの言葉を信じて。
『そうだね、僕との時間は、君にとって満ち足りていた、それは少なからず伝わっている、同時に足りなかった事も…、だから、僕に音楽を共に創ろうと、言ったんじゃ無いの?』
そう、ただアナタを漠然と巻き込んだ、今度は独りで創るべきなのに…分からない。
『…よく、わからないの』
『そう、もっと、聴かせて?雪』
螢の言葉に従って、さらに言葉を続けようとした時、下から扉の開く音が妙に大きく響いた。
『…お母さんが、帰ってきた』
『…そう、作った曲は、送っておくから、君が考えた歌詞に一番合うモノを探しておいて?無いなら、また作るよ』
『わかった…じゃあ、25時に、おねがい』
その言葉を最後にナイトコードを切ってパソコンを閉じ、並行して行っていた勉強に視線を寄せた。
…今日はニーゴを休もう、そうした方が良いと思ったから。
…
「そろそろ寝る時間だから、あまり根を詰めすぎ無い様にね、まふゆ」
「うん、ありがとう、お母さん」
何度やったか分からない、お母さんとのやり取り、何を感じていたかなんてもう思い出せないけど、このやり取りすら楽しかった、そんな時があったのかな。
「…あったとしても、もう」
言われた通りに勉強道具を片付け、その代わりにシンセサイザーを置き、その横に置いたノートパソコンを起動し直す。
25時まであと少し、この時間で、螢が言っていた曲の選定をしよう。
すでに歌詞は粗方出てきているのだから。
…出されていたものの中には無かった。
自分の胸の中から出てきた言葉をそのまま付けるには、どの曲も、ボヤけて、響くモノはなかった。
そうだ…螢は、最後の一歩を踏み込んでくれない、私を理解しているくせに、その想いをわざとぼやかして、私に何かを探させようとしているのだろうか、だとするなら。
「…なんで、一緒に居てくれないの」
一歩引いて、私を見る事で、いまさら何かが変わると思えなかった。
その姿勢が不快だった、今更気づいて、さらに不快になってしまう。
『早いね、雪』
不快の原因が、来た。
直ぐにミュートを解除して、さっきまで考えていたことをぶち撒けてしまおう、きっと螢は…。
『…アナタは、なんで私の後ろで見てばかりなの』
『…どうしたの?』
『アナタは私を見てはいる、でもそれだけ、踏み込んではくれないし、一緒に無くしたものを、探そうとしていない』
『そうだね、紛れもない、君自身が見つけないとダメだと、そう思ったから』
『嫌だった』
『…』
『嫌だったの、同じ痛みを持っている筈なのに、同じ苦しみを知っている筈なのに、ずっと一人で水中をもがいていた気分だった、アナタはずっと、それを眺めていたんでしょ?』
『もがいたところで、無駄だから』
アナタの全てを諦めた様な声が嫌、未来の私を見ている様で不快だった。
アナタの私を見る目が嫌、まるで私が、アナタの過去の様だから。
『…一緒に、溺れてよ』
『…?』
『一緒に居るなら一緒に沈んでよ、アナタだけ沈んだ訳じゃないのに、アナタだけ一人にならないでよ』
『誰が君を引っ張りあげるの』
『知らない、だから一緒に沈んで?もう、分からなくて良いから』
『…?なに、コレ』
光に包まれる中、不思議そうな声が妙に耳に残った。
…
「ここ…そう、まふゆもなんだ」
抱え込んでいたんだね、どうしようもない痛みばかり背負わせて、君の傷を甘く見ていたのは、僕の責任だ。
この、何もない白いセカイがその証拠だ、だけど。
「だけど、消えるのはダメだ」
共に沈むことは許容できない、それは君自身を消す行為に他ならない。
無論眺めていたつもりも毛頭ない、それはただ一人の君に、さらに孤独を味わわせているのだから。
…伝えたところで目的から外れてしまうから、言わなかったけど、言ってしまえばいいや。
そうやってしばらく歩いていると、やっとまふゆを見つけれた。
「…まふゆ、帰ろう」
「帰ったところで、救われるわけもないのに?アナタの曲だって、何も私の想いに沿わせる事ができなかったじゃない」
返ってきたのは拒絶の言葉、さっきまで言ってた通りに、共に消えて欲しいことは変わらないのだろう。
「…いずれにせよ曲は練り直すよ、君の想いに沿わせた音楽を一曲だけで良い、創ろう?」
「そんな事をしても、コレじゃないって失望するってわかっていても?」
「失望したならそれで良い、大事な変化だから」
「アナタに私の何が…」
「なにも、喋ってくれなければ、僕は何も分からない人間だよ」
「…嘘だ、だってアナタは私のこと」
「何年も関わっていれば、パターンはわかる、幼なじみだもの、だけどわかるだけ、変化してしまえば、その分だけ分からなくなるよ」
何年も変化が乏しかったのは事実、だか、それがここ最近は彼女は変わろうと言う気概を少しだけ見せている、それによって、彼女のパターンにズレが生じているのだ、それはきっと良い傾向だと、信じている。
「私に、変化なんて」
「あるんでしょ、心当たり」
「あったとしても、私は私の変化に気付けてない、分かっていない、そんなのが変化だなんて」
「じゃあ、コレからそれに名前をつければ良い」
螢のキャラというもの、自分で作っておいてなんですが、造形はメタクソまふゆに寄せてはいるんですが…そもそも寄せたまふゆがエアプまふゆだったので、それなり以上のズレも感じております。
キャラ作成、並びにキャラ解釈というものの難しさを感じてますハイ…
学べるご本、BOOK ○FFにあるかしら…。