閲覧数1000を細やかな目標にしてましたが、次は2000、数重ねてさえいれば、達成できるのでしょうか…
「…は?」
怒りと困惑が混じった、まふゆの声を聴いた、良い傾向だと思う。
「…ふざけないでよ!!!」
怒りに支配されたまふゆの声を聴いた、良い傾向だと、そう思う。
「…今更こんな想いに名前なんて付けて、意味があるって、私見つけれるって、本気で思ってるの!?」
こちらを睨み続け、彼女は彼女にとって当然の疑問をぶつけている。
まふゆの疑問は尤もだ、その行為で満ち足りるのなら、その人間の生き方は、苦難に身を捧げる人生だと僕は思う、だからこそ。
「…僕は、それに意味のある行為とは思っていないよ」
それらを意味のない行為だと、言う他ない。
名前をつける事そのものは、日記を付け読み返すように、こんな想いを抱いたと思い出せる以上の付加価値なんて無い。
それはまふゆの苦痛を呼び起こすだけで、事実彼女にとって首を絞める行為そのものなんだと思う。
「じゃあなんで!そんな意味のない事をさせようとするの!?」
ならなんで僕がまふゆに対して
「君に忘れて欲しくないから」
ただ、一度でも抱いた想いを忘れて欲しくなかったから。
「…え」
「一度だって抱いた想いはきっと、その一つ一つはまふゆにとって取るに足らないもので、すぐに忘れてしまうモノだよ」
「…」
さっきまでの怒りは無く、困惑と、期待した目でこちらを見ている。
良い傾向だと思いたい。
「でも、忘れてしまうそれらだって、まふゆの想いだ、忘れてしまえば、その分だけ君の言う、自分自身を見つける事が遠ざかってしまうと考えたから」
まふゆは少しだけ目線を下にして考え込むように口を噤んだ。
…しばらくすると、再びこちらを見て、言葉を続けた。
続けた言葉の答えは既に持っている。
「アナタに、怒った事も?」
「うん」
だって、君はちゃんと怒れた。
「アナタに、失望した事も?」
「うん」
君は失望できた。
「アナタと一緒に底に沈みたいと、本気で願った事も?大事だって、言うの?」
「うん」
君は自分で、誰かと一緒に消えたいと思えた。
それはきっと良い傾向だ、大事なまふゆの思いの丈の一つだ。
僕はそれを嬉しく思う、それがきっと、君が笑えるようになるための大事な一歩だから。
「僕はそれは嬉しく思ってる、だってそれは、分からないと自分で自分を苦しめるまふゆの数少ない、自分を理解できた証拠だと思うから」
「…」
「だからコレから増やしていこう?名前をつけれる想いを、きっと足りないと、苦しむ事になっても」
「…これからこんな想いに名前を付けて、苦しむことばかり増えて、その後はどうするの」
「分からない」
「…分からないなら、アナタもそうやって自分の想いに名前を付けてよ」
「…え?」
「アナタもずっと苦しんで、絶望して、生きて来たんでしょう?私と少し違っても、螢と私はそうやって苦しんで、生きて行こう?」
…言われて、なんで自分でもやらなかったのだろうと感じたけど、でもそれ以上に。
「まふゆがこれから先ずっと、苦しむのは許せない」
「なら、私を救うって
音楽で人は救えない、言葉で人は救えない、触れ合いで人は救えない、時間で人は救えない。
「わかった、約束する」
なら、それら全てを用いれば、人は救えるのか。
答えはまだ見えてないけど、やって見なければ始まらないから。
「…じゃあ、私たちが音楽を創る場所の名前を決めて、アナタが言ったんだよ?これから名前をつけていこうって」
そう言って、こちらがどんな名前をつけるか耳を傾けるようにして、まふゆが待つ。
…言った手前、名前をつけることは苦手なんだけど。
なぜだか霖晴に、自分は淡白だと、名前に頓着が無さすぎると言われたことをついでに思い出す…なんで?
…自分、自分自身。
「…じゃあ、『OWN』で、良い?」
「…2人で、創るのに?」
「…?いずれにせよ、まふゆの想いを吐く場所で、この機会がなかったら、君は自分自身だけでもやっていたでしょ」
途端、あの子がつまらなさそうに身を引いた…つまらないと思ってくれること自体、良い傾向だと思うから良いけど。
「そうね、私はきっとアナタが居なくても、曲を一人で創ってたと思う…『OWN』で良いよ、螢」
「そう、ありがとう」
「そう言えば、螢はここを見ても驚かなかったね」
「似た場所を見た事あるから、驚く要素がなかった」
「…そう、いつか、見せてね」
その言葉を最後に、僕らはセカイを出た。
…
セカイから出てしばらく、僕らは曲を作っていた、歌詞と曲の構想は既に固まっている、だけどまふゆ自身、自分の想いを絵に落とし込む事そのものに少し難儀している様子だった。
『雪、大丈夫?少しだけ、絵に難儀しているようだけど』
『…黙ってて、分からない事ばかりなの』
『…心の底から思ったものを描く、それだけなら技術にこだわる必要はないんじゃないかな』
『そんな簡単に…ううん、誰かに見せるから、曲を作っているけど、たしかにその方が、良いのかも?』
まふゆ本来の性質かどうかは分からないけど、彼女はよく、上手く型にはめようと考え込む。
あの子自身の想いをあるがままに曝け出すこと、それが困難なのは、大凡その性質に由来している。
…思うまま自由に、中学時代に音楽を教えてもらった、女の子を思い出すが、何処かのタイミングで顔を見かけなくなったな、あの子がいたら、まふゆを優しく諭してくれるのだろうか…無い物ねだりか。
『…ほたる、出来た』
『…そう、そう言えば、ミックスはどうするの?』
『こっちでやる、それと、もう終わりで良い?』
『?うん、君のタイミングで良いよ、僕はただ協力するだけだから』
『…ほたるも一緒に曲を作るの、ただ見守っているだけなんて許さない』
『わかってる…ありがとう、ちゃんと巻き込んでくれて、僕自身、支え合う事そのものを理解できていないから、嬉しいんだと思う』
『…そう、私も、さっきみたいに、言葉をぶつける事ができて、嫌じゃ、なかったと思う』
!…まふゆから、そうやって嫌じゃないと聴くのは初めてかもしれない。
やっぱり、ここ最近で、まふゆにとって心境の変化があったのは間違いない、それが負の方向であっても。
『…雪、本当に焦らなくて、良いんだよ』
『…じゃあ、また明日、ほたる』
『うん、また、明日ね』
最後までお読みいただきありがとうございます。
口調が安定しないのはデフォです、割とどうにかしたいですわね。
…後プロフィール系は一度まとめた方がいいですかね?
その場合何処かの前書きで書いたものは消します。