ペンライトの光明   作:ゴリラとの逢瀬

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閲覧数、2000突破!ありがとうございます!

最近、期間を空け気味な私の作品ですが、ここまでの回数を見てくださった方に改めて感謝を、ありがとうございます。

さて、ギター関連を交えると決めた広登君ですが、バンドを現在進行形でやらせるとキャラが大渋滞を起こすので、いわゆる動画投稿系ギタリストに致しました、とは言え、バンド組んでいないと未旱との接点が皆無なので、組んでいた事にはします。


十四話 早退

「あ〜、ココとココの違いって多分、この瞬間に…ん?んん!?螢センパイ早退なのか」

 

 屋上にて一人、練習の振り返りをしてる最中、ふと屋上からの景色に目を向けると、螢センパイらしきシルエットが校門へ向かっていることに気づいた。

 …何で屋上なんかに居るのかって?学校で数少ない、自分の作業に打ち込める場所だからネ。瑞希辺りいるとめんどくさいけど…まぁ補習以外で滅多に来ないし?来たとしても俺が何故か学校に送る羽目になるんよな、稀にだけど。

 

「まぁともあれ、体調不良なんだろ…いやでもセンパイ、それでも授業受けきりそうだよな…じゃあなんだろ」

 

 実際学校の様子たまに見かけるけど優等生で通してるぽいし…え〜、なんか吹き込まれたのかな。

 あの人が誰かになんか吹き込まれて素直に受け取りそうな人は…俺と霖晴センパイと…じゃあ一択じゃん。

 

「…違う違う、ワタシ今振り返り中ネ…この場面の抑揚、何個かの録音したからわかったけど、声のブレ激しくね」

 

 まぁ当然未旱だろうけど、アイツが何吹き込んだらああやって帰るんだ…えー、未旱くらいしか知らないこと?

 

「宮女でなんか起きたとか?そこにセンパイの何があるんよ…じゃなくて、考えるだけ無駄無駄…えーっとブレが激しい理由、理由…」

 

 あ、ここだけ呼吸ミスって無理して声出したからか、こんなの忘れるから一向に歌が微妙なんだよなぁ。

 てか、変に考えるよりはアイツに直接聴けば良いじゃん、スマホスマホ…。

 

「……遅くね」

 

『何よいきなり、告白なら受け付けてないから』

 

 きっしょ頭のネジ飛んだか?

 

 まぁいいわ、さてなんか知ってるだろうか。

 

「風情なさすぎて脈有っても憚られるなそりゃ。螢センパイ帰ってったんだけどなんか心当たりある?」

 

『遠回しに論外って言うな!…てことは条件呑んだんだ?良いじゃんヒロ、アイツ、オフ会来るわよ』

 

 え?話見えてこないけどやったぁ、良い機会だし、その時に色々と話し聞いてみよ…。

 じゃなくて。

 

「螢センパイがいきなり?ドユコト」

 

『ちょっと弱み握って吹っ掛けただけよ、オホホ』

 

 うわ、普通に最悪なこと言ってるコイツ…。いつも思うけど何処からそんなの仕入れてくるんだ、ビギナーズラック連発してるのか?

 コイツ謎に運良いし有り得そうだな、それで即決できる行動力あるし。

 

「うわ、お前最悪…まぁ未旱が吹っ掛けたのはわかったから良いわ、じゃあな」

 

『あっそ?そういやアンタいつになればライブすんのよ、暇なのよ良い加減』

 

「いいだろ別に…、それにスカーライトに無理やり引き込んだのお前だろ」

 

 無理やり距離詰めてきてスカーライトの話を持ち出してきたのはコイツ自身で暇云々言われる筋合い無くないか?今では感謝している。

 それにまぁ動画投稿のキッカケにもなったし、素材の味が活きてる動画とか、鰹出汁オンリーの汁見てぇな編集とかコメントで言われてるけど。

 

『初対面でホイホイついてきたのが悪いでしょ』

 

 は?初対面…初対面はそもそもちゃんと話せてないし、その後暫く喋れてないんだが?コイツ相手に。

 

「初対面?マトモに話せてないじゃ…その日って引き込まれた一ヶ月前なんだが!アホか!?」

 

『ちゃんと話せたのが引き込んだ日なんだから実質初対面でしょ、コミュ障…てかそれで思い出したけど、よくよく考えたらアンタ白石と普通に話してるわね、惚れてんの?』

 

 いきなり何言ってんの!?早よ切りたいのにコイツ放置したら杏に惚れてるとか言う噂が無限に広がるから切れねぇ!そんなの杏に迷惑かかるじゃねぇか!

 

「違うわ!?たまたま話す機会が出来ただけでヒヨる機会が無かっただけだ!あと惚れてないわ!?杏と釣り合わんだろ俺!」

 

 瑞希経由でたまたま話す流れになって自然とこうなっただけなんだが?!

 

『ほーん?つまり白石は広登より下の雑魚と?』

 

「逆ぅ!?どんな思考で今は動画投稿でタラタラしてる俺が絶賛ライブハウスで気張ってる連中より上になるんだよ!」

 

『言うてあのクソみたいな編集でも10万行ってるじゃない自称最強ギタリストさん?私、アンタとはライブあったけど、アンタの居たバンド空中分解したわよね、痴情のもつれで、マジウケる』

 

 コイツいつまで動画投稿用の名前でイジるんだ、マジで…アレで人気出たから変えるに変えれなくなったの笑ってるんだろうなぁ…。

 バンド、バンドねぇ、アイツらがキッカケでライブするの萎えたんだよな、しょうもないキッカケでバンドって分解するんだなって。割と、仲良かった記憶なんだけどなあ。

 

『ちょっと、聞いて…はぁ、ごめんごめんって、地雷踏んだ』

 

「謝るならバンド引き合いに出すなよぉ、はぁ」

 

『悪かったわよ…じゃあ切るわね、後時間大丈夫なの?』

 

「は?」

 

 その言葉と共に、予鈴を伝えるチャイムが響いた。

 …やっばギリギリなの忘れてた!?

 

「あかん!あかん!遅刻だ!」

 

『ウケる、じゃあね』

 

「待てやぁ!?惚れてるとか言い出したお前の所為だろが!」

 

 …言っても仕方ないな?!

 あぁもう、謝ろ!マジで先生に謝ろ!また作文十枚とかごめんだ!

 

 …

 

 …帰って、来はした。

 でも、ここに来て、やれることって何?

 勢いのまま、ここまで歩を進めたけど、まふゆに僕は、何をやれるんだ?

 おばさん…、アレはシンセサイザー?

 誰の…?

 

 まふゆの?捨てるの?

 

「おばさん?そのシンセサイザーは…」

 

「あらお帰り螢くん、貴方も早いのね?」

 

「ええまぁ…えっと、それは…?おばさん、音楽やっていたんですか?」

 

「え?ああコレ、まふゆのお部屋を掃除していたら、見つけてね?お父さんが買ってそのままだったのを思い出して、まふゆも要らないらしいから、捨てるのよ」

 

 おばさんの言う事は、本当によく分からない、暖かいと思えば冷たく、寄り添ってくれると思えば、今度は遠ざかってしまう。

 おかしな人、だからまふゆも…。

 

「そうですか、捨てると言えば資源ごみの日って、いつでしたっけ?うっかり忘れちゃって」

 

 そうだね、コレは多分、あの子にとって大事な物。

 音に、救いを見出したまふゆの、最後の寄る辺にした物の筈だから。

 

「あら、螢くん本当に大丈夫?熱は…無いみたいだけど、本当に気をつけてね?まふゆも同じ症状で帰ってきたから、私心配で…ええっと、資源ごみの日は明後日よ」

 

 そう言っておばさんは心配そうに額に手を当てて熱を確認した、ついでに資源ごみの日も。

 本当に、おばさんの事はよく分からない。

 

「ありがとうございます!…では、感染るものだとマズいので僕はコレで」

 

「ええ、お大事に」

 

「はい…」

 

 そう言って家に入るフリをして隠れる。独り言、都合よく言ってくれれば良いけど。

 

「これの他にも嵩張ってきた物も多いし、明後日にでも業者を呼ぼうかしら、まふゆにも、要らないものかどうかの確認させなきゃ行けないし」

 

 …本当に、都合良く言うなんて、数日家に待機して待つのも考えてたのに。

 まふゆが自分の大切なものを、自分で取り返せるかなんて、僕には分からないから。

 

「いいや、家に入ろう」

 

 家に入る、当然、誰もいない。

 いないはずの家のテレビが一人でについている異常さえなければ、いつもの自宅だ。

 

「…何?」

 

『…』

 

 この時代に似つかわしく無い、砂嵐の音と映像が絶え間なく流れている、薄らと、人のカタチが見えてきた。

 

『…めて』

 

「…」

 

 何か聴こえた、だけど、よく聴こえなかった為、聴こえるように、未だ砂嵐の絶えないテレビに近づく

 

『まふゆを、止めて…』

 

 そう言って人のカタチはコチラに手を伸ばすように蠢いた。

 

「わかった」

 

 それに合わせるように、手を重ねると、セカイに入る時と同じく、眩しい光が目を覆う。

 まふゆは救われなくちゃならない、だから、止めよう。




最後までお読みいただき、ありがとうございます。

まふゆママの立ち位置相変わらず測りかねてますが、まぁはい、善性じゃないならまふゆパパ節穴すぎないか?となるんですよね、ほんと難しい。

ともあれ、やっとこさニーゴユニストの後半まで漕ぎ着けました…さて、どっちにしようか。
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