ペンライトの光明   作:ゴリラとの逢瀬

17 / 17
2000閲覧、投稿したら200近くの方が読みに来てくれる。

あまりにも身に余る、評価をしてくれるなら、尚のこと嬉しい…はかなり我儘ですね。ともあれどんな数値でも評価は嬉しいもので、してくれれば舞い踊りますハイ。

後、第一話の文章を大きく変更しました、何だコレ?となってしまったので。
二話ももしかすると、変えるかもしれません、現状燃え尽きたので書き直す気はないんですが。


十五話 逃走

目を覆う光が剥げた頃、僕はいつか引き込まれた、白一色のセカイに立っていた。

 鉄骨がこの場所を支えるかのように刺さり、黒の建造物が私はここに居るとでも言うように立ち並ぶその場所は。静かで、寂しく、そしてまふゆの危うさを表してると感じた。

 

「またここ…?でも、好都合なのかな」

 

 周りを見渡しながらそう言い、おそらく居るであろうまふゆを探すために走り始めた。

 白、黒、鉄骨。白、黒、鉄骨…。変わり映えしない景色に本当にこの場所にまふゆが居るのかと、そう思ってしまう。

 

「?誰か居る…まふゆじゃない」

 

 そうやって、走りながら周りを見渡してまふゆを探していると、倒れた鉄骨に座り込んでいる白髪の少女がいた。

 何処かで見たような、そうでも無いような、そんな見た目の子。何処となく、ミクに似てるような。

 

『…』

 

「こんにちは!ここに紫髪のポニーテールの女の子、見かけなかったかな?えっと、名前は…」

 

『…まふゆを』

 

「…なんだ!知ってるんだ、お願い、場所を」

 

『まふゆを、助けて欲しい、の』

 

 そう言う白髪の女の子は不安気な顔をして左手で僕の袖口を引っ張り、右手でまふゆが居るだろう方向を指差した。

 助ける、僕に出来るか分からないが、やるしか無い。あの子に、出来る事は、してあげたい。

 

「…うん!勿論だよ、その為に。それがしたいと思ったから。伸ばされた手を取ったんだ。誰かもわからない手を」

 

 そう、学校にいる時のように、変わらない調子で彼女に言う。

 …癖になったこの振る舞い。極端にバレることを嫌がる自分に疑問しか感じないけど、いつか分かる日が来るのだろうか?

 

『…』

 

「あっちの方向に行ったんだね?ありがと」

 

『…アナタは、』

 

「…何?何か用なら、後で」

 

『何であの子を救おうと…』

 

「分からない、でも助けたい人なんだ、それだけ」

 

 白髪の少女の言葉を遮り、理由なんて知らないと言う。

 時間が許すか分からない状況で、名前も知らない子に割ける時間は申し訳ないけど無い。でも…思い当たる節があるなら。

 

「でも…そうだね、昔の記憶を知りたいからなのかも」

 

『……昔の、記憶?』

 

「はは…君には関係無いよ、じゃあ。教えてくれてありがとうね?」

 

 そう言って彼女との会話を切り上げ、指差した方向へ走る。

 …昔の話だ。

 母さんに、折り合いは付けたって、もう心配する必要は無いって言っているのに。

 本当に、未練がましいな。

 

 暫く、指さされた方向に向かっていると、呆然とその場に立っている、見慣れた影を見つけた。まふゆだ、やっと見つけた。

 

「…まふゆ」

 

「…」

 

「…聞いたよ、早退したんだってね」

 

「…だから、なに」

 

 そう言ってコチラを見るまふゆの目は、何も写すことがないガラス玉の様だった。彼女がどれだけ苦しんできたか、もがいてきたか。それでも無駄だと絶望したかが、彼女を知らない人間でも窺えるほどに。

 

「きっと。まだ大丈夫だから、もう少し、一日だけで良い、待ってみたら…」

 

「…だから?もう嫌なの、全部。私の本当の想いは消えたかった事、ミクにも、そう言ったの」

 

 力なく腕をぶら下げ、息を吐くように彼女はそう言った。

 ミク…さっきの女の子だろうか、だけどあの子はきっと、違うと言うだろう。そうじゃなければ、まふゆを助けてなんて言わないから。

 

「消えたい?…あり得ない、人は生きる事が前提にある筈だ、消えたい願望なんて…」

 

「消える事が、救いになる人も居たってだけでしょ、私がそうだっただけ、邪魔するなら来ないでよ」

 

「邪魔なら何で、『OWN』の活動の時、僕を追い出さなかったの」

 

「……本当に、貴方って不愉快。ずっとずっと、一緒にいた癖に、何もしてくれない。何も教えてくれない。人形みたい」

 

 そう言う彼女の顔は全てに絶望した様にも、コチラを恨めしく睨んでいる様にも見えた。

 …不愉快ならそれで良い、時間を伸ばそう。あのミクなら、僕以外にも何処からか助けを呼ぶだろう。

 きっと、僕じゃまふゆは救えないから。

 

「そうだね、きっと人形だ、昔のことも、真っ当に思い出せないような人間は、そう言われて然るべきだ」

 

「そんなところも、不愉快」

 

「きっと、君以外でもよかった、昔を思い出せるなら」

 

「…」

 

「昔を思い出せて、言葉しか思い出せない、お父さんとお母さんの事を、ちゃんと知れれば、きっとまふゆじゃなくても良かった」

 

 …彼女が黙っているのを良いことに。時間を伸ばせさえすれば良いことに。己が考えていた事が溢れ続けている。

 それをすると彼女がどう思うか、分からないままなのに。止められない。

 

「顔も知らない誰かでもよかった、それこそ、母さんでも良かった、おばさんでも良かった」

 

「…るさい」

 

「きっと、それ以外の人でも、良かった。僕にとって、きっと特別は必要なかった、思い出せるのなら、物でも何でも良かったんだ」

 

「うるさい!!!聴きたくない!!!!いつも、いつもいつも!貴方は私を不愉快にさせて……いい加減にしてよ!何もしようとしない癖に!私に全部任せる癖に!寄り添って欲しいのに、近くに、いない癖に…!」

 

 僕が全てを言い終わると同時に、彼女は自身の全部をぶつける勢いで、追い立てる様に僕に怒鳴った。

 …僕が隣に居たとしても、僕がまふゆのことを放っておいて、何かをしたとしても…きっとそれは。

 

「それを、君の許しなくやれば、きっと僕は…君が辟易としてる何かと同じになる、それは嫌だ」

 

「……まだ、言うの?」

 

「言うよ」

 

「一緒に消えてよ」

 

「嫌だ、君は救われなくちゃならない」

 

「消える事が救いだから。消えてよ」

 

「無くなる事が救いで良い筈がない、苦しんだまふゆが、苦しんだまま消える事は合ってちゃダメだ」

 

「…なんで。自分で決めたことも、させてくれないの」

 

「…」

 

 何でも消えたいと言った彼女が、そう言って力無く座り込んだのを見て、僕は何も言えないままだった。

 ただ、傷つけるだけ傷つけて、最後に一緒に消える…ソレは、いいや、ただの自分の我儘なんだろうな。

 

 消えたくなってしまう。でも、まだダメだ。まふゆを助けるまでは、絶対に。

 ああでも、どうしよう。何だか、それが彼女の為なんじゃないか?そう考えてしまう、何かが有る。

 

「…わか、った」

 

 知らない内に、勝手に口を突いて出た言葉は、しゃがみ込んだまふゆの顔に仄暗く、だけど花咲く様な笑顔を浮かばせた。

 …こんなの、見たかったわけじゃないのに。

 

「……あは、そう、なら…こっちに来て」

 

「…うん」

 

 そう言って、伸ばされた手を掴もうとする、その時。

 

「……き!…ゆ…」

 

「…?」

 

 声が聞こえた方向を振り向く。聴き覚えのある声だ、だけど、そんな都合良く、彼女とまふゆが繋がっているなんて…。

 ふと、さっきまふゆが言った言葉を思い出す。『私の本当の想いは、消えたい事』…あぁ、なら。

 

「あの子が繋がるのは、おかしくは無いのか」

 

「螢?どうしたの、早く、側に…」

 

『…っ、まふゆは、本当は消えたいなんて、思ってない!』

 

 追いかけてきたであろうミクがやって来て、まふゆを止めようと声をかける。

 …ミクも来た、彼女も…いや、彼女達も来た、都合のいい事が立て続けに起こっている。なら。

 

「ねぇミク?聴いて、やっと螢が受け入れてくれるの…」

 

 知らずのうちに、声が聞こえた方向を見るのを辞めて、相変わらず心中の事を嬉しそうに話すまふゆを見つめていた。

 彼女達が来るとするなら、きっと、なら。

 傷つける事で、止まるものも、ある筈だから。

 

「ねぇ、まふゆ」

 

「なに?螢…」

 

「僕なんかより、ずっと綺麗な救いが来たよ」

 

「……き!?…」

 

 まだ、遠い、だけど声はよく通る子。

 …あの子なら、どんなことがあっても、直向きなあの子なら、まふゆを任せられる。

 

「…嘘つき」

 

 そう呟いた、彼女を見た。まふゆはこちらに憎しみをぶつけようとしないばかりに睨んでいた。

 

「嘘つき嘘つき嘘つきっ!!中途半端に期待させておいてその仕打ち…!?もう消えてよ!何もしないなら、こんなの、独りと変わらない…!」

 

 一通り怒鳴り、俯いた彼女の下には、水滴がこぼれ落ちていた。

 …傷つけて、止める。言うのは簡単だ、でも、こうやってみると、痛みでどうにかなってしまいそう。

 それとも、どうにかなってしまったから、こんな事ができたのだろうか。

 

『まふゆ…』

 

「…ミク、帰して」

 

『でも…』

 

「いたずらに傷付けてしまったもの、何もしてやれなかったのも、本当なんだから」

 

『…』

 

「…っ」

 

 俯いたままのまふゆを暫く見つめ、その後ミクの手を取り、セカイから出る。

 光が僕を覆う前、長髪の少女の姿が、やっと見えた気がした。

 

 …

 

 消えていってしまう。手を伸ばしても、螢の姿はもうそこには無い。

 ミクが不安そうに私が離れない様に手を握り、隣にいる。どうでも良い。

 嘘つき、嘘つき、貴方なんて、いなければ、私はきっといい子のまま我慢できたのに、あんな所に居なければ。

 私じゃなくても良かったなんて、聴きたくなかった。

 

「…ゆ…き…」

 

 Kの声が途切れ途切れ聴こえる。どうでも良い。

 

「…雪!」

 

 頭に良く響くAmiaの声が聞こえる。どうでも良い。どうでも良いのに、全部、意味なんてなかったのに。

 

「どうせ、また失望するだけなのに、寄り添っても、くれなかったのに」

 

 貴方が、救うって言ったから、ここまで苦しんだのに、今更、逃げないでよ…螢。




最後までお読みいただき、有難うございます。

ハイ、まふゆ発狂回です。以降はほとんどユニストと変わらないので書く必要性の無さと解釈の低さで書くか悩んでいます。迷うホント。

ニーゴミクってこんな感じでいいんでしょうかね?

ホントどうしましょうかね。文章からして迷走しているので…と言うかワンチャン原作の知る流れが乖離してる気がします。
何回も誤字直してますし。焦るの良くないのに。

この作品は未完処理致しました。詳しくは活動報告を閲覧お願いします。

不満、批判、或いは批評、なんでも書き込んでください。色々と考えたいので参考にしたいです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。