閲覧ありがとうございます、この作品の着地点が自分でもよく分からなくなってきましたが、それでもキリよく終われれば良いなと思いました。
〜名前のないセカイ〜
眩しい光に包み込まれた俺の目の前にあったのは、見上げる程に巨大な物置棚だった。
棚に置かれているのはギターや絵画、子供用のおもちゃや、よく分からない本等、様々なものが積まれている。
「相変わらず、雑多と言うか何と言うか…」
てかあんなに巨大なのに崩れてないのが不思議だわ、10mはある棚に隙間なく物置かれてるのに。
『おやおや?広登イラッシャーイ』
げ、この声は…
俺アイツのこと苦手なんよな、言ってることと顔に出てることチグハグだし。
「あぁ、いらっしゃったよ、KAITO」
『うんうん、来たからにはゆっくりしてってね?俺は受付に居るから、欲しいものがあったらいつでもおいで、今ちょっと鍵無くしてるから鍵しまってる箱は開けらんないけど』
そう言って泣いている様な顔で笑う様に喋るKAITOを観て溜め息を吐く、いやコイツの表情と喋ること、チグハグすぎてたまに心配になるんだよな…
「ありがとうなKAITO、ソレとまた表情違うぞ?いっそ手鏡常備したらどうだ?」
『えー、そんなバカな』
そう言って受付の棚から手鏡を取り出し顔を見たKAITOは『あらやだ』と頬に手を当てながら言った。
『マジかぁ、なら手鏡はローブのポッケに忍ばせとこ、ありがとねぇ広登』
足元まである白く、縁に青の線が入っているローブに手鏡を入れ、礼の言葉を続けた。
いやこっちもそんな顔して笑われて?も困るしなぁ。
「気にするなよ、俺もそんな顔で笑われてもごちゃってなるし」
『ハハハ、助かるよ。
ああソレと、未旱が小部屋のソファで作業してるから、気になるなら声かけてあげて?』
僕がやるとちょっとグーが飛んできそうで、と頭の白いベレー帽を抑えつつKAITOが言う。
「いやソレはお前が変なことばっか言って未旱を怒らせるからだろ。小部屋っていつも居る場所だよな?」
『そうだよ、いやあの子の怒るラインマジで分からないんだって、ミクより分かり辛いじゃん』
「最初のコミュニケーションでミスったのはお前だろバKAITO」
『そんな身も蓋も無い…』
そんな世間話をしているとふと、袖を引っ張られる感触を感じ、振り向けばワンピースを揺らしこちらを見るルカがいた。
「ルカさん、どうしたんです?」
『ふふ、広登くんはここに何しにきたのかな、って気になってね?』
「袖引っ張らずに呼べば良いじゃ無いですか…ちょっとびっくりしましたよ?」
『アナタ、女の子に免疫無い癖にお友達になると途端に距離が近くなるじゃない?私も少し、仲良くなりたいなってね?』
ウフフ、と上品に笑い、イタズラが成功した様な表情を浮かべるのは、やっぱりこう、敵わないなと思う訳で。
「そんなまさか…ルカさんは大人の女性で、その、いつまでも慣れないと言いますか」
『そう?そういう事にしておいてあげる。そんな事より未旱の所へ行ってあげて?何か行き詰まってる様だから』
「アイツが行き詰まってる=俺の出る幕そんなになく無いっすかね…行きますけども」
『ええ、お願いね?広登くん』
…
「ア"ァ"〜、メンドくさいわね」
つい溢れた本音を耳に入れつつ、目の前にある作業中パソコンが途端煩わしく感じてくる、家でやった方が捗る日かしら?今日は。
「イヤでも、ここに居るとアドバイザーが来る時があるし、そっち期待した方が良いわね、ナイトコードで集まるのも稀だし」
しかし、そんな四人の気分次第で稀に集まるロクでなしの音楽サークルが、今ではそこそこの人らに認知されるようになったことは、幸運っちゃ幸運よね…最初お兄と螢だけのツーマンセルだった筈だし…
「チッ!要らんこと考えてた…とりあえずまぁ?半分は終わってるけど、サビの部分が…」
『未旱、行き詰まってるの?』
「あら?ミクじゃない、お邪魔してるわよ?」
『うん、いらっしゃい』
ソファの隣に座り、作業中のパソコンを覗きながらミクがそう言った。
てかミクったらいつの間にそこに座ってたのよ
「というか、ミク?いつの間に隣にいたのよ…」
『?「イヤでも…」のところから、アナタたちの作業を見るの、嫌いじゃないから』
黒緑のツインテールを揺らしながら首を傾げて、自分がいつからいたかミクが言った。
…結構前から居たんだ?
「結構前から居たのね…なら声かけても良いのに」
『でも未旱、そうやって声かけたKAITOの顔、殴ってなかった?』
うへ、いつの話してんのよこの子?
「ソレはセクハラ紛いのことを最初にしてきたアレが悪いでしょ、何されるかわかったもんじゃないわ」
『…KAITO自身も後悔してるらしいよ、やらかしたって』
「…あっそ」
…まぁ?ミクに免じて次会う時は多少、話を聞いてやっても良いかもね。
『…じゃあ私は自分の部屋に戻るね』
「そう、ありがとね?良い気分転換になったわ」
ソファから立ち上がり、ボロボロの制服の皺を伸ばすように手で叩き、ミクは自室に戻る旨を伝えた。
自室が二階にあることは知ってるけど、行った事は無いわね、そう言えば。
『…力になれたなら、嬉しい』
相変わらずの無表情でそう言われても若干不安になるだけなんだけど…ミクのことだから、嬉しいって本当に思ってるんだろうけど。
「ん〜…さて、気分転換も済んだし、そろそろ作業に戻ろっと」
というか、サビの部分でいつも行き詰まってる気がするわ、サビじゃない部分はこうパパッと出来るのに…変な話だわ、全く…扉の開く音?ミクかしら。
「お疲れ様、進捗どう?」
アドバイザーがようやく来たわね?これで行き詰まってた所に切り込めるようになるわ、学びにもなるし…
話変わるけど、ここまでやってて飽きがこない趣味も初めてね。
「順調よ、自称最強ギタリストさん?」
「の割にはサビの部分で行き詰まってるようだけど、最強美少女さん?」
「サビなんてのはね、本来慎重になるべきなのよ、ビカビカ光らせて神PVだとか、飾り気がないからこそこのサビのシーンが光るんだ、とか感じ方は人それぞれなのよ」
「長々と言い訳してて草、この曲の演出なら寧ろ眩しくしない方が目立つんじゃない?どうせサビの部分以外、そんなに目立たせて無いんじゃし」
「このチビ…あっそ、そうゆう方向でやって見るわ、家に戻ってね」
「お疲れ様〜」
「アンタも、そろそろ戻って作業なりしたら、前の曲のミキシングまだでしょう?」
螢が基本「君たちのペースで仕上げて良いから」なスタンスではあるが、それはそれとして自分の中で締め切りを決めないといつまで経っても出来ない、そうゆう所が駄々甘なのよねアイツ。
「ざんね〜ん、そりゃすでに終わってるから未旱待ちだよん」
…どうやらこのクソガキに心配は不要だったようだ、アホ広登がよ。
「そう?明日にでも送れるから、期待して待ってなさいよバカが」
「うん、改めてお疲れ様」
「まだやるんだけどね?お疲れ様」
「徹夜は体に良くないから程々にね?」
「心配どうも、お兄にも言ってやってくれる?」
「霖晴センパイに言ってもなぁ…あの人絵に全部賭けてる節あるし、あんま強く言えないんだよね」
「でしょうね…」
そんな会話をしながら、私は『untitled』の再生ボタンを押してセカイから出る…相変わらず眩しいわね、もう。
最後まで閲覧ありがとうございます。
ここ最近強く思うのは書いてて話しが少しも進んでいる感覚がないことで、自身の技量不足を強く感じております…
この作品を見てくださる方々にも申し訳が立たないと言いますか、この流れでこれを言うのは厚かましいというか…
出来たらその、評価してくれると、陸に打ち上げられた魚みたいに喜びます