どう頑張っても主人公がフェードアウトしてしまうんだが!?   作:銀の弾丸

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終わりの始まり

「レキさんとコンビ組むの? えっ、神崎さんは?」

 

「コンビになった上で、パーティ組むならOKだとよ」

 

「なにそれ?」

 

「俺もわからん」

 

 

 てことで出戻り緊急会議。

 原作での遠山ほど拘禁はされないらしい、任務の前後はずっと一緒にいるらしいが、それでいいのかレキ。

 

 

「んーまぁ、こうやって裏方業務してる私には関係ないし、この先にも影響は薄い……いや薄くないけどまぁ無視できるからいいとして」

 

「問題は変わり過ぎた流れのツケだよな」

 

「それなんだよね」

 

 

 はぁ、とため息を吐く霧崎、色々深いな。

 

 

「私たちって正直弱いよね、原作と比べるとさ」

 

「おう」

 

「遠山くんをイッチ、星伽さんは……んーまぁ超能力っぽいのあるし私でいっか。そうやって補おうと当てはめたら、なんかお互い笑えちゃうじゃん?」

 

「お話にならないって意味で、失笑なら」

 

「安心してよそれ私もだから。器用万能Sランクの遠山くんとなんでSになったかもあやふやなイッチに、卑弥呼なんてビッグネームを背負う星伽さんと超能力新人の私」

 

「お先真っ暗だな」

 

「うん、原作どころか私たちの人生すら真っ暗に染まるレベルだよこんなの」

 

 

 今の俺にできるのは真剣白刃取り……それも、両手使うからな。

 つーか指2本で白刃取りはしようと思ってもできないし、まずしようとする度胸はどこからやってくるんだという話である。

 止めれる可能性の方が低いというのに、失敗したら手をバッサリ行かれるんだぞ。

 

 

「真剣白刃取り……あ、真剣白刃取り(エッジ・キャッチング)か」

 

「どっちも正式名称みたいなもんだとは思うがな」

 

「それもそう。……いやあの技は正直やろうと思ってできるものじゃないよね」

 

「わからんぞ、上澄みはあれがデフォルトかもしれん」

 

「頭おかしい」

 

「同感だ」

 

 

 ぶっちゃけるなら、俺が対処するのであれば刃は取るより防弾防刃の制服ごと身体で受け止めた方が早い、だって動けるのに変わりないし。

 バッサリ叩っ斬られるんならまた変わるけど。

 

 

「そう言えばイッチの特技って?」

 

「ん?」

 

「ほら、神崎さんとの戦いの時言ってたじゃん。我慢強さは〜って」

 

「アレか。……言葉の通りだよ」

 

「へー」

 

 

 あの場にお前もいたんかい。

 いやまあ誰がいたとか気にしてる暇はなかったし気付かなかったことに不思議はない。

 

 

「面白いくらいぼこぼこにされてたろ。タフネスしか取り柄がないとああなるぜ」

 

「別に面白くはなかったけど」

 

「そりゃ残念」

 

「でも特典の血筋にしては地味じゃない? 他にあったり?」

 

「地味言うな気にしてんだから。まぁあっても身に覚えはない、今まで」

 

「そっか。でも悪い力じゃなさそうでよかったね?」

 

「は?」

 

「え、だってどんな状況でも手を伸ばしてあげられる力ってことでしょ、それ」

 

「……シンプルに考え過ぎだろ」

 

「もしかして神崎さんとやった時みたいに捨て身しかできないとか思ってた〜?」

 

「なんのことやら」

 

「あっはは〜、流石強襲科(アサルト)、頭強襲科してるね〜」

 

「ひっでぇ。他よりマシな部類だぞ俺は」

 

「否定できなさそうなのがまた酷いよね強襲科」

 

「ノーコメントだ」

 

 

 不知火とかかねまともなの、流石イケメン。

 ニヤニヤすんな霧崎。

 

 

「いやー、頭強襲科には難しかったかなー、にひひ」

 

「……」

 

 

 たまーにちょいちょいいじってくんの何なんだ。

 やってやろうじゃねぇかこの女郎。

 

 

「頭ばっかり栄養使ってっからそんなんなのかね」

 

「は???」

 

「まな板……は失礼かもな」

 

「誰に」

 

「まな板に」

 

「よーし斬ってやる、首を出せー!」

 

「その前に拘束してやるよコラ」

 

「私だってこれでも成長してるんだからねっ!?」

 

「俺だってまともだっての」

 

 

 なんかよくやる流れになったなこれ。

 まあこれくらいふわっとしていた方がやりやすいけども。

 

 

「で、どうするのさレキさん」

 

「組むよ」

 

「……へぇ」

 

「まあ損はしない……はずだ、色々学べるしな狩りのあれこれとか」

 

「意欲的だねぇ」

 

「機会に恵まれたからな」

 

 

 平賀やらレキ、どっちもそれぞれの科でS相当の実力者なんだから、学ぶ相手としてはこれ以上ないだろうさ。

 

 

「推しと組めてよかったね?」

 

「それはまぁ……そんな場合でもないんだが」

 

「私も会えないかなー推し」

 

「誰なんだよ」

 

「んー、内緒?」

 

「隠すことでもないだろこれ」

 

「いいじゃん。知ってたってイッチには関係ないし」

 

「……そうだな」

 

 

 

 

 

「っ   !」

 

 

 走る、走る。

 

 

「逃さねぇっての!」

 

「しつけぇんだよっ! クソがぁっ!!!」

 

 

 レキと組んでからというもの。

 なんか、任務がより過激になりました、うっそだろ。

 

 

「レキのおかげで総合的な差し引きは楽なんだがなっ」

 

『そこを、左に誘導してください』

 

「あいよ!」

 

 

 銃弾を犯人の右手側に撃ち込む。

 するとご覧の通り、当たらないように左側に行くわけだ。

 

 

『その距離を維持してください』

 

「他にはっ!」

 

『障害物が多くなりますが、対象は減速しません』

 

 

『頑張ってください』

 

「……応!」

 

 

 俺がやることはもちろん前衛(フロント)

 狙撃ポイントへの誘導に前線での的だったりと、忙しいっちゃ忙しい。

 だが後方がレキだという安心感はある、流石絶対半径(キリングレンジ)2051m。

 

 

「っと! ほいっ!」

 

「なんだよっ! くそっ!」

 

「山育ち舐めんなっ!」

 

 

 犯人も俺が減速するもんだと思ってたらしい。

 俺は山育ちだからな。障害物避けながら走るのは案外慣れてるんだ。

 

 

「くそっ、くそおおっ!!! なんだよこんな奴らが来るなんて聞いてねぇぞっ!!!」

 

「……」

 

 

 ゴミ箱避けてパイプで飛んで。

 まあ武偵が来るのは予測してたがSランクだとは思ってないと、そりゃあ不幸な油断だな。

 

 

「化け物どもがぁっ!」

 

 

 俺はマシな部類だぞ、とは口にはしないが。

 

 

   私は、一発の銃弾』

 

「……その化け物に、誘導されてるってことは?」

 

   っぅ!? しまっ」

 

『銃弾は人の心を持たない、故に何も考えない』

 

「もう、遅い」

 

 

 そこは、レキの狙撃ポイントだ。

 

 

『ただ、目的に向かって飛ぶだけ   

 

 

     タァン!!

 

 

 あの時と同じ、発砲音。

 対象は……。

 

 

「沈黙。拘束してそっちに向かう」

 

『……』

 

 

 せめて返事はしてくれよ。

 まぁ、なんだかんだと上手くやってる部類だと思われます。

 

 

 

 

 

「……三学期が終わるねぇ」

 

「マジで忙しいが」

 

「お疲れ様。多分2年からもっと忙しいよ」

 

「……」

 

 

 終わるまであといくばくか、と言ったところ。

 正直周りの環境ぐちゃぐちゃ過ぎてなーんもわからん。

 ここに峰が加わるってマジかこれ。

 

 

「過労死だけはしないでよ?」

 

「努力はしよう。保証はしない」

 

「うわ」

 

「弱いからな俺、他より忙しくしてようやく舞台に上がれるんだ」

 

 

 タフだからなんだと、努力したからなんだと毎度毎度ボコされている毎日である。

 アリアがストイックで助かってるわ。

 

 

「さっすが1年の強豪、来年のチーム編成が楽しみだ」

 

「お前は?」

 

「へ?」

 

「お前とて申し分ないだろうよ、てか引く手数多だろ」

 

「あー……」

 

 

 確かにどうしよう、と言ったご様子。

 考えてないんかい。

 

 

「まぁそのうち考える。2年になってからも結構時間あるし」

 

「左様で」

 

 

 本人がそうおっしゃるのならまぁ、いいのでしょう。

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