どう頑張っても主人公がフェードアウトしてしまうんだが!?   作:銀の弾丸

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不思議な関係

「……てなことがあったんだよ、昨日は」

 

「なるほどね」

 

 

 波乱の昼ドラ劇場を見届けた翌日、今は事の顛末をアリアへと伝えている。

 

 

「お前の勘、ほんっとに精度いいよな」

 

「ふふ、そうでしょ? まあその佐々木って子の様子がおかしかったってものあるんだけどね」

 

「佐々木か」

 

 

 間宮とアリア、となると佐々木と星伽は相性ぴったりな気がしなくもないな。

 ……ヒェッ。

 

 

「どうしたの?」

 

「いや……まあ、あんなことがあった以上、仲直りしたとはいえ気まずいものなんじゃないかと……思ってたんだがな」

 

「……そうね、あたしもそう思ってたわ」

 

「あかりちゃんあかりちゃんっ!」

 

「わ、わわわっ!?」

 

 

 階下で繰り広げられ咲き誇る百合の花、というべきか。

 メンタル強ぇなあの剣士、あんなことの翌日に満面の笑みで会いに行けるんか。

 

 

「変な子ね」

 

「間宮も満更じゃなさそうなら、それで万事オッケーって事で良いんだろうよ」

 

「……全部オッケーじゃないでしょ」

 

「は?」

 

 

 おいおい、まだなんかあったか?

 んーしかし言われたことは大抵成し遂げた筈……。

 

 

「その腕」

 

「なんのことだ」

 

「痛めてるんでしょ、隠したってバレバレよ。……全く、あたしの依頼は尾行だったんだから、こんな無茶しなくてよかったのに」

 

「見守れ、ってのが依頼の全容だろ?」

 

「あんたが傷付いてたら元も子もないでしょっ」

 

「悪かったっての」

 

 

 どうやら、俺が腕を負傷したということがあまりよろしくなかったご様子。

 まあこれからも任務一緒にこなすってのに、腕が不自由じゃ困るか、そりゃ怒る。

 

 

「あ、アリア先輩っ」

 

「ほら、お前の戦妹(いもうと)がお呼びだぞ」

 

「あ、こらっ。……もう、察しが良過ぎるのも困りものねっ」

 

 

 の、割には嬉しそうだなアリア。

 とか言うとどやされるからな、心で思っても口にはしないように。

 

 

「いっ……つつ」

 

 

 霧崎にはまーた茶化されたが、腕の怪我。

 正直すっげぇ痛い、がまぁ動くなら問題はない、痛いけど。

 

 

「だ、大丈夫ですか先輩っ!?」

 

「ん? おお大丈夫だよ間宮。てかこっち来たのな」

 

「アリア先輩が、お礼を言っておきなさいって」

 

「別に構わないんだがなそこは」

 

 

 佐々木が怖いし。

 もう一度言うぞ、佐々木が怖い。

 現在進行形でアリアと俺が睨まれてるんだわ、マジでジェネリック星伽だろあれ、血縁関係あったりするか?

 

 

「……石川先輩っ」

 

「おう」

 

「あらためて、昨日はありがとうございましたっ!」

 

「……どういたしまして、かね」

 

「その……傷は、大丈夫ですか。あたしにできることがあれば、何でも   

 

「全然大丈夫だよ。一応あれ、依頼って体だからお前が気にし過ぎる必要はないからな?」

 

「で、でも助けてもらいましたからっ」

 

「お礼目当てで助けたわけじゃなし。返されなくたって俺は困らないっての」

 

 

「こういう時は、素直に助けられたままにしとくのも、だぞ間宮」

 

「……はい」

 

 

 お人好しだねぇ。

 まあ助けられっぱなしってのは落ち着かないってのもわかる、俺もそのままは嫌だし。

 

 

「納得、できてなさそうだな?」

 

「うぐっ」

 

「ま、納得できないならそれでいいだろうさ」

 

 

「他人の言うこと全てが、己にとって納得できる言葉であるわけがない。……からな」

 

 

 

 

 

「よお峰。何の用事だ?」

 

 

 なんか峰に呼び出されまして、学校内で。

 

 

「んっふふ〜。ヨリくんよーく来てくれたねっ」

 

「暇だったしな。……あと俺がお前を避ける理由はない」

 

「そっか〜」

 

 

 こいつのメンタルも相応に強いな? いやまぁ強いか。

 どいつもこいつも悲しい過去持ちやがって、よく頑張ってんな。

 

 

   キーくんが、強襲科(アサルト)に帰ってくるよ」

 

「……へぇ」

 

「自由履修って形で一時的に、って感じなんだけどねっ」

 

「そうか」

 

「……ぜーんぜん、驚いてないねぇ」

 

 

「この話も、イヴイヴから聞いてたのっ?」

 

「大ハズレ。今回はアリアの方だな」

 

「……なーんだっ、つまんないの」

 

「で、それがどうしたよ。わざわざ遠山が戻ってくるのを伝えたかった。だけってのはないんだろう?」

 

「そーだね。率直に言うとイヴイヴのこととか聞きたいなぁって」

 

「俺の弱点にでもなると?」

 

「……んー、まあなったらいいなぁって」

 

「残念ながらならないな。……霧崎のことなら、お前の方が詳しいんじゃないか?」

 

「ちぇっ。……そぉーでもないんだよねぇっ」

 

 

 なんとこの怪盗堂々と弱み握ろうとしてきてやがりましたよっと。

 ここまで真っ直ぐに来られると中々、まあこそこそするだけが情報収取ってわけでもないんだろうが。

 

 

UZI(ウージー)、楽しかった?」

 

「それはもう。ま、あれじゃ足りなかったってことで出直しな」

 

「……ボロボロだった癖によく言うよ」

 

「動くんなら、折れていようがどうにでもなる」

 

「ま、用件はそれだけっ。ばいばーいっ」

 

 

 言いたいことと、聞きたいことだけ聞いて去っていった峰。

 ……ほんっと、どうしようかねあいつ。

 

 

「殺されるつもりもないんだが、どうにもならんのが……」

 

 

 遠山が全部どうにかしてくれたら1番楽だがね。

 ……なんかそう上手くことが運べなさそうなんだよなぁ……何でだろうなぁ……。

 

 

 

 

 

「……あはっ」

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