どう頑張っても主人公がフェードアウトしてしまうんだが!?   作:銀の弾丸

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仲間

『ヨリト! そっちは片付いたのっ!』

 

「全部、問題ない。ただのチンピラにしては数がやけに多かったが」

 

 

 原則2年以上が動け(O2)の案件ってのも納得できるもんではあるんだが、絶対こんなん想定して出してないだろ。

 

 

「そっちは?」

 

『レキがやってくれたわ。凄かったわよ、あたし銃弾撃ち(ビリヤード)なんて初めて見たわよ?』

 

「俺も見たことねぇなそれは、羨ましい限りだぜ」

 

 

 なんだ狙撃銃で銃弾撃ちって。

 跳弾も大概だがそこまでやらなきゃならんのか。

 

 

「間宮たちはうまくやったのか」

 

『ええ、ちゃんとね』

 

「そりゃ結構、将来は有望そうだ」

 

 

 ケースF3Bは誘拐・監禁の案件、しかも2年以上となると難易度はそこそこだ、よくもまあ最善を尽くしたもんだ。

 

 

「しっかし、増援の可能性によく気付いたな、アリア」

 

『可能性なんて大したものじゃないわよ、そういう場合に備えただけ。そうなった時に、あの子たちにはまだ荷が重いじゃない』

 

「まあ、大した武器はないと言ってもな」

 

 

 銃を攫った武偵から現場調達とはまたかなり考えたものである、見習いたいねその柔らかい思考。

 

 

『怪我、もう大丈夫そうね』

 

「前からそう言ってた筈だが?」

 

『そういう時のあんたは言葉じゃなくて動きで判断するのよ』

 

「うげ」

 

『若干、右腕庇いながら動いてたの、バレバレよ。全く』

 

 

 お前は探偵か? 探偵か。

 しかもとびっきりの、相棒がいないだけの天才様だからなアリア。

 

 

『ふふ』

 

「笑うな笑うな。……じゃ、バレないうちに撤退させて貰うぜ」

 

『あ、あたしとレキも行くわ。入り口付近で落ち合いましょう?』

 

「りょーかい。じゃあ後でな」

 

 

 ……間宮の周りはまだ平和そうで何よりだ。

 あいや、事件の規模がってこと。

 『武偵殺し』の事件(ヤマ)は少々重たいもんでね。

 

 

「……雨は、まだ先か」

 

 

 少なくとも、あと一日二日で来ることはなかった筈。

 

 

「いや少なくとも一人はやっべぇのいたわ、間宮のとこも」

 

 

 ん、誰って?

 佐々木。

 あいつちょっと怖えもん、マジで星伽の戦妹(アミカ)になったし、本物の狂愛術(わざ)学んでるし……愛が尋常じゃない。

 

 

「んー……まぁ、行き過ぎたら流石に……かぁ?」

 

 

 注意しとくくらいが賢明かもしれない、俺呪い殺されたくはないんだ。

 

 

「としても、あんまり関わりたくない相手だわな」

 

 

 佐々木や星伽みたいなタイプは、下手に手を出すと刺し殺されかねん。

 やるなら一回か二回でだなぁ。

 

 

「としてもそうそうあっちで出番もないでしょう、俺の戦徒(アミカ)じゃないんだしな」

 

 

 

 

 

 あれから数日後、間宮たちの4対4戦(カルテット)の訓練講師としてお呼ばれされました。

 

 はい。

 

 

「んっふふ〜、楽しみだねぇヨーリくんっ」

 

「……そう、だな」

 

 

 しかも峰と一緒に。

 

 なんでやねん。

 

 

 

 

 

「さっすがりんりん、あたしの教え子だぁーっ」

 

「理子お姉様っ!」

 

 

 峰が自己紹介してる間に経緯をざっと振り返ろう。

 

 まず間宮・佐々木・火野・島の4人はチームだ、俺とアリアとレキと……今のところ一回限りの遠山の4人みたいなもんだな。

 火野ってのは強襲科(アサルト)でBの、結構優秀な奴。

 多分、芽さえ開花すればAもそう遠くないタイプ。

 

 島ってのは……中等部からのインターンで、火野の戦妹らしい。

 で、峰の元戦妹(いもうと)

 

 話を戻すと、その間宮チームとなんかあったらしい……だれだっけな、高千穂だっけ。

 そいつが4対4戦を挑んだ、というのがこれまでのお話。

 

 本当なら、その助っ人として峰がお呼ばれする予定だったらしいのだが   

 

 

「はいっ、それじゃあ皆ちゅうもーくっ!」

 

 

「助っ人はあたしだけでもよかったんだけど、どうせならその手の()()()を呼んじゃおっ! って考えたからさ〜」

 

 

「もう一人、頼もしーい助っ人を呼んじゃいましたぁっ!」

 

「おいこら、変に伸ばすんじゃねぇよ峰」

 

「今の声って……」

 

 

 誰が専門家だよ誰が。

 

 

「あちょっとヨリくん! んもー、せっかくのサプライズだったのにぃ」

 

「ヨリくん?」

 

「って、まさかっ!?」

 

 

 扉の前に立つ峰の後ろから顔を出す。

 

 

「……2年の、石川頼人だ。知ってる奴は知ってるだろうが、よろしく頼むよ後輩たち」

 

「石川先輩っ!」

 

「石川ヨリト……っ!」

 

「ま、まじかよっ!?」

 

「わあぁ〜、ですのっ!」

 

 

 それぞれ反応は四者四様。

 誰が誰とは言うまでもないだろう。

 

 

「2年の鬼才……石川先輩が……」

 

「? なんだそれ」

 

「あれ、知らないのヨリくん。ヨリくんのことけっこー有名だよぉ?」

 

 

   1年の時に、強襲科の主席候補の1人のSランクを、Aランクのままぶっ倒しちゃったんだからさぁ」

 

「……一石の件か」

 

「そうそれっ! 今回の件にぴぃったりだからねっ! ヨリくんも可愛い後たちのために一肌脱いじゃおっ!」

 

「あんまり参考にならんとは思うが、まあ了解した」

 

 

 と言うことである。

 よりにもよってこの組み合わせで? とか言わない様に、俺も散々思ったから。

 

 

毒の一撃(プワゾン)、懐かしいよねぇ」

 

「あれも一年前になると考えると、流石にな」

 

「敵は工事現場だよね?」

 

「だと思うぜ、これ以上ない安牌だしな」

 

「……さーてヨリくんはどうやったんだっけっ!」

 

「わざとらしいな。……別に、変なことは何もしてねぇさ」

 

 

「俺らの場合は、相手に一石以上に警戒しなきゃならん相手も、こっちで1番強かった俺が抜けて困る相手も、一石以外にいなかった」

 

 

「俺が一石を使えるものを全部使って相手して、その間に……ってだけだしな」

 

「ひゅう、かっこいいねぇヨリくん」

 

「茶化すな。……まあ、何度も取れる手段じゃねえが、これが毒の一撃なら王道の戦術でもある」

 

 

 攻め役と、引き付け役、そして防衛役。

 意外性はないが、まあ安定している策だろうよ。

 

 

「かっこいい……」

 

「っ!!! っ〜!!!」

 

 

 ……やめろ間宮感心するんじゃない、いや真面目に聞いてたのは偉いことだがその行為は色々危ない。

 俺が。

 

 

「とまぁ、俺から言えることはたった一つだよ」

 

 

「己の強さと、相手の強さ。そこを比べてどうしても自信を持てないんならこう考えな」

 

 

「これは、個人プレーの場じゃないんだ。卑怯だろうとなんだろうと、チームとして役割としての動きを全うすること」

 

 

「辛くても、それさえできればゴールに辿り着ける」

 

 

「お前らの横には、頼れる仲間がいるんだからな」

 

「「「「……はいっ!」」」」

 

「ま、こんなところで……あとは、峰の意向に従うよ」

 

「……あいっ! 任されましたぁっ!」

 

 

 ビシッと敬礼のポーズを取る峰、よくもまぁ俺を連れて来る考えに至ったもんでこいつ……。

 あれ、俺ほんとに恨まれてるんだよな?

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