どう頑張っても主人公がフェードアウトしてしまうんだが!? 作:銀の弾丸
「意外と重たいな……」
「何か言ったー?」
「……いいえ、何も」
そろそろ『武偵殺し』が本格的に始まるのはいつか、と緊張しなきゃならないなと思い始める時期なのだが。
今までが油断していたとかではなくてな。
「全く、誰のせいでこうなってると思ってんのさイッチ」
「おーおー、全部俺のせいでございますよと」
「わぁ、反省の色が全く見られない発言、流石だなー」
いや悪かったって。
俺と霧崎は今、簡単な任務を称した
何故、そんなことをする羽目になっているのかというと。
「『最近、誰かさん達が消耗品を大量消費しているんですよね』……もー、確信犯じゃんあれさ」
「はは、確実に断れない雰囲気を醸し出してたなぁありゃ」
「笑い事じゃないからね?」
隣の霧崎様はご機嫌斜め、と。
まぁ、他と比べりゃまだまだ可愛らしいレベルの怒りである。
「悪いな、俺のせいで余計な手間かけさせて」
「そこじゃないよっ!」
「は?」
「あの非常勤講師め……」
「非常勤って言うと、小夜鳴か」
「そ、その小夜鳴」
あいつ、原作勢からすると正反対な印象にはそりゃなる。
しかし教師としての奴にそこまで毛嫌いされる様な印象は抱かないが。
「イッチの怪我なんていくら手当てしたって面倒じゃないんだけど、その時に限って、いっつもあいつが出張って来るからさぁ」
「そうなのか?」
「そうなの! ……イッチには言いたくなかったんだけどね」
「毎回毎回、『手伝いましょうか?』『必要なものがあれば言ってください』とか胡散臭い感じで絡んで来るんだよねー」
「……尚更、迷惑かけて悪いなそりゃ」
「イッチは悪くないんだから謝らないでよ。あいつの問題だし」
何が目的なのだろうかね。
まぁそんなところだろうが、ほんと熱心だよなそこら辺。
「最初はなんか来たなーってスルーしてたんだけど、毎度毎度ああやって偶然を装いながら絡まれるとねぇ」
「他の奴らには怪しまれてないのか」
「顔がいいし、その他の行動は模範教師と大差ないからね」
「私に対しても善意とか私贔屓にしてるだけとか、全部めんどくさい方向に邪推されてる感じかなー」
なるほど。
その界隈……ってか、割と有名人だしな霧崎、優秀故に贔屓にされてるだけと思われておしまいな訳か。
Sランクが毎度毎度噂の大部分を持って行くレベルで奇人の集まりなだけで、Aも Bも噂になる時はなる。
「予想以上に迷惑かけてたんだな」
「ん……何度も言うけど気にしないでよね。これが私の役目なんだから」
「おう、ありがとよ」
「お礼もいらないってばー」
俺が前張って、霧崎が後ろで構える、的な感じになってる今。
お互い1番欲しいものが足りてないし、できることを頑張るしかないんだがねぇ。
「……嫌になったら、辞めたいって言って辞めてっても文句は言わねぇぜ」
「 なにそれ」
「ん? ただの独り言だよ」
「独り言で済ませないでよ。そんな言葉、怒るよ」
「悪かったって」
失言だった。
割と冗談のつもりで言ったんだが、冗談にしてもタチ悪かったか。
「……」
「……そうやって無言で見つめるの止めてくれ、下手な言葉より効く」
「はーい。……ああ言う冗談やめてよねー、今ちょーっとピリピリしてるから」
最近、ちょっと失言が多いのが気になるな俺。
いやぁ、単純に思わぬところで地雷とか踏んでて対処のしようがないってだけな気もするが。
「あ、そういえば後輩の子とはどう言う関係なの?」
「間宮か?」
「そうそう、この前の
「お熱いて。……精々が神崎に向ける視線レベルだろ?」
「んー……んー? まぁ、私の見た限りならそうかも」
「後輩だよただの。まぁよく出会うが」
「ただの……? いや、まぁまだまだ全然、健全な方か」
「何の話だ?」
「星伽さんと佐々木さんやばいねって話」
「当たり前だろ何を今更」
「即答なんだ」
「片方のヤバさはよーく知らされたもんで」
「まぁ、うん、どんまい」
「間宮ちゃんって、あんなに初々しい子だったかなー……?」
「もうちょっとだけ、なんかこう……んー」
「何をぶつぶつ言ってんだ」
「大筋には関係ないこと考えてただけ。さて、次はどこ行こっか」
「どこって……買うもん買ったんだ。帰るだけだろ」
「ただ使いっ走りにされたままはなんか嫌でしょ、どっかで小休憩しよう」
「時間指定はされてないが」
「そうそう。遅くなり過ぎたって最悪、私が届ければいいんだし」
「……まぁ、その辺りの匙加減は任せるよ」
「おやおや、素直だねぇイッチ」
「霧崎が良いんなら、それで良いだろ。少なくとも間違っちゃいねぇ」
「お褒めに預かり光栄です?」
「変わらずご助力頼みますよっと」
「……♪」