どう頑張っても主人公がフェードアウトしてしまうんだが!?   作:銀の弾丸

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戦わずして

「   あたしと勝負しなさいっ!!!」

 

 

 人ってのは、何故こうも過程を省略したがるのだろうか。

 時間がないから? まあうん、目の前の奴に関してはそれが1番の要因なんだろうけども。

 

 多分、挑んできた勝負にも何かしらの意図があるのだろう、俺にはちょっと理解が追いつかないが。

 でも。

 

 

「断る」

 

 

 今ここで、お前に割いてる時間はないんだっ、神崎・H・アリア……!

 

 

 

 

 

「ん、編入してくるSランク?」

 

「おぉ〜、ヨリくんでもやっぱり気になるんだ、Sランクともなると」

 

「……まぁそら、多少はな」

 

 

 Sランクの編入生なんて気にならない方が珍しいのではないだろうか。

 だって化け物珍獣だし、大体。

 この前までなら真面目だった遠山ですら色ボケ珍獣枠だからな、おもにヒステリアだが。

 一石は常人ならしないような忙しさを淡々とこなしてる、レキは言わずもがなで、平賀は……。

 あれ、平賀さんって割と良心的なのでは、Sランクじゃなくなったってのはまあそう、でも精々で吹っ掛けと違法改造ぐらいだろ?

 

 

「ヨリくん?」

 

「ああ悪い、考えごとしてた」

 

「んもーう。しっかりしてよねヨリくん」

 

「すまんな。で、新しいSの話だっけか」

 

「そ。なんでもロンドン武偵局で武偵として、ヨーロッパで活動してたんだけど」

 

「イギリス出身なんだな、そいつ」

 

「らしいよぉ。でねでね? そこじゃあ1人も犯罪者を逃したことないんだって」

 

「へえ、そりゃあすごい」

 

「……あんまり驚いてなさそうだねヨリくん、なんかつまんなーい」

 

「そう見えるか」

 

 

 やべ、既知の情報なせいでリアクションにできなかった。

 怪しまれてもいいことないんだが、どうしようか。

 

 

「まあ、その情報先に霧崎から聞いてたからな。99回連続成功だとか、なんとかって」

 

「なーんだ、イヴイヴから聞いちゃってたんだぁ」

 

 

 残念っ、とわざとらしく肩を下げる峰。

 ……いや、嘘なんだがまぁ。

 すまん霧崎、でも神崎の話をしたのは事実だからなんとか誤魔化してくれや。

 

 

「『双剣双銃(カドラ)のアリア』だったかね」

 

「そうそう、笑っちゃうよね」

 

「四本腕なのかと想像はしちまうな」

 

「あははっ、流石ヨリくんおもしろーい」

 

「絶対バカにした笑いだろそれ。冗談だからな」

 

 

 まあとにかくそいつの基本情報なら知ってますよ、感を出しておく。

 ギャルゲー買わされては面倒だし。

 

 

「にしても、遠山の奴はどうしたのかね」

 

「キーくん?」

 

「ああ、最近強襲科(アサルト)に顔出してねぇんだよ」

 

「んー……まぁ、そう言うお年頃なんじゃないかなぁ」

 

「そういうもんかね」

 

 

 忘れてはならないが。

 俺は、俺と霧崎はここの一般学生で武偵だ、いくら未来の情報があったってそれを『知ってるから興味ない』的な対応はしてはならない。

 むしろ積極的にわざとらしく、話題に出して情報集めしてましたー的な風にしないと怪しまれることになる。

 

 

「ヨリくんってキーくんと仲良いの?」

 

「会ったら話すくらいだな」

 

「ほへぇ」

 

「あと最近は模擬戦でよく組まされてたりはした」

 

「なるほどなるほど」

 

 

 実力近い同士で戦わされるもんだろうから納得はしてる、大体ボコボコにされるんだが。

 甘ヒスやめれ。

 

 

「……と、そろそろ時間だから行くわ」

 

「りょーかいっ。またねヨリくん」

 

「おう」

 

 

 

 

 

 時間というのも、今日は任務の日である。

 ……ちょっと厄介すぎるタイプの。

 

 

「……市街地に紛れる犯罪組織のメンバー探しってなんだ」

 

 

 最初に言っておくとこれは合同任務だ、チームは多分どっかにいる。

 念のため荒事に対処できる人員が欲しかったそうな、俺に頼むか?

 だめだまだ他の強襲科(アサルト)のS実質いねぇんだ今、そうだった。

 

 

「長くなりそうだねぇこりゃあ」

 

 

 もう既に放課後に片足突っ込んじゃいる。

 慣れたもんだわ、放課後の時間がなくなるのなんぞ。

 

 

「男たちの特徴は、腕に蛇のような刺青があると……ふむ」

 

 

 ポッと出と言うほど新しいわけでもないらしいがこいつら。

 原作にいたりするんだろうか。

 

 

「でねでね! ここのリーフパイが   」

 

「……ありゃインターンかね」

 

 

 確か、遠山が探偵科(インケスタ)に行く頃に〜とか、霧崎が言ってたのは聞いたが、俺外伝あんまり詳しくないのよな。

 遠山に強いって思わせたなんとかってちっさいのが、神崎の戦姉妹(アミカ)になるお話しでいいんだっけ。

 

 

「世代はあれくらいなのか」

 

 

 霧崎によると『百合のお話』らしい、なんだそらざっくりし過ぎだろう。

 はえー後輩って進んでるのね、俺にはもうわからん。

 

 

「……ふむ、ここにはいないか」

 

 

 まあ例の男たちはいないしさっさと行こう。

 

 

「と、すまん」

 

「あっ、ごめんなさい!」

 

「いや、こっちこそが不注意だった。悪いね後輩」

 

「……って、石川先輩!?」

 

「えっ」

 

「石川って……」

 

 

 あっやべ面倒臭いタイプだこれ   

 

 

 

 

 

「……インターンの行動力ってすごいのな」

 

 

 一般中(パンチュー)出身のくせに無駄に度胸ある奴とか、なんかやべー雰囲気してる奴とか、インターン色々怖い、関わらんとこ。

 

 

「なんか疲れたな……」

 

 

 あの後任務は無事終わらせたんだが。

 妙に濃いキャラしてる面々に絡まれた後に、割と激しい戦闘したせいで気疲れした。

 

 

「あんたが石川ヨリト?」

 

「……」

 

 

 度胸ある奴はいいんだ、差し引いてもあいつは多分良心的だし、武偵高の荒くれなめんな。

 オーラがやばい奴、あれは関わったらまずいタイプだ、間違いない。

 

 

「ちょっと、無視しないでよ」

 

 

 てかそもそも最近疲れが取れんのよな。

 老化にはまだ早い筈だが。

 

 

「ちょっと   」

 

 

 うん、今日は早めに帰宅して寝ようか。

 で、さっきから話しかけて来てるのはどちら様だ。

 

 

「……ん?」

 

「やっと気付いたわね!」

 

「……何の用だ?」

 

 

 あそっか、来てるんだもんな。

 いや今日からかよ。

 

 

「あたしの名前は神崎・H・アリア」

 

 

「   あたしと勝負しなさいっ!!!」

 

「断る」

 

 

 悪い、せっかくのお誘いだが。

 今は都合が悪いんだよ……!!!

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