Wish Upon a Star 100周年の幻覚   作:空っぽのティーポット

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『アーシャのお仕事』

よく晴れた日の下で仔山羊、バレンティノを連れた少女、アーシャが元気に走っていました

それというのも彼女の仕事になっている(・・・・・)観光ガイドは時間は決まっていない

つまるところ毎朝到着する観光船に人が乗っていなければ仕事にならない

 

しかしロサスに置いては責任重大の仕事であると言っていい

毎朝、到着する観光船にはところ狭しと乗り込んでいる人がそれを物語る

 

ガーポ

「アーシャはまだか」

そんな到着した船を誘導する少年、ガーポがアーシャの到着が遅いことに心此処に在らずといった様子です

 

アーシャ

「お待たせ!おまたせ!お待たせ!」

そんなところにアーシャが息も絶え絶え到着したことでガーポはホッと胸を撫で下ろした

 

ガーポ

「よぉアーシャまた愛しのお祖父ちゃんのお世話で遅れたのか?」

 

アーシャ

「えぇ、そうなの・・・あ、いや、違う!じゃない、その」

 

ガーポ

「分かった、分かった、言い訳してもお客さんは待っちゃくれないぞ?」

 

アーシャ

「え?わぁ!Goodmorning!Buenos días!בוקר טוב!صباح الخير!」

 

アーシャは驚きつつ観光客のそれぞれの言語に合わせて挨拶をすると

目の端を通り過ぎるパン屋に花屋、視界を動かした先も色とりどりの景色が広がり華やかそのもの

耳をすませば音に溢れ、鼻に触れるいい匂いの数々、五感で楽しめる国ロサスの観光を始めた

 

ハル

「それでは宿泊される方はこちらへ」

 

アーシャ

「それじゃぁハルお願いね」

 

アーシャの観光案内は宿泊施設の前で終わり、観光客の何名かはそこで待っていたアーシャの友人『ハル』に出迎えられ列を抜けていった。残った『帰国』される方はアーシャに連れられ”また”観光船まで案内されるのだった。

 

 

 

その後も観光は続き

『迎えては案内、宿泊施設の前へ、そして船へ』

『迎えては、観光、宿泊施設へ、もしくは船へと大忙し』だった

 

その日の最後の1団の案内をしている最中、広場に差し掛かった時にアーシャの袖が小さな力で引っ張られた

アーシャは少し驚きながらも案内を切りの良いところで切ると振り返り行った

 

アーシャ

「はい、ここで質問を募集します。何かございますか?」

 

子供

「はい」

 

アーシャは膝を曲げ小さな子供に目線を合わせると「どうぞ」と言った

 

子供

「あの人は誰?」

 

アーシャは振り返ることなくその指されたであろう人物について立ち上がると説明を始めた

服の上からでも分かる肉体美、高身長の上に鎮座する端正な顔立ち、隠したくても隠せないほどの溢れ出るカリスマ、何を隠そう彼こそが『現国王にして建国者』偉大なる魔法使い『マグニフィコ王』その人なのであるーそのことを楽しそうに話すアーシャに子供は続けて質問をした。

 

子供

「あの丸い玉はなに?」

 

アーシャ

「いいところに気がついたね、あれは”願い”よ」

 

子供

「願い?」

 

子供の質問に頷くと姿勢を戻し、観光客全体に向けて”願い”の詳細について話し始めた

 

アーシャ

「そう、あれはこの国に住んでいる人の願いが形になったものなのー18歳の日に王様へと預けられ、月に一度の特別な儀式で叶えられるのよ」

 

観光客が”あれがそうなのか”と関心の眼差しで広場の中央にある彫像に見入っているとアーシャは子供に言った

 

アーシャ

「僕は今日お泊まり?」

 

子供

「うん」

 

アーシャ

「ならとても運がいいわ、今日がその日なの」

 

子供

「その儀式って痛いの?」

 

アーシャ

「そんなことはないわ、むしろ...」

 

 

 

その後何事もなく宿泊施設の前まで到着した観光客を見送ったアーシャの背中に

 

子供

「儀式楽しみ!!」

 

子供の元気が有り余っているといった声が当たった

その満面の笑みにむけて手を振るアーシャは振り返る『先程までの』観光客向けのにこやかな表情から一変、神妙な面持ちで城を見上げた

 

アーシャ

「大丈夫、私ならできる」

 

アーシャは今日、王様に会うことになっていた。それというのもー素直な話、王様も歳である故、この国の行く末を非常に憂いていた。その解決策として『王様は自らの弟子』を募集することにしたのである。アーシャはこの国が、愛する家族や友人が住むこの国を共に支えて行けたらどれ程嬉しいことなのだろうかと真剣な表情の中で『どこかしら』浮かれた気持ちでお城へと向かって歩き出した。

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