異世界転生すると美少女になれるって本当ですか!?   作:DENROK

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本編(ナザリックの統制開始)
5話


 

 

 まるで大きなぬいぐるみの様だった。

 その様に扱われている自覚もある。

 

「あの?」

 

 壊れないように、汚さないように、丁重に動かされた。

 

「えっと?」

 

 いと尊き御身に抱きかかえられると、優しく置かれる。

 そこは、自分が座ることを考えるだけでも不敬に当たる場所だろう。

 

「よし」

 

 深く腰掛けさせられると、丁度両手は肘掛けに乗る姿勢になる。

 そのまま御身は背中を向けて、自分の膝の間に身を割り込ませた。

 

「あの、これは?」

「だって座り心地が悪いのよ。この椅子」

 

 ナザリックの中枢とも言える玉座に対してこの言いよう。やはり至高の御方はすごい。

 

 

 

 


 

 

 

 

 どうみても白骨死体だった。

 しかも晒し者にする類の処刑をされた死体である。

 全身を鎖で雁字搦めにされて、天井から無惨にも吊るされているのだ。

 

「で?」

 

 ソレを脇目に、インランは背中のメイドの感触を楽しみながら、玉座で仕事を熟す。

 

「各階層守護者から聞き取り調査なども行いましたが、ナザリック内部ではご報告するような異常は確認されていません」

 

 白骨死体は人体の構造上ありえないような方向に、鎖から手足が突き出ていた。しかし死体なのだから何も問題はない。

 しかも微妙に震えているが、まあ死体なので問題はない。

 

「それとこちらが、モモンガ様の処遇に対する署名のリストとなっております」

 

「──至高の御方とやらをお許しくださいって?」

 

「その通りでございます」

 

 受け取ったリストに軽く目を通す。視界に重なるように要約が表示されていく。

 ARグラス*1はほぼほぼフレーバーだったが、ここまで完璧に機能するなら、配って歩きたいくらいだ。

 

「ふーん、階層守護者総出ってところ?」

 

「その通りでございます」

 

「パンドラは?」

 

「現在そちらに赴けるシモベはおりませんので、今回の署名には加えておりません」

 

「じゃあ、あたしが行くわ。あんたらを見る限り、放って置くと面倒くさそうだし」

 

 美女はその一言を受けると、敬々しく頭頂部を見せて静かになる。これは行って良いという意味だろうか?

 

 


 

 

「モモンガ様!? 一体何が!?」

 

 埴輪が大仰な動きで踊り狂う。

 

「ややや!これはどういうことです!?」

 

 再びメイドを背に玉座に座れば、よく知るNPCが鼻がくっつきそうなほどに覗き込んでくる。

 

「怒んないでよ。悪いのはコイツよ」

 

「創造主にこの様な仕打ちをされて怒りを抱かないシモベはおりません!……しかしまずは事情を伺いましょう。御二人の姿を宝物殿で拝見する限りは、大変仲睦まじい様子でしたのになぜ?」

 

「こいつレイプの現行犯だから」

 

「……創造主に代わり、深謝します」

 

 結局、件のリストには各守護者の署名が載ることになったが、パンドラズ・アクターの字はとても小さかったという。

 

 

 

 

*1
視力に問題がなくてもメガネを掛けることができる完璧なアイテム

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