異世界転生すると美少女になれるって本当ですか!? 作:DENROK
7話
安物の椅子に座っていると、目の前を荷車が進んでいく。
安全な交易路は金脈だ。口をこうして開けるだけで、ぶくぶくと太ることができるのだから。
「はい次の人」
適当に流して行くと、余り見ない団体に出くわす。
「うお」
漆黒の全身鎧が二つ。
男女で意匠は異なるが、威圧感はどちらも十分。
そして従者の少女。恐らく、いやこれは確実にソッチも仕事に入ってるな。
「あんたら、どこから来たの?それにあんたら、すんごい鎧だなあ」
「ハンターでございます」
漆黒の鎧のうち、女性の方が答える。
ハンター。ハンターか。
「何の?」
鎧の女が動くより先に、従者の少女が先に答えた。
「ドラゴン!」
思わず椅子から転げ落ちそうになった。
「ドラゴン!?どこかにドラゴンが出たのか!?」
ドラゴンは危険だ。種類によるが並の兵隊では全滅もありうる。
「どこで出た!被害は!?」
思わず手元の書類の束を捲ってしまったほどだ。連絡には目を通したはずだが、見落としでもあったのだろうか。
「大丈夫よ。任せて、これまで万では足りないくらいの数を倒してきたわ!」
「ドラゴンを万単位!?」
意味不明すぎる。しかし意味不明が罷り通る集団がこの国には存在するのだ。
「ハッ!? まさか聖典部隊の方々でしょうか!?」
確かにドラゴンなら派遣する理由としては十分か。
そう思うと、この3人組が神々しい存在に見えてくる。
「タイムストップ掛けて」
「了解です」
ともかく、連絡にはない事態だ。どうしたものか。
それだけ緊急性が高い可能性がある。この国は人を守るために存在しているのだから。
「で、聖典部隊って何?」
「さっそく知らない名前が出ましたね」
「口語は問題なく聞き取れるもので良かったですわ」
インラン、モモンガ、アルベドの順番である。
3人とも時間停止に対しては耐性がある。停まった世界でシンキングタイムだ。
男が持っていた紙束を強奪すると、3人で回し読む。全員翻訳アイテムは装備済みだ。
「あ~、うん。平和な街みたいね」
「定期便の内容に指名手配犯の容姿。これなら潜伏するには最適でしょう。どうやら重要拠点ではないようです」
「アルベド、お前なら次はどうする?」
漆黒の鎧を纏う偉丈夫が話を振る。
「皆殺しにして、擬態能力を有する配下たちと入れ替えて偽装すればよいかと」
待ってましたとばかりに、全身鎧の女は実直に述べた。
「悪魔の発想だな」
「至高の御方にお褒め頂けるとは」
「褒めてない」
「え!?」
二人の鎧の肩が叩かれる。
「時間切れよ」
演劇の様に3人は元の位置に戻る。
「おいちょっと待て、聖典部隊って結局何!?」
「あ、ヤッベ、忘れてたわ」
「え?」
静かだが慌ただしい中で、再び時は巡り出す。
ルーレットの結果。
最初に向かう場所→スレイン法国
連れて行くNPC→アルベド
ルーレットの結果を見たときの作者の反応。
「アルベドを!? スレイン法国に!? 人間至上主義の領域に!? 異形種至上主義のアルベドを!? 本気で人外を殲滅するスレイン法国にアルベドを!? しかも最序盤に!?」