夢を見る。
それは楽しかったアビドス高校での1年間にも満たない、梔子ユメとの記憶。
「ひぃん、サンズくーん!聞いてよぉ!!」
「なんだ?オイラは忙しいんだ。手短に話してくれ」
「うわぁ〜、ケチャップボトル片手にグータラしてるスケルトンさんがなんか言ってるよ」
「そうかそうか、それは薄情なやつだな。今すぐにでも叩き起こすべきなんじゃないか?」
「……鏡持ってこようか?」
「……はたらいて…くだ〜さいっ!!」
俺の頭蓋骨めがけて白い物体が高速で振り下ろされる。
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時にはもうすでに振りかぶった相手の隣りに立っていた。
「毎度毎度っ!」
短髪のピンクの髪が小さくなびくと同時に大回りに振り回したハリセンがサンズの顔の……
「・・・ヘヘッ」
1センチにも満たない距離を保って回避する。
力任せに振られるハリセン。
それをふざけた顔で回避していくサンズ。
なぜだろう。ハリセンにしては風を切る音が凄まじい。
少し離れたところにいるユメの髪がこころなしか少し揺れている気がする。
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目が覚めれば、シャーレの休憩室。
あとから穴を埋めるかのように刺繍されているyogubo!のクッションの上で目を覚ました。
「懐かしい夢、見てしまったぜ」
「おはようサンズ」
時計は8:30をさしている。
執務室には不在中にも親身になって仕事を手伝ってくれるミレニアムサイエンススクール・セミナーの早瀬ユウカ
「どうしてそこで寝ていたの?!風邪をひいてしまうじゃない!」
「アビドスから一時的に帰ってきたんだ。仮眠室にお客さんがいたはずだけ…」
「えーっと、確かフリルちゃんだったわよね。可愛い子だったわ〜彼女ならもう学校に行ったと思うのだけれど…」
「へ〜、そうえ?・・・おまえさん、そんな趣味が・・・」
「言い方が悪いわよ!!サンズぅ!!」
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「便利屋68は只今、飲食店『柴関』内に全員います。」
「…ヒナ委員長は?」
「予定通り出張に出られています。しかし、警戒し過ぎなのではないですか?流石にこの量の兵力を便利屋68のためとはいえ、多すぎではないでしょうか?」
「……それだけではありません。ですが、万が一ということもあるでしょう?アビドスの死神なんかが出てきてしまったら勝ち目がありませんから」
青い髪、はみ出たヨコチ…((((((((((
天雨アコ。ゲヘナ学園風紀委員会の行政官。要するに…
風紀委員会のNo.
「それが一体どうしたというのですか?」
風紀委員の一年生が迫撃砲の準備をしながらアコの説明に疑問を飛ばす。
「約二年前に…ここアビドスで多くの賞金首が確保されました。噂によれば七囚人の一人も捕まったという噂があるほど…それほどの賞金がアビドスに支払われました。実際はそれほどの賞金が支払われたというわけであり、実際に七囚人が捕まったわけではありませんでしたけれど…」
「ほ、報告します!迫撃砲の準備が整いました!……しかし、本当によろしいのですか?ここは、アビドスの土地ですけれど…」
「確かにアビドスです。しかしここはアビドスの自治区ではありません。所有権はカイザーにあります。よってアビドスに手出しされる筋合いはありません。それに…本命は便利屋なんて不良生徒ではありませんし…」
えっほん、と軽く咳払いをしてから大きく、すべての現場に出ているすべての風紀委員に聞こえるように高らかに宣言する。
「それではいきましょう!攻撃目標、便利屋68!!……攻撃開始!!」
私は気が狂っていたのかもしれない。
出会いは先生と初めてあったとき、最初はキヴォトスに初めての大人の先生が来たっていう衝撃とその頃のミレニアムの騒動ですでにパンク状態だった。
「わ、私は早瀬ユウカ!覚えておいてください、先生!」
気付いていないわけではなかった。
先生の後ろに青いパーカーを着た短パンでピンクのスリッパ。
あの一日の夜、ミレニアムで何度も何度も過去の資料を漁った。ノアにも協力してもらったけれど、なにか情報が出るわけではなかった。それに、彼女が知らないということがすべてを物語っていたのかもしれない。
ピリリリリリ・・・
「おい、ユウカ。電話だぜ?」
「………は、はい?!…あ、電話ね」
考え事をしていたから不意打ちを食らってしまった。
早速電話に出ると…
『もしもし、サンズ?今すぐアビドスに来れる?・・・いま、ゲヘナ風紀委員会と交戦中なんだ!』
「……?!?!…せ、先生?!あびどすにしゅっちょうとはきいていたけど、ゲヘナと交戦中ってどういうことですか!!」
『そ、その声はユウカ?!・・・なんで、シャーレの電話に出てるの?!てか、なんでいるの?!・・・・・・ってそうじゃない。そこにサンズがいるでしょ?すぐにアビドスに来てくれるように言ってくれない?』
受話器を耳から離しサンズの方に目を向ける。
赤いボトルをまるで飲み物科のように吸い、ケチャップを飲む姿は人とは思えない。…人ではないのだけれど…これはもしかしたら、セミナーの仕事をむちゃしすぎてるのかも…
「サンズ!先生がアビドスで戦闘中なの!助けに行ってあげて!!……って思ったけれど、ここからアビドスって結構離れているじゃない!どうするのよ!!」
「・・・そうあわてるんじゃないぜ。ダイジョーブだ。オイラちかみちしってんだ」
彼は一体何を言っているのだろう。
ポッケに手を入れて、それでなお、背を伸ばす姿は強いとは到底思えない。
「私も手伝うわ!」
「だめだぜ。アビドスとゲヘナの問題にミレニアムまで介入って羽目になったらキヴォトスがどうなるかわからねぇ、それがセミナーの会計担当と言うならなおのこと」
そう言って、サンズは扉から出ていった。
「くっふふ〜♡流石に風紀委員長ちゃんがいないなら、この程度どうってこと、ないかな〜♡」
「ムツキ、油断しないで、イオリが来てる」
「仕事中は肩書をつけないサイト行っているでしょう?ムツキ室長、カヨコ課長。
「死んでください。死んでください。死んでください。死んでください。死んでください。死んでください。死んでください。死んでください。死んでください。死んでください。死んでください。死んでください。死んでください。死んでください。死んでください。死んでください。死んでください。」
「ん、風紀委員会を止める」
「今はそれしかありませんね」
「まとめて、相手しちゃいます!」
「許さないんだからっ!」
アビドス、便利屋のみんなが懸命に戦ってくれているおかげで押されることなく戦えている。
このゲヘナ風紀委員会一個中隊規模を華麗に指揮する人物が後ろにいるのだろ。
“サンズ、早く来て・・・・・・”
「呼ばれて飛び出てなんとやら、ってやつだぜ?」
「「「「?!?!」」」」
「「「「サンズ!(さん!)」」」」
“サンズ!・・・すこし遅くない?”
「へへっ、一日一歩って言うだろ?それに比べたらおいらのほうが何倍も頑張ってると思うんだが…」
サンズはそう言いながら交戦中の間に入って…
「おまえら、さいあくなめにあわされたくなかったら、いますぐひきかえすんだな」
その瞬間、双方の銃声が収まった。