ティターンズブルーアーカイブ   作:毒撒

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急に評価とお気に入りが増えてビックリしてる………俺何もしてないよ???


感想をコメントしてくださった皆様、本当にありがとうございます!作者がどう返信すれば良いか分かっていないだけで、全て見させてもらっています!


第九話  便利屋、襲来

 アビドスの校舎で一泊した、その翌日。

 

「ホシノ、この書類の束にサインを」

 

「へ?」

 

 皆が再び教室に集まり、バスク・オム先生は開口一番にホシノにそう言い、数枚の書類を渡す。当のホシノは呆けながらも書類を受け取り、目を通していく。

 

「あ、あの、先生。今ホシノ先輩に渡した書類は………?」

 

「殆どは各種弾薬の無償提供に関する書類、最後の一枚はシャーレとの相互契約書だ」

 

「シャーレとの契約書………ってことはつまり………!」

 

 ノノミがいち早くその意味を察し、顔を輝かせる。続いてアヤネも「………え、まさか!?」と驚き、シロコも獣耳をピコンとたてる。が、セリカだけは状況を理解できていなかった。

 

「え、何?どういう事?」

 

「セリカちゃん、つまり………」

 

 

 

「簡単に言えば、その契約書に同意し、対策委員会委員長であるホシノがサインをすれば、シャーレがアビドスを全面的に支援する、という事だ」

 

 

 

「え、ほんと!?」

 

「わぁ〜☆先生が手伝ってくれるなら、借金もどうにかできるかもしれませんね!」

 

「本当に良かったです!シャーレに支援してもらえるなんて!………ホシノ先輩?」

 

 

「………」

 

 皆がその意味を理解し喜ぶ中、ホシノだけは、黙々と書類に目を通していた。ホシノのオッドアイは普段からは想像がつかないくらい鋭くなっており、一言一句見逃すまいとその眼光を書類に向けている。

 

「………ホシノ。集中しているところ悪いが、何も今決めろと言っているわけではない。時間のあるときに、ゆっくりと見てくれ」

 

「うぇ?あ、あぁ………うん、そうだね」

 

 バスク先生が声をかけて、ようやくホシノは書類から目を離し、書類をバッグにしまう。

 

 

「………コホン。ではこれから、アビドス廃校対策委員会の定例会議を始めたいと思います!折角なので、先生にも参加していただきたいのですが………」

 

「あぁ、構わないぞ」

 

 アヤネが場を取り仕切り、定例会議が始まった。

 

 

 

 

 

 

………その後、会議に参加したバスク先生のメモには、このような事が書かれていた。

 

 

セリカ案:ゲルマニウムブレスレット 詐欺。却下

 

ホシノ案:スクールバスをハイジャック テロ行為。却下

 

シロコ案:銀行を襲う テロ行為。却下

 

ノノミ案:アイドルユニット結成? 多少はまとも。 保留

 

 

 

 

 

………はっきり言って碌な案が出なかったため、バスク先生は一旦会議を中断するのだった………。

 

 

 

 

 

 

「………ここか、セリカのバイト先とやらは」

 

「そうよ。柴関ラーメン………名前の通り、ラーメン屋さん」

 

 丁度お昼時、バスク先生はアビドスメンバーに案内され、セリカのバイト先であり、お気に入りの店でもある「柴関ラーメン」へと辿り着いた。

………元を言えば、昨日の夕食と今朝の朝食をシャーレから持ってきた携帯食料で済ませたバスク先生を見かねたセリカが、「大人なんだからお金あるでしょ!?美味しいお店知ってるから皆で食べに行くわよ!」と強引に教室から2m近くの巨漢を引きずり出したのがきっかけである。

 

 

「大将ー!皆で来たよ!」

 

「おぉ、セリカちゃん。休みの日なのに顔を出してくれるとは、ありがたいな」

 

 店に入り、出迎えてくれたのは犬獣人の店主「柴大将」。広めのテーブル席へ座るよう促され、一同は席につく。

 

が………。

 

 

「………シロコ、ノノミ。席は空いてるんだ。せめてちゃんと座らせてくれ」

 

「ん、残念………」

 

「あら、じゃあまたの機会に、ですね☆」

 

 ”自分の隣に座れ”と言わんばかりの視線をシロコとノノミの二人に向けられ、たまらずバスクは適切な距離を取る。二人は一旦は身を引いたが、まだ諦めていないようだ。

 

 バスク先生が改めてメニュー表を見てみると、およそ大将が1人で切り盛りしているとは思えない量の豊富なメニューがあり、どれにしようかと迷う。

 

「………セリカのおすすめを聞いてみても良いか?」

 

「おすすめ?やっぱり、看板メニューの柴関ラーメンかな!一杯580円だよ」

 

「ほう………?あまりこういった食事はしないものだが、中々良心的な価格なのだな」

 

 ジャンクフードには疎いバスク先生だが、元の世界ですら中々無い安価さに、思わず声が出る。ひとまずそのまま注文し、皆と会話しながら待つことにした。

 

「そう言えばセリカちゃん、いつの間にバイトなんて初めてたの?」

 

「………実を言うと、始めてからそんなに経ってないんだ。大体2週間くらいだったかな」

 

「いや〜、セリカちゃんのバイトしてる姿とか一回見てみたいよねぇ。ブロマイドにして売ったら需要アリそうじゃない?」

 

「ホシノ先輩、変な副業はやめて下さい………」

 

 

 そうこうしている内に、注文したラーメンがテーブルに届く。

 

「あいよ、先生。柴関ラーメンお待ち!」

 

(………ラーメンなんて、何時ぶりだろうか。それこそ、ハイスクールに通っていた頃に食べたくらいだったか)

 

「「「「「「いただきます」」」」」」

 

 

 

「これは………中々良い味だ。おすすめされるのにも納得できる」

 

「そう言ってくれると、作った甲斐があるってもんだな!」

 

 久々のラーメンの味に、バスク先生は年不相応な喜びを感じた。謙遜なしの感想に、柴大将も笑顔になる。

 

 それぞれが注文したラーメンを楽しんでいるその時、ゆっくりと店のドアが開く。わずかに開かれた扉の間から、紫色の髪の少女がこちらを覗いていた。

 

「あ、あの………ここのお店で一番安いメニューって、お、おいくらですか………?」

 

「一番安いのは、看板メニューの柴関ラーメンだな。一杯580円だ」

 

 少女の問に柴大将が答えると、彼女は驚いた様子で顔を引っ込め、扉を閉めた。一同が首を傾げて数秒後、再び扉が開かれ、今度は先程の紫髪の生徒に加え、3人の生徒が入ってきた。

 

「やっと見つかった、600円以下のメニューっ!」

 

「ふふふ………何事にも解決策はあるものよ。全て想定内だわ」

 

「………社長がもっと計画的にお金使ってれば、こうはならなかったんだけど?」

 

 

 アビドスメンバーは不思議そうに眺めていたが、バスク先生だけは、その四人組に見覚えがあった。

 

 

 隠し持っているサンクトゥムタワーの権限を用いて、各学園を調べていた時に発見した”注意人物リスト”に載っていた危険集団。

 

 金さえ支払えばどんな任務でも遂行する、何でも屋。

 

 

 

バスク「………便利屋、68(シックスティ・エイト)




次回予告

第10話  アウトロー
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