模型屋は異世界にもあります   作:eriza7170

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第四話 仲間となる者たちとの出会い

001

 

「うわーん!店長!カズマが!カズマがぁ!」

 

「アクアじゃねぇか一日と言わず十二時間ぶりくらいだな、あと近づくな、カエル臭い」

 

「お疲れ様っす店長、売れ行きはどうっすか」

 

「ぼちぼちだな、しかしそっちの初戦はボロクソだったらしいな」

 

 

アクアの抱き着きを回避するとズサーと抱き着こうとした勢いで地面を滑るアクアを見ると、なんか笑えてくるのは気のせいではないだろう、無様だ。

 

なんか勢いがあったのはカエルの粘液にすっころんだからだ、何度も言うが無様だ、武器選択をミスしない限りカエルは初心者にも退治できる経験値稼ぎスポットなのだが、彼女にはそうもいかなかったらしい。

 

 

「いや、一応一体は討伐できたんすよ、あとは期限までゆっくりやろうかなと」

 

「討伐できたんならよし、ここでつまずいてたら冒険者なんてできないからな、あとアクア、心配するな、お前のことだから教官の言ったことガン無視したんだろ、バカめが」

 

「だってぇ、神の力がこもったパンチを無効化するなんてぇ」

 

「あいつら正義とか悪とかなさそうだもんな」

 

 

これが悪側に傾いた業を持つ者なら特攻攻撃が入るのだろうが、相手はカエルである、何も考えていないだろう相手に正義とか悪とかない。

 

そんな自分特攻の相手に真正面からぶつかったのは恐れ入る限りだ。

 

 

「まぁとりあえず風呂行ってこい、そのあとは反省会でもしてな」

 

「うっす、よし風呂だアクア!お前臭いから早くはいってこい!」

 

「あー!言ったわねカズマ!」

 

 

乳繰り合いにしか見えない騒ぎ方をする二人をしり目に屋台のカウンターへ戻る、するとそこには一人のお客様がいた

 

THE魔法使いといった様子の少女がいた、杖を支えにケイオススペースマリーンの模型箱を見ていた。

 

紅魔族くらいしかケイオス側に興味を持つ人類が今のところいないのだが、この子もそうなのだろうか?

 

 

「買うか?」

 

「あ、いえすみません、今は手持ちが」

 

「そうか、その場生産も請け負っているから商品切れは心配しなくていいぞ」

 

「ありがとうございます、それでは」

 

 

カツ、カツと元気なさげに歩き去る様子を見ると少々心配になるが、この街の衛兵はくいっぱぐれにも優しいのえ心配はいらんだろう。

と思いつつ今日の売り上げを確認する。

 

 

「召喚する予定のないケイオススペースマリーンが一セットとエリス様像数個、タウのコンパトかぁ、微妙だ」

 

 

アクアによって呼び出し厳禁とされているケイオス軍勢、そしてロボが魅力的なタウ箱だ、一応この世界の理解度的にはゴーレムらしいが、まぁ違いがよくわからん。

金属か土かという問題くらいか。

 

バカデカいゴーレムというのはこの世界にも存在する、それがデストロイヤーというらしい。

 

詳しくは知らないが、なんでも村くらいデカいゴーレムがその辺を歩きながら道すがらすべてを破壊していくらしい。

 

怖いねぇという感想しか浮かばん、そんなのが来たら逃げるに限るだろう。

なんでもアクシズ教というのが以外は逃げるらしい、怖いなアクシズ教。

 

 

「むぅ、プラモ……?エリス様像……スペースマリーン?人類の味方の戦場の天使……」

 

 

なんかもう一人お客様が気づけばいた、今度は騎士甲冑をまとった金髪ポニーテールだ。

明らかに貴族だ、売り込め売り込め。

 

 

「いらっしゃいませお客様、何かご入用で?」

 

「む?店主か、すまんな不躾に」

 

「それなら何か買ってくれると助かる、俺の力になる儀式なのでな」

 

「ほう?不思議な魔術を使うのだな、ではこのエリス様像とスペースマリーンのセットとやらを買おうか」

 

「毎度あり、ついでに筆と色剤をサービスしておきますよ」

 

「それはありがたいな、助かる。」

 

 

なんともまぁ、ハマりそうなお客様だなと思った、スペースマリーンを押し切った買い方をさせてしまったかなと思ったがこうしないと俺が強くならないのだ、犠牲になってもらおう。

 

そんな罪悪感からくるペイント剤のサービスだ、どうせ元はクリエイトウォーターで作った水だしな。

 

スタスタと先ほどの魔法使いと違って礼儀作法に詳しそうな歩き方をする騎士を見送ってから店を閉める準備をする。

 

今日は俺も冒険者としての仕事があるのだ。

 

 

002

 

今回の仕事はゾンビ退治だ、なんでもアクセルには墓場があるらしいのだが、そこでアンデッドという種別のモンスターが沸いて困っているらしいと聞いた。

ゴースト、ゾンビ、そしてその親玉であるゾンビメーカーというのの退治依頼だ。

 

 

「上官、ブリーチャーチーム配置完了しました、続けてパスファインダーチームも配置完了、コマンダーは上官の護衛につきます」

 

「よし、では行動開始」

 

 

今回の仕事は簡単だ、ギルドから配給されたデコイという魔法が込められた魔道具を使用し、そこに寄って来たゴーストやゾンビをタウのレーザー兵器で遠距離から隠れて狙撃しまくるという作戦だ。

あんまりに簡素な作戦すぎてコマンダーに大丈夫か聞いたが、コマンダーはゾンビやゴーストの情報を確認したうえでOKを出したので問題なしと判断した。

 

レーザー兵器により灰となっていくゾンビにうわぁグロいと思いつつ減っていくゾンビとゴースト、ゴーストはサイキック者がいないタウで大丈夫かと心配したが、心配はなかったようだ。

 

光属性と仮定されたレーザー兵器はその威力を、恐れる破壊力によりすべてのアンデッドを破壊していく。

 

ゾンビ1、2,3、と自身の冒険者カードに登録され。こんなに数がいるんだなぁと思いつつブリーチャーチームとパスファインダーチームによる討伐数が増えていく。

 

 

「コマンダーよりチーム全員通達、ゾンビメーカーは確認できたか?」

 

「いえ、ゴーストとゾンビだけしかいません」

 

「ここは外れか、地点Bに移動せよ」

 

「了解」

 

 

ゾンビとゴーストに対する絶滅紛争じみた討伐作戦は順調に進んでいる。

 

作戦が次の段階に進んだとき、異常が発生する。

 

 

「地点Bに移動完了、同時に報告、魔術師のような恰好をした者がゾンビを浄化しています」

 

「同時に依頼を受けた冒険者か?」

 

「ですが仮定ターゲットはアンデッドと判定されています」

 

「アンデッドがアンデッドを浄化しているだと?上官、どうしますか?仮定ターゲットが未知数の存在であるために敵対は愚策かと存じます」

 

「コマンダーがそう判断するならそうなんだろうな、よし、一人選出しその者で会話をしてみてくれ」

 

「チーム全員話は聞いたな、作戦続行だ」

 

 

遠距離から道具屋で買った双眼鏡を片手に会話を行っているチームの一人が話に向かう。

少々驚きはしたようだが冷静にドローンが魔術師のような者との会話を開始させることに成功した。

 

 

『これに話せばいいのですか?』

 

「あぁ、聞こえている、こちらは冒険者藻家京志郎という者だ、依頼を受けてゾンビやゴーストの浄化活動をしているのだが、貴方は何を?」

 

『わ、私はウィズと申します、元ですが冒険者です、私もアンデッドの浄化をしているのですが……』

 

 

話を詳しく聞けば彼女はリッチというアンデッドらしい、冒険者としての教練にある遭遇したらまず逃げろリストに書いてあるアンデッドの王だ。

 

なんでそんなバケモンがチュートリアルの村の立場におんねんとは思いつつ、彼女の立場を聞く。

加えて人類に敵対しない魔王軍幹部らしい、そんな重い設定を軽々しく言わないでもらえないだろうか。

だが彼女の性質は善だ、アンデッドの浄化という依頼にもなるくらいの問題を無料同然でやるあたり人当りもよさそうだ。

 

というか人間ではない冒険者も認めているギルドだから実はそこまで不思議ではないのか?

 

いや魔王軍幹部だぞ冷静になれ自分。

 

 

「では私は何も聞いてません、今回のことは不幸な事故として一緒にそう思うことにしましょう」

 

『え?はい、わかりました、そうましょうか』

 

 

問題解決の手段は一旦の思考停止ということとなった、というかまず魔王軍幹部が見逃してくれると言っているのだから見逃してもらおうという話だ。

そういうことではないかもしれないが、生き残ること最優先ということにしよう。

 

コマンダーが解析した結果では普通のリッチーの数倍は強いということになっていたので、今回は不幸な遭遇ということになった。

 

 

「はぁ……寝よう。」

 

 

俺は宿に帰ることにした、もう疲れたので寝るに限る。

 

藻家京志郎はこの日、絶対に勝てない相手というのを知った。

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