模型屋は異世界にもあります   作:eriza7170

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第五話 爆裂魔法の被害者一号

001

 

>エクスプロージョン!!!!

 

 

そんな目覚ましで最近起きるのが日課な藻家京志郎です。

あまりにうるさすぎる爆発音で起きるのが健康なのかどうなのか悩むが、何言っても止まらない爆裂娘として有名なので何も言えないのが本音だ。

 

戦車砲につめて遠くまで発射してやろうかな

 

さて、そんな気分のままに起きた朝、変わらず俺は屋台ではなく装甲車で模型を売っていた。

 

バイター二名が不定期なシフトになったのでケイディアンは受付として続投だが、特に前と変わったことはなかった。

少々ここで買ってくれる人にいきわたっている感じがするので、売り上げが心配になるかもしれない。

王国にでもいくべきだろうか?

 

ふと、街の外を見ると四名の冒険者が見えた、二名はうちのバイターだったが

 

 

「うぅ生臭い、カエルが生臭い」

 

「カエルって内側は生暖かいんですね、いらない知識が増えました」

 

「お前ら全員何なんだ!?話は聞かずにカエルに突っ込む!一発屋の魔法使い!攻撃が当たらねぇクソドマゾ!」

 

「んん!……できればもっと言ってほしいところだな」

 

 

 

「うわぁ……」

 

あ、お客さまになるかもしれない相手にはドンびいてはいけないだろうが、なんというかあそこまでもれなく問題児な冒険者を見るとうわぁと言ってしまうのは間違いないだろう。

 

一発しか撃てない花火屋、話を聞かない常時混乱状態な女神、パンツ取りの変態冒険者、ドマゾ。

 

なんということだ、俺は混沌を見ているのだろうか。

 

 

「お疲れ様だカズマ、水飲むか?」

 

「あ、おつれかれっす店長……飲みます……」

 

「店長?カズマはここの模型屋に勤めてるんですか?」

 

「一応まだ所属していることにはしているぞ、そこのカズマとアクアはうちの店員だ、短期で不定期だがな」

 

「ぜひ爆裂魔法のエフェクトを作りませんか店長さん」

 

「お前しか買うやつがいねぇからいやだ」

 

「ン何を!?爆裂魔法という最強魔術をマイナー扱いですか!?」

 

「まぁとりあえずコーヒーでも飲んどけ」

 

 

チュートリアルの女神から教わったクリエイト・ウォーターとティンダーを使いホットコーヒーを作成する

冒険の後を落ち着かせるにはコーヒーだ、落ち着くのはカフェインのおかげか、それとも暖かい飲み物だからか

 

あ、なんか覚えられる、といったのはカズマだ、そういえばカズマは冒険者だから何でも覚えられるのか

 

ちょっとうらやましいなと思いつつ、それは隣の芝生が青いといった感じだろう。

 

 

「そういえばカズマは俺のチートは覚えられるのか?一応召喚術という感じにはなるらしいが」

 

「あ、そうなんすか!?それなら俺にも……たっか!?ポイントたっか!?しかも消費魔力もたけぇ!」

 

「そりゃそうでしょカズマ、仮にもチート由来の魔法よ?」

 

「チート?ということは店長はニホンジンなのか、それならオリジナルの魔術を持っていることも納得だな」

 

 

ずずっとコーヒーを飲む、うむ、美味い感じにできた、めぐみんにはミルクと砂糖を入れてやろうとしたら子ども扱いはやめろとばかりに拒否された、悲しみ。

 

 

「そういや屋台やめたんすね店長、なんか戦車じゃなくて店ごとはいる装甲車ってすごいっすね」

 

「そうそう、なんか戦車じゃなくて丸ごと入ったほうがいいだろって思ってな、これでタクシー業するのもありかもな、馬車より早くて安全だ。」

 

「なんかこの世界独自の問題がおきそうっすけどね」

 

 

とりあえずカエルの粘液濡れになってるやつに顔だけでもと思いタオルを渡してやった、粘液濡れになるタオルを見るとうわぁとなるが仕方ない。

 

 

「しかし基本職三名に上級職一名でなんでカエル相手に負けてんだあんたら」

 

「上級職三名です店長……」

 

「マジかお前ら」

 

 

本島に冒険者なのかと疑いたくなる、教官がなぜ冒険を許しているんだとしか思えないが、これは俺が考える問題ではないだろう。

 

 

「まぁとにかくなんかあったら俺を頼れ、こいつらはダメ……かもしれん」

 

「あざっす店長、さっそくなんですが……ゾンビメイカーって知ってます?」

 

「知り合いだな、なんだったらそれ以上のやつとも」

 

「「「知り合い!?」」」

 

「はぁ!?店長どういうことよ!?なに腐りきってる連中と知り合いになってるわけ!?」

 

「見た目は腐ってなかったがなぁ」

 

 

アクアに説明するのはダルい感じがあるが、まぁしておいたほうがいいだろう、あのアンデッドは善き隣人であろうとするタイプのアンデッドだ。

 

 

「まぁ俺には勝てない相手だな、全力の在庫処理しても勝てんよ」

 

「店長が!?あのカエル粉みじん事件を起こした店長でも勝てないのがいるってどうなってんだアクセル!?」

 

「おいマテ、なんだその事件は、いや事実だがやったのはスペースマリーンだぞ、俺じゃないぞ」

 

「知らないんですか店長さん、召喚物が破壊したものは召喚術者の負担ですよ」

 

「そらそうなんだが、まるで俺が手加減を知らないバカみたいなのは嫌だな」

 

「おい、それをなぜ私を見ながら言うのか、喧嘩なら買いますよ店長さん」

 

「売ってないから爆裂魔法以外を覚えろ」

 

「いやでーす!私は爆裂魔法だけでーす!」

 

溜息が混じる光景にまさに困惑気味な藻家京志郎だった

 

 

 

002

 

「暇だな」

 

携帯型のしゅわしゅわを飲みながらお客様を待つ、態度が悪いと言われたらそれまでな仕草だが、特に言われたことはない。

まぁお客様商売という概念がそこまで育ってないからだと思うが、まぁそこは十年後百年後の問題だろう。

最近エクスプロージョンという単語を聞かない平和な日々が続いていたので、なんか気分が落ち着く。

 

 

「おっす店長、今日の売れ行きどうっすか」

 

「まぁまぁってとこだな、最近何故か露出度の高い女性がケイオス勢のフィギュアを依頼してくるくらいか」

 

「露出度の高い女性……?まぁそこはいいんすけど」

 

「よくねぇよ、召喚できるブツが増えねぇことにはケイオス勢を召喚する手段しかなくなりそうなんだが」

 

「アクアにめちゃくちゃ怒られそうっすね」

 

 

やたらと露出度の高い女性、温厚派な悪魔信仰者、人外冒険者が多数を占める、というわけではないが、なぜか半々くらいでケイオス勢と人類勢が売れている、ゼノ勢はあまり売れてない。

まぁ見た目がゼノのようなモンスターが襲い掛かってくる世界でゼノが売れるとは思わなかったが、学校の勉強用や転生者などで買う人がたまにいるくらいだ。

 

打って変わって冒険者などがあまり買わない人が多い、そもそも拠点を持つ冒険者が少ないので複数セットなどで飾りつけなどを行うものなどさらに少ないのだ。

だが縁起担をする者は多いので、一体セットなどをお守りで買う者はいる。

 

そろそろ色塗り体験会などでミニチュアを配ったらどうなるのか、というのも調べる必要があるだろうか?

 

 

「あ、そうだ店長、ちょっと相談なんすけど、店長の乗り物って貸してもらえることってできますか?」

 

「俺以外使えないと思うが、なんだ、どっか遠くの依頼でも行くのか?」

 

「いや、遠くに爆裂魔法を放ちに行きたいってめぐみんが」

 

「いいぞ、暇つぶしになるし、あらよっと」

 

 

ギルド近くの冒険者店で買ったホルダーからスペースマリーンを手に持ち、地面に置く。

最近覚えた詠唱短縮というスキルにより詠唱が短縮され、般若心境くらい長かったのが一言でよくなった

代わりにスキルポイントはほとんど消えたが、あまりはコスト上限解放に回した。

 

 

「皇帝陛下のために!上官殿、ご命令を」

 

「インパルサーの運転を頼むわ、カズマ、到着場所はどこだ?」

 

「あー、地図でいうとこのあたりっすね」

 

「燃料は俺の魔力だから、スペースマリーン、計算上は?」

 

「上官のサイキックであれば問題ないかと」

 

「めぐみんはいつ来るんだ?」

 

「もう来てますよ店長さん、送っててもらえるのはありがたいのですが、この馬車?のようなもので行くのですか?」

 

「馬車じゃなくて装甲車ってやつだな、馬車よりも早くて丈夫だ、たぶん爆発魔法くらいなら余裕で耐えれるだろ」

 

「なるほど……なんでしたらこれが目標でも構いませんよ」

 

「その分ぶっ壊したら容赦なく金をもらうからな俺は、一応言っておくが俺の許可なくぶっ壊そうとしたらその分の金はもらうからな!」

 

「わぁ、店長が珍しくキレてる」

 

「さっさと乗り込め、めぐみんには特等席をくれてやる、ほれゴーグル付きヘルメットだ」

 

「被ればいいんですか?」

 

「ちゃんとつけてないと意味がないから気をつけろよ、残念ながらカズマは輸送員部屋だな、まぁ景色が見えるからそれで我慢してくれ」

 

「俺いります?」

 

「なんかあったら困るだろ万能冒険者」

 

「そー言われるとちょっと照れるっすね」

 

「ダレトクだガハハ」

 

 

全員が乗り込んだところで発信準備完了とスペースマリーンが言う、銃座にはめぐみん、助手席には俺、輸送席にはカズマが乗り込む。

 

速度はそれなりで、と俺が言うとスペースマリーンがエンジンをかける、反重力であるために少々浮かんだあとに発進する。

 

これがすごいことに全く揺れない、まぁそりゃ揺れる原因である地面から浮いてるんだから当たり前か、車酔いにも優しいことだろう。

 

速度はそれなりだ、自動車に慣れてる日本人からすれば、という速度だ、なのでめぐみんが先ほどから大興奮している。

 

 

「すごい!すごいですよ店長さん!馬車よりもずっと早いです!これがドラゴンになる感覚でしょうか!」

 

「ドラゴンはもっと早いんじゃねぇかなぁ、空飛べるほど浮かべねぇし、それにドラゴンならもっと向いてるブツもある」

 

「すごいですね店長さんは!」

 

「して、反対にカズマはどうだ、何か感想はあるか?」

 

「とくにねぇっす、プラモ箱に囲まれてる感覚が不思議っすね」

 

「そうかぁ」

 

 

道中現れるモンスターもなく、ただ十分ほど揺れたところで遠くにデカい城のようなものが見えてくる地点に到着する。

別にナビなんてついてないので目的地周辺です、という単語が流れることはない。

 

 

「目的地に到着しました上官」

 

「わかった、では全員降りるか」

 

 

銃座からすっと装甲車の中を通って降りてくるめぐみん、あくびをしながら出てくるカズマは対比的だ、笑顔のめぐみんがひたすらすごいすごいと言っているのを見ているとまるで年頃の少女を見ている感覚になる。

中二病ではなく頭のおかしい爆裂娘ではない純粋な少女を見る目だ。

 

 

「あの城は昨日からよさそうだと思っていたのです!この距離ならば誰の所有物でないのは明らか!」

 

「そうなのか?」

 

「そうじゃないっすか、知らないっすけど」

 

「ならいいか」

 

 

エクスプロージョン!と叫ぶ少女をしり目にそんな会話が行われていた、スペースマリーンは無言でこちらに砂煙が来た時用のゴーグルをカズマと俺に渡してくれる。

 

 

「さすがの爆裂魔法だ、これが近所で行われないというだけでこれほど素晴らしいとは」

 

「上官殿の仲間であれば当然です、これくらいやってもらわねば上官殿の仲間は名乗れるはずもなく、これほどのサイキック能力があれば皇帝陛下の威厳を指し示せることは間違いないでしょう」

 

「スペースマリーンお前しゃべれたんか」

 

「満…足…でぃす…」

 

「ゴーグルがすげぇたすかる」

 

 

そんなこともあり、俺はスペースマリーンとカズマと主役めぐみんを運ぶ日常を過ごすこととなる。

 

雨の日も、風の日も、寒い日も、暑い日も。

 

モンスターがわかない日が続く中、プラモデルが売れたり、売れなかったりする日にち、なかなか良い気分転換になったのは間違いないだろう。

 

そんな日が続く中、非日常が巻き起こった。

 

 

 

002

 

『緊急!緊急!至急冒険者は装備を持ち正門までお願いします!市民の皆様は正門から離れ避難してください!』

 

「なんだなんだ、じゃあ俺たちも非難するかケイディアン」

 

「いや上官殿冒険者でしょ、ほら、行きますよ」

 

 

そういやそうだったと思いつつ、ケイディアンはラスガンを装備し、俺はスペースマリーンを召喚し、倉庫と化したインパルサー装甲車を運転し正門へと向かう

 

助手席から眺めるのでは遠いと思いケイディアンとスペースマリーンを伴い正門へと近づくと、正門に向かって怒号を飛ばしている者を見つける。

 

 

「俺の城に毎日毎日マァイニチ!!!!爆裂魔法を放ってくるバカはどこのどいつだあああああ!!!!!!!」

 

 

 

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