模型屋は異世界にもあります   作:eriza7170

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第七話 キャベツ

『緊急!緊急!至急冒険者は装備を持ち正門までお願いします!市民の皆様は正門から離れ避難してください!』

 

「なんだなんだ、じゃあ俺たちも非難するかケイディアン」

 

「いや上官殿冒険者でしょ、ほら、行きますよ」

 

 

まるで数日前と同じような仕草で正門へと向かう装甲車に乗る、今回違ったのは冒険者がどこか軽装なところだろうか?

ところどころ虫網を持っている者さえいる、その光景に困惑しているのは俺と召喚物とカズマだけだ。

 

 

「まるで祭りの余興のようなテンションの者さえいる、どう言う状況なんだ?」

 

 

装甲車から降りながら困惑しているカズマの近くに行く、どういう状況にあるのか知るためにはこの世界をよく知るものが必要だ。

要するにアクアに聞けばいいだろうと考えた、それはあっていたらしい。

 

 

【冒険者の皆さん!キャベツです!シーズンをちょっと外れましたがキャベツが現れました!】

 

 

「なんでキャベツが飛んでんだよ!!!どうなってんだこの異世界!!!!」

 

「うわぁ、信じられん光景だ」

 

「どんな惑星に行ったってこんな状況にある惑星はないでしょうな」

 

 

ラスガンを構えてキャベツを撃ち落としている戦車兵ケイディアン、その撃ち落としたキャベツを回収するギルドの者。

 

キャベツを追い回すもの、キャベツに倒されるもの、キャベツを素手でつかみギルドの回収箱に投げ入れているスペースマリーン。

 

ちなみに先ほど彼は小口径が良いだろうと選択した75口径ボルトガンでキャベツを粉にし、チェーンソードでキャベツを廃棄物と化し、今は手づかみ&投げ入れで対応している。

スペースマリーンにとって75口径は小口径なのだ。

 

 

「タウ……はやめておくか、人類側が二名いるし、なら援軍を追加だな。」

 

 

俺は変わらず土をいじるだけだ、これはこの世界に来てから何も変わらない。

戦って、売って、強くなる、その輪廻にとらわれた俺の仕事だ。

 

とりあえず俺は人型を作った、製作スピードを高めるスキルを習得したおかげでかなり製作が早くなった。

色塗りも同じく早い、総合的なスキルだ。

 

 

「皇帝陛下のために!なんでキャベツが空飛んでんだ!?」

 

「いいから撃て後輩!このキャベツは俺たちじゃ買えないくらい高級らしいぞ!」

 

「ぶべら!」

 

「体当たりしてくるなんて!いつからゼノはこんな兵器を!?」

 

 

作っては召喚し、作っては召喚する、その分俺の討伐記録が増えていく、なぜかはわからないが捕獲も経験値となるらしい。

不可思議な世界だが、まぁそんな世界が一つくらいあったっていいのだろう、日本人特有の感覚だろうが。

 

だからといって食われてたまるかとキャベツが襲い掛かってくるなんて信じられない光景だが。

 

先ほどまで驚愕していたカズマがスティールでキャベツを乱獲しているのを見ると彼は慣れるまでの速度が速いのがわかる。

 

 

「上官殿!報告です!うわぁキャベツが!」

 

「どうしたケイディアン一般兵、なにかあったか?」

 

「キャベツにつられてやってきたゼノの大群が接近中です!」

 

「それなら心配いらん、雑魚にはかまうな、専門家がいる」

 

「そうです、真打登場!キャベツは一体もつかまりませんが大群が相手なら私の爆裂魔法が放てますよ!」

 

 

黒より黒く、と詠唱を開始するめぐみんを見て冒険者が全員戦線から一歩遠ざかった。

このあたりの連携ができないとキャベツ狩りなんて夢のまた夢なのだろう

というか金の亡者すぎて誰もかれもが無意識化での連携を選んでいるといったほうが正解だと思う。

 

金は欲しいが、そこまで目がくらむのだろうか?

 

 

【エクスプロージョン】

 

 

轟音と爆音が響き渡ると同時に先ほどまで存在していた大群はもはや全滅に近い損害になっていた。

やはり対集団と対ボス戦には強いなぁと思う、思うが一発はなったら動けなくなるのはもはや産廃だろう。

誰だそんなエクスプロージョンを教えたバカは。

 

 

「うーん95点」

 

「相変わらず辛口ですね店長さんは」

 

「自分じゃだいぶ甘いと思うがなぁ」

 

 

やることもないのでめぐみんを背負いながら後ろへと下がり、ケイディアンやスペースマリーンの様子をめぐみんと共に見学していた。

なんか悪い気がしているが、そもそも魔力を使って動かす召喚術師の戦い方とはこう!と過去召喚術師をやっていた者の自伝録には書いてあった。

 

まぁその者の最後は暗殺者に狙われるというとんでもないものだった、ので護衛代わりに最近はケイディアンとスペースマリーンが寝ずの番についてくれている。

一定の魔力が回復しないという弱点はあるが、俺の安全のためだ、仕方ないだろう。

ほんと二人の忠誠度で助かっている部分がたくさんある。

 

 

 

002

 

「豪遊だああああ!!!」

 

「うるさいぞカズマ、飯は静かに食え」

 

「はぁ……このマナタイトの輝き!素晴らしい!」

 

「なぁ店長とカズマ、見てくれ、鎧を新調したんだが、二人から見てどうだ?」

 

「なんか成金が買う鎧って感じ」

 

「言い方がひどいぞカズマ、まぁ貴族みたいに華やかだな」

 

「そ、そうか、貴族みたいか、そうか」

 

「なんでそこで言いよどむんだ」

 

 

キャベツ狩りが終わり、召喚物も宴を楽しんでいる最中だ、何故か酒を飲むことができるらしい。

とりあえず討伐というか捕獲というか収穫した報酬の中からお小遣いという形でケイディアンには渡してある。

スペースマリーンはさっさとミニチュアに戻ってしまった。

 

 

「なんでキャベツがこんなに美味いんだ」

 

「確かに美味いな、昔農家から産地直送されたキャベツを食ったが、今はそれ以上のうまさのキャベツに困惑してる」

 

 

ちなみにケイディアンはケイディアンでコミッサーがいない!と叫びながら酒を飲みまくっている、やはり別次元から俺が呼び出しているのか?と錯覚したくなるが、そうではないらしい。

チートの女神はそう言っていた、あくまで俺が思う想像したやつがミニチュアを元に生まれてくると。

 

まぁ日頃の感謝を忘れないために宴は必要だろう、あとでタウの分の宴も必要かと思ったがあいつら大善大同だから宴とかするのか?

わからん。

 

 

「しかしキャベツがうまい、食えば食うほど強くなるのにさらにおいしい、最強だな」

 

「俺はこの世界に来てから野菜が苦手になりつつあります……なんで動くんだよ……動くなよ野菜が……」

 

「野菜は飛ぶし暴れるし、サンマが畑から取れるからな、サメは飛ぶしマグロも飛ぶし」

 

「こんな世界来るんじゃなかった!チクショウ!しゅわしゅわだ!シュワシュワもってこい!」

 

「やけ食いだな」

 

 

フォークでキャベツの破片を刺し、口に運ぶ。

芳醇な香り……香り?と甘い濃い味がこれをキャベツだと脳みそに理解させないくらいおいしい。

 

野菜は体のためになる、そう理解した俺だった

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