模型屋は異世界にもあります   作:eriza7170

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第八話 同じ世代の転生者

001

 

「よぉカズマ、ついに女神を売りに出すのか?残念ながらこの世界に奴隷制はないぞ」

 

 

オリの中の女神、これでもかと笑いを誘う見た目だ、何故檻の中にいるのかがわからない。

 

 

「いや、違うんすよ、今回受けた依頼で使うんすよコイツを」

 

「ねぇカズマ、店長さんが言ってる通り私なんか売りに出される珍品みたいな気分なんですけど」

 

「檻の固さはギルドのお墨付きだから大丈夫だろ、ほら行くぞ」

 

「依頼内容って何があったんだ?」

 

「湖の浄化っすね、こいつ水の浄化魔法を使えるんでモンスターが寄ってきても大丈夫なように放置しようかと」

 

「頭いいなカズマ、アクアも頑張れよ」

 

「ねぇ店長さん!?私の護衛についてくれない!?今ならアクア印の聖水もついてくるわよ!?」

 

「いいなそれ、遠距離からの攻撃ならうちの召喚物の得意分野だ」

 

 

店を畳み出発の準備をする、檻を引っ張る構造上今回はゆっくり目にインパルサー装甲車が移動することになるだろう。

運転手のスペースマリーンにはそう伝えておく。

 

今回銃座席にはカズマが乗り込む、カズマなら狙撃スキルでいい感じの狙撃もできることだろう、ヘヴィーボルターがそんな精密射撃ができるかはおいておいてだが。

 

助手席には俺、乗り込み席にはダクネスとめぐみんが乗り込み、檻にはアクアが入っている、今回は檻は引っ張る形だ

 

 

「全員乗り込んだか?」

 

「あ、今回はまたそのソウコウシャ?とやらで行くんですね」

 

「この鉄の箱が動くのか……すごいな、この上の箱のようなものはなんだ?」

 

「この時代風に言うなら連射ができるデケぇクロスボウか?まぁそんなもんだ」

 

「攻城兵器ではないか!そんな代物を召喚できるなんて、店長はすごいな」

 

「お褒めの言葉ありがとう、では出発するぞ、舌かむなよー」

 

「ねぇ店長さん?なんで私は檻の中のままなの?ねぇカズマ!?」

 

 

スペースマリーンがエンジンを動かすことで少し浮かび、そのまま動き出す、このまま目的地まで一直線だ。

 

ゆっくりと変わりゆく景色を見ながら、たいして揺れることのないインパルサーが動き出す。

そんなのんびりとした冒険もありなのだろうと思いながら、俺は瞼を閉じた。

 

 

002

 

「上官殿、到着しました」

 

「ふごっ……あ、ついた?ありがとう起こしてくれのか」

 

「何かあった時が困りますので、そういうときに寝てるままでは死にますよ上官殿」

 

「あー、すまん、マジですまん、最近油断しすぎてた」

 

「では上官殿の仲間も起こしてまいります」

 

 

やっぱり自分の強化も必要だよなぁと思う、のでアクアが浄化し、追加のケイディアンと運転していたスペースマリーンがアクアの護衛をしている間にいろいろしてみることにした。

 

 

「アクアー、湖にいれるぞー」

 

「ねぇカズマ、これ本当に最善の策なの?もうちょっとマシなのはなかったの?」

 

「ねぇよ我慢しろ」

 

 

インパルサーになぜかしまい込んであったシャベルを使い。数名のケイディアンと共に土を高く盛っていく。

ちょうど高さが自分位になったら、デザインナイフを使い模様を彫り込んでいったり、土を成型したりする。

 

 

「店長何やってんすか?」

 

「いやさ、俺自身も強くならないとというか、俺が死んだら終わりだからせめて防具くらい作ろうかなって」

 

「おーいいっすね、俺も手伝いますよ」

 

「ありがとよカズマ」

 

 

あーでもないこーでもないと試行錯誤を繰り返す、その間問題は起こらなかったが、ふと完成間近といったときにスペースマリーンがボルトライフルを構えた。

 

 

「上官、何かが来ます」

 

「なんじゃありゃ、ワニか?」

 

「ブルーアリゲーターですね、汚い川とか湖にたくさんいるモンスターです」

 

「わぎゃー!なによこのワニ!ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!」

 

 

アクアがわーきゃー叫びながら呪文を唱えているのが聞こえる、檻は思ったよりも丈夫らしくブルーアリゲーターに幾らかまれたところで傷が残ってはいない様に見える。

壊れる様子がないことを確認した俺たちは装飾を彫り込む作業に入る。

 

 

「店長の薄情者ォー!ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!そこの銃を持った人もこのワニを倒してよー!」

 

「ボルトライフルだと巻き込みます、ボルトガンも同様ですね」

 

「なんでよー!」

 

「というか幾らスキャンしても壊れる様子はないので安心して浄化作業に入ってください異端の神め」

 

 

ケッといったような放置的な態度をとるスペースマリーン、彼を薄情者と思うかどうかは彼の生い立ちを知っていないと難しいだろう。

彼にとって異端の神と会話している時点で彼の最大の譲歩なのだ。

 

 

「できたぞ、異端審問官が着てた設定不明の強化外骨格だ」

 

「スペースマリーンさんのと似てますけどサイズがこっちのほうが小さいんすね」

 

「まぁ中級魔法くらいなら弾けると思うぞ、さすがに上級は無理そうだが、それはスペースマリーンのパワーアーマーくらいじゃないと無理だな」

 

「さて、着てみるか」

 

 

後ろから乗り込む形で装着する、完全に技術と動きはfalloutのパワーアーマーだが、まぁ似ているところがあるので仕方ないだろう、ここは俺の想像の限界だ。

 

 

「うーん動きが重厚感がすごい」

 

「相変わらずすごいサイキック能力ですね上官殿、そんな存在が異端審問官の鎧をまとうなんて異端審問官が何を言うか」

 

「別に俺皇帝信者でもねぇしなぁ」

 

 

歩く、腕を振る、ちょっと跳ぶ、動きのテストを繰り返していく、その間もアクアが湖の浄化を終わらせるまでの暇つぶしにはなる。

この依頼完遂までの時間で意外だったのはめぐみんやダクネスがパワーアーマー会議に参加してきたことだ。

めぐみんは関節部の動きなどを実家が魔道具店だということを生かし魔法的な観点でのアドバイスを。

ダクネスは体の動きを、攻撃は当たらないが、体の動かし方という観点からのアドバイスをもらっていく。

 

そして完成したのが異端審問官のパワーアーマーだった、同時に湖が浄化されたのか、ブルーアリゲーターが離散していく。

 

そんな隙のある行動を見逃すケイディアンとスペースマリーンではない。

 

瞬間的に数名のケイディアンが発射したラスガンとスペースマリーンのボルトライフルの嵐はブルーアリゲーターを全滅まで追い込んだ。

 

 

「あぁ!私が爆裂魔法を打ち込もうと思ってたのに!」

 

「先手はいただきましたよめぐみん殿!」

 

「ワニって食えるかな?」

 

「なんかゼノを食ってるようで食いたくねぇ見た目してるんだが」

 

「地球じゃワニって珍味らしいぞ?」

 

「じゃあ食えるかぁ」

 

「よーしワニを檻に詰め込め!今日はワニ肉で宴だ!アクア、仕事は終わりだ、さっさと出ろ」

 

 

アクアが檻から出る様子がない、ケイディアンとカズマたちにブルーアリゲーターの運搬をいったん中止してもらうことにし、様子をうかがう。

 

 

「このまま運んで」

 

「いや、お前このまま運んでって、ここワニが詰め込められるぞ」

 

「いやよ!外の世界が怖いの!」

 

「ダメだこいつ、恐慌状態になってやがる」

 

「どうするカズマ?さすがに今日状態になってるやつを無理やり出すなんてしたくないんだが」

 

「別にいいんじゃいっすかね、こいつが出たくないって言ってるんだし」

 

「じゃあいいかぁ」

 

「えっ店長さん?まさか私の安全地帯にワニを入れるなんて言わないわよね?言わないわよね?」

 

「言うぞ」

 

「えっ」

 

「言う、たまには珍味が食いたい、ワニを詰め込めケイディアン達!今日はワニ鍋だ!」

 

「「「うおおお!」」」

 

 

アクアの抵抗もむなしくワニの上へと座らせられていくアクアをしり目にダクネスはうらやましそうな目で見ていた。

 

 

 

 

003

 

「ひっこぬかれーてー、あなただけにーついていくー……」

 

 

アクアがそんな歌を歌っているのと同時にインパルサー装甲車によって引っ張られていく、なんかマジで奴隷販売というか、そうとしか思えない絵面に気づいた藻家京志郎は、途中からアクアといっしょに檻の中にいることにした。

異端審問官のパワーアーマーは着たままだ。

 

 

 

「なぜここでピ〇ミンの歌を、というか日本のゲームなのになんで知ってんだお前」

 

「……たまにやるのよ、なんか一途についてくるのは私の信者みたいでかわいいというか」

 

「なんか一匹でもやれたら泣きわめいてそうだな」

 

 

そんな雑談を繰り返しているうちに少しはアクアの精神が回復したことを祈りつつ、運転手のスペースマリーンがアクセルの街へと到着したという連絡が入る。

 

 

「よし、降りるぞアクア、いい加減そこにいたら飯を食えないし酒も食えないことに気づけ」

 

「はっ!それもそうね!この苦い思い出はしゅわしゅわで忘れましょ!」

 

「その勢いだアクア、その本調子でお前はバカなほうがいい」

 

「今一瞬で手のひら返してなかった!?」

 

 

こちらに飛びつきながら降りるアクアを受け止めながら地面に下す、ようし次は食事のためにギルドへ向かおう、そんなことを言おうとした時に、横から声がかかる。

 

 

「女神様!?女神様じゃないですか!」

 

「おん?」

 

 

横を向けばこちらに歩いてくる上級冒険者が3人いた、薄着の女二人にメインタンクと思われる両手剣の男だ。

なんかあの女二人だけ弱くないか?と最近取ったスキルがささやいてくる、そしてあの男だけ突出して強い、まぁ戦ったら負ける気はしないが。

無論俺自身ではなく俺の陣営だが。

 

 

「女神様お久しぶりです、魔剣グラムを貰ってから冒険を楽しんでいますが……なぜ女神様はこんなところに?」

 

「なんだアクア、知り合いか?」

 

「さぁ?」

 

「さぁって、お前が送り込んでった転生者の一人だろたぶん、お前名前は?」

 

「え、あー、僕は御剣響夜っていうんだ、よろしく」

 

「あー!あのかなりひどい死因の!言いたくないくらいのやつの!」

 

「あまり思い出させないでください……」

 

「あ、ごめんなさいミツツギ」

 

「ミツルギです!」

 

 

なんか面白い男がやってきなぁと思った、だが後方にいる女二人はあまり楽しくないようだ、さっさと切り抜けてギルドに向かおうとすると。

 

 

「君はなんてことをしているんだ!?女神様をチートでもってきておいて馬小屋泊りだなんて!?しかも仲間を役立たずなんて!?」

 

 

ミツルギがカズマの胸を持ち上げようとすると、同時にケイディアンが間に入り、背負い投げをした。

瞬時に関節の無力化へと入ったのはさすが訓練を受けた軍人だといえよう。

 

 

「「キョウヤ!?」」

 

「店長の仲間につかみかかるなんてお前敵か!?」

 

「落ち着けケイディアン、カズマはそれだけのことをしているのは事実だ!」

 

「かばってくれないんすか店長!?」

 

「す、すまない、少し冷静ではなかった!だから関節技を決めないでもらえないだろうか!?」

 

「次はちゃんと会話しろよ」

 

 

ゲホゲホと少し離れたところに立ったミツルギをしり目にケイディアンとグータッチをした、あの時はあんなこと言ったが内心はグッジョブと思っているのは内緒だ、誰だっていきなりつかまれたりしたら抵抗するのは必然だろう。

 

 

「大丈夫?キョウヤ!いきなり投げ飛ばすなんて!」

 

「いや、こちらが悪いんだ、すまない、だが仲間におんぶにだっこなのはどうなんだ?君だって日本人だろう?女神様をチートとして持ってくるのも許せないが、しかも馬小屋泊りなんて。」

 

「いや、駄女神に一発屋にドMだぞ、店長くらいだぞまともなの」

 

「それなら僕のパーティに来たほうがいい、全員ホテル泊まりにしてあげよう、どうだい?」

 

「なんかキモいんでいいです、私はカズマのほうがいいです、なんかキモいんで」

 

「なんかお前に罰されたところで気持ちよくなさそうだ、だから遠慮しておく」

 

「ば、罰され?」

 

「まぁというわけで俺のパーティは移籍しないから、じゃあなミルツギ」

 

 

そんな別れセリフを言ってから遠のこうとしたが、御剣響夜はカズマパーティの行き先を遮る、女二人はそこまで乗り気ではないようだが。

 

 

「カズマくん!ならば女神様をかけて決闘だ!」

 

「よしならいくぞ勝ったら剣をもらうぞオラァ!スティール!!!」

 

「えっちょっ」

 

「おっも!」

 

 

 

カズマがいきなり奇襲をかける、スティールで相手の剣を奪ったところまではよかったのだろうが、飛び上がりつつ剣を奪ったことで重力に身を任せ落下、ちょうど剣の刃がない部分で思いっきりぶん殴った形になった。

 

 

「よし、カズマの勝利だ、撤収!」

 

「「「「うっす」」」」

 

「「えっ?あっ!卑怯者ー!」」

 

 

御剣響夜と関係を持ちたくない俺たちは即座にギルドに撤収した、悪いことをしたのはあっちなので特に気にも留めなかった。

ドンマイっていう気持ちはあった。

 

 

 

003

 

「これで俺もチート使いか!どんな名前にしようかなコイツ」

 

 

大剣を見ながらこいつをどうしてやろうかと考えているカズマをよそにサンマを食っている俺がいる、そしていうか悩む、チートは転生者本人にしかつかえないことを。

 

 

「カズマ、残念だけどその剣はその剣をもった本人にしか使えないわよ?丈夫なだけの剣ねそれ」

 

「なんじゃいそりゃ!じゃあ俺のチートライフは!?」

 

「初めからないわよ」

 

「えーじゃあこれどうすんだよ、いらねぇよこんなデカい剣」

 

「なら俺が買い取ろうか?ぶっ壊れない剣ならパワーアーマーで振っても壊れんだろ、訓練に最適だ」

 

「まじっすか、じゃあレンタル料ってことで」

 

「うーん、心地よい魔力の波動を感じる」

 

 

魔剣グラムを眺めながら、こいつをどうこき使ってやろうかと考えているとギルドの門から入ってくる男がいる、御剣響夜だ。

 

 

「いた!頼む!魔剣グラムを返してくれ!」

 

「いきなりだな、というか女神を物扱いしておいて、これを返してくれとは」

 

「その剣は僕にしか扱えない!それを持っておいても宝の持ち腐れだ!」

 

「えー、まぁいいぞ、代わりにうちの商品を買っていけ」

 

「えっ商品?」

 

 

そんな感じで俺は御剣響夜にウルトラマリーンのセットとアストラミリタリムのセットとおまけで買っていったオルクのヘリコプターを買わせた。

なんでも妹のようなものがいるらしいのでそのこと一緒に遊べるおもちゃも欲しかったと言っていた。

 

敵に塩を送ったか?と思ったがまぁいいだろう。

 

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