…………あれ? 後書きと本編の文量があまり変わらない……?
黄金の輝き亭へと戻った私は、自室に入ってから監視──特に法国の風花聖典や水明聖典のもの──がないことを、所持しているマジックアイテムや武技で入念に確認する。
そして念の為無詠唱化した〈
「……。…………」
聖域への扉を抜けた私を、座り心地のよさそうな椅子に座ったルーファス様が笑顔で出迎える。
まあ基本的にアンデッドの表情は変わらないから、笑顔を浮かべているかどうかなんて見た目だけじゃ判断はつかないのだけれど、百年の仲にもなればそれくらいは何となくで分かるわ。
「ありがとうございます、ルーファス様。では失礼して」
ルーファス様の隣に座った私は、机の上に展開されている〈
そこに映っているのは、〈
これから私がスカウトしに行こうとしている人物…………帝国最強の魔法詠唱者こと“
「探知阻害やカウンター系の魔法は無いようね。法国に勘付かれでもしたら面倒なことになりそうだし、探知阻害アイテムは私の開発したものを貸すことにしましょう」
死んでも勝手に復活できるユグドラシルのプレイヤーや、蘇生魔法を使ってくれる人がいた私とは違い、この世界において習得する魔法の選択というのは、殆どの人間達にとって人生そのものの選択と等しい。
そんな中で身を守るために有用な攻撃魔法以外、ましてや人気もなく地味な情報系魔法を率先して覚えようとする者なんて、法国の風花聖典や水明聖典に所属している人を除けばかなりの少数派だ。
しかしフールーダとの接触に成功した場合、彼には人間目線──数百年の時を生きている彼を人間とカウントしていいのかは微妙だけど──での魔法研究に協力してもらいたいと思っている。
彼経由で重要な情報が漏洩でもしたら流石に不味いから、今回私は彼へのプレゼントとして、聖域にあったマジックアイテムの複製品を持っていくことにした。
プレイヤー相手には少々心許ないけど、この世界の人間に対してなら十分な性能を秘めているわ。
「さて、それじゃあ行きましょうか。ルーファス様、〈
「……」
そういう訳で、板のような形状をした探知阻害のマジックアイテムを〈
様々なマジックアイテムが保管されている聖域の風景は、一瞬の内に先程まで見ていた塔の風景へと早変わりし────
「始めまして、フール────」
「ピャハァッッ!!!」
「ひぃっ!?」
目的地へと私達が転移し終えた瞬間、人から発せられたとは思えない奇妙な絶叫がフールーダの部屋に響き渡る。
想像もしていなかったその声に驚いた私は、半ば本能的に戦闘態勢へと移行。
カロンの導きを構えながら、常時発動している〈可能性超知覚〉に加え、〈疾風超走破〉や〈能力超向上〉を始めとする戦闘用の武技をいくつか発動。
めり込む程の力で床を踏みしめ急接近、即座に相手の首を…………というところまでいって、やっと今回の目的を思い出し手を止めた。
ふー、危ない危ない。
フールーダは作中トップの魔法狂いだから、一度殺した程度じゃ探求の意志は揺らがないだろうけれど、弟子を初対面で殺してしまうというのは流石に…………あれ?
「…………あの、フールーダさん?」
冷静になった私の視界に映るのは、ソファーに背を預けたまま一切動かないフールーダの姿。
タレントのことを考えれば、私達を見た瞬間その場で跪いてもおかしくない彼が、さっきから一切動いていないという事実に疑問を持った私は、恐る恐る彼に近付きその顔を覗き込んだ。
恐怖一割、驚愕四割、歓喜五割といった感じの表情で固まっている彼の胸に、そっと手を当てる。
「…………心臓が動いてない……!? もしかして死んでる……!?」
……………………
「…………お、蘇生は成功したみたいね。良かったわ、老衰判定になっていたらどうしようかと…………ん? フールーダさん?」
フールーダがやけに重い瞼を開くと、そこは先程と変わらぬ自身の部屋であった。
いや、二点だけ先程までとは違っている事がある。
一つは自身の体に泥が纏わりついているかのような、酷い脱力感に襲われていたということ。
その重さは数百年前、魔法の深淵を覗く時間を得るために不老の存在となろうとし、儀式魔法と仙術を組み合わせ魔力を使い切ったときの疲労感とよく似ていた。
だがそんなことなど気にしている場合ではない。
もう一つの違う点、ソファーで倒れていたらしいフールーダの顔を覗き込んでいる少女と、その傍に佇む怪物をその目で確認した瞬間、彼は勢い良くソファーから飛び退き、同時に頭を床に叩きつけ跪く。
その勢いはフールーダ本人の想定さえも超えていたようで、ゴツンと鈍い音を立てた頭部の皮膚は擦り切れ、薄っすらと血を滲ませている。
…………が、そんな彼の瞳から涙が零れ落ちているのは、決してその痛みが原因なのではない。
彼の心を埋め尽くすのは、震える程の歓喜のみ。
彼はただ、圧倒的な神秘を身に宿した者の降臨に感動していたのだ。
「ああ……! ああ……!! 何ということだ!! まさか貴方様のような御方が、この世界にいらっしゃるとは!! これまで魔法を司るという小神を信仰しておりましたが、貴方様がその神でないのなら私の信仰心は今掻き消えました。私程度の矮小なる者がこのようなことを申し上げるのは失礼だと理解しております! ですが!! どうかお願いいたします!! 私を導く師となって下さい!!! 私は魔法の深淵を覗きたい!! その為ならば私の持つ全てを貴方様に支払います!! 私の人生も! 帝国魔法省も!! 皇帝やこの国そのものでさえも!!! 故にどうか!! どうかその教えを私に与えて下さい!!! いと美しき深淵の御方!!!」
第七、第八…………いいや違う。
この少女と怪物が発しているそれは、人間が到達できるようなレベルのものではない。
彼のタレント……『魔力系魔法詠唱者の使用できる位階をオーラで見ることが出来る』という瞳が告げている。
彼らこそが、あるとされながらもその存在を確認した者が誰一人としていない最高位の神秘、第十位階魔法の使い手であるのだと。
もしもそんな彼らの教えに従い魔法を学ぶことができれば、半ば諦めかけていた魔法の深淵だって、生きているうちに覗くことができるかもしれない。
故に彼は、己の持ちうる全てを捧げ弟子にさせてもらえるよう乞うた。目の前でドン引きしている少女と、その様子を眺め頭を傾げる怪物に。
「ひぃ!? ちょ、ストップ!! 普通に怖いか────…………いいわ。私の魔法研究に協力してくれるのなら、貴方には私達が得た知識を与えてあげる」
「勿論ですとも!! わが師よ!!!」
フールーダの狂気じみた行動を前にして、数十年ぶりに一定値を超える恐怖を抱いたアンティリーネ。
しかし彼女はスキルの効果で冷静さを取り戻すと、彼の元へと訪れた目的を果たすべく行動し始める。
ひとまずはフールーダとの協力関係を上手く構築できるかどうか…………だったのだが、この反応を見るに大丈夫そうだと、彼の魔法狂いっぷりをよく知る彼女は確信していた。
「う、うん…………何だか師匠扱いされるのも悪い気分じゃないわね…………それで、あなたの時間が空いているなら、先にやっておきたいことがあるのだけれどいいかしら?」
「なんと!? 早速師の教えを享受していただけるのですか!!」
「いや、その…………実は私がこの部屋に転移してきたとき、ちょっと驚かせ過ぎたみたいであなたのことをショック死させちゃったの。高位の蘇生魔法を使って蘇生したからレベル……生命力の消失は無いと思うけれど、まずは殺しちゃったことを先に謝っておこうと思ってね」
ちなみに、今回アンティリーネがフールーダを蘇生するべくグリムに使用させたのは、〈
これは高位の信仰系魔法詠唱者が使用できる魔法で、死亡直後──アンティリーネの実験によると大体一分以内──に発動すれば、一切レベルを失うことなく対象を蘇生させることができるのだ。
「なんと!? 貴方様から発されるオーラを前に倒れてしまった不甲斐ない私に、そんな蘇生魔法を使って下さったのですか!? どうか謝らないでくだされ! それほどの魔法により蘇生させていただけたのです、不満などある筈がございません!!」
「そ……そう言ってくれると助かるわ。とはいえ一度死んじゃったんだし、あなたが自身に掛けていた禁呪の効果も切れている筈。だからグリム……私が生み出したアンデッドに頼んで、禁呪を掛け直そうと思っているんだけれど」
「よ、よろしいのですか!? ……では、お願いします」
一瞬、『不肖の身である私にそのような事など…………』と思い、蘇生魔法に続いて禁呪までも行使するという師の行動を止めようとしたフールーダ。
しかし慈悲深い師匠の厚意を断るのは心苦しいし、なにより今でも完全な形では行使できないであろう、禁呪の完成形を見たいという知識欲には抗えなかったようで、彼はほんの少しの間を置いた後快諾した。
「分かったわ。それじゃあグリム、よろしくね」
「フシュォォ──?」
「そうね…………〈
「フシュォ──」
ドラゴンとも
尻尾の先はフールーダへと標準を定めると真っ二つに裂け、ドラゴンの頭部を思わせる形状に変化。
口内から魔法陣が展開され、放たれた淡い光が彼の全身を包み込み、その肉体を完全なる不老のものへと仕上げていく。
傍から見れば、人間を捕食しようとしているエイリアンのようだが、フールーダはその様子を、新しいゲームに心を躍らせる子どものような表情で眺めていた。
「…………うん、問題なく発動したようね。人間には試したことがなかったけれど、ちゃんと通じて安心したわ」
「おお……! なんということだ!! 儀式魔法と組み合わせても不完全であった禁呪をこうも容易く!! 素晴らしい! 素晴らしいですぞ!!」
「あなたが楽しそうで何よりだわ。…………ん? 儀式魔法? その内容を聞かせてもらってもいいかしら?」
狂喜乱舞するフールーダに、若干引き気味の──少し慣れたのかさっきよりかはマシな──視線を向けたアンティリーネは、彼がかつて行ったという儀式魔法に興味を持ったらしく、フールーダに詳細の説明を求めた。
その瞳にフールーダと同じ、探求者としての光が宿っていることを、アンティリーネはあまり自覚していない。
「はい。先程行使していただいた“老化を禁ずる仙術”は、本来私が行使できない高位の禁呪です。しかし行使に必要な魔力自体は当時の私でも足りていたので、儀式魔法により魔力を禁呪に集中させたのですが…………それがどうかなされたのですか?」
「成程、でもあなたの得意な魔法はあくまでも魔力系だから、システムに色々な不具合が生じたと。…………でもそれなら、儀式魔法と合わせれば〈
「なっ!? 何故それを…………!?」
フールーダの住居がある帝国魔法省の最奥には、魔法の全身鎧や武器を装備した皇帝直属の近衛兵『
何故そこだけ皇帝と同レベル以上の警備が敷かれているのか。
それはこの塔で『アンデッドを労働力として用いることができるのか?』という、もし表に出せば神官達が全力で反対してくるであろう実験が行われているから。
…………というのは理由の一つに過ぎない。
一番の理由は、この塔の最下層にて拘束されている伝説級のアンデッド『
無論この情報は一部の関係者にしか知らされておらず、部外者であるアンティリーネが知る筈のない情報である。
フールーダと一部の高弟達しか知らない筈の情報を、一体どうやって得たというのか?
そう叫びそうになった彼の言葉は、
「私の知り合いに、第八位階の情報系魔法を使える人物がいるの」
というアンティリーネの言葉により、歓喜の溜息となって放出された。
「ああ、なんという……!! っ失礼いたしました。結論から申し上げますと、
「そっか、確かに私がグリムを────あー、何でもないわ。それと
「なっ!? そうなのですか!? しかし…………」
「そうよね、自分で召喚できるのならわざわざ捕えてくる必要なんてないものね。となると使役するためのレベルが足りていないのか、それとも死霊系特化じゃないから適性がないだけか…………。ふう、百年近くこの世界の研究を続けてきたけれど、まだまだ分からないことが多いわね」
アインズの興味を引ける情報を手に入れようとして得た数多の知識を脳内で巡らし、何から教えるべきかと考え言葉にしていくアンティリーネ。
フールーダと魔法談義ができることを無意識のうちに喜んでいた彼女は、怒涛の勢いで放たれるフールーダの質問に、気付けばそれ以上の勢いで答えていた。
…………そもそもの話、原作においてアインズがフールーダのことを避けていたのは、彼の魔法に対する狂いっぷりも確かにあるのだが、一番の理由はアインズがただのユグドラシルプレイヤーでしかなく、この世界の魔法システムについて全くの無知だったからだ。
しかし本作のアンティリーネは、法国が蓄えてきた数百年分の魔法知識や、ある事件をきっかけに協力関係を築けた某秘密結社、さらにグリムのスキル──アインズが知れば『そんなの反則だろ!?』と言わずにはいられないような──の協力により、様々な角度から魔法の知識を仕入れている。
原作とは違い自由行動を可能としていた彼女は、魔法の知識を蓄えていくうちに、いつしか魔法だけではなくスキルやマジックアイテム、そしてこの世界の仕組みそのものにすら興味を持つようになった。
そんな彼女が、フールーダと仲良くなれない筈がない。
結局アンティリーネはフールーダが、弟子達から呼び出されるまでの数時間、魔法を始めとした知識について彼と楽しく語り合うこととなったのだ。
以下、本文にて省かれたアンティリーネとフールーダの会話(一部抜粋)
……………………
「おお! 〈
「第七位階の魔法よ。〈
……………………
「成程、つまりカッツェ平野でアンデッドが自然発生してしまうのは、土壌そのものが負のエネルギーによって汚染されてしまっているから、ということですな?」
「そうよ。他だとエ・ランテルにある共同墓地なんかが当てはまるわね。ああいった場所は土を全部入れ替えるか、大規模な魔法で土地ごと浄化しない限り、アンデッドが半永久的に発生し続けるわ」
「ふーむ…………となるとエ・ランテルを王国から得られたとしても、カッツェ平野には兵力を回さなければなりませぬな」
「まあ私としては、あそこはあのまま残しておいた方が帝国の利益に繋がると思うのだけどね。兵士の訓練に低位のアンデッドは丁度良いだろうし、やろうと思えばデス・ナイトも自然発生させられるから、強くなった兵士達にも好きなだけ戦闘経験を積ませられるわ」
「…………それは圧倒的な力を持つ、師だからこそ言えるのではないでしょうか?」
……………………
「そうだ、あなたの前で直接試してみたかった魔法があるの。まずは、〈
「……おお! あれ程強大だった師のオーラが小さくなりました。これは探知防御の魔法ですか?」
「ええ、〈
「お、魔力のオーラが元に戻りました…………が、それ以外にこれといった変化は見られませんな。今のはどんな魔法だったのですか?」
「情報系魔法を使われた際に、相手の位置情報を探知できる〈
「それは…………真っ赤な仮面、ですか?」
「『鞍馬天狗の面』っていうマジックアイテムよ。効果は────」
「! 今度は師のオーラが完全に消えました! ということは探知防御系のマジックアイテムなのですね!」
「大正解。となるとあなたのタレントは『探知防御系魔法の影響は受けるけれど、カウンター系の魔法対象にはならない』っていう感じなのね」
……………………
「これ程強大なアンデッドを使役しているということは、師はかの十三英雄さえも凌駕した死者使いということになりますな」
「ん? 十三英雄に死者使いなんていたかしら?」
「はい、リグリット・ベルスー・カウラウという者がおります」
「へー……ん? リグリット? …………あぁっ!!」
「い、いかがなされましたか師よ!?」
「あ……いや、気にしないで。ちょっと気になっていたことが解決しただけだから」
「は、はあ…………」
……………………
「魂の正体?」
「はい。『魂は肉体に宿るもの』というのが帝国での一般的な認識ですが、
「そうねぇ…………これはあくまでも個人の意見だから、鵜吞みにはしないでおいてほしいのだけれど、魂っていうのは結局のところ、ただのエネルギーなんじゃないかしら?」
「ただのエネルギー…………ですか……?」
「ええ。よく神官達がアンデッドのことを『穢れた魂』だとか『魂無き骸』っていうけど、彼らの体を動かしている負のエネルギーと魂って、実際のところはあまり変わらないものだと思うのよ」
「つまり…………アンデッドと生者は殆ど同一の存在、ということ……でしょうか…………??」
「いや、エネルギーっていう点では…………ちょっと待って、内容がズレてきたから少し内容を纏めるわ。
……………………私の考えとしてはこうよ。まず生物というのは本来、生命活動を行ったり物事を思考する分には肉体だけで十分。だけどそれとは別にどこかのタイミング……多分存在として確立した瞬間、その身にエネルギー…………『生命力』を宿す。与えられる生命力の形は人それぞれで、成長できる最大値も全く違う。生命力は生物が経験してきたことによって成長して、それが形作る存在そのものこそが“魂”と呼ばれる…………って感じね。まあ、確証は得られていないのだけれど」
「ほほう、師からしてみればどちらも己の力となるエネルギーであり、それ以上でも以下でもないという訳ですね。神官達がこのことを聞いたら、顔を赤くして抗議してきそうですな」
「まあ…………そういうことよ」
(詳細は絶対に言えないから適当に誤魔化しちゃったけど、勝手に納得してくれて助かったわ…………)
……………………
「ところで、師の支配しているそのアンデッドは相当な力を秘めているようですが、一体どこで見つけたのですか?」
「見つけた訳じゃないわ。グリムは私の魔法で生み出したアンデッドよ」
「成程、〈
「あー、やっぱり分かっちゃう? …………まあいっか、言ったところで大きな問題がある訳じゃないし。グリムを生み出すときに使用したのは、第十位階魔法〈
「だ、第十位階ですと!? その魔法は〈
「……一番の違いは生み出せるアンデッドの質ね。〈
「おお…………!! あの……良ければ彼に触れさせていただいてもよろしいでしょうか……?」
「別にいいけど…………舐め回したりはしないでね?」
……………………
「そういえば、私の知り合いにドラゴンの魔法詠唱者がいるんだけれど、今度会ってみる?」
「なんと! 師はドラゴンにも顔が利くのですか!?」
「ええ。結構前に研究がてら、ドラゴンの群れを軽くぶちのめしてきたことがあってね。その中の一匹に賢い個体がいたから、魔法の研究をさせてみたの。ドラゴンとしてはまだまだ幼いけれど、既に第六位階魔法を行使できるようになっているわ」
「ほほう! それは是非とも会ってみたいですなぁ」
……………………
アンティリーネ
新しいもの好きという性格に魔法が上手くハマった結果、魔法に対しての考え方が原作と比べ180度くらい変わった。
本作における彼女は職業レベルをある程度整えてはいるが、それでも
しかし蓄えられた知識量は凄まじく、位階魔法だけでも2000以上は完全に把握している。
百年前に起きたツアーへの情報漏洩の理由にやっと気付いた。
ルーファス
相変わらずアンティリーネに甘い。
本作の設定においては、種族が指揮官系のスキルを持つ〈
攻撃魔法は殆ど習得していないが、情報系魔法の習得数は結構多い。
グリム
とある方法によりアンティリーネが使えるようになった切り札の一つ、〈
〈アンデッドの副官〉を始めとするアンデッド作成系のスキルに似た〈無貌の泡願〉。指揮官系統のスキルと〈
アンティリーネがフールーダに渡したマジックアイテム(複製品)
30レベル以下の情報系スキルや魔法を行使された際、視覚系ならアイテムに視線を固定、聴覚系なら専用ボイスを代わりに流すという効果を持っている。
オリジナル品は50レベル以下にまで対応しており、またその外見も銀板の表面に、可愛らしいポーズをしたウサ耳メイドの姿が描かれている。アイテム名は『豚に真珠』。
ジルクニフ
アンティリーネが密入国を決行した最大の要因。
原作ではアインズに振り回されっぱなしの彼だが、王様優秀度ランキング2位であることからも分かる通りとても優秀。
もしアンティリーネが彼と接触していたのなら、巧みな話術によりアンティリーネを上手く懐柔し、帝国の最大戦力として取り込んでいた。
まあ、それで何か問題があるのかと言われれば、帝国の立ち位置が良くなること以外は殆ど今のルートと変わらないのだが、原作とのズレを気にする彼女は彼を危険視し近寄らない方法を選んだ。
頑張れジルクニフ。
フールーダ
魔法狂人。アンティリーネとの遭遇に喜び過ぎたあまりショック死した。
普通に考えて、圧倒的なオーラを放つ少女(背後に異形の化物付き)が突然部屋に現れたら、フールーダでなくとも恐怖のあまりショック死しそうなものだが、恐怖を一切感じていない辺りは、流石としか言いようがない。
師を得てから数ヶ月後には、既にデス・ナイトの使役を可能としていたが、それを知らせると間違いなく帝国が王国の併合に乗り出すので、アンティリーネから「決して本気を出さないように」と言われている。
帝国兵の戦力を無駄に消費させている現状に対して、罪悪感はほぼ無い。
〈
信仰系の第八位階魔法。原作16巻でアインズが言っていた『死亡直後に掛ければ、レベルダウンしない蘇生魔法』。モデルはD&Dにある魔法。
セリーシア・ベイロン
姉が貴族達の奴隷として売られた日の晩に現れた、死神の如き大鎌を持つ少女に人生全てを売り渡すことで、助け出された姉と共に王国から姿を消した少女。
現在はタレントの実験も兼ねて、アンティール共和国で魔法の研究に携わっている。姉を早めに取り戻せたからか、原作よりも貴族への恨みは薄い。
レベルは原作開始5年前の時点で30を超えているので、ナザリック転移時には40レベル後半くらいには達しているだろうと思われる。
ツアレニーニャ・ベイロン
セバスとの遭遇フラグが折れた。
処女と尊厳を失う前に助けてくれたことへの恩返しとして、アンティリーネにほぼ毎日料理を作っていたら、いつの間にか料理研究部門のトップになっていた。
目指せ、アンティール共和国のシホウツ・トキツ枠。
今でこそ仲良くやっているが、料理の師匠であるグリムと初めて会ったときは、泡を吐いて気絶した。
アルシェ
フールーダが手に入ったので、アンティリーネに勧誘されることはなかった。
とはいえ彼女が原作にてあの末路を辿った最大の理由は、フールーダがアインズの弟子になったことにあるので、本作ではワーカーとしてお金を稼いだ後に家を捨て、妹達と共に独立する…………筈。
ツアー
遠隔操作鎧の一つをアンティール共和国に置かせてもらい、常に動向を監視している。
アンティリーネも定期的に鎧を通じてツアーと技術の報告をしているし、アインズなるプレイヤーと敵対した際の手駒としてアンティリーネのことを見ているため、禁忌の子である彼女のことを見逃し続けている。
…………彼にバレたら一発アウトのヤバい実験が、法国の聖域で行われているということは一切把握していない。
〈
第十位階の死霊系魔法。効果は死体を媒介として、90レベルにもなるアンデッドを生み出すことができる。
同時に一体しか使役できないが、MPがある限り何度でも〈暗黒儀式習熟〉により強化した〈上位アンデッド作成〉を使用できるという、破格の効果を持つオリジナル魔法。
ちなみにこの魔法は、ダンジョン内にてポップする〈
その後の調査で『この魔法は指揮官系特化の〈
深淵なる躯
アンデッドの魔法詠唱者からなる秘密結社。
数年に一度の頻度で会合があるものの、相変わらず出席率は低い。
現在の内陣メンバーは、「深淵」、「白の聖女」、「死の乗り手」、「腐敗の王」、「紅眼公」、「賢狼」、「万軍の枯老」、「喰らう者」、「黄色の幽鬼」、「絶死姫」の十人である。
本作のアンティリーネに張られた伏線は、多分そろそろ回収します。