よう実 ハードモード リメイク版   作:クンクンクン

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長くなったので分割しました。審議は次の話から始まります。
櫛田さんのキャラ、ちょっとイタくし過ぎたかも。


暴力事件 第三審 前日

 

 

 審議が明日行われるからといって、アナタが何かする事はありません。

 最近の趣味である料理に関して少しだけ意欲よりも面倒臭さが上回ってきたため新たな趣味を発掘しようと図書館にいたのですが、アナタはそこまで本が好きではなかったのか、途中で読むことをやめ、ただ何も考えず痴呆を患っている老人のように座っているだけの放課後を過ごしました。

 

「あ、灰原君だ! 今帰り?」

 

 そんな帰り道、アナタは無駄にデカい乳を揺らしながら駆け寄ってくる一之瀬さんと綾小路君に出会いました。

 2人ともそこそこ汗をかいているようですが、何か運動でもしていたのでしょうか。

 

「なんで言えばいいんだろ、実地見聞? 現場検証? そんな所かな」

「オレたちは特別棟に行っただけだ。あそこは特別暑いからな、あの場に実際に居た堀北達の気分が味わえた」

 

 人気のない特別棟で何をしていたんでしょうか。男女2人組だからセックスでもしていたのかとアナタが口を開こうとした所で、端末が震え電話が掛かってきた事を伝えてきました。

 

「あ、電話? なら私達はこの辺で。またね、灰原君」

「じゃあな。明日の審議はお手柔らかに頼むぞ」

 

 アナタは綾小路君達を見送った後、電話履歴を確認して電話を掛け直しました。

 

「……あんた、今時間ある?」

 

 電話を掛けてきたのは櫛田さんのようで、周りに人がいないのか口調も普段とは変わっています。アナタは、何か用事でもあるのかと聞きました。

 

「まず一つ聞いときたいんだけど、Cクラスの子からチャットが送られてきたのってあんたが仕組んだ事? テキトーに交換した子から急に連絡が来て気味が悪かったんだけど」

 

 アナタは別に関与していません。おそらく、龍園君が審議を伸ばすためにDクラスの誰かに密告しろだの指示をして、その受け取り主がたまたま顔の広い櫛田さんだったんでしょう。

 

「龍園? あー、あの黒シャツロン毛野郎ね。そいつがこの審議を仕組んだ黒幕って奴?」

 

 別に龍園くんは審議をしたかったわけではないでしょうが、ややこしくなっている原因は彼にあるでしょう。

 

「あともう一つ、そのあんたの意見を聞きたいんだけど……審議の時、堀北が妙に饒舌に話してた時があったでしょう? 気色悪い、男に媚びた喘ぎ声みたいなのを上げてたの聞いたでしょ。でも、その後から急に口が回り出してた。あれって……綾小路が関係してるのかな?」

 

 何故、綾小路君が関係していると思ったのでしょうか? 

 

「あんたの角度から見えなかったかもしれないけど、あの時、堀北の脇を綾小路が触ってたのが見えたんだよね。あの時は堀北のクソ汚い喘ぎ声を隣で聞かされてイライラしてたんだけどさ……よく考えると可笑しいなって思ったの。仕組んでたみたいにCクラスを追い詰めちゃってさ。堀北があそこまで考えて喋ったなんて、最近のあいつを見てると想像できない。現に須藤も佐倉さんも驚いてたし、多分Dクラスの人間が見たら誰でも驚くと思う。そのぐらい、最近の堀北はひっどい顔を晒してたから」

 

 ただ堀北さんの緊張を綾小路君が和らげてあげただけじゃないでしょうか? もしくは衆人環視の場で痴態を見られることに興奮する性癖をどちらかが持っているだけだとアナタは考えます。

 知り合いの元AV監督だったホームレスの鉄板話に、カメラで痴態を撮られる事が性癖だと宣言してAV業界に乗り込んできた女優というのがあります。その女優は20代前半ながら大河ドラマや朝ドラにも出演するなど目覚ましい活躍をしていたそうですが、カメラの前で痴態を晒したいという自分の性癖に嘘がつけなくなり、唐突に引退してAV女優へと転職したそうです。元々海外のエロサイトなどで体だけを露出した動画をあげていたそうですが、今では自分のAVを自分で監督して撮影している屈指の売れっ子になったという話をアナタは以前本人が同席している場で聞いたことがあります。

 

「……あんた、そんな話どこで拾ってくるのよ。私、女友達や男と猥談なんてした事ないけど、今最悪な気分だわ。少し面白いって思っちゃってる自分がいるもの」

 

 アナタ自身の体験も含めた猥談は数多くあり、誰かから聞いた事もソコソコ覚えているので持ちネタには困っていません。櫛田さんぐらいの女の子はそこまで猥談の持ちネタがないのでしょうか?

 

「中学の時、援交してたクソビッチとその担任の先生が歩道で……って、この変態!! 何が悲しくてあんたと猥談しなきゃなんないのよ!!」

 

 Dクラスもポイントに困っているようですし、援交に走る人間が現れてもおかしくはないでしょう。もし面白い猥談があったら教えて欲しいとアナタは櫛田さんに言いました。

 

「誰が話すか!! ……はぁ。なんかどうでも良くなってきちゃった。じゃあ、最後にこれだけ聞かせて。あんたはこの審議、どうなると思う?」

 

 アナタが"現在"知り得ている情報から推察しても、Dクラスが審議の前日に何をしようが大したことは出来ないと思っています。精々がCクラス有利な示談交渉を行い訴えを取り下げさせて貰うことぐらいでしょうか。

 例えば、アナタが現在のDクラスで指示を出せる立場にいるのならば須藤君の事はスッパリ諦めます。

 ただ、どうしても審議を勝ちと言える結果で終わらせたいのなら。重要なのは、佐倉さんの写真とCクラスの生徒が撮影した動画の間にあった出来事を証明することです。都合よく、その時の映像でも残っていれば話は早いのですが、監視カメラがない以上、証拠を所持している生徒は龍園君を除いて他にいないでしょう。

 

「ふーん。クソゴミ堀北も端末で動画でも撮ってれば良かったのに。あぁ、でも堀北の無能さが薄まるのはダメかなぁ」

 

 アナタも最後に、ポイントには困っていないかと櫛田さんに聞きました。

 

「お陰様でめちゃくちゃ困ってるわよ。お気に入りの化粧品もリップも補充できないし、新しい服も買えないし、食べたいモノも食べれないし、堀北はウザいし、須藤は馬鹿だし、綾小路はキモいし……なんかムカついてきた。今度会ったらあんたのスネを蹴り抜いてやるから覚悟しときなさい。……それで何、タダでポイントくれるの? くれるんだったら遠慮なく貰うけど、審議の期間はそういうのダメなんでしょ?」

 

 いえ、もちろんタダというわけではありません。

 アナタは櫛田さんに、夏休みに入る前の備えとして少し頼みたい事がありました。それは……

 

「……え、そんな事?」

 

 報酬として、5万ポイントを先払いで送るとアナタは言いました。

 

「もしかして、パパ活とかレンタル彼女とかそういうの? そういうのなら嫌なんだけど……」

 

 櫛田さんぐらいにしか頼めないと、アナタは言いました。

 

「……まぁ、ポイントは欲しいし。仕方ないなぁ、もぅ。とびっきりの可愛い子が付き合ってあげるんだから感謝しなさいよね。後、ご飯とか色々奢りなさいよ」

   

 アナタは櫛田さんに感謝の言葉を言いました。

 

「じゃあ、夏休み前の休日ね。それじゃあ……また明日ね、灰原君♪」

 

 ポイントは審議が終わった後に送ると言ってアナタは電話を終えると、寮へと向かい帰って行きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

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