よう実 ハードモード リメイク版   作:クンクンクン

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暴力事件 第三審 

 

 

 

「…‥時間となりました。只今より、審議を始めます。司会進行は第一審、第二審から引き続き、生徒会書記の橘が務めさせていただきます」

 

 いよいよ最後の審議が始まりました。

 

「また今回を持ちまして、如何なる判決になろうと審議は終了となります。もし今回の審議でも意見が分かれた場合は、選出された皆様の中で多数決を取っていただき、その結果をそれぞれの担任の先生に確認して貰った後、学校側が罰を決めることになります。……それでは時間にも余裕がありませんので、前回の審議で召喚することを約束した動画の撮影者の証人尋問から始めようと思います。"Cクラスの伊吹澪"さん。よろしくお願いします」

「はい」

 

 どうやら、動画の撮影者はCクラスの女子生徒のようです。坂柳さんとも互角にやり合える背中と見間違うかのような貧乳ですが、ちゃんと証言してくれるのでしょうか。

 

「では、Dクラス側から何か証人に聞くことはありますか?」

「何点か確認させて貰いたいと思います。……伊吹さん。あなたは何故、あの時・あの時間・特別棟のあの教室内に居たのですか?」

 

 何を聞くのかは予め決めていたのか、堀北さんはスムーズに伊吹さんに質問を始めました。

 

「私はあんた達と同じで呼び出されただけだよ。あの教室で待たされて誰も来ないから帰ろうかと思ったら、足音が聞こえて、確認したら石崎達がDクラスの奴らを連れて近くまで来てたのが見えたから咄嗟に隠れた。それで、殴り合いになりそうだったから端末で動画を撮った。Aクラスに私も上がりたいから、下にいるクラスの不利になる動画を撮っておけば有利になると思った。……それだけだけど、文句ある?」

「……誰に呼び出されたかは、分かるかしら?」

「さぁ? ただ、私の机の中に手紙が入ってて、あの日の放課後特別棟の教室に時間通りに来てくれって書いてあったから行っただけ。名前も書かない、自分の口から言ってこない奴は気に食わないけど……その、こ、告白とかだったら、気まずくなるのもアレだし。仕方ないから行ってやったんだよ」

「成程。伊吹さんは告白されるかもしれないと思って、特別棟に行ったわけね」

「な!? べ、べべ別にそんなじゃない! 第一、告白されても私は断るつもりだったし!! そんなんじゃないから!!」

「こほんこほん!! 興味があるのは分かりますが、その辺りで。事件に関係することを聞いてください」

 

 なんとも女の子らしい会話が続く中、橘さんは態とらしく咳をして会話に割って入りました。堀北さんと伊吹さんは互いに軽く謝ってから、尋問を再開しました。

 

「……話を戻すけれど。伊吹さんの証言だと、私達が教室の近くに来る前から教室内に居たのよね?」

「あ、あぁ。教室の中は暑かったけど、石崎達が来る5分前くらいには居たよ」

「伊吹さんが動画を撮影する前に何が起こったのか、見た事を教えてくれるかしら?」

「いや、私は直接見ていない。教室に来たって事を知られたくなかったから、すぐにあんた達から見えない位置に隠れた。……私は、動画は撮ったけど声だけしか聞いていない。"先に"石崎たちが須藤を挑発した声や、あんたが須藤を止めようとする声は聞いた。声を聞いただけだから、何をしてたかまでは分からない。だけど、須藤の声がイラついてたから暴力沙汰になると思った。クラスは違うけど須藤が喧嘩っ早い性格なのは掲示板とかでも話題になってたし、そこにいる灰原と揉めそうになってたのも実際に見たから知っている。もしかしたらと思って、私の姿が見えないように教室の廊下が見える窓の近くに携帯を構えて動画を撮影したら、須藤が殴ってる瞬間が動画で撮れてた。……何かおかしいとこがある?」

「……では、石崎君達が私と須藤君に何を言っていたのか覚えは?」

「いや、覚えてない。どうせ死ねとか馬鹿とか言ったんじゃないの?」

「私は自分に吐かれた暴言をちゃんと覚えているわ。確か、私をCクラスの男子全員でセッ……犯してしてやるとか。専用の……雌犬、としてCクラスで飼ってやるだとか。できもしない、やる度胸もない暴言だった」

「……へぇ。そんなこと言われたの。私は覚えてないけど、同情するよ」

 

 アナタは堀北さんと伊吹さんの会話をボサッとしながら聞いていますが、伊吹さんが本当に偶然動画を撮影したのかどうか疑問に思っていました。

 動画を撮影するのは良いとしても、あまりにも伊吹さん頼みの作戦です。龍園君の性格を完全に知っているわけではないので何とも言えませんが、運頼みの撮影者を用意するというのは下策でしょう。

 ですが、アナタは伊吹さんが誰かから指示を受けて動画の撮影をしたわけではないと思っています。声色や話している時の体の動き方など不自然なところがありませんし、非科学的で論理的ではありませんが、アナタが一定の信頼を置いている直感はその判断を正しいと言っています。

 先ほどの伊吹さんの証言通り現場に遭遇して思いつきから動画を撮ったのであれば、Dクラスが付け入る隙は殆どなくなります。それに、伊吹さんがどのような意図で撮影したのかハッキリしなくとも、シラを切り通せれば審議は時間切れとなり、多数決によって判決を決めることになります。アナタはもう審議を延長する必要もないので、須藤君を有罪にするつもりです。

 もし仮にこの状況から覆すのであれば、周囲が認めざるを得ないほどの強力な証拠が必要となります。

 アナタが思いつく限りではそんな証拠は2つほどしかありません。もっとも、どれも容易く用意できず、新たな証人や証拠が必要となるので事前に用意できていない時点で意味のない話です。

 

 Dクラスは、ここからどうやって審議を逆転させるのでしょうか。

 

「堀北、このままだと平行線だ。……"アレ"を使え。既に生徒会には証拠として受け取ってもらっている」

「……確かに、使い所はここかもしれないわね。……すぅ……はぁ。橘さん、Dクラスが用意した"証拠"を、証人に確認して貰いたいのですが宜しいでしょうか?」

「分かりました。今から再生するので、少しお待ちください」

「証拠って……まだなんかあのかよ」

 

 橘さんは端末を取り出し、スピーカーに繋げて何かを再生しようとしています。動画ではなく、音声の証拠なのでしょうか?

 

「まず最初に弁明しておきますが、私は別にこの証拠を隠していたつもりはありません。ただ……証拠として、佐倉さんの写真や櫛田さんに送られてきたチャットよりも確かなものでなく、第一回・第二回の審議の段階では皆さんにお見せする意味がないと判断していました。"審議の事前打ち合わせをする前からあった"証拠を昨日提出して、新たな証拠として加える私の不手際を許してください」

「証拠の意味は我々全員が決める事です。信頼を損なう恐れがありますので、今後はそういった事はないようにして下さい。……確か、審議の合間に提出した証拠は新たな証拠として認められるというルールはありましたが、あくまでも事実誤認の恐れがある場合だったはずです。それほどの証拠なのですか?」

「それは生徒会に提出して認められている時点で保証されているはずです。Cクラスの動画と佐倉さんの写真……そして、動画撮影者である伊吹さんが揃ったからこそ意味がある重要な証拠ですから」

「では、流します」

 

 流れてきた音声は、おそらくどこかのポケットに端末が入れられているのでしょう。30秒程ガサゴソと布の擦れた音のみでした。周りもどう反応すればいいのか分からない沈黙が流れていましたが、突如人の声が聞こえてきました。

 

"待ってたぜ、Dクラスの不良品共"

 

 声を聞いて一番いい反応を見せたのは石崎君でした。その後も会話は続いていきます。

 

"……それで、要件は何かしら"

"そうだな、おい須藤。お前が今すぐ土下座すればポイントを振り込んでやってもいいぞ?"

"馬鹿みたいな挑発はやめろよ近藤。クソ暑い上に、テメェらの人を馬鹿にしたような態度を見てるだけで、俺は今すぐぶん殴ってやりたい気分なんだ。話があるなら早くしろ"

"そうカリカリするなよ。こっちは善意でポイントを貸してやるって言ってんのによぉ"

"私達はその条件を聞きに来たのだけれど"

"あぁ、はいはい条件ね。条件はぁ、堀北。くくくくっ。お前がCクラスの男子全員とセックスすることだよ!"

"…………はぁ?"

"もしくは、Cクラスの教室で馬鹿な雌犬として奉仕するかだな。ご主人様のアソコを必死こいて舐めて、自分の穴使って奉仕する馬鹿な性奴隷がお前にはお似合いだぜ、間抜けな堀北さんよぉ!!"

"てめぇら……覚悟できてんだろうな!!!"

"……っ!? やめなさい須藤君!! 抑えなさい!!!"

"……もう来るのかよ? なら、これでどうだ!!!"

 

 その後、動画内にも収録されていた須藤君の大きな声と堀北さんの静止の声が聞こえ、音声が終了しました。何かが動画の停止ボタンにでも当たったのか原因はよく分かりませんが、なんとも中途半端なタイミングです。

 

「……石崎君、近藤君、小宮君。これはどういう事ですか? 高度育成高等学校の生徒として相応しくない発言が聞こえたのですが」

「えっと、それは……そのぉ」

「いえ、取り敢えず指導はこの審議が終わってから。まずは謝りますよ。……堀北さん、この度は私の担当する生徒が貴方に対して数々の暴言を吐き大変申し訳ありませんでした。今後、このような事がないように私の方から強く指導しておきます。後日、彼らと共に改めて謝罪させて頂きますので、簡易的ではありますが我々からの謝罪を受け取ってはいただけないでしょうか」

 

 綺麗な頭の下げ方をする坂上先生に釣られてか、石崎君達も慌てて頭を下げました。

 

「あ、その、いえ、えっと。……はい。謝罪は受け取りましたので、顔を上げてください坂上先生」

「ありがとうございます。……審議の進行を妨げ、申し訳ありません」

「いえ、そんな。……では堀北さん、引き続き証人尋問を続けてください」

「……伊吹さん。先程の音声に聞き覚えはありますか?」

「……確かに、そんなことを言っていたような気はするけど。これって、あんたの端末で録音していたの?」

「そうよ。端末の動画撮影は音声も収録できるから、前々からボイスレコーダーの代わりになるって思っていたわ。てっきり契約の話を持ち出されるものだと思っていたから、後で相談する為に端末をポケットに入れて音声だけでも記録しておこうと用意したのだけれど……まさか、こんな形で役に立つなんて想定外だったわ。最近、とんでもない契約を結んでしまったから用心していたのだけれど私の判断は間違っていなかったようね」

「……堀北さん、一つ聞いてもよろしいですか? 貴女は何故この音声を最初から証拠として提出し、審議の場で説明しなかったのでしょうか? ……勿論、言いづらい内容だというのは分かりますが、少なくとも須藤君だけに暴力の原因がない事は証明できるはずです」

「理由としては、佐倉さんの写真と櫛田さんに送られてきたチャットがあれば十分だと思ったから……というのが一つです。確かにこの音声が証拠としてあれば、石崎君達がこちらに暴力を振るわせるために煽り、須藤君がクラスメイトを傷つけられたと思い手を挙げた……と、いう感じに話を持っていけたかもしれません。ですが、この音声がどの場面のモノかをハッキリとさせなければ証拠としては弱く、須藤君が暴力を振るった原因とは完全に証明できません」

「……なるほど、そこで伊吹さんが撮影した動画と伊吹さん自身の証言が必要だったんですね」

「その通りです。佐倉さんの証言と写真だけではどの場面の音声なのかを証明するのは不可能でしたが、伊吹さんの撮影した動画が第二審で証拠として出た時にこの証拠がどの場面のものかをハッキリと証明できると思いました。加えて撮影者である伊吹さん自身の証言で補足してもらうことで、佐倉さんの写真→私の撮影した動画の音声→伊吹さんの撮影した暴力を振るう動画と。あの場で何があったのかを"殆ど"証明することに成功しました」

 

 まるでゲームのように綺麗に繋がった証拠を堀北さんは説明してくれました。しかし、重要な部分である"どちらが先に手を出したのか"については証明されていません。

 堀北さんはここからどのように話を持っていくのでしょうか。

 

「確かに、須藤君はクラスメイトを罵倒され、義憤に駆られ行動したかもしれませんが石崎君達を殴る理由にはなりません。この点に関しては、殴った須藤君と……止められなかった私にも責任があります」

「……堀北」

「石崎君、近藤君、小宮君。この度は、本当に申し訳ありませんでした。……須藤君も」

「……すまなかった。思わず、カッとなっちまって。でも堀北の言う通り殴る理由にはならねぇよな。……本当に、悪かった」

「私も担任として、彼らの指導が不十分だった事を謝罪させていただきます。また後日、改めて謝罪の場を設けるので、簡易的ではありますが謝罪を受け取ってもらえないでしょうか?」

 

 先程とは対称的に、今度はDクラスの生徒と担任が頭を下げました。

 初めから互いに謝っていれば審議に発展するほど拗れる事は無かったのではとアナタは思いましたが、動画や音声などのハッキリとした証拠がない限り須藤君が悪いと思うのは仕方のない事でしょう。

 

「分かりました。石崎君、近藤君、小宮君はよろしいですか?」

「え、あっ……はい」

 

 堀北さんは、音声の証拠を提出する事で挑発された事実をハッキリとさせただけですが、石崎君が先に殴り掛かってきた事をどうやって認めさせるつもりなのでしょうか? Dクラスにこれ以上の攻め手があるとは思えませんが。あるいは……。

 

「……えーっと、その。確認をしておきますが、皆様はこのまま審議を続けますか? お互いに非がある事を認めている状況ですし、Cクラス側が訴えを"取り下げる"というのであれば、審議を終了させることもできますが」

「私達Dクラスは、もしCクラスの皆さんが応じてくれるのであれば。私への暴言などについては全て水に流し、須藤君が暴力を振るった件についてはまた後日改めて謝罪させてもらうつもりですが……」

「……石崎君、近藤君、小宮君。どうしますか? 確かにあなた達が堀北さんに吐いた暴言は限度を超えていましたが、殴られた件に関してはDクラス側に非があると私は思っています。それに、先に石崎君が殴り掛かった事も向こうが主張しているだけで証明されたわけではありません。審議を続行しても、何もおかしなことはありませんが……どうしますか?」

「え、えーっと……電話とかって、今しちゃダメ、ですよね?」

「ダメです。それとも何か緊急に連絡しなければならない理由がありますか?」

「ですよね〜。……おい、どうする。あの人になんて言えばいいか、俺説明できる自信ねぇよ」

「馬鹿! 俺だってそうだよ」

 

 石崎君達は審議を続けるかどうかコソコソと相談しています。おそらく、龍園君からどのように審議を進めるかなど指示は受けていると思いますが、この展開は想定外だったのかとても悩んでいるようです。

 

「橘さん。質問があるのですが、よろしいですか?」

「はい、なんでしょうか?」

 

 中々相談が終わらない石崎君達を尻目に、堀北さんが橘さんに質問するため挙手しました。

 

「例えば、ここでCクラスが訴えを取り下げた場合。私達への罰などはどうなるのでしょうか?」

「それについては私から説明しよう」

 

 橘さんが答える前に、Dクラスの担任の茶柱先生が質問に答えるため声を上げました。

 

「まず、訴えが取り下げられた場合は私達教員が判断を下すことになる」

「……最初から先生達が判断なさらないのはなぜでしょうか?」

「例えば今回の審議が起こった原因は、証拠がまともになく、殆どを生徒達の証言のみで解決しなくてはならない際に起こるものだ。そこは学校の方針だからと納得して貰いたい。……不思議なことに、審議が始まってから沢山の証拠が集まったがな」

「……分かりました」

「話を戻すが、初めから証拠が複数揃っているのであれば、誰に責任があるのかを教員が判断して、それに対応した罰を学校側が与え対応する。だが、審議の途中で訴えを取り下げた場合は少し話が違ってくる。先ほども言った通り、我々教員が判断をするが……これまでの審議の内容を加味し、生徒の意向を汲んだ判断をする事になる」

「というと?」

「例えば、Cクラスが自分達も悪いと思い訴えを取り下げたのであれば、私達はその意向を汲んで両者に特に罰を与えず、厳重注意に止める。……と言った感じになるだろうな。勿論、審議自体が取り下げられるため、この審議に関連する事はクラスポイントなどに殆ど影響しないだろう。学校側も問題として挙げず個人間で解決をするようにと言ってくるはずだ」

「なるほど。……例えばの話ですが、Cクラスが審議の続行を望み、須藤君の判決が無罪になった場合はどうなるのでしょうか?」

「その場合は、過剰に煽ったことを問題として挙げられCクラスに罰が下るだろう。罰として妥当な所はプライベートポイント・クラスポイントの没収、悪くて停学だろうな。無論、須藤も無罪になったところで過剰防衛として問題になるだろう。この審議の争点は、須藤が先に手を挙げて怪我をさせたかどうかだが、殴った事実が審議として問題に挙げられている以上、何かしらの罰を与えなくてはならない。また、須藤が有罪になった場合も、堀北の提出した音声の証拠からCクラス側にも暴力の原因があったと判断され、なんらかの罰は下されるだろうがな」

「つまり、訴えを取り下げない場合、審議の結果がどうあれ、互いに何かしらの罰は発生するという事ですね」

「これまでの前例通りなら、そういうことになるな」

 

 堀北さんの狙いは音声データを証拠として出すことを決めた時点で、石崎君達の自白を誘うためではなく、訴えを取り下げさせる展開に持っていくことだったのでしょう。

 審議の途中で訴えを取り下げる事が可能なのかアナタは知りませんが、橘さんの発言から察するに両者の合意があれば審議中であっても不可能ではないようです。

 堀北さんと茶柱先生の会話を聞いていたCクラスの三人はどのような決断を下すのでしょうか? 

 

「……動画を撮った私が言えたもんじゃないけど、悩むぐらいならやめてもいいんじゃないの?」

 

 悩んでいる石崎君達に声を掛けたのは証人として呼ばれている伊吹さんでした。

 

「で、でもよぉ。あの人にどの面下げて謝ればいいのか……」

「あいつだって、損するよりかはマシだと思うでしょう。それに、審議を続けてボロを出して負けたら、そっちの方がよっぽどヤバいんじゃない?」

「……伊吹、お前もしかて」

「ほら、もうボロを出そうとしてんじゃない。……はぁ、私も良いように利用されてんのは何となく分かってたけど。まさかあいつ、私に石崎達がボロを出さないように見張らせる事も考えてたのかしら」

 

 石崎君達は伊吹さんと話を終えた後、どこかスッキリとした表情で訴えを取り下げると言って、第三回まで行われた審議は呆気なく終了となりました。

 橘さんから審議の終了の宣言がされ、Dクラスの面々は安心したような表情で、Cクラスの面々は悔しそうな怯えるような表情で部屋を後にしました。

 

「……灰原、このあと時間はあるか? お前に話しておきたい事がある」

「あら、私が話そうと思っていたのに。生徒会長は妹さんの残り香を座っていた椅子から採取する作業があるでしょう? 私たちは退散しますので、どうかゆっくりと妹さんが座っていた椅子と戯れていてくださいよ」

 

 橘さんと選出されたアナタを含めた三人以外が居なくなったタイミングで、生徒会長が話しかけて来ましたが、鹿賀島さんもアナタに話したい事があるようです

 

「鹿賀島、灰原に何の用だ?」

「それはこっちのセリフですよ」

 

 アナタはどちらにも用がありません。早く帰りたいと本音を言うのもいいですが、この機会に何か質問してみるのも良いでしょう。

 

 さて、アナタはどうしようか?

 浮かんできたのは3つの選択肢でした。

 

『生徒会長と話す』

『鹿賀島さんと話す』

『適当に言い訳して部屋から出る』

 

 

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