よう実 ハードモード リメイク版 作:クンクンクン
初手キャラ崩壊注意。
今回もセリフ文が多いので、ルールについては後書きでまとめておきます。
「なぁ、やっぱり夏服ってのはいいもんだよな。日本人の多くがムッツリスケベでチラリズムが好きなのは、夏服っていう期間限定の文化があるからだと俺は思うね」
アナタは現在、豪華客船の上で潮風を浴びながら日陰の多いパラソルがたくさんある場所でダラケていました。8月1日から始まる2週間のバカンスにアナタは踊らせる胸を持ってはいませんが、橋本君たちは船上での時間をそこそこ楽しんでいるようです。
当初は個室に篭っていようと考えていたアナタですが、折角だから外に出てみないかと橋本君達に誘われたので、盗聴器やら隠しカメラなどの確認をしたのち個室から出てきたものの、彼らの話す内容は休憩時間とあまり変わりません。
「しかし、この学校の制服の自由さは良いものではあるのだろうが、故に制服最大の魅力を損なっている。あくまでも制服が真価を発揮するのは全員が同じ服を着ているからだ。シュチュエーションが違えばまた変わってくるだろうが……」
「確かに。青系のシャツ着てたりとか、着崩してるやつとか結構いるよな。……そういや、バカンスに来てないけど。坂柳さんってガーター履いてるよな。俺初めて坂柳さんの足見た時、あれエロゲの世界に来たのかな?とか思っちまったぜ。現実にスカート履いてガーター晒してる人なんて初めて見たわ」
「橋本、正しくはガターだ。確かに、坂柳さんのように制服にガターを合わせるファッションは普通の学校では許可されていないだろうし、仮に服装自由の学校だとしても、ガターを剥き出しにしている女子高生なんぞUMA並みのレア度を誇る痴女だろう」
「いや、痴女って。確かに俺もそう思うけどよぉ」
「もっとも、日本ではエロ目的のものと見る人間が多いとは思うが、あれは一応靴下止め……ストッキングなどがズリ落ちないようにするサスペンダーと似たようなものだ。坂柳さんのよく履いているストッキングもずり落ちやすそうな構造をしているから付けている理由に納得はいく。いや、あの形状だと一体化しているものか。ガターは日常生活ではトイレの時など厄介な点は多いが、結婚式の花嫁衣装にも使われていたりする。ちなみに、イングランドにはガーター勲章と呼ばれるものがあるぞ」
「へぇ〜」
アナタもまた鬼頭君の知識に橋本君と同じ反応を返しました。
「なぁ。中学の時から思ってたんだけど、女子ってブラ透けとかあんま気にしてないのかなぁ。だってさ、自分で制服着たら気付くだろ。あれ、ブラ透けてるくね?って。もしかしてだけど、気づいた上で俺たち男子を誘ってんのかなぁ」
「……女子は視線に敏感だというが、もしかしたら俺たちがブラ透けを見るために向けている熱視線を感じ、自分は雌としてこんなにも魅力的なんだと自信を得るプロセスがあるのかもしれない。見られることに優越感を得る……俺たちにはない感性だな」
「それはちょい穿ちすぎじゃね? 俺たちがシャツ一枚でも良いように、女子達も普通に暑いからブラ透けを甘んじて受け入れてるのかもしれねぇぞ」
その後はなぜブラジャーが透ける制服を学校が採用しているかなどの陰謀論に発展していきましたが、船のアナウンスによって橋本君達の男汁溢れる話し合いは終了しました。
「やっぱ学校はブラ透けする制服を採用する事で日本の権力者の……」
「いや、終着点が見えない陰謀論はここまでだ。さっきのアナウンスによるとデッキから有意義な光景が観れるとのことだ」
「俺たちは既に豪華客船に制服の夏服という一見ミスマッチだが金払っても見るのが難しい有意義な光景を楽しんでるわけだけど……一応見に行っとくか。灰原も行くよな?」
アナタは橋本君の提案に頷き、有意義な光景が広がっているらしいデッキの方へと歩いて行きました。
船の先端にあるデッキはアナタ達が居た場所から少し離れていて、ゆっくり歩いて目的の場所に着くと、有意義な光景見たさにたくさんの生徒が集まっていました。
「この後って島に降りてバカンスなんだっけか。しおりにはペンションに泊まるってあったけど、1週間も何するんだろうな」
アナタは橋本君の言葉を聞いてハッっとなり、不安な気持ちになりました。
確かにアナタは船内での個室の使用権利をポイントで買いましたが、ペンション内での個室の権利を買っていません。
意外な抜け穴があったことに気付いたアナタは有意義な景色も眼中にありません。早速真嶋先生の元へ交渉に行くことにしました。
"30分後、この船は当学校が保有する孤島に上陸いたします。生徒の皆さんはジャージに着替え、予め用意していた荷物と携帯電話必ず持ち、クラス毎にまとまってデッキで待機してください。また、暫くの間休憩時間がありませんのでトイレも済ませておくようにしておいてください"
「そういや、島ってことは虫とか出るんじゃね。俺虫除けとか持ってきてないわ」
「安心しろ、こんな事もあろうかと虫除けスプレーを二つ用意してきた」
「わざわざポイント出して買ったのかよ。まぁ、ありがたく使わせてもらうけど。お裾分けと言っちゃなんだが。トランプ持ってきたから、夜にでもやるか? 灰原も一緒にやろうぜ」
個室に戻りジャージに着替えて荷物を持ったアナタは再びデッキへと戻りましたが、不安な気持ちでいっぱいでした。
ペンションに複数人で泊まるかもしれないと気付いたアナタは真嶋先生を探しどうにか出来ないか交渉しに行きましたが、契約の内容はあくまでも船内にある個室の使用しか保証されておらず、特別な理由がなければ船内に戻ることもできないと言われました。最悪、野宿でもすればいいかと楽観的な気持ちはあるものの、アナタには草やその辺に落ちているものを使ってベッドを作るなんて工作はできません。
孤島に上陸して落ち着いたら、まずは段ボールなどを貰えないか交渉しようと考えていたところで、船は目的の場所に着いたようです。
船から降りる途中、Dクラスの何人かはアナタの方を見ていましたが、アナタはそんな彼らを気にする事なく、これからの行動について思考を巡らせていました。
「では、これより本年度最初の特別試験を始める」
どうやら、永木や鹿賀島さんの言っていた大量のポイントを集める試験は船内ではなく船外で行われるようです。
他のクラス…‥特にDクラスからは行事予定に書かれていないやら、意味がないやらなどの不満の声が上がっていましたが、それらに対し、説明していた真嶋先生は試験のテーマを自由であると伝えて、ルールを破らなければどのように過ごしても良いと返しました。
「では、試験のルールを説明する。まず大前提として、各クラスに試験専用ポイントである"1000ポイント"を支給する」
1000という言葉が真嶋先生の口から発せられ周りの人間がザワザワと騒ぎ始めます。
「この専用ポイントを使い、君達は1週間を何の不自由なく快適に過ごしてもらっても構わないし、質素で堅実なプランのもと生活するのもいいだろう。学校は君達に自由に生活してもらうために高級な肉、それらを焼くバーベキュー機材。海で遊ぶためのレジャーグッズなどの娯楽も豊富に取り揃えている。各クラスに一つずつ配布するマニュアルから購入したいものを選び、各々の担任に伝えれば、早急に君たちの元に届けられるだろう。また、生活をする上で守らなければならないルールや罰則などもマニュアルには明記してあるので、よく目を通しておくように」
「1000ポイントというのは少々太っ腹が過ぎますね。何故学校はこのポイントに設定したのか、その意図が気になりませんか灰原皐月」
生徒達がガヤガヤと相談したり先生達に質問を投げつける中、アナタはソロソロとこちら近付いてきた森下さんに声をかけられました。
確かに1000ポイントというのは各クラスの初期ポイントです。下位のクラスには勿論、現在トップであるAクラスにも大いにメリットがある試験と言えるでしょう。しかし、永木や鹿賀島さんの話ではかなりのプライベートポイントを稼げるという話ですが……
「また、今回与えるポイントは試験終了時に現在のクラスポイントに"全て"換算され、夏休み終了後に反映される。君たちの創意工夫次第では他のクラスと大幅に差をつけたり、縮める事も可能だろう。更に、今回の試験の結果は2学期には反映されない。例えクラスポイントを全て失ったクラスが現れようとも、その成績は現在各クラスが保有しているクラスポイントに影響はない。存分に試行錯誤を繰り返し、この試験に臨んでくれ」
現段階の説明だとクラスポイントは増えても、個人が保有するプライベートポイント自体は貰えません。もしかして、去年の鹿賀島さん達の試験とは変わってクラスポイントが大幅に増える試験になったのでしょうか。
「細かい説明は各クラスの担任から改めて行う。では、各クラスごとに別れて、準備を終えたクラスから行動を開始するように」
「……さて、これからどうするか。この場から動く前にみんなの意見も聞いておきたい。これからの行動方針を固めるためにも、先程真嶋先生から説明されたルールの再確認をしたいと思う。間違っている部分があれば指摘してくれ」
各クラス毎に別れ、真嶋先生から"追加ルール"を聞いたアナタ達は、葛城君主導の元、ルールの再確認を行うことになりました。
葛城君はどうやらメモ帳を持参していたようで、ルールなどを真面目に書きまとめていたようです。
以下、真嶋先生から聞いたこの試験のルールをまとめると
「①今から1週間無人島で生活をする。②寝る場所や食べ物などはポイントで購入するなどして自分達で用意する。最初に、テント2つ・マッチ1箱・歯ブラシは一人1つ・携帯トイレが1つ・生理用品や日焼け止めなど無制限に貰えるものがいくつか。それらが無料で支給される」
「テントは1つにつき大体8人ぐらいが入れて。携帯トイレにはワンタッチテントが付いてるやつで、トイレで使うビニールとシートが無料でいくらでも貰えるんだったけ?」
「そうだ。ただトイレなどの購入は設置に時間が掛かるため"拠点"を見つけてから購入して欲しいと頼まれた。……話を続けるぞ。③"試験専用の1000クラスポイント"が支給される。そのポイントは試験終了後、残っているポイントが現在保有しているクラスポイントに加算される。ただ、試験専用の1000クラスポイントでしか食事や水、トイレなどを買うことができない。④体調不良でリタイアしたり、禁止事項を破ると試験専用クラスポイントが減点される。例えば、午前と午後に行われる点呼の時にいなかった場合は一人につき20ポイント減点されるようだ。そして、これは俺たちAクラスのみの話だが、坂柳がいないため試験専用クラスポイントが20ポイント減点された状態でスタートする」
「…‥他にも環境汚染や暴力を禁じることも明文化してある。無茶をしでかすクラスは現れないと思うが。無自覚にしてしまわないように気をつけなくてはな」
無人島で1週間生活をするわけですが、アナタ達はクラスポイントを使い贅沢に暮らすこともできるし、クラスポイントを残すために我慢して生活することも可能です。
以前のアナタであれば最低限の食料と水さえあれば充分だったのでしょうが、便利な生活に慣れたアナタには個人の自由に使えないポイントを使った共同生活は若干のストレスとなるでしょう。
「⑤各地にカードキーで認証するスポットが設置してある。スポットにカードキーを読み込ませると占有したことが認められ、その場所が拠点として使えることになる。更に占有した場所1つにつき"3ポイント"加算される。8時間で占有は解除されるが、再度占有する度に3ポイント加算される。もし占有された場所を他のクラスが拠点として使用した場合は、現在保有しているクラスポイントから100ポイント減点される。また、必ず1人リーダーは選ばなければならず、カードキーはリーダーしか使用できない。リーダー以外が使用すれば100ポイント減点される。リーダーの途中変更は原則認められていない」
スポットに関しては、何ポイントで物資を買えるか確認していないので3ポイントの重みが分かりませんが、複数のスポットを占有できればかなりのポイントが貯まるシステムです。
例えば、5ヶ所のスポットを運良く1日目と最終日を除き24時間確保できれば
9(24時間占有できれば貯まるポイント)✖️5(スポットの数)✖️5(日数)=225ポイント獲得となります。
「スポットの占有は重要になりそうですね。早めに拠点を見つけて動いとかないとまずいんじゃ」
「動きたい気持ちは分かるが、この試験でのスポットの占有はかなり"危険な行為"でもある。⑥最終日に参加できる"リーダー当て"において、相当不利な結果をAクラスにもたらす危険性がな。それに加え、このリーダー当てにはとんでもないデメリットも存在している」
「それって、外したら試験専用ポイントを"全部失う"ってやつですか?」
「その通りだ。リーダー当てに参加した場合、俺たちは各クラスのリーダーを当てなければならないが、"1クラスでも"外せば1週間の努力が全て水の泡となる。それに、リーダー当てに参加するためには"500ポイント"支払わなければ参加できない時点で、デメリットが大きすぎる」」
「……でも、その分メリットも凄かったですよね」
「その点は俺も認めている。リーダーを1クラス当てる度に、当てたクラスには300クラスポイントが支給される。つまり、他のすべてのクラスを当てる事ができれば900ポイントを獲得する事ができるわけだ。更に、リーダーを当てたクラスのクラスポイントを100ポイント削れるのも大きい。加えて、全クラス的中させる事ができればボーナスとしてクラスに"1000万プライベートポイント"が支給されるそうだ」
最後のリーダー当てに関してはクラスポイントが得られなくなるというデメリットこそあれど、それ以外には特に何もないようです。
「重要になるのはリーダー当てだが……俺はやるべきではないと思う。リーダーを1つでも外せば試験専用クラスポイントが全て没収される。全てのクラスのリーダーを当てるのは現実的ではないだろう。ひとまず、ルールに関してはこんな所だが、何か意見等があれば言って欲しい。…………いないようだな。では、今から拠点を探すために移動を始めようと思うが、誰か拠点となりそうな場所に覚えがある者はいないか?」
葛城君の言葉に返す人間は誰もおらず、一拍置いてから葛城くんは話題を変えて、移動を始めようと提案しました。
「……なるほど、有意義な景色というのはもしかするとスポットの事だったのかもしれませんね。だとしたら島の周囲をぐるりと周ったのも納得できます。灰原皐月はどう思いますか?」
またしても、コソコソとアナタの隣に近づいて来た森下さんは、アナタに意見を求めてきました。
アナタは有意義な景色とやらをまるで見ていないので何とも言えないのですが、森下さんの言葉から察するに有意義な景色というのは島の構造を把握させるためのものだったんじゃないでしょうか。
「私もそう思います。そういえば、島をぐるぐる周ってる時に面白いものを見つけたんですよね。よかったらこのあと冒険と洒落込みませんか?」
「スポットに関しては、俺にアテがある。船に乗っている時、先生がアナウンスで有意義な光景が観れると言っていただろう? 船に乗っている時にいくつか人工的に作られた開けた道があるのを確認した。その付近には日差しも防げる洞窟などがあるかもしれない」
森下さんと話している間に、葛城君が見つけたスポットがあるらしき場所へ移動することに決まったようです。
この島は日差しが強いようなので日陰があるのはいいことです。その意見に何か言う生徒はおらず、葛城君の案内の元付いて行くことになりました。
もっとも、アナタは試験のことよりも重大な問題である、一人で寝泊まりする場所についてどうしようかと頭を悩ませていました。
孤島といえど、生徒が過ごすことを想定しているのであれば危険はそうそう無いはずです。
アナタは寝床になりそうな場所を探しながら、クラスメイト達の後ろを付いて行きました。
テントなどの支給品は原作と同様。以下原作との変更点。
①最初から参加していない人間やリタイアした人間は20ポイント減点
※原作だと30ポイント
②試験専用ポイントが1000ポイント
※原作だと300ポイント
③スポットの獲得ポイントが3ポイントに
※原作だと1ポイント
④リーダー当ては参加費用に500ポイント必要。リーダーを1人でも外すと試験専用ポイントは全部失われる。しかし、リーダーを全員当てられると900ポイント。更に当てたクラスのポイントを➖100。更に更にボーナスとしてクラスに1000万ポイント配布される(分配については生徒に任せられる)
※原作はここまでややこしくない
細かい点については次話以降で。