ps2とpspでやってpspで全員集合見たよ
此処はバイオシアン大陸の東側に位置するロストール王国のど田舎の村、ノーブル。
見渡す限りに広がる黄金色の畑以外にゃ特に見る物が無いど田舎たる我が故郷。
お偉いさんにとっちゃ税金の徴収以外には用が無いだろう場所だが、定期的に兵士が訪れるんだ。
「そうですか……。では、ジル様から何か御座いましたらお教え下さい」
「了解了解。まっ、姉貴は地位とかには興味無いとは思うから無駄だろうけれどよ」
こんな田舎に王国の、ついでにディンガル帝国の使者まで現れる理由、それは姉貴だ。
肩を落として去っていく兵士の背中を見送り、そろそろ収穫時期が近付く畑を見ていると思い出すのは激動の日々。
領主の圧政に耐えかねて反乱を起こした結果、俺達三兄弟の一番上だった姉貴が何故か公爵家の隠し子だったって事になりノーブルの領主になっちまった。
それから冒険者として大陸を歩き回り、今じゃ偶に顔を見せるゴブリン三人組のゴブゴブ団から聖杯を取り戻そうとしている内に王国と帝国の戦争が勃発、その後で色々あって姉貴が封印を解いた女神だのバロールだのをぶっ倒したりして平和が訪れましたとさ、めでたしめでたし。
「おーい。また来てたのかよ。姉ちゃんがわざわざ旅立った意味を分かってねぇよな」
「平和な時代に英雄は要らない。仲間だったんだから理解して欲しいんだがよ」
ちょっと前の事を思い出している俺に声を掛けたのは兄貴のチャカ。姉貴であるジルに軽口叩いては頻繁に拳骨喰らってた馬鹿だ。
俺? 滅多に喰らわねえよ。 頑丈になるけれど馬鹿にもなるし勘弁だ。
「そろそろ昼飯にしようぜ。猪の干し肉がいい感じになってるし少し豪華にしようじゃねえの」
「豆と芋ばっかりの宿屋の飯とは大違いだな、おい。……いや、マジで酒場にでも行かねえと酷かったもんな、あの頃の飯」
あの冒険の日々が懐かしくない訳じゃない。ただ、今の平和な日々も大切だし、俺達は両親が残してくれた畑を、姉貴が帰って来る場所を守るって約束したからな。
それはそうとマジで宿屋の飯は酷かったよな。千歳超えのエルフのババ……姉ちゃんなんて珍しい物を見る為にって誘いに乗ったら粗末な飯ばっかでキレてたし。
「ところで兄貴、最近は俺ばっかり対応してるけれど何時も何処に行ってるんだよ。この前なんてベルベルさんが来たんだぜ。姉貴を皇帝に推挙したいって諦めてねぇの」
あの人も旅の仲間だったし、他にも一緒に旅をしたいって仲間が顔見せに来るから大変なんだよ。
俺は一番餓鬼だったし、世話になったからな。
「例の婚姻で血を入れれば良いって奴だろ? ネメアさんとでも結婚させる気かよ。……いや、あの人の名前を略するの止めとけって。帝国のお偉いさんだぞ、一応」
「獅子帝と竜殺しの夫婦とか、夫婦喧嘩で大陸が滅びるんじゃね? ……兄貴、もしかして全部俺に押し付けてる?」
「【インビジブル】」
「逃げやがったっ! ふざけんな、糞兄貴っ!」
文字通りに姿を消した兄貴に悪態を吐きつつ空を仰ぎ見る。そう、冗談で言ったが世界を救える英雄ってのは世界を滅ぼす魔王にもなれるって事だ。
だから姉貴は平和を乱さない様に大陸から去ったし、俺達もあの冒険の日々で得た力を振るう事は滅多に無い。
だって畑を荒らす獣相手に封印されてた伝説の魔法やら禁呪やら必要か?
神の代行者だった最強の竜に痛手を与えた技とかも何処で使えって話だよ。
精々がギックリ腰起こした爺さんにヒーラースペル使ってやる程度だもんな。
ぶっちゃけ体は兎も角として勘は鈍ってる気がしないでもないと思った時だ。
目の前の空間に歪みが生じたのは……。
「……はっ? おいおい、まさかシャリの野郎か!?」
思い出すのは四年間の冒険の日々で何度か関わり、最後には直接戦った奴の事だ。
大陸各地で人の願いを生者も死者も善悪すら関係無しに叶えるが割と悪側だった少年。
人の願いから生まれた彼奴が俺をどうにかして姉貴に何か仕掛ける気なんじゃないのか、そう思った時にはもう遅い。
テレポートを使う間もなく俺は歪みに吸い込まれてしまった。
「此処は……?」
視界が暗転し、直ぐに見覚えの無い景色が目の前に現れる。天井から水晶が生えた洞窟らしき場所の誰かの墓の前、城塞都市跡で同じ様に妙な空間に閉じ込められた時はネメアさんのテレポートで脱出したが、俺の腕前じゃどうも無理らしい。
「まあ、どうにかなるか」
姉貴を別の大陸に送ってくれた賢者様なら多分どうにかしてくれるだろ。
だって大陸の何処にいても仲間を呼んだり送ったりしてくれたし。
俺が知らないだけでバイアシオン大陸の何処かなのか、それとも別の大陸なのかは分からないけれど、遠目に街らしき物も見えるんだ。
テレポートで街まで一気に……いや、周囲を調べながらの方が良いか?
問題は飯時だったから腹が減ってるし、装備も財布も無い事なんだけれど、果物とかあれば良いんだが……。
「甘っ!? あっ、こっちは肉っぽい」
ふぃい。食料は発見出来て助かったぜ。
道中、木に成った果物を幾つか食べ、水晶から湧き出る水を飲んでみるが問題は無さそうだ。
俺が知ってるのよりは少し小さくて素手の弱いミノタウロスやらクマみたいなモンスターと出会ったが魔法を使うまでもなくワンパンでぶっ倒す。
なんか胸の辺りを殴り飛ばしたら灰になって、角だけ残したのとか居るんだが、どうなってるんだ?
まあ、完全に分かるのは……俺が知る場所じゃないって事だ。
「アンタには助けられたよ。嫌味に聞こえるだろうがな」
モンスターにやられたんだろう死体の前で軽く祈るポーズを取って呟いた。
ダンジョンで行方不明になった一般人を救出する依頼は何度かこなしたが、装備からして多分冒険者だ。
持っていたメモからして俺が知らない文字が使われてるし、落ちてた財布の中も見慣れない硬貨とあっちゃ諦めるしかねえ。
「どうすっかねぇ。おい、シャリ、どうせ見てるんだろ、チビ」
俺が旅立ったのは十一の頃、今じゃ十六になってシャリの身長もだいぶ抜いた。何なら兄弟の中で俺が一番大きい。
そんな俺が下手な真似すれば嘲笑いに出て来るかと思って声を掛けたが反応は無し、今は見張られてねえのか?
死体を持ち帰るってのは駄目だ。何処の誰かも分からねえのに其処まで背負える余裕がある訳ねえからな。
荷物全部ってのも……しゃーねえか。
「遺髪と……形見になりそうな武器だけ持って行ってやる。化けるなよ? 化けたらターンゴースト使うからな?」
旅の最中も遺体を持ち歩いてた訳もなく、ギルドに届けるべく持ち物の一部だけを持ち帰っていた。
死体が食い荒らされない様に土の魔法で穴を掘って死体を埋め、布に包んだ遺髪と財布と剣だけを袋に入れると俺は街の方を目指す。
さてさて、どんな所なのやら。
畑を置いて故郷から出る姉貴に無理を言って同行しての旅は辛くも新鮮な事ばかりだった。
見慣れぬ風景に町並み、破れた初恋さえも今じゃ良い思い出だ。……その初恋相手も偶にノーブルに顔を見せるんだがな。
「うへぇ……。さっさと脱出するか……」
辿り着いた街は何というか、冒険者の街って感じだな。活気はあるんだ、品性はノーコメントで。
夢の始まりと終わりの場所とか呼ばれてたエンシャントをちょっと思い出すが、此処は更に荒くれ者が多い印象だ。
「取り敢えず【エスケープ】を……」
ダンジョンの入り口に転移する魔法は問題無く発動、問題は色々あって警戒が途切れてたって事で……。
「おい、兄ちゃん。こんな場所で魔法なんて……」
だから背後から眼帯の男が手を伸ばしたのに気が付かなかったし、咄嗟に振り向いた時に手が触れたのと魔法が発動するのは同時だった。
あっ、やべっ……。
そんな風に思ったのも束の間、キャンセルなんて出来ない俺の体は光に包まれてその場から消え去り、直ぐに視界が切り替わる。
目の間には長い長い螺旋階段、その上からは陽の光が差し込んでいて、俺の背後には肩を掴んだままの男がいた。
……いや、仕方ねえだろ? 何千年も生きているハイエルフとか、それに教わった英雄一行と違って俺は独学と魔法学校を実験で吹っ飛ばした頭のおかしい姉ちゃんから少し教わった程度なんだ。
「うおっ!? ダンジョンの入り口に来てるだとっ!? どうなってるんだ!?」
「あー、悪い。直ぐに戻るから掴まっていてくれ。【テレポート】」
そして再び光に包まれた俺達はさっきの街の入り口に立っていた。よーし、一年ぶりくらいに長距離の転移したけれど成功だな。
流石、俺。魔法の才能だけなら姉貴より上だと褒められただけある!
「じゃあ、そういう事で……」
「おおっと! ちょっと待てよ、兄ちゃん。俺と組んで儲けようぜ!」
……あー、面倒な事になりそうだ。力ってのは見せびらかすもんじゃねーな。
手を振り解いて逃げても良いんだが、迷惑掛けたってのもあるし、何より情報が欲しかった。
欲の皮が突っ張った荒くれ者って感じの男には良い印象を抱いてねえが、話くらいは聞いてやるか……。
「ほう。兄ちゃんは別の大陸から来たのか」
「来たってよりは飛ばされた感じだな。さっき巻き込んだ魔法に似たのが使える奴の仕業だと思うんだが。ああ、名乗ってなかった。俺の名前はギルだ」
男、ボールスの話を少し聞いた限りじゃ此処はリヴィラの街っていうダンジョン内部で冒険者によって運営される場所らしい。
海賊のアジトもモンスターが出る森の奥にあったし、別に不思議でもねえな。
どうもモンスター退治ってのは金になるみたいだし……。
危険なのが出たから退治してくれって依頼とは別で、モンスターの死骸から金になる物を集めるとか。
周囲を見れば原理はどうなってるのかって道具が置かれていて、どうも魔石ってのが必要らしい。
大陸が違えば大きく変わるもんだ、それは魔法も同じでテレポート自体が珍しいっつーか、習って覚えるタイプの魔法じゃねぇのな。
……成る程、こんな場所に作った街だ、売り物の仕入れも色々と嵩むだろうな。
比較的弱いモンスターでも襲われればガラス製の瓶は割れるし、大人数に払う手間賃も馬鹿にならない。
「それで俺の取り分は浮いた費用の何割だ?」
金も無ければ文字も違い、頼る相手も居やしない。既に見られた後なんだ、オルファウスさんが連れ戻してくれるまで飯代稼がないとな。
「取り敢えず四割を希望する」
「馬鹿言え、一割だ」
「三割」
「二割五分」
さて、こんなもんか。このオッサン、小物に見えてそれなりに修羅場は潜ってる上に荒くれ者の総纏めやってるみたいだからな。
俺がただの小僧じゃないって何となーく察してるっぽいからな。
「じゃあ、一月辺りにどれだけ運ぶか決めようか。それと文化とかも違うみたいだし、情報の擦り合わせをしたいんだけれど」
流石に何も知らないって教えるのは不味いだろうし、こんな感じで良いだろう。にしてもファミリア? 特定の神を信仰して恩恵を授かる感じだけれど……。
あー、兄貴大丈夫かな? 賢者の森まで知らせに行くだけで結構掛かるし、収穫とかもしなくちゃならねえのに。
名前 ギル
年齢 十六
ソウル ネガヴァニティア
初恋相手(失恋済み)アトレイア
武器 ナックル
出身地 ノーブル
髪の色 赤
女主人公の名前は ジル
レベル 83 なお、五十以上で お前ヤバイから世界のために殺すね ってされるイベント入ります