ブラック・ブレット〜赤目の神喰人(ゴッドイーター)〜   作:緋悠梨

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蓮太郎より先に、あいつが出てしまった!!


2.邂逅

 

ーーーside悠梨ーーー

 

 

目が覚めると、顔と手に土の感触があった。

 

「……ん?土!?」

 

驚きで意識が覚醒した。

 

「な、なんで僕は外で倒れてたの…!?いつ保管庫から投げ出されたって言うんだ……!!」

 

だいたい、さっきまで神機兵保管庫で戦ってたからあるとしても鉄の冷たさが正しいはず。だけど、自分の五感がそれを否定する。

まず、視覚。ここはどう見ても、森だ。森はもうないはず。植物は観賞用以外は、すべてアラガミに捕食されつくしているからだ。

 

(でも確か、サカキ博士の講義で、その植物を捕食したアラガミ達が植物の機能を理解して、光合成をして酸素を生みだしてる、って言ってたなぁ…)

 

倒すはずのアラガミに、生きるために必要な酸素を作ってもらっているとは、何とも皮肉だとは思わんかね?とはサカキ博士の談だ。でも倒さなけれな人類が殺されるからやるしかないんだけどね。

次に触覚。さっきから左腕や顔など、むき出しの部分の肌を風が撫でていく。神機兵保管庫は閉鎖空間だったから、風が吹くこと自体あり得ない。ラケル博士がクーラーつけるとも思えない……とまたあほなことを考える。

 

「…….完全に現実逃避だよな、こんなん考えちゃってるし….」

 

その通りである。しかし現実を見据えないといけない。とりあえずみんなを探してみよう。そう思い、立ち上がる。

 

「おーい!ナナー!!ギルー!!シエルー!!ユノー!!ジュリウスー!!….ジュリウスは流石にないか…」

 

またアホなことをやってる自分に苦笑し、気を入れ直す。

 

「さてと….。そういえば神機はどこだろ…?」

 

周りを見回すと背後の茂みに自分の神機の柄が見えた。

 

「あったあった、あー良かった。….ん、ちゃんと腕輪と接続もするね」

 

一通り銃、剣、装甲への変形も問題なく行えた。制御ユニット(ゴッドイーター)もついているが、

 

(強化パーツがないなぁ….制御ユニットついてただけでも御の字だけど、探してみようかな)

 

神機とは、アラガミに対抗するための武器である。悠梨の神機は第三世代型だ。第二世代に引き続き、変形機構を持つ。ちなみに剣はガルドラ(バスターブレード、銃はシロガネ強襲極型(アサルト)、装甲は牙竜大甲(タワーシールド)だ。この相棒がなければ、僕は一般人より強い程度でしかない。近くにあって本当に良かった。安堵しつつ神機を拾い上げ、歩き出そうとしたその時。

 

「….ん?何かの歩く音?」

 

ゴッドイーターの聴力でもって聞こえるレベルだから、まだ遠い、かな?見つからないようにやり過ごしたがいいかなこれは。そう少し考えたけど

 

「少しイライラしてるし….倒した方が頭スッキリしそうだし、やろうかな?あのアラガミには申し訳ないけどね」

 

うん、仕方ない、討伐予定外のアラガミが入ったって言えばいいよね。特別報酬もらえるし。そういって戦うことにしてしまった。

 

 

……それがまさか、あんなことになるとはね……。

 

 

(よしフラグ予防線は貼ったぞ。これで大丈夫だ)

 

 

------

 

 

5分後

 

とりあえずその場に隠れた僕は、足音がかなり近くまできていると判断していた。

 

(そろそろ飛びかかるか…)

 

相手の体が目の前を通り過ぎようとした瞬間に飛び出し、ガルドラで胴を斬りつける!

 

(よし、このまま……っ!!!??)

 

返す剣で足を切ろうとしたが、そこであることに気づき、剣をとめ一旦退く。

 

(コイツ…ヴァジュラじゃない!!新しい堕天種か何かか!?)

 

近付く生物をヴァジュラと思っていた。なら一人でいける。そう思い襲撃したが結果はなんとも予想外….!!

 

(でも、頭を割れば勝てる…筈!)

 

どんなアラガミでも、頭を壊せば動きは落ちる。そう思い仕掛けた。謎のアラガミの前足の攻撃を二度よけ、あっけなく顔の前に到達し、頭部を一撃の元に粉砕した。

 

「….なんだ、弱いじゃん」

 

少し頭がスッキリしたので神機を置き、もう一度思案する。

 

(しかし本当にここはどこなんだろう….全然知らない土地だもんね…)

 

―――隙を、見せてしまった。背後に嫌な気配を感じ、振り向いた時には既に飛びかかってきていた。

 

「がはぁっ!?」

 

(コア摘出忘れてた…!! 異常事態とは言え僕としたことが…!!)

 

今更後悔しても後の祭り。宙を舞い、地面に叩きつけられて意識を失った。

 

 

---side影胤---

 

 

(….どうやら一人のようだね….イニシエーターもいないようだ)

 

私こと蛭子影胤は東京エリアに向かっていた。その途中、未踏査領域の中で奇妙な少年を発見した。ガストレアが闊歩するこのような場所に1人で転がっている(訂正はしない)なぞ、怪しいにもほどがある。観察のため、しばらく休憩をとるとした。娘で自分のイニシエーターである蛭子小比奈は自分の横でチョコを食べている。

そして少年は視界の中、何やらずっと一人で隠れている….と思ったら突然飛び出してガストレアに襲いかかっていった。

 

「ふむ、あの大きさならステージ3….あの小さい少年が一人で立ち向かうとはね。それに、あれだけの大剣を振り回すとは….見た目によらない腕力がありそうだ」

 

なかなかに興味をそそる少年だ。

 

(頭を一撃….動きも悪くないな)

 

しかし見てたら、油断したのか、何故か復活したガストレアに吹っ飛ばされピクリともしなくなっていた。少し焦って、指示を出す。

 

「小比奈、あそこのガストレアを好きなだけ切り刻んできなさい」

「ホント!?やったー!!」

 

そういうと小比奈はチョコを懐にしまった後、二刀を構え、喜々として駆けていった。

 

(さて…少年を回収しに行くか)

 

そして悠梨が倒れているとこにつき、生存を確認する。

 

(….まだ脈もしっかりしている。意識を失っているだけのようだね)

 

それから念の為と、気絶している少年のまぶたを右手で開く。死んでいないか確認するための行為だったが、その目を見たとき、仮面の下の顔が喜色に「歪んだ」のが分かった。

 

「これはこれは….男で、しかもここまで成長していり。珍しいで済む話ではない….これは露見したら、とても面白いことになりそうだね…クククッ!」

 

この少年は、自分達と同じく―――。そんな期待に、胸が膨らんでいく。それに先程の動きを見る限り、決して弱くもない。これは逸材かもしれない。

 

「パパー!!終わったよー!!....あれ?ねぇパパ?そいつも斬っていいの!?」

 

という言葉と共に娘が帰ってきた。

 

「よしよし、でもこの子はダメだよ。近い将来、私たちの仲間になるかもしれないしね」

「うー…パパのケチ!それに仲間なんていらない!パパと私だけいればいいもん!!」

 

なんとも可愛らしい事を言う娘だ。そう思ったが、殺させる訳にはいかない。

 

「とりあえず予定通り東京エリアに向かうとしよう。この少年は侵入したらどこかの道端に捨てていくから、それまで我慢しておくれ」

「....はーい、パパ」

 

しばらくは東京エリア内で泳がせて見る予定にして、移動することにする。そう決め、少年を担ぎ上げた。―――思ったより軽い。

….そういえば彼の持ってた武器は….

 

(あったが、あれは….持てそうにないな….)

 

近くでみるとかなり大きいことが分かる。よくこんなものを振り回しているものだ。少年には悪いが、武器は諦めてもらおう。とても手に余る。そう決め、二人でその場を去ることにした。

 

 

 

ーーーside蓮太郎ーーー

 

俺が、捨てられている少年を見つけたのは、まぁ勾田高校の通学路だったから、というだけだ。

 

「……なんで道端に人が捨てられてんだよ……」

 

思わず呟く。少なくとも朝にはいなかった。ということはその後か……。

 

(….仕方ねぇ、起こすか)

 

そう思って起こそうとしたが、その少年の頭に大きなアザがあるのに気付いた。

 

(....なんだ?倒れた時に打ったのかコレ?にしちゃでかいな….それに、この腕輪….)

 

何かよくわからんが、さわんないほうがいいな、うん。これは菫先生に見てもらった方がいいかもしれないと思い、少年をおぶい、連れて行った。

 

 

------

 

 

 

「菫せんせー、いんだろ?出て来いよ」

 

知り合いの医師(?)、室戸菫の研究室である霊安室に着いてそう声をかけたが、誰もいない。そんなはずはないのだが…と思った矢先

 

「う"う"ぉあ"あ"っっっっっ!!!!」

「げっ!!!???」

 

そんな声と共に、ゾンビが、カーテンの裾から出てきた。思わず少年を落としそうになるが何とかこらえる。……またいつものイタズラか……。

 

「菫先生、相変わらずタチが悪い….心臓に良くないからやめてくれ、って何度も頼んでんだろ」」

「いやー、君の不幸顏を見てるといたずらせずにはいられなくてねぇ」

「そんな理由が通用するかよ!!ってそうじゃなくて頼みがあるんだよ」

 

やっと本題に入れる、これでもいつもよりマシだ。

 

「こいつを治療してやって欲しいんだ、代金はおいおい払う」

 

そういいながらベッドに少年を寝かす。死体のあったベッドだが大丈夫だろう、多分。

 

「代金はいいとして、この子どこで誘拐してきたんだい?蓮太郎君、誘拐は犯罪だよ?」

 

「んなこと分かってるわ!!誘拐してねぇよ決めつけんな!! ……拾ったんだよ、道端に落ちてて。んで頭のアザが酷かったから先生に見せにきたわけ」

「ふーん…ならさっさとそういえば良かったじゃないか…」

「アンタが散々妨害したんだろうがぁーーっっっっっ!!!!」

 

キレた。全力でツッコむしかし声が大きすぎて少年を起こしてしまった。

 

「….あれ?僕はいった….ひぃっ!?」

 

見回した時に視界に入ったのだろう、死体に驚いてベッドから落ちる。

 

「……先生……」

「私の部屋に生きてる物を連れ込む君が悪い」

「結局俺のせいかよ!!」

 

頭を抱えるが、それでも少年に話しかける。

 

「あー……ごめんな驚かせて……大丈夫か……?」

「あ、はい…なんとか…」

 

そう言って俺の方を見たが

 

「なっ……!?先生、これ……!!」

 

「……!!ほう、これはまた奇異な……」

 

俺と菫先生の見たもの、それは少年の赤い「目」。

 

(こいつ、『呪われた子供たち』なのか……!?」

 




影胤の発言でわかった人も多いとは思いますけど、悠梨君は赤目でした。
あと読み直すと展開が早い!!

感想、指摘等ありましたらよろしくお願いします。
また間があきます。ごめんなさい。
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