白い鯨の歌   作:オクラ080

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最近病気がはやってますね。
体調には気おつけていきたいものです。


ピークォード号

「見えたぞ。あれがあいつの船、ピークォード号だ」

 

部長のいた部屋から出て、少し歩いたところに見えてきたのは、木造の大きな船だった。…なんで?

 

「なんで木造船なんですか?最新の船じゃないんですか?」

 

私が言うより先に、生徒会の子が言ってくれた。

 

「それが、あいつはあんまり新しい船に乗りたがらないんだよ。こういった古い捕鯨船に乗るのが、あいつの前からのこだわりらしい」

 

「…奇妙なこだわりですね」

 

「そうだよな。だがあいつはこれでも、うちで一番成績がいいやつなんだ」

 

「あの船でですか!?」

 

「そう」

 

「……やっぱり捕鯨部はよくわかりませんね」

 

そう言って生徒会の子が軽くあきれる。私も、とても驚いた。私のイメージした捕鯨船とは、大きな銛を打ち出すことができる大砲がついているものだったから。

 

”とりあえず、その子に会いに行こうか。どこにいるかわかる?”

 

「おそらく船の船長室だろう。行こう」

 

そうして、船に向かって歩いていく。近づくにつれてその船の大きさがよくわかる。そして、その真横まで近づいた。

 

「おーい!だれかいるか!」

 

そう部長が叫ぶと、船の上から誰かが顔をのぞかせた。そして一度下がったかと思うと、そのまま何も言わずに桟橋をかけてきた。

 

「…行くか」

 

部長を先頭に、私、生徒会の子の順番に乗り込む。船の上は人があわただしく動いていた。先ほど桟橋をかけてくれたのは誰だろうか。

 

「やあ部長、久しぶりだな」

 

ふと横から声をかけられる。見ると、陽気な少女が話しかけてきた。

 

「お前は…」

 

「『スタッブ』だよ。ここじゃそう呼ばれてる」

 

「そう、か。エイハブはどこにいる」

 

「船長の居場所なら『スターバック』に聞いた方が早いぜ。あそこで指示を飛ばしてるやつだ」

 

そう言って一人の少女を指さす。落ち着いて船員たちに指示を出している少女が見えた。

 

「わかった。行ってくる」

 

「おう、気おつけてな」

 

そう言って手をひらひらと降ると、彼女は行ってしまった。

 

”友達だったの?”

 

「いや、友達というほど親しくはないが、たまに話す仲だった」

 

”そっか。とりあえず向かおうか”

 

私たちはスターバックと呼ばれた少女に向かって行った。近づいていくと向こうもこちらに気づいたようで、向こうから話しかけて来た。

 

「おや、こんにちは部長。何か御用でしょうか?」

 

「エイハブに用事がある。どこにいるかわかるか?」

 

「船長なら今、船長室にいますよ。どうしました?」

 

“話がしたいんだ。合わせてくれないかな?”

 

「あなたは……連邦生徒会の先生ですか。初めまして」

 

「今回アタシが呼んだんだ。エイハブを止めるために」

 

「……そうですか。止めはしません。案内しましょう」

 

“ありがとう”

 

そうして、私たちは船長室に案内された。部屋の前に着くと、スターバックが部屋の扉を叩く。

 

「船長、スターバックです。話があります」

 

「……入れ」

 

中からは低い声で返事が聞こえた。スターバックが扉を開け、全員で中に入る。

 

「……スターバック君、話があるのは君じゃなかったのか?」

 

「彼女たちから話があるようです」

 

そこには、白い髪の少しやつれた少女が座っていた。机に何やら紙を広げ、睨んでいた。

 

“こんにちは。君がエイハブって呼ばれてるの?“

 

「……お前は誰だ?」

 

”私はシャーレの先生だよ。よろしくね”

 

「……シャーレ?」

 

「連邦生徒会の組織ですよ、船長」

 

「ああ、あの碌でもないところの組織か」

 

(”碌でもない、か“)

 

「で?そんな組織の連中が何の用だ」

 

”君と話をしに来たんだ”

 

「私と、話だと?」

 

”うん。君と一度話をしたいんだ”

 

「そうか……。いや、話はいらなぞ先生。お前の目的はわかったからな」

 

”えっ”

 

「お前も、あの白鯨を殺しに来たんだろう?」

 

”えっ、いや、ちg”

 

「あの白鯨は私の獲物だ!」

 

”!?”

 

机をたたきながら彼女は立ち上がり叫んだ。

 

「あの白鯨、モビーディックは私だけの獲物だ!誰であっても譲る気はない!」

 

こちらが口をはさむ隙もなく彼女は続ける。

 

「だが幸運だ、先生。この船ならば、その瞬間に立ち会わせてやる!」

 

「私が殺す、その瞬間にな!」

 

そう叫んだ彼女の気迫に、少しだけ気圧される。

 

「さあ、どうするんだ先生?この船に乗るか?」

 

”…ああ、乗るよ”

 

「「先生?!」」

 

あまりに早い決断に、部長と生徒会の子が呼び止める。

 

「先生、正気か!遊覧船とはわけが違うんだぞ!」

 

「そうです!あまりに危険すぎます!」

 

”私は正気だよ。危険も理解してる。でも、まだ彼女とまともに話せていない”

 

そう言って、私はエイハブをまっすぐ見つめる。彼女は不敵な笑みでこちらを見てくる。

 

「そうか分かった。なら同行を許可する。だがそこの2人は乗組員として働いてもらう」

 

エイハブは部長と生徒会の子を指さし言った。

 

”まって。それは彼女たちの意思を無視していr「アタシはいいぜ」”?!”

 

「私も、かまいません」

 

”二人とも、いいのかい?”

 

「もともとこうなる気はしてたさ」

 

「覚悟の上です」

 

”そっか。ありがとう”

 

実際、とてもありがたかった。ここで乗れなきゃ、彼女と話をする機会はできないだろうから。

 

「それじゃそこの君。名前は?」

 

「部長の名前ぐらい覚えとけよ…。『久家エク』だ」

 

「なら『クイークエク』だ」

 

「は?」

 

「この船の上ではお前はクイークエクだ。いいな?」

 

「いや、どういうことだy「い い な ?」

 

「…わかったよ」

 

「それじゃ、君の名前は?」

 

「…『井水メイル』です」

 

「なら『イシュメイル』だ。いいな?」

 

「…はい」

 

少し不服そうに委員会の子、イシュメイルは返事をした。

 

「それじゃスターバック君、出航の準備はできたか?」

 

「はい、できています」

 

「ではすぐに出航だ。あの白鯨を殺しに行くぞ!」

 

エイハブは高らかにそう宣言した。




書くのは楽しいんですが、リアルが忙しくて…
結構不定期になります。
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