広告でよく見る『虫になれッ!』君に転生してしまった件について   作:K+#ガソ林

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第二話 平穏

 魔法使いの世界にまで戻ってきた。

 あーーーーーーー我が家気持ちいーーーー。カイマン家だとずっとソファだったからなーーー。俺は大胆に寝転がった。

 

「…しかし…」

 

 この先の展開は、カイマンvs煙ファミリーに繋がっていくものであると記憶している。読破したとは言え、細かいところは覚えてない。不甲斐ない限りだ。

 

「そこは置いといて、今後のことだな。」

 

 最終決戦では、ボロボロの煙ファミリーと会川、そしてニカイドウ達が一堂に会する…んだったっけ?

 もうわからんくなってきたが、とりあえずニカイドウは劇中最後までは死ななかった気がする…。そのうち煙ファミリーが消滅するなら、ニカイドウに擦り寄っていくのがアンパイか?

 

「まぁ考えても仕方ない。運が悪ければ遭遇すら難しいだろうからな。とりあえず飯にしよう。」

 

 しかし、冷蔵庫のものはみんな腐っていた。二週間ぐらい空けてたから当然か…。カップ麺とかもない。しぶしぶ出かけることにする。

 

───

 

 街をうろついていると、とんでもなく可愛い美少女の魔法使いがキッチンカーでパイを売っていた。とても可愛いので行列もすごいくらいだ。

 

「飛鳥のパイを召し上がれ〜」

 

 美少女の名前は飛鳥か。どっかで聞いたような、ないような…。とりあえずパイを買って食べることにした。アップルパイだ。

 

「そこそこうまい…。それといい女だな…。」

 

 うーん、パイ、パイ…。ああ、そーいえばカイマンがパイを売っている店に潜入するんだったっけ。んで、その店はなんかのイベントで煙ファミリーのところへ行くはずだ。なら話がはやい。飛鳥さんのパイ屋でバイトさせてもらおうかな。

 

「飛鳥さーん!俺も働かせてください!きっとお役に立ちます!」

 

「もっと買ってくれたらいいわよ」

 

 これは駄目だな…。でも可愛いからパイは買おう。

 

───

 

 腹が膨れたし、本格的にニカイドウ…ああそうだった。ニカイドウが攫われるイベントがあったんだっけ?たしか、そのうち煙の屋敷に囚われるはずだ。脱出の手引きとかで恩を売りたいな…あらかじめ煙に取り入っておこうかな?

 

「んーーー…………。」

 

 まぁいいか。

 多分無理な気がする。魔法の練習でもするか…。

 

───

 

 俺の魔法は、『虫にする魔法』である。しかし、これはあくまでも本質でない。もしかしたら『虫を生み出す魔法』としての性質も持ち合わせるかもしれない。

 

 近場の石を実験台にして煙をかけてみた。大量にかけてやると、石が虫に変わる。だが、不完全だ。完全に虫にさせるためには、10秒間ぐらい煙を出さなければならなかった。

 

「……ケムリが、うっすいのね」

 

 俺の元となった『玉木』がケムリ管の手術をしたのも納得がいった。こんな魔法は弱すぎる…。しかし、虫はある程度俺に従うようだ。

 

「いざという時のために軍団を増やしておくか」

 

 次は日陰にあるキノコにケムリをかけてみる。そこそこでかいから、効きが悪い。まぁ根気良く行こう。

 

───

 

 煙ファミリーの部屋にて、首領『煙』、地獄からの生還者にして、至上の魔法使いは眉を顰める。集められた煙の部下の一般魔法使い達は動揺した。

 

「…俺の『監視ダケ』を何物かが破壊しようとしているようだ。身の程を教えてやれ。大した相手ではなさそうだが、大事の前の小事。容易く片付けろ。」

 

「はっ!」

 

 この程度の相手に魔法を使ってやるのは、ボスとしての沽券に関わる。

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