広告でよく見る『虫になれッ!』君に転生してしまった件について 作:K+#ガソ林
魔法使いの世界にまで戻ってきた。
あーーーーーーー我が家気持ちいーーーー。カイマン家だとずっとソファだったからなーーー。俺は大胆に寝転がった。
「…しかし…」
この先の展開は、カイマンvs煙ファミリーに繋がっていくものであると記憶している。読破したとは言え、細かいところは覚えてない。不甲斐ない限りだ。
「そこは置いといて、今後のことだな。」
最終決戦では、ボロボロの煙ファミリーと会川、そしてニカイドウ達が一堂に会する…んだったっけ?
もうわからんくなってきたが、とりあえずニカイドウは劇中最後までは死ななかった気がする…。そのうち煙ファミリーが消滅するなら、ニカイドウに擦り寄っていくのがアンパイか?
「まぁ考えても仕方ない。運が悪ければ遭遇すら難しいだろうからな。とりあえず飯にしよう。」
しかし、冷蔵庫のものはみんな腐っていた。二週間ぐらい空けてたから当然か…。カップ麺とかもない。しぶしぶ出かけることにする。
───
街をうろついていると、とんでもなく可愛い美少女の魔法使いがキッチンカーでパイを売っていた。とても可愛いので行列もすごいくらいだ。
「飛鳥のパイを召し上がれ〜」
美少女の名前は飛鳥か。どっかで聞いたような、ないような…。とりあえずパイを買って食べることにした。アップルパイだ。
「そこそこうまい…。それといい女だな…。」
うーん、パイ、パイ…。ああ、そーいえばカイマンがパイを売っている店に潜入するんだったっけ。んで、その店はなんかのイベントで煙ファミリーのところへ行くはずだ。なら話がはやい。飛鳥さんのパイ屋でバイトさせてもらおうかな。
「飛鳥さーん!俺も働かせてください!きっとお役に立ちます!」
「もっと買ってくれたらいいわよ」
これは駄目だな…。でも可愛いからパイは買おう。
───
腹が膨れたし、本格的にニカイドウ…ああそうだった。ニカイドウが攫われるイベントがあったんだっけ?たしか、そのうち煙の屋敷に囚われるはずだ。脱出の手引きとかで恩を売りたいな…あらかじめ煙に取り入っておこうかな?
「んーーー…………。」
まぁいいか。
多分無理な気がする。魔法の練習でもするか…。
───
俺の魔法は、『虫にする魔法』である。しかし、これはあくまでも本質でない。もしかしたら『虫を生み出す魔法』としての性質も持ち合わせるかもしれない。
近場の石を実験台にして煙をかけてみた。大量にかけてやると、石が虫に変わる。だが、不完全だ。完全に虫にさせるためには、10秒間ぐらい煙を出さなければならなかった。
「……ケムリが、うっすいのね」
俺の元となった『玉木』がケムリ管の手術をしたのも納得がいった。こんな魔法は弱すぎる…。しかし、虫はある程度俺に従うようだ。
「いざという時のために軍団を増やしておくか」
次は日陰にあるキノコにケムリをかけてみる。そこそこでかいから、効きが悪い。まぁ根気良く行こう。
───
煙ファミリーの部屋にて、首領『煙』、地獄からの生還者にして、至上の魔法使いは眉を顰める。集められた煙の部下の一般魔法使い達は動揺した。
「…俺の『監視ダケ』を何物かが破壊しようとしているようだ。身の程を教えてやれ。大した相手ではなさそうだが、大事の前の小事。容易く片付けろ。」
「はっ!」
この程度の相手に魔法を使ってやるのは、ボスとしての沽券に関わる。