広告でよく見る『虫になれッ!』君に転生してしまった件について   作:K+#ガソ林

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第三話 煙

 今日も今日とてゆっくりしていた俺。この魔法使いの世界は現代日本のように快適である。命の危険は…すごいあるが、気にしてられない。

 なんか、数日間ぐらい過ごしてたら全然使命感とかが薄れてきた。

 というのも、そのうち人間死ぬのだ。俺も多分死んだ。記憶ないけど。だったら別にいつ死んでも変わんないよね〜って玉木思うワケ。

 

「死ぬ前に何か面白いことしたいな〜。」

 

 ベッドに寝転がる。ケムリ屋にケムリを売れば、そこそこ金になった。俺のケムリでも生ごみとかを虫にできるので、環境保全において良いのだ。

 

「というか原作キャラとの接点がなさすぎてな。」

 

「おい!開けろ!」

 

「なんです?」

 

 誰かが戸を叩いている。何かあったのかな?戸を開けてみると、全身にずだ袋を被ったようなスーツに身を包んでいる集団が居た。

 

「何か御用ですか?」

 

「お前だな?煙さんのキノコにケムリをかけて破壊しようとした奴は!」

 

「えっ!それはすみません。」

 

「えっ。」

 

「はえ?」

 

 なんかあっちが驚いてる。

 

「カマをかけたつもりなんだが、その様子だとお前が犯人みたいだな。」

 

「悪気はなかったんです。その辺のキノコだと思って…どうか命だけは助けてください。」

 

 煙にキノコにされて、そのまま食卓に使われるなんて流石にゴメンだ。つらい。

 

「約束はしない。お前は煙さんの前に連れていく。…必死に謝って忠誠を誓えば許してもらえるかもしれんな。おそらく。」

 

「…多分。気が良ければ。」

 

「わかりました。ありがとうございます…。」

 

 俺の肉体はもやしほどに脆弱だ。抵抗する気なんかない。世間話でもしながら連行されることにした。

 

───

 

「お前、名前は?」

 

「た、玉木…です。」

 

 こ、この人が…煙。思っていたより重圧がすごい。流石ファミリーのボスだ。涙は心の汗というが、冷や汗はしょんべんとして出てくるのだろうか。

 

「…フム…。」

 

「お、お願いですっ。悪気はなかったんです。すみません、この通りでございます。どうか命だけはお助けくださいっ!」

 

 土下座。

 煙はぴくりとも動じていなさそう。

 

「…少し試したいことがある。」

 

「え?」

 

「待っていろ。」

 

───

 

 煙は何かケムリの瓶を持ってきた。また、騒ぎに乗じてか、ぞろぞろと群衆が集まってくる…。げっ、掃除屋組もいる。今はマスクをしているから気づかれていないだろうけど、リビングデッドデイでカイマンが殺されていた時に俺も居合わせていたから、もしかしたら気づくかも。いや、交戦してないし気づくことはないか…。

 

「今から俺のケムリと、恵比寿の『トカゲ』のケムリで重複して魔法をかける。見ていろ。」

 

「煙、魔法が重複してかかったら、それ以上は魔法がかからない体質になる人間がいるとは言ったけど、稀な話だよ。確実に起こせるわけじゃ…」

 

「処刑と並行した実験だ。まぁ、もし酷い有様になったら鳥太。お前が解けばいい。」

 

「煙が俺を必要としてくれるなんて!…それで、恵比寿は呼べばいるのに、なんで瓶を?」

 

「これはケムリ屋で売られていた恵比寿の魔法のケムリ。あの十字目が売り出している黒い粉が含まれていた。…あのトカゲ男も同じケムリを使っているのであれば、もしやとな…。」

 

 ブシャーと、シャワーのようにケムリがかけられる。俺の頭がキノコに変化していく…。次に、煙は瓶を割った。恵比寿の煙で俺はどんどんトカゲ怪人に変わる。

 

「どうなるんだろうこれ。キノガッサ?」

 

「余裕があるようで何よりだ。それじゃあこれから、お前のことを小さい一欠片のキノコにするつもりで魔法をかけてやる。」

 

───

 

 結果として、俺の身体はキノコになってしまった。

 ざけんなし…。鳥太が後で俺のことを治してくれたので、身体はなんとかなった。魔法の効かない身体について割と興味があったのにな…。

 

『…俺が追加で出したケムリの効きが悪かった。どうやら、完璧なバランスが求められるようだ。偶然にしては出来すぎているが、偶然でしか出来ないのだろうな。おい、玉木、聞こえているな?鳥太に解除してもらったら、ゴミ捨て場でゴミを虫に変えてこい。』

 

 などと言われたので、今は絶賛作業中。魔法の訓練になるし、あんまり悪い話ではなかった。

 

「そういえば、煙…さんはキノコスーツを作っていたな…。」

 

 ドロヘドロの最終決戦で、煙はケムリでボディスーツを作っている。俺も虫で同じようなことをしてみるか。

 

「はっ!…よしよし、しっかりケムリが出ているぞ。」

 

 まずはゆっくり、ケムリを体に纏わせる。俺には瞬発力が足りないから、時間をかけてケムリを出していくのだ。…もうそろそろいいかな?

 

「よし、いくぞ…。虫になれっ!」

 

 魔法はイメージが肝心だ。この場合のイメージとは、複雑さがなく、単純であることがミソ。

 

「できた!ゴキブリヘルメットと、ゴキブリアームカバーと、ゴキブリ肩パッド!」

 

 ゴキブリの触角と甲殻をイメージして作り上げた一品だ。煙の量が足らないから、これしか作れなかったけど、少しは個性が出てきたのでヨシ!

 というかケムリ使いすぎたな。もう動けねぇ。ここで寝るか…。

 俺は倒れ込んだ…。

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