広告でよく見る『虫になれッ!』君に転生してしまった件について   作:K+#ガソ林

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第四話 虫になれッ!

 煙屋敷の中を歩くことが許された俺は、そこら辺を練り歩いていた。仕事がないから、やることがない。雑用は藤田がいるから頼まれないし、新しい生ゴミが来るまでは歩き回るのみである。

 

(そろそろ、ニカイドウが襲撃しに来る頃か?)

 

「ん?」

 

 人の走る音が聞こえる。これは…そろそろ始まったか!俺は自分の身体にケムリをかけた。

 

「ゴキブリ手足!」

 

 虫になる。それが俺の魔法の進化である気がする。虫の観察はあまりしたことがないが、魔法は便利なもので、それっぽいものをお出ししてくれるのだ。

 シャカシャカと走り回り、足音の持ち主に合流する。煙ファミリーの下っ端だ。

 

「わっ!お前あの実験台か!?」

 

「ああ!雇われることになった。何があったんだ?」

 

「何者かが屋敷に侵入してきたみたいなんだよ!取り押さえないと…!」

 

「場所は?」

 

「ここの廊下を抜けた後…。」

 

「抱えてくぞ。」

 

 この方が速い。

 道案内してもらいながら、高速で現場に到着した。

 

───

 

 

「能井さん!ご無事だったんですね!」

 

「煙の部下と…お前誰だ?」

 

「昨日の玉木です。襲撃者は…。」

 

「すまん、逃げられちまった。」

 

 どうやら、能井とニカイドウのマッチアップが終わった後のようだ。まずい、時間がないぞ…。そうだ!

 

「能井さん。俺、この通り速く移動できます。あいつを追ってきます!」

 

「ちょっと待て。」

 

 ヨシ!期待通りの反応だ!

 

「先回りするぞ。あいつは栗鼠を狙ってる。俺が指示を出すから、抱えてくれ。」

 

「わかりました!では、行きますよ!」

 

 下っ端を離して、能井さんを抱えた。何か言いたげな下っ端だが無視。

 

 

───

 

 

 能井さんの指示通り移動していると、階段を登っている煙さん達と合流した。…。

 流れでここまできたけど、ニカイドウをこの場面で捕まえたらやばいんじゃないか?カイマンは魔法使いの世界から帰れないし…。

 まぁ、なんとかなるか!!!!行くぜ!!!!

 

「俺が突貫します!」

 

「玉木か!任せる!」

 

───

 

 

 月下。

 闇の中、月は光る。

 しかし、濃密な闇はヘドロの如く、光を逃さず握りつぶす───。

 

「ついに見つけたぞ、栗鼠!」

 

───

 

「無事か!?栗鼠!」

 

「能井さん…と誰!?」

 

「悪いが、自己紹介している時間はない!」

 

 その時だった、煙屋敷に潜伏していたニカイドウが、窓をぶち割って栗鼠のいる部屋に侵入した。

 

「くっ、先回りされていたか!」

 

 動揺するニカイドウ。これはパワープレイもやむなしか…。

 

「オリャー!!!」

 

 ゴキブリタックル!!!!オラ!!!!!!!!

 

「玉木!?」

 

「ぐはぁ!?」

 

「何!?」

 

 俺の突進は、壁を栗鼠とニカイドウごとぶち割った。外に出る。

 …俺の魔法は進化している!おそらくこの原理は、慣れないアクションゲームに一日苦戦した後一眠りしたら、次やる時はスッとクリアできる現象に似ている。

 

「能井!これはどうした!?」

 

「玉木がタックルを…」

 

「探せ!」

 

───

 

 高い距離から飛び降りたが、ハチの羽を出したおかげで楽に着地できた。

 

「ニカイドウ、栗鼠。お前達に伝えておかないといけないことがある。」

 

 俺はゴキブリヘルメットを外す。

 

「た、玉木…!?助けてくれたのか?」

 

「話は後だ。栗鼠、お前にも肝心な話だ。よく聞け。…カイマンが、栗鼠、お前を殺した犯人だ!」

 

「カ、カイマン…ホールのトカゲ男のことだな?だが…。証拠はあるのか?」

 

「な、何を言っているんだ、玉木!というか、お前のいうことは信用ならな───」

 

「十字目の者達は、ホールには行けない。…余程狙われている者でなければな。だが、誰に狙われたのか…それは栗鼠!お前の魔法だ!」

 

「…!」

 

「待て!カイマンは魔法使いじゃない!なんなら、アイ=コールマンもだ!ドアが出せないだろ!」

 

「何事にも、やりようはある。俺は可能だと思う」

 

「…。」

 

「栗鼠、ニカイドウ。逃げてホールにいけ…。」

 

 ドアを出す。

 

「待て!玉木、お前はどうするんだ?」

 

「話すことはない!」

 

 パワープレイも辞さない。

 栗鼠とニカイドウを虫パワーでホールに突き落とし、俺はここに残って自殺することにした。

 

「うおりゃああああああああああ!!!!!!」

 

 その辺の木に向けてゴキブリダッシュ。

 通常、虫化により強化されている肉体は、タックル攻撃の反動を抑えることができる。そのため、衝突直前に魔法を解くことで、俺の身体を爆散させることができるのだ。多分死んだと思う。

 

───

 

 次目覚めると、生首だった。

 煙さん達が俺のことを取り囲んでいる…。作戦成功だな。

 

「ニャ。」

 

 ここには、生物を生き返らせることができる魔法使いがいる。

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