邪兎屋の暴れ獅子 作:となりのヘテロ
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雲ひとつなく晴れ渡った空、心地の良い風が吹いていてどこかレトロな雰囲気に包まれているこの街は六分街
仲間がホロウ*1に落ちちまったってのになんでこんなところにいるのか、それはもちろん…
「大将〜、白鉢赤辛肉盛りラーメンおかわり!」
仲間を助けるための腹ごしらえとして滝湯谷・錦鯉のラーメンを食べるためだ。いやぁ、ここの店はほんとにヤバい。食べ応えのあるチャーシュー、太めの麺に絡みつく濃厚なスープ、それでいてするする食べれちまう…あーもう最高
「あいよ!アルマ、相変わらずの食いっぷりだな!」
「大将のラーメンが美味すぎるからだろ?ここを超える味のラーメン、俺は知らナブッ!?っだぁああああ目がぁあああああ!?」
汁を飲もうとした瞬間、ニコに頭をぶん殴られ器の中に頭を突っ込んでしまった
「なにやってんのよアンタは…!大将、ごめん!おかわり作らないで!」
「ん?なんだ用事があったのか?」
「ニコォ!!何すんだよ!?」
「何すんだよじゃないわよ!こっち来なさい!!」
「わーった、わーったから!!チョップ大将!後でみんなと来るから!!」
「おう!頑張ってこいよー!」
首根っこを捕まれズルズルと引きずられ、ラーメン屋の隣にあるビデオ屋"Random_Play"まで引きずられていく
扉にはCLOSE、と書かれているが構わず扉を開け、次にSTAFF ONLYと書かれた扉の前に立つ
「待たせてごめん!連れてきたわ!」
「ノックしまーす、コンコンッと。よ!久しぶりだなプロキシ兄妹!アキラ髪切った?リンはネイル変えた?」
「やぁ、久しぶりだねアルマさん。髪は切ってないよ」
「アルマさん!ひさしぶ…なんか目赤くない?」
この2人、表の顔ではビデオ屋"Random_Play"を経営してる仲のいい兄妹だが裏の顔は超凄腕で伝説のプロキシ*2"パエトーン"なのだ。
ほかのプロキシと何が違うのかはまた後で説明するぜ
「ちょっと隻眼の王にでもなろうかなと…それより、ニコから話は聞いたか?アンビーとビリー、ついでに依頼品落ちちまったんだよ。助けてくれ。リン、アキラ」
「もちろん、もう準備もできてる。ニコ、君はしばらくここでしばらく休んでいるんだ。アルマさんはイアスと一緒にホロウに入ってくれないか?」
「お〜、いいぞ。任せろ、イアスにゃ傷1つ付けさせねぇさ。ニコ、ちゃんとゆっくり休んでろ、アイツら全員助けて一緒にチョップ大将のラーメン食おうぜ?な?」
「アルマ…ええ、2人のことお願いね」
「おう。任せな、ボス」
ビデオ屋から出て数十分後、俺はプロキシのボンプ*3イアスを連れてホロウの前まで来ていた
「相変わらず…ワクワクする見た目してるぜ、ホロウ」
「ンナ?」
「ん?だってそうだろ?中にゃエーテリアスが山ほどいるんだぞ?どんな強いエーテリアスがいんのか…楽しみで仕方がねぇと思わないか?」
「ンナナ…」
『エーテリアスと生身で、しかもルンルン気分で戦いに行くのあんたくらいよ!いい?アンビーとビリーの救出が最優先なんだからね!無駄な戦いはしないこと!』
「俺をガキかなんかだと思ってる…?」
『アルマさん、ちゃんと聞こえてるね?それじゃイアスを担いでホロウの中へ入ってくれ』
「はいよ。触るぜ、イアス」
「ンナナ!」
俺はイアスを持ち上げ、仮面をつけてホロウの中へと足を踏み入れた
目の前に広がるのは外とは変わらない青い空、だが所々黒い結晶が生えていたり、崩れた建物があったりとめちゃくちゃな状態。そして何より外よりもなんか圧がある。こう…やばいよー!!ここに長くいたらダメよー!!って言われてるみたいな圧
『アルマさん、聞こえてる?』
『おっ、無事に接続出来たか。問題なく聞こえてるぜ?』
そう、これがパエトーンとほかのプロキシの違いだ。ほかのプロキシはキャロットを渡したり、本人が着いてきたりするがパエトーンは本来通信不能なホロウの外からタイムラグなしで案内と援護をしてくれる。これのおかげでなんかトラブってもすぐ対応できるんだ、マジですげぇよなコレ
『良かった!じゃあ早速、2人を探しに行こう!』
「ヒャッホーウ!!」
「ふっ」
陸橋から飛び降り走るビリー、そしてアンビー
彼らはホロウに落ち、エーテリアスをかわしながら出口を探していた。しかし、進めど必ず同じ場所へと戻されていた
「はぁ!?戻ってきちまったぞ!?」
頭を抱えるビリーと顔をしかめるアンビー、そして彼らが飛び降りた陸橋からエーテリアスが2体飛び込んできた
「クソッ!キリがねぇ!!このままじゃまた赤字になっちまう!」
「ビリー、来るわ!」
エーテリアスが雄叫びを上げ、2人に襲いかかろうとした瞬間
巨大な瓦礫がエーテリアスを押し潰した
『そこの可愛いお嬢さん、かっこいいお兄さん。良かったら俺とお茶しない?こんなブラックホール頭どもより俺の方がよっぽどいい男だろ?』
目が点になる2人は瓦礫の上にしゃがんでいる男の姿を見て目を輝かせる
「「アルマ!!」」
「来てくれたのか!!くぅ〜仲間のピンチに駆けつける、まるでスターライトナイトの追加戦…」
「アルマ、私はお茶よりバーガーの方が良い」
『なら出たらバーガー買ってやるよ。来るのが遅れて悪かったな、2人とも!』
瓦礫から降り、ビリーの肩を叩いてアンビーの頭を撫でるアルマ。そして彼の髪の毛の中からひょこっとボンプが顔を出す
『やっほー!お疲れ様!』
「うおっ!?喋るボンプ!」
「スカーフをつけた喋るボンプ…パエトーン?」
『話は後だよ!他のエーテリアスが来る前に移動しよう!』
「…大丈夫、あの上級エーテリアスの声はもう聞こえない」
「よ、良かった…走りすぎて足の油圧ロッドが折れるかと思ったぜ……」
あの後、エーテリアスの領地から出るために走り続け、なんとか古い地下鉄分岐駅に逃げ込んだ。アルマとパエトーンがくるまでホロウという迷路の中でエーテリアスと鬼ごっこをし続けていた2人は大きく息を吐き、呼吸を整えていた
「適度な休憩を摂ることを提案する。いい?プロキシ先生」
『うん、ここは安全だしゆっくり休んで!』
『見張りは俺とプロキシに任せな。それよりビリー、道中で言ってた赤牙組の組長エーテリアス…強そうだったか?』
横になろうとしていたビリーにアルマが話しかけると嫌な顔をしてアルマを見る
「……アルマ、戦いに行こうってんじゃないだろーな」
『行かねーよ、今回は。お前ら2人が最優先だ…どこら辺にいたんだ?』
「行くなよ!?絶対に!!」
「アルマ、あの上級エーテリアスは攻撃を受けて傷ついても体を元通り復元していたわ、それと同時にエーテル活性も上昇してた。とても強い、だから…」
『復元してエーテル活性上昇しただと?それって…何回でも戦えてしかも強くなるってことだよな!くぅああ…戦りたい!!!どんなスピードだ?どんなパワーなんだ!?武器は何使ってどんな攻撃してくるんだ!?』
「………」
「アンビー、ああなったアルマは話聞かなくなるからほっとこうぜ」
ひとりで興奮してシャドウボクシングをするアルマを呆れた顔で見る2人と1匹のボンプ。そしてそんな彼を無視してビリーはパエトーンに話しかけた
「あいつは一旦置いといて、店長たちが来てくれなきゃどうなってたことか…流石パエトーン!相変わらず頼りになるぜ!」
『へへん!もっと褒めてくれたら値引きしちゃおっかな〜!』
ボンプは誇らしげに腰に手を当てて胸を張る、心なしか鼻も伸びてるような気がするほどに
「本当?」
「アンビー、今のはただの社交辞令だと思うぞ…?」
「お金の話といえば、ニコのことだから節約のために自力で対処するように言って来るかと思った。それがまさか、高額で有名なパエトーンを探してくるなんて」
アンビーはボンプと目線を合わせ、改めて感謝を伝えて微笑みかけていた
「プロキシ先生とアルマが駆けつけてくれなかったら私たちはエーテリアスの領地から脱出できなかったはず。ありがとう」
「ところでさ、最初に協力した時から聞きたかったんだけど、 店長の店の設備って、ボンプと感覚を同期できる上に、 ホロウ内部ともリアルタイムで通信できるんだろ?治安官やホロウ調査協会よりよっぽどスゲェじゃねぇか!」
あぐらをかきながら足をパタパタさせて話すビリー、その目は爛々と輝いていた
「なのになんで調査協会に加入しないんだ?もっと贅沢な暮らしができるし、俺らみたいなホロウレイダーと働いてたらメリットよりリスクの方が…」
『ビリー、アンビー、九時の方向からエーテリアスが4.5匹近付いてきてる。お喋りはそこまでにして移動しようぜ』
「早くね…?俺横になろうとしてたのに…」
「ビリーが望むならここで永遠に眠るのもいいかもね、来年のスターライトナイトの新作ベルトをあなたの墓前に供えてあげるわ」
「真顔で言うなよそういうこと…お前が言うと冗談か本気かわかんないんだよ!」
『いや待てよ、ここで迎え撃った方が後々楽か…俺殺ってくるわ』
「ちょーっと待て俺ら優先って話はどこいった!それに暴れたらもっと寄ってくるだろ!!」
ぎゃいぎゃいと騒ぐ3人を見てパエトーンはふふっと笑っていた
『一緒に働く度に3人の漫才が聞けて楽しいよ』
「だからニコのずっとツケ払いを許してくれたの?」
「なんか素直に喜べねぇ…おいアルマ!!諦めろほら行くぞ!!」
『チッ!エーテリアスども!!命拾いしたな!』
「エーテリアスにそんなこと言うやつお前くらいだよ…」
アルマはしぶしぶビリーの言うことを聞き、3人と1匹は駅の中を進んで行った
アルマは戦いのことになるとあたまのネジが2、3個外れて代わりにパワーがさらに上がります。なんかのバグです
あと身長は2メートルくらいあります