邪兎屋の暴れ獅子   作:となりのヘテロ

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新年明けましておめでとうございます

ゼンゼロ楽しいわぁ…ストーリー良かったし、アストラ強いわぁ

エレンの友達との関係も見れた秘話も最高…

のんびり更新していきます


CHAPTER 001 猫の落し物
第6話 アルマと朱鳶


「ニコ〜!前々から言ってたが俺は明日友達に話聞いてくる。赤牙組の連中に喧嘩ふっかけるのはいいが派手に暴れんなよ。あとホロウ関係の依頼も受けないように」

 

「わかってるわよ。それにアタシは社長よ!依頼くらい自分で見極められるんだからそんなに心配しないで!」

 

「赤牙組の件だって依頼金が高いってんで受けただろ?ハイエナと鬼ごっこだ〜とか言ってよ。見極められてるんですかい?しゃ・ちょ・う!」

 

「くっ…あれはぁ…そのぉ……」

 

「それに今は市政選挙も近くて治安官共がソワソワしてるからな、こういう日に問題を起こすとあれこれ理由つけられて金むしり取られるから、それが嫌なら気をつけろよ?ビリー、アンビー!ニコ頼むぞ〜」

 

「任された。アルマ、気をつけて」

 

「ニコの親分は俺が守るぜ!」

 

元気よく決めポーズをするビリーと軽く手を振るアンビー、そしてぐぬぬと俺を睨みつけてくるが俺は気にせず一足先に寝室へ入り、眠りについた

 

 

 

ルミナスクエアにある喫茶店。そこで俺はアイスコーヒーを優雅に飲みながら友人を待つ。いやー直接会うのは久しぶりだな、元気してたかな。まぁ、この前の電話の怒鳴り声からして元気か

 

そんなことを考えているとコツコツと階段を上る足音が聞こえてきた

 

特務捜査班班長(とくむそうさはんはんちょう)、朱鳶殿!お待ちしておりました!ささ、どうぞこちらへ…!」

 

現れたのは朱鳶。俺の治安官学校時代の同期だ。こいつが関わった事件で未解決のものは0。とんでもなく優秀で超がつくほどの努力家。治安官時代はこいつと青衣って人とチームを組んでたが…よくよく考えたらお目付け役だったのか?

 

「その変な喋り方やめてよ…で?市政選挙も近くてバタバタしてるこの時期に一体なんの用?」

 

椅子に座り、俺を見てくる朱鳶。あれ?ここって警察署だっけ?さっきまで喫茶店にいたと思ったんだが…なんか尋問されてるみたいな雰囲気出てねぇか?

 

「いや何、簡単なお願いさ。この間しょっぴいてた赤牙組の幹部共と話がしたいんだ。まだ拘留中だろ?話だけさせてくんね?」

 

「ダメよ」

 

おっと即答と来たか〜…流石は優等生、先生の味方。頭が石超えて岩だね

 

「なー、そこをなんとか!元相棒の、治安官学校時代の同期のよしみで!」

 

「ダメなものはダメ。それに昔、話すだけと言って犯人の顔を殴ったり、壁にめり込ませたり、机を叩き割ってたのは誰かしら?」

 

鋭い目つきで俺を睨む朱鳶、だが残念だったな…その程度のことで俺が怯むとでも思ったか

 

「俺だね、あと正確には机を引き裂いただ。あの時ちーちゃんとお前に止められなけりゃ壁までぶっ壊してたかもな!」

 

「くっ、コイツなんの悪びれもなく…!」

 

俺を睨む目付きがさらに鋭くなるが問題ない。俺はこいつの新たな弱みを手に入れているのだ

 

「口調が乱れてるぞ、年間最優秀若手治安官殿。CM、良かったぜ?」

 

「っ!!?」

 

俺がニヤリと笑い、CMという単語を出すと朱鳶の顔が一気に真っ赤に染まり、手で顔を覆い隠した

 

「"裁かれない罪は無い。君も新エリー都の治安官に"だったか?くくっ、硬すぎカンペ読みすぎ戸惑いすぎ。NG集とかあったら是非とも見てみたいもんだぜ、どうせお前のことだ。押さえつけてた犯人役の役者の関節の1本や2本外したんだろ?」

 

「それ以上喋らないで…!!」

 

「ははは、悪い悪い。あ、注文好きにしていいぞ。俺奢るし」

 

アイスコーヒーを飲み干し、トースターでも頼もうかとメニューを眺めていると顔を隠したままの朱鳶がため息をついて話し始める

 

「……ここからは独り言。逮捕した赤牙組のメンバーは幹部を含め何も知らなかった。他のメンバーから聞いた話によれば、全部シルバーヘッドが1人で依頼人とやり取りをしてたみたい」

 

「げっ、マジかよ。ふりだしじゃねーか!」

 

アキラに対してあんなにカッコつけたのに手掛かり0はまっずいぞ、どうしたもんか…

 

俺が顎に手を置きうーん、と唸っていると朱鳶がふふっと笑う

 

「でも良かった。元気そうで」

 

「俺が元気じゃなかったことあるか?あったとしても片手で数えられるくらいだろ?」

 

「自分に合う武器が見つからなかった時、試合で雅に負けた時、テストであと数点足りなくて私に負けた時、アルマのお母さんと会った時、楽しみにしてたお菓子を私と雅に食べられた…」

 

「OK、わかった。その辺にしといてくれ…!!」

 

「さっきの仕返しよ」

 

笑いながら朱鳶は先程店員が持ってきていた大きなサンドイッチを食べ始める

 

「…相変わらずよく食うよなお前」

 

「そう?このくらい普通…」

 

「だいぶ前だが雅が遠回しに太ったつってたぞ」

ピシッと朱鳶ので動きが止まり、油のさしてないブリキ人形のように首を動かして俺を睨みつけてきた

 

「……嘘だ」

 

「いやマジ。"久方ぶりに朱鳶に会ったが…良く()れたメロンが如し臀部(でんぶ)だった"みたいなこと言ってた」

 

「雅はそんな事言わない……とも言いきれないけど、最近会ってないんでしょ!?」

 

「だからだいぶ前に言われたんだって。たしか1、2年前とか…?お前、雅と次会ったらでかいスイカの如しケツって言われるんじゃ…うおっ!?」

 

俺がハハハと笑っていると突然拳が頬の横を通過。何とか手を弾き受け流して前を見るといたはずの朱鳶が消え、不動明王(ふどうみょうおう)を思わせる憤怒(ふんど)の表情をした謎の女性が拳を構え、今にも襲いかかって来そうになってた

 

「セクハラ、及び公務執行妨害で貴方を逮捕します」

 

「なんで公務執行妨害!?職権乱用だろ!!言ったのはおれじゃねーよ!!」

 

「私は信じない!!雅じゃなくて貴方が今の私に思ってることを言ったんでしょ!!」

 

「なら賭けるか?俺は1000ディニー賭けるぜ」

 

「言っていないに2000ディニー」

 

ほう?強気の賭けじゃねぇか、良いねぇ…!

 

「っし!ならさっそく電話するぞ。今なら昼休憩中だろ…ん?」

 

俺が携帯を机の上に置くと突然電話が震え始め、画面にニコの文字が浮かび上がってくる。

 

おーっとこれは嫌な予感。依頼が入ったか…?

 

「すまん、ちょっと出てくる」

 

俺はテラスから降り、ついでに2人分の会計を済ませながらアキラからの電話に出た

 

「はーい、もしもし?」

 

『アルマ!!申し訳ないんだけど依頼が入ったわ!今すぐ来てちょうだい!』

 

「……厄介な依頼ってことだよな?」

 

『そんなことないわ、超単純よ!依頼人の落し物を探すの』

 

「落し物の捜索ねぇ…で?依頼人はいくら払うって言ってんだ?」

 

『なんでも落し物がとても価値のあるものらしいのよ!そのうちの70%を報酬にしてくれるって言ってるの!』

 

「明確な金額を提示してねぇんだな?なら、落し物の場所は?」

 

俺がそう言うと電話越しからうっ…という声が聞こえしばらく無音になってしまった

 

「おーい、ニコ?」

 

呼びかけると覚悟したかのように腹の底から絞り出した声でニコは落し物の場所を口にした

 

『……せ、赤牙組のアジトの近くよ』

 

あ、コイツあえて落し物の場所を言わなかったな?

 

「断った方がいい。明確な依頼金を言わず、挙句の果てに赤牙組のアジトの近くに落し物?赤牙組の団員か、誘き出すために雇われたってとこじゃねぇのか?」

 

『それについては大丈夫よ!赤牙組の縄張りで捕まりそうだった私を助けてくれたの。それに赤牙組の残党に邪魔されることも多くなってきた。今が懲らしめどきだって思ってたの』

 

ニコの声に真剣さが増し、電話越しからニコがどれだけ真面目にこのことを考えてるのかが伝わってくる

 

『アタシ達にはパエトーンのために金庫の裏に隠された真実を突き止めるっていう使命があるでしょ?もし敵だったとしても彼女は赤牙組の拠点の場所を把握してるのよ。金庫の情報を得る絶好のチャンスだと思わない?』

 

確かに、奴らのアジトにならシルバーヘッドが依頼人とやり取りしてた形跡が残ってるかもしれねぇな。こっちも情報0だったし…

 

「わかった、今からそっち向かう。位置情報送ってくれ」

 

『ありがと、アルマ!あとホロウにはいるからそこら辺の準備は忘れずに!』

 

「了解、そんじゃあまた後で」

 

ニコとの電話を切り、テラスに戻ると少し落ち着いた朱鳶がサンドイッチを睨み、腕を組んで待っていた。不動明王似の人はどうやら一足先に帰宅したらしい

 

「悪い朱鳶。仕事入っちまったわ、賭けの結果はまた今度だ」

 

「私もそろそろ戻ろうと思ってたの。ちょうど良かったわ」

 

自身の体を見ているあたり、トレーニングするんだろう。むしろもっとでかくなるんじゃ…とか言うとご帰宅された不動明王さんが爆速で襲来するだろうから黙っておく

 

「そんなら会計は俺が済ませといたから気にせず戻ってくれ。悪いな、結構時間取っちまってよ」

 

俺がコートを羽織り、テラスの階段を降りようとしたところで朱鳶が話しかけてくる

 

「……ねぇ、アルマ。あなたは確かに作戦を無視をしたり、考えるより先に手が出て、どうしようもない時がある」

 

「おーい終わり抜けに説教は…」

 

ため息をつきながら朱鳶の方へ顔を向けるとどこか辛そうで、とても悲しそうな顔をした朱鳶が俺を見ていた

 

「まだ気にしてんのか?TOPSのお偉いさんの荷物積んだトラック吹き飛ばしたんだ。クビだけですんでラッキーだろ」

 

「貴方は間違っていなかった!あのままだと多くの人がアルゴスホロウに…あなたをクビにするなんてブリンガー長官たちの判断は間違ってるわ!!」

 

あの日、俺は避難誘導をしてたんだ。

 

そしたら避難所に行くまでの道にでけートラックが道塞いでたもんで思いっきり蹴り飛ばして川に落としたんだけど…それがTOPSの大事なもん積んだトラックだったらしく、それを知ったブリンガーはカンカン

 

治安局の沽券(こけん)がどうたらこうたら言われたが緊急時にそんなもん気にしてて人が死んだら元も子もねーだろうにあの割れ顎は…

 

「朱鳶、ありがとうな。お前がそうやって怒ってくれるだけで嬉しいぜ俺。ちーちゃんにもよろしく言っといてくれよ」

 

「……今度は先輩も連れてくるわ。あの人も言いたいことが沢山あるみたいだから」

 

「うっわ、それ解散何時になるんだよ。次の日の夜とかになるぞ多分」

 

「ふふっ、そのくらいの覚悟はしておいた方がいいかもね」

 

「はぁ…まぁいいや、それじゃ俺先行くぜ。今日はありがとうな、朱鳶!!」

 

俺は朱鳶に手を振り、喫茶店のテラスから飛び降りてニコ達の元まで走り出した




ブリンガー「お前はクビだ!!」

アルマ「うっす、最後に稽古つけてくれません?」

この後、ブリンガーをボッコボコにして治安局を辞めた
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