カードファイト!! ヴァンガードOverlord   作:リュウ・セイ

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第3話:初ファイト/異世界、惑星クレイに飛ぶ

 

 

 

「……え?ここ、どこ?」

 

 ──突然、光に包まれたオレとレイはどこかの闘技場?……いや、訓練場?に飛ばされた。

 

 しかも、よく見ると、白い犬や白い猫、鎧を着た白い騎士、黒い騎士、ライオン型の金色の騎士がいるし、なんか、ついでのように、ドラゴンがいるし……まるでファンタジーのような世界にいる気分だ……。

 

「ここは惑星クレイ。ユニット達が暮らす世界だよ。そして、ここは国家、ケテルサンクチュアリが扱う訓練場の一つ……何だけど、ここがどこで、どの場所の訓練場にいるのか、私にはわからないんだよねー」

「……え?」

 

 え?待って?国家って言った?ここ、どこかの国なの?

 惑星クレイ?何それ?急に異世界転移しました!みたいなノリで言われても困る。

 

 ──それに。

 

「ユニットって、今、オレ達がやっているヴァンガードのカード……だよな」

「そうそう。そして、私達はここでは実体を持たない、霊体の姿で、この世界にいるの」

「霊体!?」

 

 まさかの発言である。しかも、霊体。すなわち、幽霊だ。それを知ったオレは思わず驚き、叫び声を上げた。

 

 よく見れば、体がうっすら、透明になってるし……。

 

 いや、それよりも、まず気になることがある。

 

「オレ達の体は!?まさかオレ達、このまま、幽霊として過ごすのか!?」

「落ち着いて!ちゃんと、順を追って説明するから!」

 

 いや、落ち着いていられるか!

 逆にレイはなんでそんなに落ち着いていられるんだ!?

 

「まず、私達の体は元の世界にあるの。ファイトが終われば、自然に戻れるから、そこまで気にしなくて良いよ」

「え?そうなの?」

「そうだよ。それに、どうしても気になるなら、一回目を閉じて、目を開けて」

「……わかった」

 

 これで戻れなかったら、どう責任を取ってくれるんだ?

 

 レイに言われて、オレは一度、目を閉じた。

 

 恐る恐る、ゆっくりと、目を開けた。

 

 すると、あらびっくり。先程までいたカードショップ・ドラエンに戻っているじゃないか。

 

「……本当に戻れるんだな」

「そうだよ。それに惑星クレイに行けるのはイメージ力が強い人じゃないと、いけないし……」

「え?そうなの?」

 

 てっきり、誰でも行けるのかと思ったが、そうではないのか……?

 

「実際、私も最初の頃は行けなかったし、火野店長やお店で関わった人達とファイトしているうちに、行けるようになったし……」

「そうなのか……アレ?」

 

 それだと、オレは行けない訳だが、なんで行けたんだ?

 

「なー、レイ。さっきの説明だと、オレ、その惑星クレイに行けない訳なんだが……」

「……これは火野店長が言ってたんだけど、(ごく)(まれ)に、生まれ持った才能なのか、素質なのか、イメージ力が強い人がいるの。アカマルの場合、そのイメージ力が強いんだと思う」

「……」

 

 なるほど。そういう人もいるのか。

 

 だとしたら、オレ、すごい才能を持っているのでは?

 

「まぁ、イメージ力が強くても、ファイトに絶対勝てるわけじゃないから、あまり関係ないんだけどね!」

 

 え?そうなのかよ?だとしたら、オレ、すげえ恥ずかしいんだけど……。

 

「そんなことより、早くファイトをしようよ!」

「お、おう。わかった……」

 

 そんなことって……そんなことで片付けて良い話じゃないが?

 

 ……まぁ、レイだし、いいっか。

 

 そう思って、オレはもう一度、目を閉じ、目を開け、惑星クレイに移動……転移した。

 

「……それで?このままファイトするのか?」

「そんな訳ないでしょ?バカなの?」

 

 バカって……いや、年、そんなに変わらないだろ?

 

 まぁ、実年齢知らないから、何とも言えないけど……。

 

「んじゃあ、どうすれば……」

「良いから見せて……ライド!《ういんがる・ぶれいぶ》!」

 

 レイの足下に黄色の魔法陣のようなもの──ヴァンガードのサークルが現れた。

 そこから、犬?のようなユニット、ういんがる・ぶれいぶが現れた。おそらく、レイが選んだグレード0のファーストヴァンガードだろう。

 

 

 ういんがる・ぶれいぶ

 

 グレード0 パワー6000 星1

 

 

 そのまま、レイは霊体のまま、ういんがる・ぶれいぶに憑依した。

 

 ……え?

 

「い、犬に憑依!?どういうこと!?」

「犬じゃないよ!《ういんがる・ぶれいぶ》だよ!この子が私のファーストヴァンガード!」

 

 犬の姿、もとい、ういんがる・ぶれいぶに憑依したレイが激しく抗議した。

 

 いや、なんというか……。

 

「すげえ、可愛いな……」

「!?い、今のがライド!ユニットに憑依して、私達がこの世界で、戦える姿!つまり、これでカードファイトができるよ!さ、アカマルもやってみて!ファーストヴァンガードにしたユニットを思い浮かべれば、誰でもできるから!というか、やれ!私だけ……なんか、恥ずかしいよ……」

「お、おう、わかった……」

 

 突然、顔を赤くして、慌てて、レイは早口で説明した。

 説明を終えると、また顔を赤くして、顔を伏せ、オレにもライドするよう、()かした。

 

 ……なんで、そんなに赤くなってるんだ?

 

 レイが赤くなっていることに疑問に思いながら、オレはファーストヴァンガードにした《リザードランナーアンドゥー》を思い浮かべ、叫んだ。

 

「……ライド!《リザードランナーアンドゥー》!」

 

 オレの足下にも、ヴァンガードのサークルが現れた。ただ、レイとは違い、サークルの色が(くれない)色だった。

 そこから、グレード0のリザードランナーアンドゥーが出現。オレは恐る恐る、目を閉じながら、勢いよく、そいつに憑依した。

 

 

 リザードランナーアンドゥー

 

 グレード0 パワー6000 星1

 

 

 ゆっくりと、目を開けると、視界がやや下に下がり、両手には剣のようなものが握られており、背中の下に、尻尾があることを感じた。

 

 ……どうやら、うまくいったみたいだ。

 

 ただ、尻尾があることに、違和感を感じた。少し落ち着かない気持ちである。

 

「それがアカマルのファーストヴァンガードか……中々かっこいいね♪」

「お、おう、ありがとう……」

 

 無事にライドできたことにオレは安堵し、突然、レイの口から、かっこいい、と、言われて、褒められ慣れていないオレは照れ臭い気持ちになり、お礼を言った。

 

「さて!これでファイト開始だよ!最初だし、私が先攻で良い?」

「ああ、良いぞ。かかってこい!」

「言うねー?なら容赦なくいくよ!私のターン!ドロー!」

 

 

 レイ 山札45→44

 

 手札5→6

 

 

 突然、レイの前に、ヴァンガードのカードが5枚浮かび、どこからか、カードが1枚加わった。

 

 なるほど、こっちでファイトする時は勝手に手札が出るのか。

 

「ヴァンガードは先攻1ターン目からドローができる。そして、手札を1枚、ドロップゾーンに捨てると、ライドデッキから1つ上のグレードにライドできる!」

「なるほど。つまり、毎ターン、手札を捨てれば、1つ上のグレードにライドできるのか」

「そういうこと。ただし、注意してほしいのが、ライドデッキがなくなった、または、捨てたくないカードがある時は、無理にライドすることはないからね?」

 

 あ、そこは自由に選べるのか。それはありがたいな。

 

 けど……。

 

「ヴァンガードの主役って、グレード3だろ?」

「うん、そうだよ。だから、基本的にはライドをしない、わけではないけど、例外があるから、一応、覚えといてね」

「わ、わかった……」

 

 ヴァンガードって、奥が深いな……。

 

「……話が逸れたね。気を取り直して、私は手札を1枚捨てて、ライドデッキから、グレード1のユニットにライドするよ!」

 

 少し間を置いて、レイは手札を1枚選び、選ばれたカードは勝手に消滅した。

 

 

 レイ 手札6→5

 

 ドロップ0→1

 

 

「──ライド!《小さな賢者 マロン》!」

 

 またしても、黄色のサークルが出現し、そこから、眼鏡を着けた少年のようなユニット、小さな賢者 マロンが現れた。

 

 その後、レイは一度、ういんがる・ぶれいぶから離れ、宿主が離れたからか、ういんがる・ぶれいぶは消滅し、霊体の姿に戻ったレイは、そのまま、マロンに憑依した。

 

 

 小さな賢者 マロン

 

 グレード1 パワー8000 星1

 

 

 レイ ライドデッキ4→3

 

 

「グレード1にライドしたから、ライドデッキから《エネルギージェネレータ》をセット!」

「え?《エネルギージェネレータ》って、ライドデッキに入るのか!?」

「そうだよ。けど、大体の人は先に置いてるから、あまり気にしてないけど……私はアニメに影響されて、ライドデッキに置くようにしてるんだー」

 

 あ、そうなんだ。それは意外だな。

 

 

 レイ ライドデッキ3→2

 

 

「まだまだ私のターンは続くよ!私が今、ライドしてる《マロン》のグレード1以下のユニットなら、手札から場に出せる!これをコールと言って、コールされたユニットは、この5つのサークル、リアガードサークルなら、どこでもコールできるよ!という訳で、《ペインキラー・エンジェル》を《マロン》の後ろにコール!」

 

 黄色のサークルの中から、翼を広げ、拳銃のような武器を持った女天使、ペインキラー・エンジェルが、マロンの後ろに現れた。

 

 

 ペインキラー・エンジェル

 

 グレード1 パワー8000 星1

 

 

 レイ 手札5→4

 

 

「今日もよろしくね、ペインキラー♪」

「お任せください、マイ、ヴァンガード」

 

 あ、あのペインキラー、喋れるのか……?

 

 いや、それよりも。

 

「ユニットが2体……来るか!」

「安心して。先攻1ターン目は攻撃できないから、これ以上は何もないよ。私はこれで、ターンエンド」

 

 身構えたオレの姿を見て、レイはターンエンドを宣言した。

 

 ……あれ?《ペインキラー》をコールした意味は?

 

 

 ターン1

 

 レイ

 手札4

 山札44

 ライドデッキ2

 ドロップ1

 ダメージ0

 クレスト、《エネルギージェネレータ》(エネルギー0)

 フィールド

 セットオーダー、なし

 前列、《小さな賢者 マロン》(V中央、ソウル1)

 後列、《ペインキラー・エンジェル》(R中央)

 

 

 アカマル

 手札5

 山札45

 ライドデッキ4

 ドロップ0

 ダメージ0

 クレスト、なし

 フィールド

 セットオーダー、なし

 前列、《リザードランナーアンドゥー》(V中央、ソウル0)

 後列、なし

 

 

「オレのターン。ドロー……」

 

 

 アカマル 山札45→44

 

 手札5→6

 

 

 レイが意味もなく、《ペインキラー》を出したことに、違和感を感じ、オレは山札の上を引いた。

 

 ようやく、自分のターンになったが、手札を見て、何を捨てて、何を残し、何をすれば、わからない。

 が、お手本はさっき、レイが見せてくれた。

 

 ……あー、だからか。

 

 ここでオレはレイが《ペインキラー》を出した意味に気づいた。

 

 さっき、《ペインキラー》を出したのは、オレにリアガードを出す手順を教えるためだ。

 故に、これはレイのプレミだ。

 レイはオレに勝たせるために、わざとプレミしたんだ。

 

 全く、笑わせてくれる。何が容赦しない、だ。

 

 初心者だが、そっちがその気なら、こっちは全力でいかせてもらう!

 

「……よし!オレはこのカードを捨てる!」

 

 オレが選んだカードは《バーサーク・ドラゴン》。

 グレード2だが、このターンは使えない。だから、オレはこのカードを手札から捨て、ライドデッキから《鎧の化身 バー》を引っ張り出す。

 

「──ライド!《鎧の化身 バー》!」

 

 足下から、紅色のサークルが現れ、そこから炎が出現し、オレは憑依先をリザードランナーアンドゥーから鎧の化身 バーに切り替えた。

 

 

 鎧の化身 バー

 

 グレード1 パワー8000 星1

 

 

 アカマル 手札6→5

 

 ドロップ0→1

 

 ライドデッキ4→3

 

 

「うおおぉぉぉっ!」

「うわっ!?うるさ!?」

 

 しまった、うっかり叫び声をあげてしまった。

 夢にまでみたユニットの1体、鎧の化身 バーにライドしたオレは、つい、テンションが上がってしまった。

 

「悪い悪い。ついテンションが上がってしまってな!」

「別に良いけど……それで?どうするの?ここから?」

「決まっている!ユニットをコールする!」

「その前に、《エネルギージェネレータ》と、エネルギーチャージを忘れないでね」

 

 あ、やべ。すっかり忘れていた。

 

 あまりにも、浮かれていたオレは《エネルギージェネレータ》の存在と、そのカードのスキルを忘れていた。

 

「えっと、グレード1にライドしたから、《エネルギージェネレータ》をセット!後攻だから、《エネルギージェネレータ》のスキルで、エネルギーチャージ3を発動!エネルギーカードを3枚置いて、《アンドゥー》のスキルで、山札から1枚ドロー!」

 

 

 アカマル 山札44→43

 

 手札5→6

 

 ライドデッキ3→2

 

 エネルギー0→3

 

 

「《アンドゥー》のスキル、忘れてなくて、偉いね。その調子で頑張って、アカマル!」

「おうよ!」

 

 それにさっきのドローで、良いカードが来た。これはもう、前に攻めるしかないな!

 

「右側に《ドラゴンモンク・ゴジョー》をコール!そして──」

 

 早速だが、レイのオススメ!使わせてもらうぜ!

 

「──左側に《マルチプルストローク・ドラゴン》をコール!」

 

 

 

 

 

 ──時は数時間前に遡る。

 

 ストレージのカードを漁っている時、レイに声をかけられた。

 

『ねえねえ、アカマル』

『?なんだ?レイ?』

『このカード、私のオススメなんだけど、アカマルのデッキにどうかな?』

『ん?どれどれ……』

 

 見せられたカードを見て、スキルを読む。

 と言っても、初心者のオレには今一、ぱっとわからなかった。

 

 けど、レイの顔を見て……レイの気持ちを裏切るわけにはいかなかった。

 

『良いじゃん!試しに入れてみるよ!ありがとう!レイ!』

 

 

 

 

 

 ──と、まぁ、そんな訳で、レイのオススメ、《マルチプルストローク・ドラゴン》をコールしてみたが……。

 

「ギャアアァァァッー!」

 

 やかましいな!後、体から出てるビリビリやめろ!地味に痛いぞ!

 

 対して、ドラゴンモンク・ゴジョーは……

 

「……」

 

 おい、なんか喋れ。レイのペインキラーみたいに……とは言わないから、なんか喋れ。

 

 

 マルチプルストローク・ドラゴン

 

 グレード1 パワー8000 星1

 

 

 ドラゴンモンク・ゴジョー

 

 グレード1 パワー8000 星1

 

 

 アカマル 手札6→4

 

 

 そんな、コントみたいなことをしながら、オレは気持ちを切り替え、《バー》で、アタックしようと、宣言した。

 

「いくぜ!レイ!まずはこのオレ、《バー》でアタックっ!」

 

 

 ……。

 

 …………。

 

 …………あれ?

 

 

 なにも起こらない?

 

 宣言してみたが、何も起こらず、何故か、憑依しているバーの体も動かない。なんで?

 

「な、なんでなんだー!!」

「アカマル!下、下!下見て!」

「ん?下?」

 

 うっかり、叫び声を上げてしまったが、マロンにライドしてるレイに言われて、オレは下を見る。

 

 見ると、ヴァンガードのフィールドがあり、左から順に、《マルチプルストローク・ドラゴン》、《鎧の化身 バー》、《ドラゴンモンク・ゴジョー》の3枚があった。

 

「アカマル、カードをレストして!」

「?レスト?」

「攻撃をする時はカードを横向きにして!そうすれば、攻撃できるから!」

「え?そこは自動でやってくれないの?」

「そんな機能、あるわけないでしょ?大体、私達がやっているのはリアルファイトじゃなくて、カードファイトよ?わかってる?」

 

 いや、さっきまで、イメージ力がどうとか、言ってたじゃん。

 

 ……まぁ、良いや。

 

 気を取り直して、オレは《バー》を横向きにして、再度、アタックを宣言した。

 

「《バー》でアタックっ!」

「ヴァンガードがアタックしたから、山札の上を(めく)って、アカマル!」

「わかってる!ドライブチェックだろ?それは予習済みだ!クリティカルトリガーが出れば、ダメージを追加で与えられることもな!」

「そう簡単に捲れるわけ──」

「いくぜ!ドライブチェック!」

 

 レイの言葉を(さえぎ)り、オレは山札の上を捲った。

 

 

 ──すると。

 

 

「《(ほむら)闘僧(とうそう) ソウギョウ》!ゲット!クリティカルトリガー!」

「嘘でしょ!?ほんとに引いちゃうの!?」

 

 ハハハ!見たか!魂のクリティカルトリガーだ!なんてな!

 

「パワープラス1万は《マルチプルストローク・ドラゴン》!そして、クリティカルはヴァンガードの《バー》に与えるぜ!」

 

 

 マルチプルストローク・ドラゴン

 

 パワー8000→18000

 

 

 鎧の化身 バー

 

 星1→2

 

 

「これでレイに2ダメージだ!喰らえぇぇー!」

 

 叫び声を上げながら、オレは両手にある剣で、マロンに憑依しているレイに攻撃した。

 

「ッ、キャアアァァァッ!」

 

 攻撃を受けたレイは痛みを感じたのか、叫び声を上げた。

 

 って、おい!?大丈夫か!?

 

「れ、レイ!大丈夫か!?」

「……ふふ、なーんてね!これぐらいの痛み、なんてことないよ♪」

「な、なんだよー、脅かすなよー!ビックリするじゃないか?」

「ゴメンゴメン。アカマルがすこーし、調子に乗ってるから、つい、からかいたくなったから、ね?」

 

 ね、じゃねーよ!こっちは本気で心配したんだからな!?

 

「もう、そんな怒らない顔をしないの。ヴァンガードがダメージを受けたから、ダメージチェックね」

「……ああ。《バー》のクリティカルは2。よって、2ダメージだ」

「はいはい。ダメージチェック。1枚目……トリガーなし。2枚目……トリガーなし、と」

 

 慣れた手つきで、レイは山札の上を捲り、2枚とも、トリガーがなかった。

 

 

 アカマル 山札43→42

 

 手札4→5

 

 

 レイ 山札44→42

 

 ダメージ0→2

 

 

「まだまだいくぜ!パワーの上がった《マルチプルストローク・ドラゴン》でアタック!」

「ただ、攻撃を受けるだけがヴァンガードじゃないよ!手札からユニットを出せば、攻撃されたユニットを守ってくれる!……って、言いたいけど、次のターンに使いたいから、ここはノーガード!」

 

 レイはノーガードを宣言。

 

 それを聞いて、マルチプルストローク・ドラゴンは手に雷を纏い、容赦なく、レイに攻撃した。

 

 攻撃を喰らったレイは吹っ飛び、壁に激突した、

 

「いや、やりすぎだ!バカヤロー!」

「グオォン?」

「ギャー!近づくな!何気に痛いんだよ!お前のビリビリ!」

「……」

「だから、お前も黙ってないで、喋れよ!」

 

 そんなことを話していると、いつも間にか、ペインキラーに支えながら、レイは戻ってきた。

 

「マイ・ヴァンガード、大丈夫?」

「いててて。ええ、大丈夫よ。ありがとう、ペインキラー」

「悪い、レイ、大丈夫か?」

「大丈夫だよ、アカマル。あ、トリガーはないよ」

 

 

 レイ 山札42→41

 

 ダメージ2→3

 

 

 さらっと、ダメージチェックを行うレイ。だが、ここまで、トリガーがないと、逆に可哀想になってきた。

 

 けど……。

 

「ここはチャンスだ!《ゴジョー》でアタックッ!」

「……」

 

 ボォー、と、ゴジョーはすごく小さな、火の玉を出した。

 それをレイに向けて放った。ふわふわふわ〜、と、効果音が流れるような感じがし、火の玉はレイにゆっくりと、近づいた。

 

「えっと、ノーガードだけど……これ、私から近づいた方が良い?」

「……その方が良いかもな」

「わかった」

 

 レイは自分から火の玉に近づいた。

 すると、火の玉はレイに触れる直前に消えた。

 

 ……え?消えるの?なんて紳士なんだ、このおじさん。

 

「誰がジジイだ」

「うわ!?ビックリした!」

 

 急に喋るから、ビックリしたなー。

 

「小僧よ、女性には優しく接しろ。わかったな?」

「あ、はい。わかりました?」

 

 なぜか、最後に疑問形になってしまった。

 

「……えっと、ダメージチェックして良い?」

「構わん。さっさと帰って、修行がしたい……」

「あ、はい。ダメージチェック……トリガーはありません」

 

 

 レイ 山札41→40

 

 ダメージ3→4

 

 

 何故か、標準語で返答してしまうレイ。

 

 それを聞いて、オレはこれ以上、できることがないので、ターンエンドを宣言した。

 

「……オレはこれでターンエンド」

 

 

 ターン2

 

 レイ

 手札4

 山札40

 ライドデッキ2

 ドロップ1

 ダメージ4(表4)

 クレスト、《エネルギージェネレータ》(エネルギー0)

 フィールド

 セットオーダー、なし

 前列、《小さな賢者 マロン》(V中央、ソウル1)

 後列、《ペインキラー・エンジェル》(R中央)

 

 

 アカマル

 手札5

 山札43

 ライドデッキ2

 ドロップ1

 ダメージ0

 クレスト、《エネルギージェネレータ》(エネルギー3)

 フィールド

 セットオーダー、なし

 前列、《マルチプルストローク・ドラゴン》(R左)、《鎧の化身 バー》(V中央、ソウル1)、《ドラゴンモンク・ゴジョー》(R右)

 後列、なし

 

 

 さて、次はレイのターンだ。

 

 次はグレード2。一体、どんなユニットにライドするんだ?

 

 今から楽しみで、ワクワクが止まらないな。

 

「……レイ?」

 

 ふっと、レイの顔を覗くと、先程まで、楽しそうにしていたレイの顔が一変した。

 

 なんだか、わからないが、とても怖い顔をしている。

 

 同時に、レイの体からドス黒いオーラが漏れ出ていた。

 

 

 ──そして、その黒いオーラは、レイの体を包み込んだ。

 

 

「──さぁ、覚悟を決めるよ!漆黒の騎士!ライド!《ブラスター・ダーク》ッ!」

 

 

 魔剣のような剣で、オーラを振り払うと、レイは漆黒の騎士へと姿を変えた。

 

 

 




この作品、初のファイトシーン。
小説としてはいかがなものかと思いますが、今作は最小限のカードの情報と、盤面の状況の理解、そして、作者である自分が読み直しや、見直ししやすいように、ファイトシーンを描いてます。
そのため、文字数が多くなりました。ハハハ(苦笑)
また、至らない点があるかもしれませんが、何卒、ご理解をいただけると、ありがたいです。

それと、レイの分身はブラスター・ダークではありません。
そこだけは間違えないように。それでは。
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