カードファイト!! ヴァンガードOverlord 作:リュウ・セイ
「まずは1回目、いっくよー♪《フェルンバエル》で、ヴァンガードの《ネハーレン》にアタックッ!この時、《ダヴン》のスキル!中央列のグレード3以上のユニットがアタックする時、ヴァンガードが《グラムグレイス》なら、アタックしている間、そのユニットにパワープラス5千を与えるよ!」
「な!?」
つまり、パワー2万8千ってことか!?
翔刃の騎士 フェルンバエル
パワー23000→28000
「っ、ガード!──いや、ここは……」
パワーが上がった今、下手にガードをして、手札を減らせば、他のユニットの攻撃を防ぎれない。
だったら……!
「ノーガードっ!」
「!?(ダメージトリガーに賭けるつもりね……)良いよ!フェルンバエル、やっちゃって!」
「
ネハーレンに憑依したオレに、フェルンバエルは近づき、手に持つ刃物で、オレの体を切り付けた。
「ぐっ……!ダメージチェック!」
痛みを感じながら、オレは山札の上を捲った。
「っ、ゲット!ドロートリガー!ヴァンガードの《ネハーレン》のパワーをプラス1万!1枚ドロー!……っ!?」
ドラゴンナイト・ネハーレン(V)
パワー10000→20000
アカマル 山札34→32
ダメージ4→5
手札4→5
だんだんと、痛みに慣れてきたオレは、山札からカードを引き、引いたカードに驚いた。
このカードなら、このターン、耐えられる!
「《グラムグレイス》のスキルで、アタックした《フェルンバエル》をソウルに置いて、1枚ドロー。この時、《らんぐどしゃ》のスキルが発動!ソウルにグレード3があれば、《らんぐどしゃ》はパワープラス5千とブーストを得る!」
「なっ……!?」
そのために、《らんぐどしゃ》を後列にコールしたのか!?
レイ 山札32→31
手札2→3
ディヴァインシスター らんぐどしゃ
パワー10000→15000
「これで《インフリクター・ドラゴン》は自身のスキルと、《らんぐどしゃ》のブーストを得て、パワー合計、3万8千になるのか……」
「今のままなら、そうなるね。けど……」
「けど?」
「……《グラムグレイス》で、ヴァンガードの《ネハーレン》にアタック!《ダヴン》のスキルで、パワープラス5千!」
「っ!?」
剣聖騎竜 グラムグレイス
パワー13000→18000
突然、レイはオレの質問に答えず、《グラムグレイス》で、ヴァンガードの《ネハーレン》にアタックを宣言した。
一瞬、何故?と思ったが、オレはその謎に、すぐに気づいた。
「そうか!トリガー次第で、《インフリクター・ドラゴン》のパワーが上がるのか!」
「それだけじゃないよ!今のままじゃ、ヴァンガードの《ネハーレン》のパワーは届かない。けど、ヴァンガードの《グラムグレイス》はツインドライブを持っている!……つまり、どちらか1枚、トリガーが出れば、ダメージは通る!」
「っ……」
なるほど。そこまで計算して、あえて、ヴァンガードの《グラムグレイス》からアタックするのか……。
ほんと……面白いな!ヴァンガード!
「トリガーが出ると、パワーは2万8千……いや、2枚出ることを計算して、3万8千か……」
どうする?ここで、今引いたカードでガードするか?
それとも、完全ガードの《モンジュ》でガードするか?
守る手段は二択ある。だが、どちらが正解かはわからない。
そう思った時、オレは前のターンに考えた自分を思い出す。
──次のターン、確実に生き残るには……これだ!
「っ……オレは……《モンジュ》で完全ガードだ!」
「!?ここで完全ガード……!?」
気がつけば、手が勝手に動いていた。
オレの行動に、レイは驚く。だが、そんなこと、知るか。
オレは確率とか、計算とか、そういうの、苦手だ。
だから、確実に生き残る手段を取る。それだけだ。
「任せろ!ここは俺が
猛火の守護者 モンジュ(
シールド0
突然、オレの前に現れたモンジュは両手でシールドを
「……ツインドライブ。1枚目……ノートリガー。2枚目……フロントトリガー!前列のパワー、プラス1万!」
インフリクター・ドラゴン
パワー13000→23000
剣聖騎竜 グラムグレイス
パワー18000→28000
翔鎌の騎士 ダヴン
パワー10000→20000
アカマル 手札5→3
ドロップ5→7
レイ 山札31→29
手札3→5
トリガーが出たが、なんとか、このアタックは止められた。
ただ、かわりに、リアガードのパワーが上がってしまった。
正直、キツイ。けど、大丈夫だ。オレはまだ……負けていない!
「《ダヴン》でアタック!スキル発動!ヴァンガードが《グラムグレイス》で、中央列のユニットが2回以上、アタックしたから、カウンターブラスト1で、《ダヴン》のパワー、プラス1万5千!」
「っ……」
翔鎌の騎士 ダヴン
パワー20000→35000
まだパワーが上がるのか!と、嫌気が
「《ローナ》でガード!さらに、リアガードの《ネハーレン》で、インターセプト!」
オレは手札の《ローナ》と、場にいる《ネハーレン》でガードした。
グレード2である《ネハーレン》はインターセプトを持っており、リアガードから、ガーディアンサークルに移動できる。
……というの、対戦前にレイから教わった。
焔の巫女 ローナ
シールド15000
ドラゴンナイト・ネハーレン(G)
シールド5000
ドラゴンナイト・ネハーレン(V)
パワー20000→40000
アカマル 手札3→2
ドロップ7→9
「防ぐよね、そこは。けど、もう、守る手段はないよね?」
「……」
オレはまだ諦めていない。何故なら、ドロートリガーで引いた、“コイツ”がある!
「……《らんぐどしゃ》のブースト、《インフリクター・ドラゴン》で、ヴァンガードにアタックッ!スキル発動!エネルギーブラスト3で、《インフリクター・ドラゴン》のパワープラス1万!合計パワー、4万8千よ!」
一瞬、間を置きながら、レイは2枚のカードをレストし、最後のアタックに想いを乗せて、アタックを宣言した。
レイ エネルギー3→0
インフリクター・ドラゴン
パワー23000→33000→48000
インフリクター・ドラゴンの刃がオレに襲いかかる。
このアタックは止められない。
手札2枚では防げない。
多分、大体の人は、ここで諦めるだろう。
だけど──オレは諦めない!
何故なら──
「──オレはまだ、《オーバーロード》にライドしていない!だから……諦めない!ガードだっ!」
「……ッ!?
オレはたった1枚のカードをガーディアンサークルに置いた。
──そして、そいつはインフリクター・ドラゴンの前に現れた。
それを見たレイは驚き、声を荒げる。
「ッ、それは……《ドラグヴェーダ》!?」
シールド50000
ドラゴンナイト・ネハーレン
パワー20000→70000
デッキに1枚だけ入れられるトリガーユニットの一つ、オーバートリガー、《再起の竜神王 ドラグヴェーダ》。
オレはそいつでガードし、インフリクター・ドラゴンの攻撃を防いだ。
アカマル 手札2→1
ドロップ9→10
「……まさか、4回攻撃を防がれるなんて、思わなかった」
「いや、負けてたよ。《ドラグヴェーダ》を引いてなかったら、確実に負けてた……」
「……引いたタイミング的に、1回目のアタックで捲った、ドロートリガーの後かな」
「ああ。あそこで受ける勇気がなかったら、負けてたよ」
「……そう。私はこれで、ターンエンド」
何かに納得したかのように、レイはターンエンドを宣言した。
ターン5
レイ
手札5
山札29
ライドデッキ0
ドロップ10
ダメージ4(表0、裏4)
クレスト、《エネルギージェネレータ》(エネルギー0)
フィールド
セットオーダー、なし
前列、《インフリクター・ドラゴン》(R左)、《剣聖騎竜 グラムグレイス》(V中央、ソウル1)、《翔鎌の騎士 ダヴン》(R右)
後列、《ディヴァインシスター らんぐどしゃ》(R左)
アカマル
手札1
山札32
ライドデッキ1
ドロップ10
ダメージ5(表5)
クレスト、《エネルギージェネレータ》(エネルギー6)
フィールド
セットオーダー、なし
前列、《マルチプルストローク・ドラゴン》(R左)、《ドラゴンナイト・ネハーレン》(V中央、ソウル2)
後列、《ドラゴンモンク・ゴジョー》(R右)
「オレのターン。スタンドアンドドロー。エネルギーチャージ……」
オレはライドデッキの最後のカード──《ドラゴニック・オーバーロード》に手に取る。
さぁ、
「──いくぜ、オレの分身!すべてを焼き尽くせ!黙示録の竜!ライド!《ドラゴニック・オーバーロード》っ!」
瞬間、足下からサークルが現れると、炎が浮き上がり、オレを包み込んだ。
不思議と、熱さは感じなかった。寧ろ、暖かく、激しく……そして、嬉しさを感じた。
浮き上がった炎の中から現れるは、伝説の、黙示録の竜、ドラゴニック・オーバーロード。
オレはそいつに、ライドした。
「ウオオオオオォォォォォッー!」
ライド瞬間、オレはお叫びを上げた。《バー》にライドした時と違い、このお叫びはオレではなく、オーバーロードから感じた。
──そうか。嬉しいんだな。こうやって、戦えることが。
──誰かと一緒に戦えることが嬉しいんだな、お前は。
なら──戦おうぜ。
オレと一緒に……このファイト、勝とうぜ!
アカマル 山札32→31
手札1→2→1
ドロップ10→11
ライドデッキ1→0
エネルギー6→9
ドラゴニック・オーバーロード
グレード3 パワー13000 星1
「すごい……これがアカマルの分身、《ドラゴニック・オーバーロード》……!」
(なんていう熱量……だけど、同時に暖かい……アカマルにピッタリな分身だね……けど)
「《オーバーロード》にライドしたからって、私に勝てると思わないことね!」
「思わないさ!だから、オレは……仲間と共に戦う!」
オレはレイに、そう宣言し、ソウルにいる《ネハーレン》のスキルを発動させる。
「《ネハーレン》のスキル!《オーバーロード》にライドした時、ソウルから、自身をリアガードにスペリオルコールできる!」
ドラゴンナイト・ネハーレン
グレード2 パワー10000 星1
「!?ソウルからスペリオルコール!?そんなのアリ!?」
「アリだよ。というか、そっちは散々、山札からスペリオルコールしてきただろ?」
「うっ……」
空いている前列に《ネハーレン》をスペリオルコールし、それを見たレイは驚く。
それを聞いて、オレはレイがやってきたことにツッコミを入れた。
オレの発言にレイは自分がやってきたことを思い出したのか、黙り込む。
それを見たオレは気にせず、次の行動に出た。
「《エネルギージェネレータ》のスキル!エネルギーブラスト7で、1枚ドロー!」
よし!良いカードが引けた!
このターンで、すべてを出し切る!
アカマル 山札31→30
手札1→2
エネルギー9→2
「《マルチプルストローク》を後列に下げ、《バーサーク・ドラゴン》をコール!さらに、《ヒートスタンピング・ドラゴン》をコール!」
バーサーク・ドラゴン
グレード2 パワー10000 星1
ヒートスタンピング・ドラゴン
グレード2 パワー10000 星1
「!?(《オーバーロード》の空いてる中央列にコール!?何かあるわね……)」
一瞬、レイの表情が歪んだ。いや、もとから、表情が
だけど、今のオレには関係ない。
オレはオレのイメージを信じる!
「《ネハーレン》のスキル!ソウルブラスト1で、《ネハーレン》と《オーバーロード》のパワーをプラス5千!」
アカマル ドロップ11→12
ドラゴンナイト・ネハーレン
パワー10000→15000
ドラゴニック・オーバーロード
13000→18000
ユニットをコールし、パワーも上がった。
準備は
──いくぜ、オレの分身!
「《ドラゴニック・オーバーロード》で、《ダヴン》にアタックっ!」
「ヴァンガードじゃないの!?とにかく、ここはガ──」
「《オーバーロード》の永続スキル!リアガードにアタックする時、相手は手札からガードできない!」
「ッ、そうだった!ノーガード!」
どうやら、レイは《オーバーロード》のスキルを忘れていたらしい。が、そんなの関係ないぜ!
「いくぜ!ツインドライブ!1枚目……ゲット!クリティカルトリガー!効果はすべて、《オーバーロード》に!」
ドラゴニック・オーバーロード
パワー13000→23000 星1→2
「2枚目……っ」
手の震えを感じた。だが、それは一瞬で消えた。
どうやら、ここが勝負の分かれ目か。
──だけど!オレは引いてやる!
オレは勢いに任せて、山札を捲った。
「……っ!」
捲られたカードにオレは言葉を詰まらせる。
それは《バーニングフレイル・ドラゴン》。クリティカルトリガーだ。
「ゲット!クリティカルトリガー!効果はすべて、《バーサーク・ドラゴン》に!」
「グオオオォォン!」
パワーが上がったからか、バーサーク・ドラゴンはお叫びを上げた。
バーサーク・ドラゴン
パワー10000→20000 星1→2
アカマル 山札30→28
手札0→2
「いっ、くぞぉぉぉぉぉっ!」
オレは翼を広げ、ダヴンに近づき、手に持っている剣で、ダヴンを切り裂いた。
「グ、ハ……!」
これにより、《オーバーロード》のスキルが使える!
レイ ドロップ10→11
「《オーバーロード》のスキル!アタックがヒットした時、カウンターブラスト1と手札1枚捨てることで、ドライブマイナス1するかわりに、《オーバーロード》はスタンドする!これがオーバーロードの必殺技!エターナル・フレイムだっ!」
「エターナル・フレイム……!なんて迫力なの……!」
オレがライドしているオーバーロードの迫力に、グラムグレイスにライドしているレイは後ずさる。
アカマル 手札2→1
ドロップ12→13
「次は《バーサーク》!《マルチプルストローク》と共に、ヴァンガードにアタックだっ!この時、《バーサーク》のスキルが発動!パワープラス5千と、ヴァンガードが《オーバーロード》の時、カウンターブラスト1で、グレード2以下の、相手のリアガードを1体選び、退却させることができる!退却せよ、《らんぐどしゃ》!」
「う、きゃあああ!」
レイ ドロップ11→12
バーサーク・ドラゴン
パワー2000→25000→38000
「ッ……(ここを通したら、後がない!)ガードよ!」
レイは手札を2枚、ガーディアンサークルに置いた。
置かれたカードはシールド1万5千の《
このままでは、パワー3万8千の《バーサーク》の攻撃は防げない。が。
「相手のヴァンガードがグレード3以上だから、それぞれのスキルで、シールドプラス5千!合計パワー、4万3千よ!」
これにより、レイはオレのアタックを防げる。
シールド15000→20000
シールド5000→10000
剣聖騎竜 グラムグレイス
パワー13000→33000→43000
レイ 手札5→3
ドロップ12→14
防がれた。が、手札を2枚減らせた。
次はリアガードの《ネハーレン》からアタックするか?
……いや。ここは──
「──オレの分身!オーバーロードでいく!《ドラゴニック・オーバーロード》で、ヴァンガードにアタック!この時、《ヒートスタンピング・ドラゴン》のスキルが発動!相手のリアガードが2枚以下なら、自身をソウルに置いて、《ドラゴニック・オーバーロード》のパワーをプラス1万を与える!」
アカマル ドロップ13→14
ドラゴニック・オーバーロード
パワー23000→33000
──これで、《オーバーロード》のパワーは3万3千。
さっき、シールド2万の《アルパック》を使ったことで、レイの手札にはそこまでシールド値が高いカードはないはず。
オレがそう思った時、レイは3枚の手札を一つにまとめ、裏向きで、テーブルに置いた。
「……ノーガード!」
そう宣言し、オレは山札に手を置いた。
「ドライブチェック!……ノートリガー!」
「……!そう……なら、後は……殴り合いよ!」
そう叫んだレイはグラムグレイスに憑依して、飛び上がった。
それを見たオレは翼を広げ、レイを……グラムグレイスの後を追うように、飛び上がった。
「いくぞ、レイ!」
「ええ!いくよ、アカマル!」
飛びながら、オレ達は殴り、殴られ、時には武器を使って、鍔迫り合いを繰り広げる。
「楽しいな、レイ!」
「ええ、私もよ!アカマル!けど……」
「ああ!決着、つけようぜ!」
そう言って、オレはオーバーロードの姿で、グラムグレイスに憑依しているレイに回し蹴りをし、地面に叩きつけた。
そのまま、ゆっくりと、オレは地面に降り、霊体の姿で、グラムグレイス……いや、レイに近づいた。
「大丈夫か?レイ?」
「大丈夫なわけ、ないでしょ?全く……」
「ごめんごめん」
そう軽口を叩いた後、レイは山札に手を置いた。
「……ダメージチェック。1枚目……」
ゆっくりと、1枚目を捲った。
捲られたのは《パルパテーション・エンジェル》。ヒールトリガーだ。だが。
「ダメージはアカマルが多いから、回復しないね……」
「だな……」
「一応、《グラムグレイス》のパワーを1万上げるね」
「……ああ」
オレが返答を返すと、レイは《パルパテーション・エンジェル》をダメージゾーンに置いた。
これで、レイはダメージ5枚目。
2枚目のダメージチェックで、ヒールトリガーか、オーバートリガーが出れば、まだチャンスはあるが……。
「……いくよ」
「……ああ、こい!」
「ダメージチェック!2枚目……ッ」
捲られたカードはレイの分身、《剣聖騎竜 グラムグレイス》だった。
レイ ダメージ4→6
「……ノートリガー。私の負けね」
それを聞いた時、オレ達は元の世界に戻った。
「──お疲れ様、二人とも。良いファイトだったよ」
「「……」」
元の世界に戻った途端。一番聞きたくない人に声をかけられた。
「……あのさー、アンタ、暇なの?仕事はどうした?仕事は?」
「暇じゃないよ。ただ、ちょうど、二人が対戦を終えたみたいだから、声をかけただけだよ」
「……そうかよ」
アンタは僕達の保護者か、何かか?
そう思った時、レイから声をかけられた。
「……ねえ、アカマル」
「?どうした?レイ?」
「……またファイトしよ」
「っ……!?」
突然、レイは腰を下ろし、両手を背中の後ろに回して、上目遣いで、オレに、またファイトしようと誘ってきた。
……いや、その誘い方は色々と勘違いしてしまうぞ?レイさん?
「お、おう、良いぞ。今から、もう一戦するか?」
「悪いけど、今日はもう帰ってくれるかな?」
……おい、空気読めよ。店長よ。
というか、まだ居たのか。
「……何でだ?」
「時間、見てくれる?」
「時間……?」
言われて、時計の針を見ると、僕は「げっ……!」と、声を荒げた。
「学生が外で遊ぶ時間はとっくに過ぎてるよ」
「マジか!?オレ達、まだ1戦しかしてないぞ!?」
「ヴァンガードは1回のファイトが長くなるんだ。だから、時間なんて、あっという間に過ぎちゃうんだよ」
マジか、それは知らなかった。
これは……レイとの再戦はまた今度だな。
「悪い、レイ。ファイトはまた今度な。オレ、もう帰るよ」
「あ、アカマル……待っ──」
「じゃーなー」
レイの待ったを聞かず、僕は先に店を出た。
……どうしよう。
私、アカマルに伝えたいこと、まだあるのに……。
「……その顔。レイちゃん、君、アカマル君に恋してるね」
「ッ!?な、何を言っているんですか!?」
何で、わかったの!?
私、そんなに顔に出てた!?
いや、それよりも……!
「レイちゃんって言うな!火野店長!セクハラで訴えますよ!」
「おっと、それは困るな。それじゃあ、僕は仕事に戻るよ」
そう言って、火野店長はレジに戻った。
それを見た私は、これから、どうするか、少し考えた後、お店を出て、真っ直ぐ、家に帰った。
──翌日。
「初めまして、皆さん!
「……」
僕は今、信じられない光景を目にしている。
今日、担任から転校生が来ることを知らされ、教室にいる生徒達は盛り上がっていた。
──たった一人、僕を除いて。
そして、今日、転校してきた女子生徒、星咲冷は何を隠そう、昨日、カードショップ・ドラエンで遊んだレイだ。
いや、まさか、他人の
「それじゃあ、星咲さんは
「あ、はい……」
「……」
やべ、目が合った。どうしよう……。
とりあえず、初めましての
なんて考えていたら、星咲さんが僕の隣に座った。
──すると。
「アカマル、だよね?」
「あ、はい。アカマルです……あ」
『え?』
冷に声をかけられた僕は自分の正体を明かしてしまった。
こうして、僕、アカマルこと、紅
第1章:邂逅編〜完〜
ここまでのご愛読ありがとうございます。
という訳で、第1章:邂逅編、これにて、完結です。
至らない点がいくつか、あったかもしれませんが、最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
次は第2章を描く予定ですが、こちらは未製作なので、年明け、すぐには投稿できないです。
なので、一旦、この作品は完結作品として扱います。が、第2章を描く際は、その時は暖かい目で読んでくれると、嬉しいです(汗)
さて、長くなりましたが、年末最後に、この作品を読んでいただき、ありがとうございます。
また、自分が完結作品を描けて、大変嬉しく思います。
それでは皆さん、良いお年を。