JUTOUGH   作:魚の肝

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俺は龍継ぐ最新話まで読んだパーフェクト・マネモブだぜ。これからもタフ・シリーズを愛してやるのよ

◇この男の目的は…?


BATTLE.10 戰爭

 

 

 ◇◇◇

 

 「な…なんや……この思想が強い呪霊は…(ギュソギュソ」

 

「残業は嫌いなので…早めに終わらせましょう」

 

 「やるか……」

 

「ニイタカヤマノボレ!戰爭開始だ!!」

 

 

 

 ズッ……

 

四人一斉に呪力量が増幅し、呪力が漏れ出る音が薄暗い地下水路の中で今繰り広げられる死闘のゴングであるかのように鳴り響く。

 

 「うおおおっ 腐れ特級呪霊ぶち殺したるっ」

 

 ドソッ

 

ギュソ

 

 「甘いよッ」

 

 花沢が大地を踏み鳴らして呪力を射出する"幻突"を繰り出すも"弾丸滑り"で受け流される。

 

 「ねぇアンタはさ…肉体と魂……どっちが先だと思う?」

 

「あうっ こ コイツも思想系なのかあっ」

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 (……………)

 

 スッ……

 

ドッ ゴッ

 

 ガシャソッ

 

「させませんよ」

 

花沢と真人が交戦している間、總團長は静かに弾丸を装填して花沢に発報しようと銃を構えるも、七海は"十割呪法"で銃に長さ七対三の内分点に強制的に弱点を作りそこに鉈の呪具を振り下ろし、破壊した。

 

 二

 ヤ

 リ

 

 「なにっ?!」

 

 

 パァソ

 

 チィソ ブシュッ

 

 「っっっ!!」

 

「はっはぁーっ 俺の獲物は最初から貴様だったのよ!」

 

 七海が鉈を振り下ろし切った直後、總團長の空っぽの左目から銃弾が射出される。先程の猟銃は携帯した銃だけが攻撃手段であると思い込ませる為のブラフ、總團長は身体中いつでもどの箇所からでも銃弾を発射することが出来る。

 

七海は燕返しで銃弾を術式で弱点を作った状態で二つに叩き割るも、割れた銃弾が七海の右肩を貫通する。

 

 そして直後、被弾した七海の肩に異変が起こり始める。

 

 

 

 

 ウジュ…ウジュル……

 

「こ…これh??!!………ッッッグゥッ……!!」

 

七海の右肩から夥しい蛆虫が湧き出し被弾箇所周辺の皮膚や肉を齧り、突き破り、電撃の様な激痛が鳩走る。

 

 「おーっ しっかりと"蛆虫"が植え付けられてるじゃねぇか」

 

 ヌーッ

 

 「!!??」

 

 

 ボボボボボボボボッッッ

 

 

  チソチソチソチソチソチソチソチソチソブシュッ…ブシュシュ…ウジュルウジュル……

 

「うおおおおおっ……!!」

 

痛みに悶えていた七海に隙を与えず總團長は身体中から銃口を生やして集中砲火する。七海は傷を受けていないもう片方の腕で銃弾を捌くも圧倒的銃弾の物量に耐え切れず所々被弾してしまう。

 

 

 「開示だ。俺の術式は対象を傷付けた際にそこから莫大な數の蛆虫を沸かせられる、蛆虫の種類は普通に蠅から生まれる本物の蛆虫でもいいし…四級呪霊、"蝿頭"の幼虫…つまり呪胎だな…でもいい。もちろん両方湧かせるのもいける。」

 

そんな必死に被弾を避ける七海を他所に總團長は真人と交戦している花沢に複数の瞳を宿す隻眼を向けて警戒、銃を連射してして真人の援助をしながら術式の開示を行っていく。

 

 

 ブシュシュッシュッ

 

 ゥシュル……ウジュルルル……

 

  (クソッ……!あそこで花沢君が呪霊と交戦しているというのにアシスト出来ず、逆にこの呪霊にアシストを許してしまっている……!!)

 

ギリィ…

 

 

 七海が花沢に加勢できず足を引っ張り、この今も尚続いている猛攻を対処しきれない自分に不甲斐なさを感じて歯を食い縛る横で未だ總團長の開示は続く。

 

 「本物の蛆虫の場合は肉体を喰われることによる激痛を伴わせ、肉体的な損傷を行い………"蝿頭"の呪胎は対象の呪力を餌に育つ…つまり対象の呪力を減らして弱体化させ且つその呪胎が"蝿頭"となり、俺の忠実なる部下となr

 

(今ッッッ!!!)

 

 

 

 カァソ

 

 

 なにっ?!」

 

ドプッ

 

 「ッッッ!!」

 

 總團長がほんの少しではあるが花沢の方へ意識を向け、術式の開示をし終える前に突如自分の方へ自分の弾丸が飛んでくる。"弾丸滑り"を行おうとするも叶わず總團長は被弾してそこから大量の蝿頭の呪胎が溢れる。

 

 

 

 キソキソキソキソキソキソキソキソ

 

 

ギュソッ

 

 

 今も尚放たれている銃弾の雨をを捌きながら總團長に七海が鉈を構えて急接近、被弾して呪胎が湧いているが全く動きが鈍くならない總團長は反撃の態勢を既に整えていた。

 

 

 (ハッ……貴様の打撃斬撃俺は全て受けて立t

 

 

 

 

 『ドソッ』)

 

「なにっ?!

 

 

 『ドゴォッ』

 

 ぐおぉっ?!」

 

 

「フンッッッッ!!」

 

 

バチィィイイイィソ

 

 「かはっ……!」

 

 總團長が七海にカウンターを仕掛けようとするも花沢が今までの銃撃のお返しと言わんばかりに"幻突"を放ちその衝撃を總團長が喰らっている隙に七海は術式で弱点を作りそこに渾身の黒閃を叩きつける。

 

 

 

『パァソ』

 

 

 「ぐぅっ……」

 

ポタポタ……

 

 「…………」

 

 

先程の波状攻撃でダメージを受け吐血している總團長に七海は迎撃を試みるも黒閃と同時に放たれた總團長の銃撃が被弾し叶わずじまいとなる。

 

(チッ……黒閃を打ち込み吐血こそしているもののこの呪霊は全く息が上がっていない………そして何より攻撃されてから反撃に移るスピードが異常に速い…全く怯む素振りを見せない……まるで戦場を生き延びた兵士の様だ)

 

再び七海の被弾箇所から蛆や呪胎が湧き上がり、激痛が走る。幾ら黒閃を発動してアスリートで言う所のゾーンの状態に突入している七海といえど銃弾と蛆虫による激痛や嫌悪感、呪胎に呪力を吸い上げられるこのにより発生する弱体化や倦怠感は相当な痛手である。

 

 シュボッ

 

 「ここからは……時間外労働です」

 

 刹那、七海の呪力量が大幅に上がる。七海は一定以上戦闘が続くと呪力量が増幅する縛りを設けていた。

 

 

 (第二次世界大戰が終戰して七五年、人の噂も七十五日というほどに時の流れは残酷なものだが…我々呪いの戰爭は未だ終わっていない……終わってはならない……)

 

 總團長は自身の肉片を銃弾として違って体内で呪力を爆発させて飛ばし、それにより千切れた箇所を再生、射出、再生を繰り返すことで呪力がある限り無制限の銃撃を可能とするが、彼は一度も相手への攻撃で負ったを行なったことがない。

 

 かつての強敵に焼かれ爛れた皮膚も、抉られ無くなった片目も未だに再生させていない。勿論先程七海に喰らった銃弾も再生しない。

 

 彼にとっては敵による負傷は直ぐに再生させ跡形も無くさなければならない恥ではなく、自分を戒め、補い、より高く己を押し上げる為の誇りである。

 

 

 "總團長は傷付けられる程強くなる"

 

これは決して自身の呪力の底上げを行う縛りでもなんでも無い。彼の戦の原動力であり志なのだ。

 

 

 

 

 ギュソッ

 

 

 

敵の術式に悪戦苦闘している七海に總團長は距離を詰めると、先程の様な銃弾を浴びせる戦法では反撃される可能性がある為か、指先をナイフに変化させ、更に身体中から銃弾を七海に放ちながら近距離戦に持ち込む。鉈とナイフを火花を散らしてぶつけ合いながら總團長は七海を洞察する。

 

 (ハッ…被弾など戰で先人達が受けていた傷に比べれば擦り傷……それよりも…だ…

 

 

 

 フム……まず右肩にネクタイを包帯の代わりとして巻いて最低限右腕が機能できるようにし……まぁそれはいいんだよ、問題は…俺の銃弾が負傷している場所からいつの間に蛆虫が消えて、代わりに煙が上がっていることだ……

 

 

恐らく呪力で寄生した蛆虫や呪胎を燃やし殺していると考えられる……本来ならばその方法にはかなりの呪力を消費するが先程の黒閃で帳消し、結果的に最善の方法となったということか……

 

 

 しかし先程の銃弾の跳ね返しといい今回といい…紳士的な見た目に反してこの男かなり…いやめちゃくちゃ脳筋だな……)

 

 

 ガキィソ キィソ バキッ

 

 「こちらも開示しておきましょう…私の術式は…相手の体調などを一本の線分と仮定しその線分を7対3に内分する点に強制的に弱点を作り出す能力です」

 

考察し終えたタイミングで術式の開示で呪力が上がった七海の振り下ろしで總團長指にヒビが入るのを合図に近接戦が苛烈化する。

 

 

 

 

 

 ドガガガがガガガガガガガ

 

 

 

 

 

 

               カァソ カァソ

 

 

 

 ガガガガガッチソチソチソチソチソチソ 

 

 

 

 

 ギャリッッ……ギャリリリ

 

 

 

 

 

 總團長が銃撃を行い、七海がそれらを弾き返し、その弾き返された銃弾を總團長が新たな銃弾で撃ち落とし、高速の鉈と指のナイフが飛び交う。

 

 

 七海の斬撃、打撃を、ただ単に回避と、花沢に闇討ちさせるのを防ぐ為、壁に自分の背が付くまでバックステップで後退、そこに更に弾丸滑りで完璧に受け流す。

 

 

 

 一方七海が徐々に銃撃に耐え切れなくなり十数発負傷、蛆や呪胎が湧き、激痛と呪力の吸い上げられを耐え忍ぶか多大な呪力を消費して蛆虫達を焼き祓うかの二択を迫られる。

 

 

 

 「フンッッッ!!」

 

 ボッ

 

 七海は前者を選択し、呪力の籠ったストレートを放つ。

 

 シャリッ……ギュソッッ

 

 總團長がそのストレートを切り落とそうとするも七海がもう片方の手に持っている鉈で跳ね除ける。

 

 

 「十割呪法………"瓦落瓦落"ッッッ!!!!」

 

 

ドグウォッッッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バラ……

 

 

    バララ…………

 

 

 

 

 

 

 ガララララララガドドドドドド

 

 

 

 

 

 七海の渾身の打撃が術式で弱点を作った壁に直撃、壁は粉々に砕け、呪力を帯びた夥しい巨大な瓦礫が両者にスコールの様に降り注ぐ。

 

 

 (どうやら……私は……ここ…までの様ですn

 

 

 

 ビュビュソッ

 

 

ドガアアアァァアアアアソ

 

 

 

 

 な……なにっ?!)

 

 

 

 

迫り来る瓦礫に七海は自分の死を悟るも突如として瓦礫に何かが飛来、空中で大爆発を起こして小さな破片となって辺りに散らばる。

 

 

 

 (あ…あの高速で飛んでいったのは……た…確かに見えた……だ…だがどういうことだ…四級呪霊の"蝿頭"があの瓦礫を破壊するなど……)

 

 

 「おい、何故ただ棒立ちして戰うのを辞めている……?まだ俺はお前に無条件降伏を薦めていない筈だが?」

 

 

 總團長は自身に寄生した大量の蝿頭の呪胎に呪力を分け与えて蝿頭に成長させ、その蝿頭に絶命の縛りを貸した状態で瓦礫に突撃を命じていた。

 

 

 一級術師"冥冥"には術式で操る烏に絶命の縛りを貸させ、対象に体当たりさせる"バード・ストライク"なる特級呪霊さえ一撃で祓う技がある。總團長が行ったのはその烏を蝿頭に置き換えただけでやっている規模はほぼ同じである。

 

 

 そして、そうこうしている内に七海に寄生した呪胎もついに成体、つまり"蝿頭"となる。

 

 

 (ま…まずいっ!)

 

シュボッ

 

 

 七海は蝿頭が爆発する寸前に蝿頭を祓うも、その過程で大量の呪力を消費した。

 

 

 

 ドドドドドドドドドドド

 

 

 七海に銃弾を乱射し、總團長が睨んでいる、しかしその睨んでいる対象は七海ではない。

 

 

 

 

 

 パァソッ

 

 「しゃあっ 灘神影流"霞突き"!

 

 

  『パァソ』

 

どわーっ?!」

 

ギュソ

 

 花沢が突如参戦して總團長に一発浴びせるもすかさず銃撃し、花沢は慌てて弾丸滑りで受け流す。

 

 

 

 「おいお前……眞人はどうしt『おーっ 銃が最強とか抜かしときながら結局指をナイフ化して銃以外の武器使っとるやん!アハハこれは恥ずかしいわ』」

 

 

「フン…戰爭は"最強"だけでは務まらないのでな」

 

 

 

 (あいつの話をしようとするや否や話題を逸らしてきた……

 

 

  ……逃げられたんだなコイツ)

 

 ◇次回……三人の運命は……?




やばっ 一話で終わらせようとしてたのにメチャクチャ長くなりそうだよ。
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