JUTOUGH   作:魚の肝

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絶賛スランプなんダァ…

うおおおっ 感想をくれえっ 何でもするから 俺は感想がないと生きていけないんだぁっ


BATTLE.19 キャプテン・マッスル

 

 ◇◇◇

 

 「降参するなら今ですよ」

 

「今すぐお前を倒して家入の元へ連れて行く」

 

「易々と倒れてやるわけないだろ!バーカ!」

 

 花沢は大口を叩いているものの肉体的にかなり追い込まれていた。身体の重心は崩れ足はよろつき、吐いたばかりなのに吐き気が引く様子が無い。脳裏にポカリスエットを浮かばせながらもなんとか意識を保った。

 

 「俺の意識が無くなるその前にお前らを殺してやるよっ ムタアッ ニッタアッ

 

 花沢は痛みも倦怠感も吐き気も掻き消す様に雄叫びを上げ二人に突進する。衰弱した状態でありながらも全力で京都校二人を接近する。

 

 バラララ キュイイイィイ

 

 与は右腕を刀源解放(ソード・オプション)で剣山盾を出現させて左腕に呪力を溜める。

 

 与は傀儡を分解し、自身の身体に装甲として纏わせている。そして、わざわざ遠隔で傀儡を操らず、本体が直接戦闘に出向くという"縛り"で呪力量及び出力を向上させている。

 

 「しゃあっ 灘神影流"霞突き"!」

 

 ボッ

 

「はうっ」

 

固定術式が厄介な新田を一撃で沈め、与と一騎打ちに持ち込む。こうしている間にも精神が症状でゴリゴリ削れているのが分かる。意識を保つのも一苦労だ。

 

 

 ギュアッ ボボボッ ギャリギャリギャリ

 

 「推力加算(ブースト・オン)絶技抉剔(ウルトラ・スピン)!」

 

「しゃあっ!」

 

 パァソッ

 

 「うぐぁっ…?!」

 

 「腰に力が入ってないんじゃあっ まだ足に力が入らない抜かすんちゃうやろなあっ あーっ?!」

 

 与が繰り出した後方からのジェット噴射で加速した右腕の刀剣旋回攻撃を、推進し加速する前に花沢は正突きを繰り出して破壊。

 

 花沢に煽られる与の右腕の装甲の残骸が空を舞い、()()()()()()()()()()()()()()()()()の呪力の余波により消滅していく。

 

 「なにっ?!」

 

 「大祓砲!」

 

ボッ

 

 「ぐあっ」

 

"弾丸滑り"を咄嗟に発動出来ず咄嗟に呪力でガードするも天与呪縛と前述の縛りにより繰り出される呪力砲の威力の前では無力に等しい。

 

 呪力砲は花沢の脇腹を貫通し、その先の幾本もの木々の幹も貫通させ、パチパチと周りに赤い火花を散らせながら焼き焦がれる。その内の一本が与バキバキと音を立てて目掛けて倒れてくる。

 

 「はぁっはぁっ…っ……!なにっ!?しゃあっ!」

 

「?!」

 

ドガァッ バッ

 

 花沢は一瞬振り返り、咄嗟に裏拳で与を左方向吹っ飛ばして左腕を破壊。花沢もその後を追い倒れる大木を回避する形となる。

 

倒れながらも与は体勢を立て直そうとするも、花沢は与の身体の上に乗り、マウント・ポジションを取った。

 

 「これからの俺達は悪魔でグラウンド勝負…スタンド勝負には持ち込まない…今のお前はまともに動く事が出来ないんだ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()クククク…」

 

「………」

 

 花沢は与に彼自身の過去をほじくり返しながら下衆な言葉を吐く。しかし与はその事に関して怒っている様子を見せない。

 

 (あぁ…花沢……お前って奴は本当に……)

 

 

瞬間、与の脳裏に浮かび上がる……存在する記憶。

 

 

 ○ 

 

 ……夥しい血液チューブに繋がれ、全身の痒み痛みが止まず、弱い皮膚の代わりに包帯を巻きつけていた。一歩も歩けず自身の傀儡に自信の世話を任せっきりの尊厳もクソも無い姿で陽の光にも当たる事が出来ない……湿った血生臭いあの場所で俺は…花沢と出会った。

 

 花沢はこんな俺の姿を最初の一瞬こそ動揺したが、直ぐに受け入れて『活法で治してやる!』と豪語する。

 

 ………ぶっちゃけると、最初こそお前にかなり殺意が湧いてたんだ。

 

 以前はそんな事は無かったのだが、高専に入学してからというもの……生身で三輪達に生身で会いたいと思ってしまって…任務を遂行して金を貯めては、数えきれない程の医者に治して欲しいと頼み込んだ。しかし…一般の人間が服用するほとんどの薬が虚弱な俺にとって有害であったり、療法効果が無かったり……そもそもこんな姿の俺を畏怖し、まともに向き合ってくれない医者もいた。

 

 もうこれからもずっと無理なんだろうな…と半ば諦め自暴自棄にながらも医者に頼み込み、遂には以前現れた額に縫い目のある呪詛師の契約を受けようかと考えていたその時に現れ、活法などというオカルトじみた方法で治すと言って来たんだ。最も、呪術に関わっている人間がそれを言うかというものではあるが。

 

 しかし、結果として…花沢と天内さんの活法が俺を治してくれた。俺が弱音を吐いた時も……見捨てず寄り添ってくれた……。今の俺があるのは花沢達のおかげだ…。

 

 

 

 花沢は分かっていたのだろう。俺がウルトラキャノンのタメ云々を免罪符としてお前への攻撃を躊躇していた事に……だから俺の闘争心を煽っているのだ。恩人を…親友を傷つける事は出来ないと………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ─────今は違う。

 

 

 バッ ガッ

 

 「なにっ こ…この技は」

 

「"三角締め"!」

 

 俺は両足を花沢の首に回り込ませて花沢で締め付ける。当然の如く花沢はそれをすり抜け花沢も関節技を仕掛ける。

 

 「しゃあっ 灘神影流"変形鰻固め"!!」

 

花沢はグラウンド体勢のまま、俺の腕に絡みつきながら、両腿で首を締め上げてくる。

 

 ───全て観てきた。

 

 天与呪縛で日本全土レベルにまで広げられた俺の術式範囲で花沢の闘い方を…そしてタフ・シリーズを全編読み込み花沢が繰り出す技の詳細と対処法を天内さんと協力して習得・編み出して来た。

 

 花沢の関節技を外しては関節技を仕掛け、花沢もまた、俺の灘神影流の寝技を外して仕掛ける。

 

 俺は………お前がいたからこそ交流会(此処)にいる…お前が俺と生身で全力闘いたいと願ったからこそ交流会にいる……それなのに、花沢に遠慮やら手加減やらしてしまっていた俺はとんだ馬鹿だ。

 

 俺は……花沢達に()えられたこの身体で……!花沢…お前に勝ちたい……!

 

 ○

 

 「おおおおおっ!!」

 

 ビュソッ

 

 「なにっ」

 

突如として与の左足が延びる……否、与の左足に取り付けられていた装甲が音速で与を極めている花沢の腹を撃ち抜く。それはまるで、タフ"龍を継ぐ男"に登場する最強ロボット、トダーの様に。

 

 「おげぇっ」

 

花沢は与に距離を取られ、抗原抗体反応のデバフと腹へのダメージで嘔吐する。喉の奥がピリピリ痺れる。

 

 「俺の右足は花沢の関節技で壊れた。左足もキック反動で壊れてもう使い物にならない。両手は言わずもがな……俺はもう術式が無いに等しい状態だ」

 

そう言うと、与は構えを取る。与の周りには簡易領域が展開されており、領域に入ってきた花沢を迎撃する腹積りだ。

 

 「ほう まるで三輪のような領域だな」

 

「当然だ、三輪に教えて貰ったからな」

 

 少し会話を交えた後、花沢の方から与に歩み寄る。与は仕掛けられなければ動けないし、自分も動かなければこのまま抗原抗体反応でダウンしてしまう。領域に踏み入れる他無い。

 

 「俺もお前も術式を使わない単純な呪力の殴り合いふぅん…"対等な勝負"ということか」

 

 「フッ……(俺とお前が対等…?何を言ってるこのバカは…一生お前に頭が上がるワケねーだろうが……でも)勝たせて貰うぜ」

 

 「ゴングを鳴らせっ 戦闘開始だあっ」

 

 ズッ

 

 

 ボボボボボボボボッ

 

 両者の叫ぶ暇すらも削ぎ落としたノーガードの殴り合いが始まる。天与呪縛によって獲得した強靭な肉体を持つ者と天与呪縛によって獲得した莫大な呪力の塊がぶつかり合う。

 

 受け流しと防御に本来持ってかれる意識を全て拳に注ぐ。

 

 攻撃を肉体に打ち込む度、皮膚が真っ青に染まり肉は打ちつけられ、骨が軋む音が響き渡る。

 

 与が花沢を蹴る。数年前までは動かせすらしなかった足を軸として回転させ、無かった腕を振り、ローキックを喰らわせる。

 

 花沢が与を殴る。その場その場の意識が途切れながらも、与をその朦朧とした瞳で捉え、体重を全て乗せて打ちつける。

 

 血反吐と吐瀉物を飛び交わせながら爽やかな笑顔を見せる二人。モニター・ルームでは彼らの担任二人は感嘆と恐れを抱く。

 

 そして両者が拳を交わして顔面を殴ろうとしていた時、

 

 

 カッ

 

「なにっ」

 

 「"大祓砲"!!」

 

突然与の胸元が光り、花沢目掛けて大祓砲が放たれる。服で隠れていた胸元にはメカ丸の顔面が装甲として組み込まれており、そこから発射したのだ。術式が使えないとブラフを張ったのだ。

 

 ギュソッ

 

 「なにっ」

 

「しゃあっ "灘神影流"魂貫拳!!」

 

ボッ

 

 「ぐぁぁっ?!」

 

そんな与の呪力砲を花沢は受け流して与にお見舞いし、与は口から煙を吐きながら膝から崩れ落ちた。与が戦闘不能となった。

 

 「ボケーっ もう術式は使えない言うたやろうが」

「ク…ククク……花沢、昔の呪術師の格言にはこういう言葉がある……”呪術師は嘘ついてナンボ"……ってな」

 

花沢は弟が活躍したと新田姉に嘘をつき、加茂はもう弓撃はしないと花沢に嘘をつき、与は術式は使えないと嘘をついた…正に嘘が交差する戦いであった。

 

 「まぁ色々あったけど……ムター、闘ってくれて"ありがとう"や

 

 関節技とか仕掛けられた時はびっくりしましたよ…俺、尊敬するでっ」スッ

 

 「お前もな……」スッ

 

 ガシッ

 

 花沢と与が握手を交わした後、花沢は"総身退毒印"でなるべく症状を抑えた。

 

 

 「さて………」

 

 

ボッ

 

 「ぎゃっ?!」

 

 花沢が木々の方向へ"幻突"を打ち込むと、木から男が倒れ込む、頭にカメレオンのような頭の被り物を被った歯茎と目が剥き出しの一目見るだけで異常者と断定出来る見た目をしている。その男、呪詛師"蛯名仁次"が花沢の攻撃により地面に叩き落とされた。

 

 「お前は誰だよ、被り物を取れよ」

 

「……クッ…!」

 

(この男は呪力操作と保護色で周囲の風景に溶け込み、身を潜めていた… そして、こいつが被っているカメレオンの被り物……大方、頭に被った物のモチーフの動物の習性を模倣出来るとかそんな所だろう……恐らく俺と与が闘った後の漁夫の利を狙ったと思われるg)

 

 ビッ

 

 「おーっ怖ィイ」

 

「あわ…あわわ」

 

花沢に蛯名がベロを素早く伸ばして舌先に巻きつけてある剃刀で奇襲を仕掛けたが失敗、花沢に舌を掴まれる。

 

 「俺が仮定した術式ならそういう攻撃もまっ するわなぁっ!!!」

 

 

ブチブチブチィッ

 

 「ぎ   ゃ

 

  あ  あ 

 

 あ  あ 

 

 あ」

 

花沢に舌を引きちぎられ蛯名はその場をのたうち回る。そんな蛯名にまだ症状が軽くない花沢はゲロをぶちまけた後問いた。

 

 「ひゃあぁぁ へ…ヘロハ?!」

 

「何が目的か教えてくれよ教えなきゃ殺すぞ」

 

「はひゅ…はひっ!はひっ!」

 

蛯名は恐怖で涙を流しながらも自らのスマホを取り出し花沢に見せる。

スマホ画面には呪詛師お得意の裏サイトが載っていた。

 

 ピッ

 

 蛯名は震えながらそのサイトの動画を流す。

 

 

 

 

 

 『私はキャプテン・マッスル このメールを見ているお前たちは選ばれし者 5000万ドルを掴むチャンスを与えられた強き者』

 

 

「なにっ」

 

「キャプテン・マッスル!?キャプテン・マッスルじゃないか?!」

 

その動画にはグロテスクなマスクを被りポーズを取るマッチョが映っている。キャプテン・マッスルのセリフに花沢と与が反応する。

 

 『単刀直入に言おう 日本にいるある呪術師をぶちのめして欲しい

 

 

 

 

 

 名は虎杖悠仁、"宿儺の器"だ かなり強い

 

仰々しくポーズを取るその男の左胸板には、"11"の数字が刻まれていた。




この話執筆するまで蛯名の事ガチでド忘れしてたのが俺なんだよね
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