JUTOUGH   作:魚の肝

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「俺は魂を知覚できる者以外の攻撃を無効化出来る真人だ」
「一度あの世送りされた事で魂を知覚できる花沢」
「肉体が魂を構築した結果魂を知覚できるハイパー・コング」
「クローンとして魂を分割された事で魂を知覚できる悪魔王子」
「順平を殺した真人はこの…宿儺を受肉した事で魂を知覚できる虎杖が許さないよ」

「う あ あ あ あ あ(pc真人書き文字)」

 JUTOUGHの悪魔王子はこのままかっこいい姿でいて欲しい反面…やはり無様を時折晒してこそ悪魔王子の魅力かも知れないという衝動に駆られるっ

 


BATTLE.24 塩

 

 ◇◇◇

 

「お前にも俺たちと同等の屈辱と哀惜を味わわせてやる」

 

「あ゛っ あ゛っ」

 

 ガルシア・ハートを取り込み、呪力量が著しく増大した悪魔王子が対象の身体がめり込むまで殴り込み、肉体に幻痛と物理的な痛みを刷り込ませる真・幻魔拳に苦しむ真人を見下した笑みを浮かべながらも術式を警戒しながら接近する。

 

 悪魔王子はキャプテン・マッスルに変装した状態で呪詛師専用の裏サイトで商人や呪詛師としての実績と信頼を積み、ガルシア・ハートをその身に宿している虎杖悠仁に懸賞金をかけ、野蛮人(呪詛師)を特攻させ、混乱に乗じて高専内に侵入して保管されているガルシア・ハートを回収、そして体内に取り込むことが本来の目的であった。(無論、虎杖の心臓も後々奪還するつもりでいるが)

 

悪魔王子の術式は自身のクローンの心臓、ガルシア・ハートを取り込むほど強くなるというもの。3人分のガルシアの心臓を取り込んだガルシアは真人に一撃を喰らわせたあの時より遥かに頑強となっている。

 

 自身のクローンを使い捨てのラットの如く粗末に扱う憎き母親とその仲間の一体である真人に対して、悪魔王子は『殺してやる』という思いを口から無駄に吐き散らさず、両の拳に集約する。

 

 「 う あ あ あ あ あ お え え」

 

 対して真人は本来の目的を達成している為、激痛に悶えながら口から凝縮した改造人間と呪霊を吐き出して悪魔王子に突撃させて自分は全速力で逃走する。

 

 「ホッホッホッホアーッ

 

マストモッマストモッsowhat?

 

シカシキツイゲンリョウダッタナナイカイ

 

「邪魔だクソゴミ共」

 

パパパパァソ

 

 

 シュアアアアア………

 

悪魔王子のコンビネーションで改造人間の肉体がまるで花火の様に爆死する。真人を阻む改造人間と呪霊肉壁を難なく霧散して突破し続けて着実に確実に距離を詰める。

 

 「G Y U A A A A A A A」

 

「なにっ」

 

ビターソ

 

 「はうっ」

 

しかし巨大な龍型の霊が悪魔王子を尻尾で薙ぎ払って吹き飛ばす。

 

 悪魔王子は倉庫の並べられている呪物の棚を突き破り、埃を舞い上がらせながら血反吐を吐き、汗を垂らし驚嘆している。  

 しかしそれは決してその龍型の呪霊の実力差からなどでは無かった。

 

 悪魔王子がその気であったならば龍型呪霊の攻撃を軽やかに避けれていたし、なんならカウンターを決める事も容易であった。

 

 「G Y U A A A A A A A A A A」

 

 悪魔王子は、腹に2の数字が刻まれ、心臓が剥き出しとなり、奥まで澄んでいる蒼い双眼を持つその龍が、先述の見た目の特徴で・・・何より悪魔王子自身の魂で、自身のクローンであるガルシア2号が呪霊化した姿である事を嫌というほど解らされていたのだ。

 

 (な……………なにっ)

 

 

やっとのことで今起きている現実の出来事を把握した悪魔王子の怒りが呪力操作を乱す程に五臓六腑を荒れ狂う。

 

 

ガルシア・ハートで先の短い、自分自身とも言えるその存在を命題けの任務に無理やり駆り出し、実験材料にする。

 

 今でさえ怒りの業火でどうにかなってしまいそうだというのに、ガルシア・ハートで呪力を用いずして死んだ結果、醜い霊と化した兄弟達が未だに霜索の手足となっている、死して尚その尊厳を踏み躍られている事実が油となり、注がれ、腸が煮え繰り返り、消し炭になったとしてもその炎が収まらないことを確信するほどに────。

 

 

 「せいぜい廃棄物同然の呪力の寄せ集め(兄貴)と仲良くしてろヴァーカ

 

真人はそう言い残して身体を液状化して消えて逃げ去る。

 

 しかし、今の憤死寸前の悪魔王子の怒りは既にその程度の挑発で更に湧き上がる程安っぽいものではない。直ぐにでも後を追い殺したかったが悪魔王子自身の僅かな理性がそれを必死の思いで留まらせる。

 

 今は目の前の哀れな同胞をこの手で救い出す事が悪魔王子にとっての最優先事項であると、殺意に蓋をしろと言い聞かせている。

 

 (ふーっ………………)

 

 ドクソッ ドックソ ドックソ ドックソ

 

 悪魔王子は、ガルシアの心臓を覚醒させ、酸素を全身に行き渡らせて完全に自身の不安定な感情をリセットし、今一度呪霊と化したガルシア2号を見つめ直す。

 

 

 

「G Y U A A A A A A A A」

 

 

ドゴォソ

 

 ガルシア呪霊は悪魔王子の上半身に噛みつき壁に突進して叩きつける。

 

 「………」

 

 先程とは違い、ぐうの音も言わずに、その自身と同じ蒼い澄んだ目で見つめてくる悪魔王子に、ガルシア呪霊が高速で鉤爪を振り下ろす。

 

 ガッ

 

 「GYA?!」

 

 グシャッ

 

 「G Y A A A ?!」

 

「理不尽だよな…命懸けで闘い、その身を捧げ、ボロボロに傷つき…

 

 褒められることもなく嫌われ蔑まれ裏切られ…そして殺される。

 

 ムカつくのは…死んでからも"呪霊"として利用される」

 

 「G U U U…………

 

G U A A A A !

 

 バキッ

 

 「教えてくれ…お前はそれ程価値の無い"人間"なのか?」

 

「G U A A A A A!」

 

 グチャッ

 

 「……死して尚自由になるに値しない男なのか?」

 

悪魔王子はなんとか対話を試みるも、返ってくるのは聞くに絶えない鳴き声と攻撃だけ。

 

 悪魔王子がその攻撃を受け止め反撃、ガルシア呪霊を破壊していく度に鳴き声が小さくなっていく。当然の様に人間が理解できる返事は返ってこない。

 

 "呪いは何処までいっても呪い"

 

その事実を悪魔王子は分かっている…

 

 こうやってめげずに話そうしていても、三流のドラマの様に人間だった頃の記憶を一時的に取り戻して綺麗な涙を流し、感謝や意志を託す様な言葉を返してくれるなんてことは世界がひっくり返っても無い事を重々承知している。

 

 しかし、悪魔王子は話しかけることを辞めることは出来なかった。

 

 ガルシア呪霊の骨がゴッゴッと砕けて鳴り、グチャグチャと肉が潰れる。目からはドロリとした血涙が流れて咆哮しながら迎え撃ってくる。

 

 「う  

 

お   

 

  お

 

 お

 

 お!」

 

 

 

 ドゴオッ

 

「G Y A A A A A AA A A

 

 

悪魔王子がガルシア呪霊にアッパーを繰り出して祓う。

 

 頭上から唇付近にポタリと垂れ、今にも霧状になって消えかかっているガルシア呪霊の血涙だった液体を舐めると、吐瀉物を処理した雑巾の味の中に、同胞の温もりが腕の中ですり抜けていく度に味わったあの塩味がほんの少し僅かに混ざっていた気がした。

 

 そして悪魔王子は祓われたガルシア呪霊の心臓の元へと歩み寄ってそれを取り込み、力を更に上昇させる。

 

 (俺たちはペロラス島のディンゴじゃない… はいっ 真人クズ確定 ぶっ殺します)

 

 

 

 ◇◇◇

 

「アオヤン大丈夫?虎杖とあの思想が強い呪霊とじゃ大分実力差があるけど」

 

「ああっ 俺たちはブラザーが黒閃を決めてから加勢するから問題無い」

 

 花御と交戦していた花沢は東堂に呼び止められ一時的に虎杖一人で花御に戦わせていた。

 

 

 虎杖は目をギラつかせて花御の方を見る。

 

 「オマエの仲間に、ツギハギ面の人型呪霊はいるか?」

 

 虎杖の呪力が一層の湧き上がりを見せる。

 

 (……いる………と言ったr

 

 

 

ボバソ

 

 

 ?!)

 

 

花御がテレパシーで返答仕切る間に虎杖は足元の川を強く打ち付け大きく波立たせて目眩しにする。

 

 花御は気を取られながらも虎杖が瞬間投げていた投石に反応して対処する。

 

 (軽率に距離を取らない…そこは評価します)

 

花御は直ぐに虎杖の姿を捉えて球体から射出される棘で串刺しにしようとするもそれより速く虎杖が移動して攻撃を浴びせる。

 

 「しゃあっ」

 パパパァソ

 

 「?!っあぐ」

 

 (速い!しゃあけど…残念ながら破壊力がないわっ)

 

 しかし、その破壊力の無い打撃はは虎杖の本命である胴体への黒閃を成功させる為の布石。計画通り胴体がガラ空きとなった花御に拳を打ち込んだ。

 

 そして刹那、虎杖の脳裏には真人に改造人間にされ死んだ順平と花御に傷つけられた伏黒が浮かび、その苦悶の感情が僅かに表情に現れる。

 

 ((?!))

 

 (………ッッッ!黒閃!!)

 

瞬間、東堂と花沢の二人が虎杖に対して何かを察知しながら花御へ放たれたその一撃は黒閃ではなくただの打撃として終わった。

 

 「クソ!」

 

ビュビュソ

 

すぐさま花御の棘が虎杖を襲い込みそれをバックステップで躱して自然と虎杖は東堂と花沢の元へ引き寄せられた。

 

 「虎杖(マイフレンド)

 

パァソ

 

 「クソボケがーっ」

 

バコォソ

 

 「はうっ」

 

花沢は東堂に平手打ち、花沢にどこから取り出したか分からない空き瓶の頭への殴打を受け、流石の仕打ちに困惑しながらも東堂が語りかける。

 

 「術師にとって"怒り"は重要なトリガーだ。怒らせてしまったばかりに格下に遅れをとることもある…

 

だが逆もまた然りだ… 伏黒(とも)を傷つけられ…そして何より俺との蜜月に水を差され…オマエが怒髪衝天に陥ってしまうのはよぉーく理解できる…

 

だがその怒りお前には余る…()()収めろ」

 

パァソ

 

 (仲間割れ…なのか…?)

 

 東堂の平手打ちが再び虎杖の頬を鳴らし、花御は疑念を抱く。しかし虎杖は不思議と嫌な気分はしなかった。

 

 「消えたか?雑念は」

 

「あぁ雲一つねぇ」

 

「…………ユーリィ」

 

そして今度は花沢が口を開いた。

 

 ハグ…

 

花沢は先程のパワハラと言っても過言では無い程の仕打ちを虎杖にしておいて虎杖を優しく抱擁する。

 

 「応援してるよ」

 

「……」

 

「だから全身全霊かけてぶちかましてね」

 

「…ハハッ!!OッK!!タフ先輩!!」

 

 バソバソ

 

 (何をやっているのでしょう)

 

 ハグで心が無事通じ合った二人は力強く背中を叩き合い、花沢は虎杖を花御の元へ行かせる。花御はもう彼等を理解出来ないようだ

 

 

   thank you so much

 

 東堂・タフ先輩(ベストフレンズ)!!

 

 

 黒閃は呪力と打撃との誤差1.0×10の−6乗以下の誤差で発生し、狙って出せる術師は存在しない───

 

 しかし、黒閃を経験した者とそうでない者とでは呪力の核心との距離に天と地程の差がある。

 

 タラ──………

 

 

  (よだれが垂れている事に気づかないとは……なんたる集中りょk

 

 『ビュッ』

 なにっ)

 

 

 バチィィソ

 

 「っあはぐ」

 

この瞬間─花御の攻撃を掻い潜り、花御に黒く光る呪力の拳を浴びせたその地を這いずっていた"虎"は、天を駆け上がる続けることとなる。

 

 

 「……成ったな」

 

「しゃあっ……見せてやるよ…俺の灘神影流 絆を見せてやる……

 

 

……俺達兄弟4人(ユーリ・恵・アオヤン・俺)の絆を……(バトゥーキ書き文字)」

 

◇YOUはいつから兄弟に…?

 




余談だけど真人が羂索に取り込まれないと死滅回遊が始まらないから仕方無いとはいえ真人逃げすぎぃ〜〜っ さっさと死んでくれと思ってるね
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