転生したら"レーヴァテイン"だった。   作:琥珀色の大西洋サバ

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はい、続きです。
この前1話にレーヴァテインの事を槍と表記していましたが、違いました。(修正済み)
レーヴァテインは剣です。
コメントで教えてくれた人、どうもありがとうございました。
そして見てくださった皆さん、すみませんでした。
今後は気をつけて行くつもりなので、どうか宜しくお願いします。


パチュリー様。

 

「あ、レーヴァテインさんだ!!こんにちは!!」

 

妖精さん達が声をかけて来た。

 

「こんにちは〜」

 

俺の役職は言わばフラン様の専属メイドだ。

なので周りの妖精さん達と比べて少々階級が高い。だが俺と妖精さん達の関係はとても良好だ。

それは妖精さん達の純粋さのせいだろうか。俺にとっては職場の癒しである。

 

……まぁ、みんな腐っちまったけど。

 

————————————————

 

はい、という訳でどうもこんにちは。レーヴァテインです。

現在、フラン様に頼まれて図書館に禁書を取りに行ってる最中でございます。

何やら調べたい事があるんだと。

あのフラン様が調べ事なんて考えた事も無かったが、成長したのだろうか。少し嬉しく感じられる。

基本的にフラン様は箱入り娘なので、本を読んで……できれば己の知見を広げて欲しいものだ。

 

さて、フラン様の部屋から図書館への道は結構遠い。10分ぐらいはかかる。

ここからは飛んでいくとしよう。

 

そうこのレーヴァテイン、飛行可能なのだ。

 

一応魔力を消費するので常用は避ける様にしているが、どうしてもって時には使う様にしている。

紅魔館めちゃくちゃ広いからな。元より様々な用途の部屋がある上、メイド長が空間を更に拡張しているし。

おそらく城一個ぐらい大きさなんじゃ無いだろうか。まぁ別に利便性があればどうでもいいんだけど。

地から足が離れた。

 

 

あ、そーいや小悪魔は元気だろうか。

 

最近は図書館に行く暇すらなかったからなぁ………。

パチュリー様はこの前レミリア様にBL沼に堕とされていたが小悪魔は無事なんだろうか。あの人一応俺と同期なんだよね。"なんか同じくらいのタイミングでここに就く人が出て来て少しびっくりした"ってレミリア様が呟いてたな。懐かしい。

同期としては少し心配だが………まぁ、パチュリー様は堂々とリビングで紅茶飲みながら嗜む本物*1と違って自分がハマっている事を必死に隠そうとしているらしい*2ので大丈夫だろう。

 

……いや念の為少し飛ばしていくか。

 

 

——————————————

 

よし、着いた。

ドアを2回軽く叩きドアノックをする。

 

「失礼しまーす」

 

そして一礼。

パチュリー様はレミリア様のご友人だ。

目上の人になるので礼儀はしっかりしなければならない。

まぁ、本音としては"あんまり関わらない人なので結構どう接すればいいか分からん"ってのがあるが。

 

「あ、レーヴァさん。お久しぶりです」

 

こちらに気づいた小悪魔が話しかけてきた。

「お久しぶり。元気そうだな」

 

「最近はパチュリー様が少しアレですが……なんとか楽しくやれていますよ」

 

俺の知っているいつも通りの小悪魔だ。

どうやら大丈夫らしい。

「………少し安心した」

 

「あはは………最近はカードゲームにハマっております」

 

「それは何より。実はフラン様が禁書を求めていてな。知っているか?」

 

「禁書、ですか……少々ここでお待ちくださいね。取りにいきますので」

そう言った小悪魔は北の方向へと飛んでいった。

 

一息をつく。

いやぁ……"禁書"とか言うから少し危ない物なのかと思っていたが小悪魔の反応を見るにそういうタイトルになっているだけなのだろうか。どちらかというとジャンルの部類に入ると思うが。

まぁ、そんな簡単に出してくれるって事はフラン様に見せても大丈夫そうだな。安心安心。*3

 

……あ、折角来たんだしなんか読むか。

オススメと書かれてある本棚から本を適当に選んで手に取った。

出来ればなんか借りておこう。この前読んだ"猿でもわかる育児の方法!"って本は結構ためになったからな……。他にいい本がないか探しておこう。いつかは役に立つのかもしれない。

手に取った本のタイトルを見る。

 

 

 

 

"霧雨父✖️霧之助"*4

 

 

 

 

本棚に戻した。

 

 

……とりあえずこの本は見なかった事にしようそうしよう。

そして別の本を選ぼうとしたその瞬間——-

 

 

 

「待ちなさい」

 

 

聞き覚えのある声に呼びかけられた。

 

とても嫌な気配がする。

……俺は声のする方へ振り向いた。

 

 

「レーヴァテイン、貴方何を見た?」

 

 

パチュリー様が、そこにいた。

しかしそれだけではない。目から光を失い、体から謎のオーラが出ている。

 

なんだ……これは?

 

俺はパチュリー様に恐怖を感じていた。本能的に出てくる嫌悪感、そしてとてつもない重圧。

それが、目の前に降臨していた。

 

「何も見ていませんよ」

パチュリー様が放つ謎のオーラに屈してついつい嘘をついてしまう。

 

「いや見たでしょ」

どうやら気づかれていた様だ。

マズイな……オーラが増してきている。吐き気もしてきた。

一体どんな呪いだ…ッ!!

 

「いい?聞きなさい」

パチュリー様が近づき、耳元で囁いてくる。

 

 

『私は何も見ていない』

その声は優しく、そして禍々しかった。

彼女は一歩下がる。

 

「リピート、アフターミー?」

高い声で彼女はそう言い放った。

 

繰り返せ、という意味だろうか。

「……………」

 

「リピート、アフターミー?」

 

パチュリー様の圧がいっそう強くなる。

しまった…やらかした……ッ!!

吐き気も更に激しくなり、頭痛がしてくる。

そしてこの瞬間、俺は理解した。

 

 

次受け答えを間違えたら——死ぬ、と。

 

 

「私は何も……見ていない」

 

押し潰されそうな声で復唱する。

ここで死ぬわけにはいかない。まだ俺はフラン様に尽くしきれていないのだ。

せめて禁書をフラン様への元に届けるまでは、死ぬつもりは無い。何があろうと絶対に生き延びてやるのだ。

 

 

「じゃあもう一度」

 

視線を真っ直ぐと向けられる。

パチュリー様の目の中には深淵が俺を覗いていた。

 

 

 

 

「リピート、アフターミー?」

 

 

 

来るは、運命の時———

 

 

 

 

「………ワタシハナニモミテイナイ」

 

 

 

 

束の間の静寂。

そして———

 

 

「よろしい」

 

 

「代わりの本を何冊か用意しているわ……私のオススメは"先の時代の敗北者"ね。面白いわよ」

 

パチュリー様は俺がさっき取った同人誌を手に持つ。

「私はこの本をちょっっと整理してくるからその中から選んで読んでおきなさい」

「じゃ、失礼するわ」

そう言い残し、パチュリー様は東へと飛んでいった。

 

…………

………

……。

 

 

行った……ぽいな。

 

 

ふぅ………。

 

 

 

なんだったんだよアレ!!!

 

いやぁ……怖かった。

死ぬかと思った…。よかった…生き残れて。

いやぁ………それにしてもパチュリー様、自分がハマっていることをどこまで周りに知られたくなかったのだろうか。

あれはマジの目だったなぁ………。

 

……今後本取る時は気をつけよ。

 

 

 

 

—————————————————

 

「"禁書"持って来ましたよー!!」

 

小悪魔が帰ってきた。

 

「はい、実は"禁書"って三冊あったらしくて……全部持ってきちゃいました!!」

「この中から妹様の探している物があると思いますので妹様に選んでもらってください!!」

 

「ありがとう」

 

あぁ…小悪魔ってこんなに可愛いんだな。

ようやく気づいたよ。

あれ……なんか涙が……。

 

「ど、どうしました!?何か私やらかしちゃいました!?」

 

「いや、なんでもない。大丈夫だぞ」

 

「そ、そうですか……では言いたくなったら言ってくださいね………」

「同期として相談、乗りますので!!」

 

優しさが身に染みる……。

 

…………

………

……。

 

さて、"禁書"をフラン様の所へ持っていくか。

さっきパチュリー様にオススメされた本と一緒に借りていこう。

 

えーと、禁書のタイトルは………。

 

 

"ハイ○クールD✖️D"

 

 

"魔法少女に○こがれて"

 

 

"ボ○ボーボ・ボーボボ"

 

 

 

 

「……ごめん小悪魔。コレ全部返品で」

 

 

 

 

 

 

 

———————————————

[約55年後・大図書館]

 

 

「待てェェェェッッ!!ドロボー!!」

 

 

「へへっ!!ドロボーじゃないぜ!!」

「永遠に借りていくだけだぜ!!」

 

彼女の名は霧雨魔理沙。魔法使いだ。

彼女はパチュリーの大図書館に勝手に侵入しては度々本を盗んでいた。

そして今日も、いつも通り逃げ切った様だ。

 

 

「チクショー!!」

 

 

 

 

—————————————

[後日・霧雨魔法店]

 

「さてさて〜今日獲得した本は〜」

 

 

彼女は己の戦利品を確認する。

 

"魔力と妖力の違い"

 

「お、当たり」

 

彼女は盗みの際、いつも狙っていた本と同時に他の本も風呂敷に詰め込んでいた。

今回はどうやら当たりがきたようだ。

 

「あ、これもう一冊あるな。なんだろう」

 

 

 

 

"霧雨父✖️霧之助"*5

 

 

 

 

その日、彼女の口から虹が漏れ出たという。

 

 

 

*1
「BLって……良いわよね」

*2
ちなみに紅魔館の皆さんにはバレている。

*3
世間はそれを"フラグ"と言う。

*4
特級呪物。

*5
ちな魔理沙目線では自分の父親と歳の離れた幼馴染のBL本である。




……え?
何故特級呪物が原作開始前に存在しているのかって?
それはですね……どっかの姉が能力使ってなんやかんやしたからですね()
ま、要はギャグ描写なので許してください。

ではお疲れ様でした〜。
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