・・・シャンフロって何年なんでしょうね。
巳年は蛇退治から始まる
もう少しで幕末で正月イベントが開催される。
その名も「大蛇討伐」・・・まぁ、巳年に相応しいレイドボス討伐イベントだ。
イベント内容は単純明快、一匹の「大蛇」を討伐するのみ。
今回のイベントはクリスマスイベントが終わったばかりなのと、節分イベントがこの先あるため、少し控えめなイベント内容となっている。
「・・・大蛇ねぇ。一匹だけなんて、絶対に理不尽級のボスだろ」
俺はイベントの開始を待ちながら一匹のレイドボスについて考える。
残り数分で元日となる真夜中だが、かなりの人数がイベントを待っている。
ランカーは寝落ちした「狂犬」以外揃っている・・・サンラクと京極は他ゲームの用事で居ないが仕方ないか。
それでもかなりの人数は揃っている。しかも、リスポーンもありだ。
果たして、今回一匹しか居ないレイドボスは瞬殺されずに済むのか?
俺は少し不安を抱きながら正月イベントに参加する。
・・・なるほどね、心配なんて無用だったわけだ。
数分前に抱いていた不安は、圧倒的な力で幕末プレイヤーを蹂躙する「大蛇」を見ると一瞬で消え失せた。
今回のレイドボスである「大蛇」の名は「八岐大蛇」、八つの頭と八つの尾を持つ大蛇だ。
「確かにこれなら手数には困らないよな」
そして、そんな大蛇を討伐するステージは、大蛇の周辺から発生する水により水没した長屋エリア。
プレイヤーの足場は長屋の屋根や流れる木など限られている。
その他の場所は流れの速い川のようになっていて、もちろん落ちたら流され死亡する鬼畜なステージとなっている。
この鬼畜なステージに八つの頭と八つの尾で攻撃する大蛇。
・・・リスポーンがなければ今頃ランカーと二つ名持ち以外はいないだろう。
「死にゲーでもこのレベルはなかなか見ないぜ?」
しかし、神話の生物との戦闘だ、ちょっと楽しくなりつつある。
・・・まぁ、酒桶など「幕末」にあるわけもなくただ理不尽な大蛇となっているが。
俺は長屋の屋根を使い少しずつ「八岐大蛇」に近づき攻撃を待つ。
「・・・来た」
頭による噛みつき攻撃。
それを避け、刀で頭を斬る。
そして斬られた大蛇の頭は元の位置へと戻る。
今の所、俺はこれを繰り返しているが、これでは埒が開かない。
何かいい策がないものか。
ランカー達はというと、
レイドボスさんは正面の足場で最も「八岐大蛇」に近い場所で頭と腹を斬り刻み。
勇者は逆の最も近い場所で尾を避けつつ攻撃している。
他、遠距離攻撃の使えるランカーは各々の武器で攻撃を仕掛ける。
しかし、いまだに頭を斬り落とすことも尾を斬り落とすこともできていない。
・・・起きたことといえば「紅蓮寧土」によるレイドボスさん爆殺事件ぐらいだ。
「死ぬこと前提で突撃してみるか」
ふと思いついた作戦を実行するべく俺は走り出す。
リスポーンしたレイドボスさんと目が合った「紅蓮寧土」
「イベント終わったら天誅されるな・・・」