灰狼は昨日幕末を始め、ランカー八位を倒したため浮かれ気味だった。
「今は、あんま派手に動かないほうがいいぞ、ランキング一位の「血の粛清」が起きてるからな」
「血の粛清?まぁ、ランキング一位が暴れてんのね。情報ありがとう。天誅」
「顔は覚えた・・・ぞ」
灰狼はランキング一位のプレイヤーと聞いて迷わず血の粛清とやらが起きている場所に向かった。
一位と聞いて戦いたくなるのは本能だろう。死にゲーのせいで一度最強に挑むのが通常なのだ。
移動しながらも道中にいるプレイヤーはしっかり天誅していく。
「あの辺か?少し様子みるか」
灰狼は長屋の屋根に登り少し離れたところにいる、ランキング一位と思わしきプレイヤーを発見する。
というか一目で分かった。
なんだあれ?一人が三十人近くいたプレイヤーを全員天誅しやがった。本当に人間か?
見た目は華奢な少年、顔も男受けしそうな女顔。だけどやってることは修羅。・・・まぁ、幕末だもんな。
どこかへ向かって歩いていくランキング一位。今だな、戦うなら得意な一対一がいいからな。
「よし、突撃だ!!」
「次は・・・一人?」
「あぁ、ボス戦は一対一が楽しいだろ」
なんだろう、天然そうな雰囲気なのにどこか、地雷な気がする。
情報収集は後にしよう、今は目の前のボス戦に集中だな。
「天誅」
「おぉ!?」
手に持っていた超大太刀、多分あれは「物干し竿」がモデルの刀だろう。
灰狼はそんな大太刀故に驚いた。その速さに、反応が遅れていればもうすでに死んでいた。
「ふっ・・・こりゃやばいな」
「避けるんだ」
「一撃死じゃあ、なんの情報もないんでね」
回避に専念し、灰狼はこの怪物に一太刀でも入れる方法を思案する。
昨日の三段突き?隙がない。やるなら、一回の突きだな。灰狼が結論を出す。
「結論は出た?」
「・・・心が読めるのか?」
考えてるのがバレてる、数秒もなかったはずなんだがな。
だが何をするかは分からないだろう。
狙うのは縦振りの攻撃。
攻撃を誘発させろ、死にゲーの経験を活かせ。
霞の構えで刀を構える。
「・・・天誅」
「よし」
縦振りの攻撃。右手を刀から離し、左手で刀を強く握り相手の喉目掛けて突き出す。
左片手一本付きだ。
右肩を斬られる代わりにその喉を貫いてやる!!
しかしその一突きは既の所で躱された。
「惜しかった、ね」
「・・・読まれてたか」
「天誅」
Vの字のように、縦振りの攻撃から胴体に向かって逆袈裟斬りにより死亡。ランキング一位との戦闘は終わった。
途切れゆく視界に映ったのは少し楽しそうに歩き始めた相手の姿だった。
「なぁなぁ、聞いたか?例の新人今度は「レイドボス」ユラさんに挑んだらしいぜ」
「あぁ、物陰から見てたよ。流石に一撃も入れられずに天誅されたけどな」
「でも始めたばかりにしては、粘った方だよな。次につけたら、天誅しに行ってやろうぜ」
「そうだなって言うお前を天誅!!」
「ぐぇ」
またまた本人不在で広まる噂。狙われる灰狼。