【カオ転三次】酒と葉巻と病と死神 ~みんな楽しく踊ればいい~ 作:マカーブル
本作をお読みいただき、たくさんのお気に入り登録やご感想をありがとうございます。
キリの良いところまで書くと想定文字数をオーバーするし、手前で切ると今度は微妙。
作品連載の際の構成力が問われるって、こう言うところでしょうかね?
自分が読者なら「作者の無理しない範囲で定期的に更新されるのはうれしい」と思う派なんで、更新頻度はキープしたいかな。
楽しんで書いてるんでモチベ的には問題ないし。
と言う訳で、主人公がボコられるお話の第二ラウンド開始です。
少し短いかもですが、どうぞお楽しみください。
「ぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱち」
本来、拍手とは右手を左手よりも関節一つ分下げて行うのが礼儀だそうだ。
特に
礼儀正しい、正しくないはさておき、いずれにせよ拍手をするには
では、両手が無い、不自由、あるいは
礼儀とは要は『敬意を示す』行為であり、所作が多少不格好であろうと、大目に見てはもらえないだろうか。
なに、決して馬鹿にする意図などは無い。本当だぞ?
自分の
「「「………」」」
「実に大したものだ。本当に首を刎ねられるまで気が付かなかった。自分の経験不足を痛感しているぞ。危うく死んでしまうところだった」
「いや、そこは死んどけよ、人として。首刎ねたんだぞ」
「と言うか、厳密には死んでますよね? 『
『
とは言え、首が刎ねられたまま対処しなければ普通に死んでいただろうがな。
「今の私は『
「酷い屁理屈だが、本当にそうだな。確かにこいつの状態は言ったとおりだ」
まぁ、我ながら屁理屈だとは思うが、実行可能な時点で屁理屈が法則に成り上がるのが
私自身、コレを使うのは久しぶりで気分が高揚している。
最後に使ったのは
「……ペルソナによる潜在復活の過程で【ドロイド*2】を発動させて、
「ご明察だ。もっとも、わざと死ぬつもりは無かったぞ? あくまで
「そりゃどうも。ところで第二ラウンドの前に、もう一つお前に言っておかないといけない事があってな」
「ほう? 何かな?」
「さっきの口拍手な。自分のオリジナルと思ってるかもだが、元ネタあるぞ*3」
「え? マジで?」
ちょっと恥ずかしいんだが?
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………さて、セツニキの卑怯な精神攻撃にもめげず、第二ラウンドを開始しようか。
先ほどまでの近接主体とは一味違うぞ。
「さて、それでは───」
左手に自分の頭部を持ち、右手の人差し指を三人に向けて伸ばす。
ほぼ同時に三人は即座に警戒態勢に入った。軽口を叩こうが切り替えは瞬時だ。こうでなくてはな。
では、今から私は一人ずつ殺すつもりだが、彼らは凌げるかな?
「──!? 二人とも、彼女の指先から離れて───」
「──ちッ!! 首を刎ねたのは失敗だったか」
最初に気が付いたのは探求ネキ。ほぼ同時にセツニキか。だが遅い。
「【死の宣告*4】」
この異界で一度だけ湧いた『自分の頭部を腕に抱えた赤いコートの少女』の悪魔。
……確か【デビルチルドレン】のデュラハンだったか? 数少ない『当時の私よりレベルの高かった悪魔*5』だ。
彼女には何度も殺されて、こちらもその都度異界のルールで蘇生させられたので、何度でも殺し合えた。今思い出しても楽しい時間だった。
殺されては蘇生され、繰り返すうちに次第に彼女を圧倒できるようになっていったな。貴重な格上との戦闘経験だ。
私は彼女の全てが欲しかった*6からな。彼女を
無表情だった彼女の顔も、次第に解きほぐされて泣き笑いに様に変わっていった。*7
きっと彼女も私との殺し合いを楽しんでくれたに違いない。*8
この【死の宣告】もそうやって構築したスキルだ。
彼女を構成する情報から、私が使用できるようにMAGを【変化】させ、スキルとして再構築するのは骨が折れたな。
なにせ、使用に種族制限があり、
現状でも
「──ッ!? そういう事か!!」
「探求ネキ、残り時間は分かるか?」
「40秒です。先に死にますか?」
「やめた方が良いな。あいつの前で死ぬと、恐らくだが取り返しがつかなくなる」
正解だ。戦闘前の互いの状況説明でも軽く伝えたが、
格上からは一気には抜けないが、彼らのレベルは
人間相手は両親と俗物以来だが、恐らくは一回で抜けるだろうな。
それにしても冷静だな。自分の命のカウントダウンでも焦る仕草すら見せないか。
対処法など元から知っているのだろうな。まぁ、これは有名だしな。
「じゃあ、早々にあいつをブチのめせば良いな」
「ええ、ですがそれを見越しての【ドロイド】と言う訳ですか」
デュラハンの【死の宣告】からの逃れるすべは、【死の宣告】の成立前に死ぬか、宣告者のデュラハンを倒す事。
実に単純かつ簡単だ。それが可能かどうかは別問題だがな。
「霊視ニキ、糸は見えてるか?」
「ああ、問題ない」
当然、彼らは私の
霊視ニキの"目"にはペルソナの繰り糸まで見えるのか。割と本気で欲しいが、恐らくは私には分不相応だと分かる。あれは彼だけの物だ。
さて、先ほどまでなら嬉々として間近で殺し合っていたが、残念な事に今の私は『宣告してから一回引き上げて、わざわざ再度訪問して殺す奇特な奴』とは違うんだ。
「では、鬼ごっこの時間だ。見事に私を捕まえてくれたまえ~」
「てめぇ!!」
「先ほどまでとは趣向を変えようと思ってな。さて、どうする?」
「ちッ!!」
セツニキが
バックステップで距離を取り、肉体の変化を開始する。
純粋な突撃力は霊視ニキの方が上である以上、単にステップを繰り返しているだけでは直ぐに追いつかれたのだろうが───
「翼ですかッ!!」
「【変化:EX】*9だと!? あいつ、確かに【種族:
──私は飛べるんだ。*10
元から私の肉体と衣服は、この異界由来の【変化】のスキルを基礎に構築したもの。
人間の霊核に『
つまり、私の意志で好きな姿になる事もできる訳だ。普段はイメージの容易な前々世の姿でいるがな。
いずれこのスキルにも名前を付けるべきだろう。*11
そして、翼を持った悪魔は今までに幾らでも殺してきている。サンプルには事欠かない。
ああ、もちろん蝙蝠の翼の方だ。
「だが、届かない高さじゃねぇ!!」
言葉と共に霊視ニキが跳躍の姿勢に入る。ああ、それは困るから止めさせようか。
彼に右手の人差し指を向け、構えてみせる。しかし、彼は警戒の表情は見せるが動作自体は一切の遅延も無く、その巨体を跳躍へと繋げて見せた。
やはりそう来るか。だが、逆に
「Bang!!」
【ガンド*12】
人を指さすのが失礼であるとされるのは、この呪いが原因であるとされる。
一般人ならただ失礼なだけだが、
とは言え、威力は豆鉄砲も同然で、肝心の呪いは精々肩こり程度。
利点は消費がほとんど無い事くらいだが、
「──ッ!? ちぃッ!!」
当然、霊視ニキはこの【ガンド】がどんな代物なのか直ぐに"見"破る。
何なら無視しても構わない程度の威力と呪いだが、使用者が私である以上、避けるか防ぐかを強要される事になる。
肩こり程度の呪いが、全身を蝕む耐えがたい激痛に早変わりだ。受ける訳にはいかないだろう?
事実、彼は【ガンド】を打ち払い無効化するが、その跳躍は私へ届くことなく、彼は元居た地面へ逆戻りだ。
【
さて、無事に彼らとは距離は取れたな。では、ここからが駄目押しだ。
大鎌は『この肉体と衣服』の付属品の様なもので、生成にタイムラグなど無いが、それ以外は一手間必要だからな。
「私の外見はロリカードらしいからな。なら
右手を【変化】させ、武器を生成する。理屈で言えば、私のイメージを基にMAGを再構築して物質化している形になるな。
ただ、【変化】の後押しもあり、それはより正確に、確実に、イメージ通りに生成される。
そして、生成するのは【HELLSING】の外伝でロリカードの使用していた銃器。
生成過程だけを見れば、右手の平から銃器が生えてきたように見えるかも知れんな。
それにしても、単行本未収録なのは非常に残念だ。続きが気になっていたのに未完だとは嘆かわしい。
【トンプソンM1928】
全長876mm 重量5.21kg 口径45 連射速度700発/毎分。
米陸軍のジョン・タリアフェロー・トンプソンによって提唱され、オートオードナンス社が開発した短機関銃。
サブマシンガンの愛称を定着させた銃であり、この呼称を用いた初めての銃だ。
知らない? 禁酒法時代*14のシカゴでマフィアが良く使ってた銃だな。アル・カポネとか登場する映画でよく映っているだろう?
【トミーガン】の愛称で有名だ。【
肝心の戦場での出番が実は少ないのはご愛敬だ。
「さて、
三人にことさら強調させるように銃を見せつける。
私は【ガンド】を撃って見せ、銃と言う『弾丸を吐き出す武器』を生成して見せた。
よって、この場の全員は
「さぁ、踊れ。楽しくな」
異界の廃墟に毎分700発の【ガンド】と、それを吐き出す轟音が異界に響き渡った。
ところで、私は右手でマシンガンを撃ちつつ、左手では自分の頭部を抱えている訳だが……
……耳の傍でサブマシンガンを撃つと、もの凄く
いや、やってるのは私なんだが……
お読みいただき、ありがとうございました。
さて、感想欄で「レイドボス感がスゴイ」と言うご感想をいただきました。
ぶっちゃけ、そのつもりで書いておりますw
客観的に見てガイア連合の三人が主人公で、灯ちゃんはレイドボスですよね、これ。
第一形態の、スタンダードデバフアタッカースタイルは攻略しました。
第二形態の、クソギミック式カウントダウン型弾幕シューティングが開始されました。
さて、あといくつ残っているんでしょうねぇ?
作者的にはここで黒死ネキの『出来る事』を色々と披露しようと思って頑張っております。
目指せ、色んな所に出張。
今まで10話以上引っ張ったんで結構話数も使う予定ですが、その分描写がきつくなると言うセルフ首絞めにハマっています。
どうすんだ、これ。
今後もよろしけれは本作をお楽しみいただければ幸いです。
・四条 灯(後の黒死ネキ)
最初とは一転してクソギミックボススタイル。
今回の話の間、ずっと自分の頭部を左手で抱えていた。
このまま殺せても、三人が自分を突破して殺してくれても、どちらでも美味しいから実にノリノリ。
『自分はロリカード似』と認識した事で、『ロリカードが使っていた銃』との組み合わせのイメージが明確になった。
他作品とのコラボで『羽を生やして空が飛べる』と描写された事で、『設定的に実際に飛べるネ』と作者が逆輸入。
名無しのレイ様、ありがとうございました。おかげで三人のレイドボス攻略がハードモードになった。ヤッタゼ。
デュラハンちゃんとは、お互い楽しく殺し愛をした仲(違
・霊視ニキ
接近戦で大鎌、触ると病気、離れると呪いの機関銃、その気になれば即死攻撃のオンパレード。
こんなレイドボス相手に前衛を押し付けられている頼りになる漢。
なお他二人は「適任だし、ヨロ」的なノリの模様。
【ドロイド】の繰り糸が見えるので、これだけでギミックの難易度が4段階くらい下がります。
・探求ネキ
某世紀末漫画風に言うと「お前の命はあと40秒」状態。このレベル帯だと結構長い。
主人公の『
まぁ、攻略法とか既にいくつか思い浮かんでいるから焦ってはいない。
流石にソロだと辛いけど、頼りになる味方も居るので無問題。
・セツニキ
自分のオリジナルだと思って中二ムーブをする少女に、元ネタがある事を指摘する外道。人の心とか無いんか。
探求ネキと同じく、主人公の状態は把握済み。「あー、そういう事すんのか」と呆れ半分、感心半分。
この人がこの程度のギミックの対処法とか思いつかないはず無い件について。
これだから作者より頭の良いキャラは扱いづらいんだ。助けてデミえもん。