【カオ転三次】酒と葉巻と病と死神 ~みんな楽しく踊ればいい~ 作:マカーブル
本作をお読みいただき、たくさんのお気に入り登録やご感想をありがとうございます。
さて、今話は読み手に受け入れていただけるか不安な設定や展開が描写されております。
可能な限り、読んで納得できる理由付け等には気を使ってはいますので、受け入れていただけると嬉しいですね。
それでは、話が進む度にチートになっていく主人公の大あばれをご覧ください。
【邪鬼 ロア】の
その効果は、『自身が戦場に存在する限り、敵味方全体の状態異常及び瀕死の付加率が増加し、更に自然回復がしにくくなる』と言うもの。
私に限らず、いわゆるデバッファーであるならば、この効果は垂涎物だろう。
状態異常及び瀕死の付与率の増加は、分かりやすく直接的な戦力の増強につながるからだ。
私もこのスキルは是が非でも欲しかった。私に
とは言え、『敵の状態異常の付加率が増加』については間に合っている。
私固有のスキル、【
では、何故【禁じられた言葉】を求めていたのか。
私が欲しかったのはこのスキルの
私はあまりのデバフへの適性の高さ故に、自身の状態を変化させる魔法やスキル全体に高すぎる耐性を持っている。
ただ、状態異常や能力低下を防ぐだけならまだしも、高すぎる耐性がいわゆるグッドステータスや能力向上などの効果まで弾いてしまう。
これは正直、極端が過ぎると思っていた。
先ほどの【ドロイド*1】も
① 元の状態への回復以外の、あらゆる状態変化を無効あるいは反射する。
② 自身に有用な状態変化(グッドステータス、バフ等)は効果を発揮する。
③ 自身に有害の状態変化(バッドステータス、デバフ等)も効果を発揮する。
私はずっと①の状態だった訳だ。
この身体と衣服がスキルで構築したものである以上、致し方無いとは言え、現状では耐性についてはONとOFFのどちらかにしか出来ていない。
わざと
当然、
そこで求めていたのが【禁じられた言葉】だ。
このスキルの『味方の状態異常及び瀕死の付加率も増加させる』効果は、言い換えれば『状態変化への耐性を下げている』も同然だ。
『スキルの設計図』が手に入れば、十分【変化】で応用可能な範囲だと踏んでいたし、実際にそうであると証明された。
「くくくッ……あははははははは……」
思わず笑ってしまう。
『自身に有害な状態変化は無効、あるいは反射し、有用な状態変化は効果を発揮する』
ああ、理想的だな。
ついでに言うなら、【禁じられた言葉】の敵への効果は据え置きだ。良いとこ取りは当然だろう?
そして【禁じられた言葉】で得た恩恵だけでも十分だと言うのに、更に三つだ。
一つは受け身のスキル故に発動は確実とは言えないが、残り二つは確実だ。
【外道 ブラックウーズ】の
その効果は、『禍時に自身の行動により状態異常が付加された時、瞬時に次の行動をとる事が出来る』と言うもの。
禍時(逢魔が時)は、本来ならば『魔に逢い易くなる刻限』の意味だが、私が
ああ、拡大解釈の屁理屈だとも。だが、屁理屈であろうと現実を改変するに足るなら、それで十分だ。
これで私は、悪魔や魔に由来する力を用いる者と逢っている間、このスキルの恩恵を受ける事が出来る。実質的にほぼ常時だな。
デバッファーにとって、『デバフをかける事』に『手番を消費しなくなる』事の有用性など、語るまでも無い。
そして【邪龍 バジリスク】の
その効果は、『自身が戦場に存在する限り、味方全体は状態異常の敵に対して命中率とクリティカル率が上昇する』と言うもの。
少し前にバジリスクは殺したが、あの時はロアを優先していたからな。正直どうでもよかった。
しかし、その効果自体は他に負けず劣らず強力だ。私の居る戦場で状態異常が発生しないなどあり得ない以上、純粋な戦力の底上げとして有用なスキルだ。なんなら、時間経過と共にこちらが強化されていくまである。
これらの有用なスキルが、降って湧いたような経緯で手に入った。
いずれはこう言った構成を目指そうと思ってはいたが、随分唐突に達成されたものだ。
これで今まで以上に多くを殺せるだろうし、私が強くなる以上、引き寄せられる相手も、より殺し甲斐のある相手になっていくだろう。
私は
私は
私は別に力を求めてはいない。殺したり殺されたり、死んだり死なせたりしていたら
ただ、そうなった方が、より私へ向けられる『死』の質が上がって行く。私と相対するもの、私と相対出来るものが、より高位になっていくと感じていた。
そんな時に出会ったのが
この戦闘自体は双方合意のじゃれ合いであり、
『一方的に殺すだけ』では楽しめるのは『相手の死』だけだし、それでは『私の死』を楽しめない。
私が弱いままで出会えるのは、『弱い自分への相応の死に方』だけだし、私が相手を殺せない。
そして、私の『殺すもの』としての質が高まれば、『私を殺すもの』の質も出会う確率もより高まる事がこの出会いで
運命とやらは、
その為に、現在相対している私を
ああ、別に構わないな。普通に利害が一致している。ただの理不尽なら『殺す』動機になるだけだが、私が強くなって、この先に出会える『死』の質が上がるのは大歓迎だ。
───だから、
そんなところで膝をついていないで、早く私を殺しに来てくれないか?
「さぁ、どうした? 腕が千切れかけているが大丈夫か? その傷だらけの足で立ち上がれるか? その全身の毒を消す手段はあるか? 体力の残りは? まだ霊力は練れるか?
まさか
「それがどうした、クソ運命の中ボス野郎。能書き垂れてねぇでかかって来いよ、クソガキ。胸貸してやるって言ったよな?」
ああ、やっぱりこいつらとの殺し合いは最高だな。
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「さて、まずは効果を確認するか。【クイッカ*2】」
そう言ってあいつは自分に魔法をかけた。確か物理攻撃を受けると自動で反撃するってグッドステータスだったか?
あの
あいつの暗黒魔法との相性を考えれば、あいつ自身に破魔の効果自体は無効でも【白龍撃*4】を使いたいところだが、使おうと考えた途端に嫌な予感がしやがる。
勘に過ぎねぇが、恐らくあいつが手に入れたとか言う四つのスキルのどれかのせいか? あいつが耐性を持っている属性での攻撃は避けなきゃならねぇ気がするな。
なら、俺の手持ちで、あいつに直接触れずに殴れる属性は『電撃』と『衝撃』だけか。
そう考えてた時、あいつは更に『確認』とやらを続けていた。
「次だ。【タルカジャ*5】」
基礎的なバフだな。それで何を『確認』してるって言うんだ?
「くくくくく……あははは…………あははははははははははははははははははは…… 【スクカジャ*6】【ラクカジャ*7】 。…ああ、素晴らしいな」
突然狂ったみたいに笑いだしたと思えば、また基礎的になバフを自分にかけてやがる。
タイマンならまだしも、この状況でそんな真似をしたところで──
「──? 【デカジャ*8】」
──探求ネキから【デカジャ】が飛ぶ。探求ネキも訝しげにしているが、ここは放置しない事を選んだみたいだな。
だが……
「──ッ!? 無効化しただと!?」
セツニキが驚きの声を上げたが、俺も同じ気分だ。
この無効化はスキルじゃねぇ!!
俺の"目"でも詳細は"見"えていなかったが、あいつの持ってる状態異常系への『耐性』ってのは、まさか『悪い変化を及ぼす効果全て』とか言わねぇだろうな!?
だが、それなら何で今までバフ系を使わなかったんだ? さっき手に入れたスキルに関係があるのか?
そう思って、『あいつが使ったスキル』に意識を集中して"見"ると、ああ、はっきりと見えたぜ。
「【禁じられた言葉】か!!」
「──ッ!? マジかよ、最悪だな」
「……ああ、
「本当に良い"目"で、本当に素晴らしい洞察力と知識だな。このやり取りだけで見抜いてくるんだから恐れ入る。ああ、その通りだよ」
ああ、そりゃ手に入れようと思うだろうぜ。今まで自分に掛けたくても無効化されてたバフが掛け放題になるんだからな。
それでいて不利な効果は無効のままで、掛けたバフが打ち消されないとか、インチキにも程があるだろうが。
「それで、それだけじゃネェんだよな?」
「ああ、後二つほどある。まぁ、
全然安心できない事を言いながら、あいつは両手を眼前に構えてこちらを見据えた。
来るな。最初の時より、格段に速くて重いんだろうが、それで捌けねぇほど甘いつもりは無いぜ?
「待たせたな。では、始めるか。【
開幕デバフか、そりゃそう来るだろうぜ!!
あいつの
もう一手遅らせるような真似はしねぇし、もし期待してるなら当てが外れる事になるぜ?
「【デクンダ*11】。───ッ!?」
それは、もちろん探求ネキもだ。即座にデバフを打ち消して見せたし、最初にやられた時と違って対応によどみもネェ。
──にも関わらず、何でこいつは──
「今度はこちらが一手
──もう俺の目の前に居やがるんだ!?
「──ッ!! 【ラクカジャ】【テトラカーン*12】」
「【
セツニキが咄嗟にフォローに入ってくれなけりゃ、間違いなく俺は死んでただろうな。
あいつの放った
クリティカルじゃないのにこの様かよ。とんでもねぇ威力だぜ。
「さぁ、どうした? 腕が千切れかけているが大丈夫か? その傷だらけの足で立ち上がれるか? その全身の毒を消す手段はあるか? 体力の残りは? まだ霊力は練れるか?
まさか
「それがどうした、クソ運命の中ボス野郎。能書き垂れてねぇでかかって来いよ、クソガキ。胸貸してやるって言ったよな?」
あいつ自身はただの言葉遊びで口にしてる『運命』だが、クソ喰らえだ。
心底愉快そうに笑ってやがるクソガキには、こっちも殴り飛ばして大人の威厳ってもんを見せてやらねぇとな!!
お読みいただき、ありがとうございました。
前話の後書きでお伝えした『この勝負は死合だけど死闘じゃ無いよ』には、感想欄を見るとご納得いただけているようで一安心。
それだけに今話は流石に屁理屈コネ過ぎたか? あと、霊視ニキの扱いはこれで大丈夫か? と言う点で戦々恐々としております。
まぁ、三人が勝つのは決定事項なんですが、たまには主人公が優勢な場面も必要だよね、と。
Q:接近戦で霊視ニキを圧倒ってどうよ?
A:元々レベルが上で、異界の主としての補正もあって、チート異界の機能も使えて、戦闘相性も良くて、更に近接特化モードになって、運命さんからスキル追加パッチ貰って、今まで出来なかった自己バフし放題で、上手い事不意もついた。
流石にここまでやったら上回っても良いよね?
ここまでやっても「いや、霊視ニキならこれでも不安だ」ってなるのが彼の凄い所ですがw
あと、案外皆さん右魔暗黒掌の事はご存じなかった様子。
流石にネタが古すぎたか? けど、好きだからやります。
あと私、いつの間にか『スキルの拡大解釈と悪用が得意な作者』になってない? 気のせい? マジで自覚無いんですけど。
それでは、よろしければ今後とも今作をお楽しみください。
・四条 灯(後の黒死ネキ)
「弱い奴をいじめる趣味は無いよ」「けど、一切の区別なく殺すよ。楽しいし」
「強い奴と殺し合うのは好きだよ」「わざと死ななくても殺してくれるし」
「強くなるのにそんなに興味ないよ」「殺しまくってたら勝手に強くなったよ」
「あれ? 強くなったら出会う奴の質も上がってない?」
「弱い者いじめだと、私が死ねないじゃん」
「私が弱いままだと、強い奴を殺せないじゃん」
「だから私は強くなって、強い奴と出会って楽しく殺し合うんだ」
「え? 運命さんがドーピングしろって? 良いんじゃない? 好都合だし」
「その代わり、ちゃんと私を殺して見せてね?」
本文に書いたのは大体こんな感じ。要約すると酷さが浮き彫りになるけど、本人は真面目。
手に入れたスキルが、名称も効果もシナジー高すぎて超強化される。
黒死病モチーフのキャラに【ウィルスキャリー】と【死に至る病】ってどうよ?
弱点だった「自分にバフが掛かっても無効化される」が解消されてうっきうき。これでもっと殺せる。
ここまでやっても「殺せる」と確信できない三人相手に期待が膨らみ続けている。
・霊視ニキ
そろそろ作者的にも、こんな主人公相手に前衛させるのが気の毒になって来たけど、残念だけど適任が彼だけなのよね。
今話でキツイ目にあうが、折れる可能性とか全く無い。
セツニキが買ったケンカだが、気持ちは一緒だし、このクソガキをぶん殴って大人の威厳を教えてくれる予定。
・探求ネキ
今回は裏方に徹します。
流石の洞察力で、霊視ニキの言葉から主人この現状を察する。
この後の展開で滅茶苦茶苦労してもらう予定(ォ
・セツニキ
放置したら霊視ニキが死んじゃうから即座にフォロー。でもギリギリ。
何回「おい、マジか」と思った事やら。初見殺し性能が高すぎる主人公に呆れている。
この後の展開で過労死してもらう予定(ォ