【カオ転三次】酒と葉巻と病と死神 ~みんな楽しく踊ればいい~ 作:マカーブル
本作をお読みいただき、たくさんのお気に入り登録やご感想をありがとうございます。
リアルで「早寝早起きの強制」とかされると、SSの執筆時間がマジで取れない。
更新が遅くなり、誠に申し訳ありませんでした。
主人公のチート異界とオリジナルスキルの紹介回です。
『死の勝利』と言う名の概念、及び、その名を冠する絵画がある。
私が生きて死んだ14世紀から200年後のブラバント公国*1で描かれた絵画で、人と死の対比を描いたものだ。
その絵の中では、死は老若男女も身分も関係なく万人に訪れ、抗う事は無意味で、人は嘆き、不安に駆られながらも死を受け入れている。
前世でこの絵画を見た時は、素直にこう思った。
「ああ、
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【ゲーデ】と言う死神は『死を司るロアの総称』とされ、生きてきた全ての人間、つまりは『死者の歩んだ人生』の全てを知ると言う。
酒と葉巻を好み、享楽的な性格で、生と死の仲介者として『永遠の交差点』に立つ者とされている。
別にゲーデは私の根源と言う訳ではない。これは断言できる。
未だはっきりとしない私の根源だが、ゲーデは今までの私の経験や嗜好が象徴として形になったもので、根源から派生した『私の成す死の形』の一つだ。
言ってみれば、私にとってのアンクウやマカ―ブルと同様の存在だ。
ゲーデの権能なのか、それとも元々そうだったのかは分からないが、私は自分の傍で死に逝く者の全ての情報を把握し理解できる。
今世で最初に読み取ったのは母の想いで、次が父の想いだ。
前々世では死を想い、踊って死んだ。楽しかった。
前世では享楽的に明るく生きて死んだ。楽しかった。
今世では
死を楽しみ、生を謳歌して好きに死んで、死者の生を知る事を娯楽と感じる私は、ああ、確かにゲーデっぽいな。
酒も葉巻も普通に好きだぞ? 前世では散々愛飲してきた。
むしろこれでゲーデが本霊じゃないのか? これを『派生』扱いする私の根源は何だと言うのか。
そして、【享楽する死神】はゲーデを象徴するスキルで、その効果は『呪殺貫通を得る』『自身の回避率が向上する』『スキル発動時に敵の高揚感を一定時間消沈化させ、攻撃力・防御力・回避と命中を減少させる』『自身と味方が敵の物理攻撃を回避した際、一定時間敵を消沈化させ、回避と命中を減少させる』『術者の生存中、敵は消沈化している場合、受ける打撃ダメージが増し、与える打撃ダメージが減少し、回避と命中を減少させる』と言うもの。
要約すれば『呪殺貫通。こちらは素早くなる。発動時に相手のテンションを下げてステータスダウンさせる。相手の攻撃を避けたら、相手はテンションが下がってステータスダウンする。術者が生きている間、テンションの下がっている敵はステータスダウンする』だな。
合計5種類。私が言うのもなんだが、スキル一つでバフとデバフを掛けすぎだろ。
私にとっては、他のスキルとも相性の良い切り札の一つだ。
本日最後のお楽しみだ。派手に披露させてもらうとしよう。
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まだ名前を付けていない、私の肉体と衣服を構成する術式。*2
私は普段はペルソナのアンクウを肉体に、デビルシフト対象のマカーブルを武器を含む衣服としている。
アンクウの方が耐性に優れ、マカーブルは攻撃に長けているからだ。
今回はこの術式を
これにより、私のステータスはその攻撃面で飛躍的に向上し、スキルと魔法の性能も増した。
より攻性を高く具現化する事で、そのヴィジョンはアンクウとマカーブルの特徴をより鮮明に反映させた。
具体的に言うなら、アンクウの帽子と外套、マカーブルの衣装だな。
そこまで気にしてはいなかったが、私の外見が『HELLSING』のロリカードと知らされ、改めて見てみると──
これ、アーカード*3の普段の衣装っぽいか?
狙っている訳ではないが、これが三人の話していた『転生者は創作物のキャラクターそっくりな者もいる』と言うものなのだろうか?
そして、攻性に全てを傾けている以上、デメリットも相応にあるが、まぁ、些事だな。
少なくとも、私はそれに不都合を感じていないし、メリットの方が勝る以上問題はない。
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【
この異界に
そもそも、この異界は
私が核で、私が主で、私がルールだ。 私の在り方と、私の根源を持って、この異界はデザインされて生み出されている。
まぁ、そのせいでこの異界を簒奪される事になるとは、
あえて言おう、ありがとう。感謝しているぞ。
私の根源は未だはっきりと自覚はしていないが、生と死に深く関わるものである事は確信している。
命のあるものは絶対に死ぬし、死ねばまた生まれ変わってまた死ぬ。
この異界は生き物が死ぬまでの過程であり、死と踊る私の世界だ。
私に殺されて
のんびりした者も、騒がしい者も、みんな一緒に死と踊ろう。
ここは元々《奴》の用意した異界で、そのままでも多機能だったが、方向性が無いままでは不安定だった。
それも
その機能は主に三つ。
・【変化】と【擬態】の概念。
『如何なる姿かたちにもなる事が出来る』と言う、
私の姿かたちの形成はもちろん、蒐集した『スキルの設計図』をスキルへ昇華する際にも一役買っている。
・【隠蔽】と【偽装】の概念。
なお、本日のあの三人からの話で何となく理由は想像できた。毎回燃やされるのを何とかしたかったのか?
・【閉鎖】と【循環】の概念。
この異界の最も特徴的かつ、主目的とされる機能だ。
本来は『異界で殺された人間や悪魔のMAGが霧散せずに、異界内に留まり循環し続ける』事を目的としている。
魔界と比べ、地上のGPは薄い。MAGもすぐに霧散し、収集も維持も困難だ。
ここに限らず、異界内であれば地上と比べMAGの霧散も抑えられるが、この異界はそれに特化している。
生じて霧散せず、留まって循環する。
この過程で『死んだ主の強制的な蘇生』『周囲からの隠蔽』『異界で湧く悪魔の質の向上』等々に利用され、よりそのサイクルは大きくなっていく。
霊脈と言う川に秘密裏に設置された透明なダムが、周囲に気付かれる事なく川の水を掠め取る事で勝手に大きくなって、内部で発電その他の悪だくみに使用され、更に大きくなっていく。そんなイメージだな。
こう表現すると実に
ゲーデの立つとされる『永遠の交差点』の名を選んだのは、ゲーデが私を成す要素の一つである点と、
出来るものなら永遠に楽しみたいが、それでは死は成立しないし続かない。
死んで生まれ変わって、楽しんでからまた死ぬ。
そんな輪廻の交叉する、永遠に続く
ああ、
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【
会場を用意したのなら、そこで踊る者たちが必要だ。
会場だけあっても、踊るのが一人だけなど虚しいだけだ。
このスキルは【サバトマ*5】、【ネクロマ*6】【ドロイド*7】の複合召喚で、呼び出されるのは『私が殺してきた者たちの"情報"を用いてMAGで形を作った人形』だ。
そして、その中身と装飾は【シシリッカ*8】【クイッカ*9】【バルザック*10】の複合構成だ。
これらの術式が【
死者の情報を【サバトマ】で呼び出し、【ネクロマ】で形を与え、【ドロイド】で人形に変え、中身に【シシリッカ】を詰め込んで【クイッカ】と【バルザック】で装飾する。見た目は真っ黒だ。私の死のイメージだと、やはりこうなるのだろうな。
ああ、自分に掛けて失敗する訳ではないなら、【クイッカ】は優秀な魔法だろ?
これら全てを
当然だが膨大なMAGと霊力を消費するが、
死者の姿の壊れない人形が、疫病と暴虐をもって参加者と踊るんだ。とても楽しく踊れるぞ?
指揮者は私だ。指揮者自身も踊るがな。
だから、霊視ニキ、探求ネキ、セツニキ。お前たち三人も是非楽しんでもらいたい。
たった三人の参加者だが、お前たちの為なら幾らでも人形は用意させてもらおうじゃないか。
だから、私と一緒に、殺したり殺されたり、死んだり死なせたりしよう。
みんな一緒に楽しく踊ろう。
【死の河*11】? ああ、流石に自覚しているとも。『HELLSING』のアーカードの切り札とやってる事はほぼ同じだな。
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【浄化】や【禊】といった『穢れを払う事』は、『綺麗な水で汚れを洗い流す事』と言い換えても、大きくは違わない。
洗い流すのに用いる水は、当然綺麗である事が望ましい。泥水で汚れを流しても、清められたとは言い難いだろう。
また、例え綺麗な水を用いたとしても、汚れが極めて広範囲だったり、そもそも
神職に限らず、こう言った認識は霊能者にとっては一般常識でもあり、【浄化】や【禊】を得意とする者でなくとも心得ておかなければならない。
……で、今、私たちの目の前には『極めて広範囲に、洗い流せない程の汚れが広がっている』訳ですが、さて、どうしましょうか……
「セツニキ、これはどのくらい保ちそうですか?」
「この勢いだと、放置で1分、全力で補強して3分だな。
「
「ああ、そうしてくれ。精々暴れてやるさ」
「それにしても、本気で祓わなけりゃ、すぐにでも飲まれるな。適性の高さだけで此処までの【穢れ】を扱えるのか?」
セツニキと私で構築した浄化結界は、例えるなら『綺麗な水を出し続ける噴水』だ。
構築と発動の際に充填した霊力を用いて、効率的に穢れを祓う機能を持たせ、補充や補強も任意に行える。
これにより、私たちは彼女の放つ
そんな私たちとこの結界も、今は逆に
「どんどん群がってきやがるな。リアルで
「こいつら1匹1匹が覚醒魔法とデバフの固まりみたいなもんだ。雑魚でも戦える程度に強化されているし、迂闊に殴るわけにもいかねぇ。
「ますます
浄化結界の外と内を隔てる障壁の部分には、先ほどから数えきれないほどの
結界に触れると同時に、【浄化】と【穢れ】が互いを打ち消し合い、その分互いが消耗していく。
それだけなら良い。結界は消耗しても【穢れ】を祓えるし、消耗した分は補充も出来るのだから。
問題は【浄化】と【穢れ】が互いを打ち消し合いが
一般的な術者の放つ【穢れ】を、『小さなゴミの浮いただけの水』と言うのなら、手慣れた術者の放つ【穢れ】は、『絵具を溶かした色水』と言ったところ。
熟練の術者ともなれば、『墨汁やペンキ』まで届くかもしれない。
そして、彼女の繰り出した【穢れ】は、この例えで言うのなら『固まりかけた大量のコールタール』だ。
液体と言うには固体に近く、固体と言うには流動して隙間が限りなく少ない。
洗い流し切れず、張り付いた部分の隙間を広げて剥がす事も出来ず、噴水を覆いつくして吞み込もうとする黒い波。
まさに絶体絶命ですね。
「彼女は『これが最後』と言いましたし、嘘ではないでしょう。なら……」
「ああ、そうだな」
「こっちにも、『切り札』はあるんだって事を教えてやるさ」
ええ、正直、事前情報無しで彼女と相対していたら、割と絶望的だったかもしれませんね。
現状も大概絶望的ですが、それでも勝つのは私達です。
さて、最初の担当は私ですか。役目は果たして見せますよ。
お読みいただき、ありがとうございました。
更新が遅れたにも関わらず、ほぼ主人公のスキルの説明だけになってしまい、申し訳ありません。本格的な描写は次回までお待ちください。
主人公のガワをロリカードにすると決めた時点で、【死の河】の再現をどうするか、と考えた結果、こんな感じになりました。
一見、ネクロマンサーとか人形遣い系が天敵なんじゃね? となりますが、
構想段階ではゲーデが本霊かな~って思っていたんですが、折角だしもっとすごい根源にしようとゲーデは踏み台に。すまんゲーデ。
いや、昔のやる夫スレで、ガワが『ARMS』の高槻巌で死者の娼館を経営しているゲーデが登場する作品があるんですが、あのゲーデがカッコ良すぎて、是非使いたかったんですよね。権能がすごく便利だし。
さて、いよいよガイア連合との出会いのエピソードも最後の衝突になります。
何とか最後まで書き切りたいですね。めっちゃ難産なんですよね、この場面。かといってキンクリは論外。
プロット自体は出来ているんで頑張って形にしますんで、お楽しみにお待ちいただければ幸いです。
・四条 灯(後の黒死ネキ)
彼女の異界チートの詳細が判明。
一言で言うと『便利機能が沢山ある、リサイクル型外付けバッテリー』。こんなもんが生まれる前から自分の中に。
【死の河】再現とか、どう足搔こうとコスト激高なんだから、このくらいのチートが必要だよね、とNからパクった。
最期のお楽しみ、と全ブッパ。 さぁ、三人はどんな事してくるのかとワクワク。
・霊視ニキ
よく考えたら、この人の今の外見って『両袖が破れてノースリーブ白スーツ状態』なんじゃね?
笑ったら殺されるから頑張って耐えよう。
最後の魅せ場はもうすぐ。大暴れ予定。
・探求ネキ
この後、過労死予定。
最期まで用意の良さを見せつけるクリエイターの鑑。
・セツニキ
主人公を型に嵌めた結果、なんかヤベェのブッパされた。
ちゃんと責任とるから大丈夫。
この後、死ぬほど頑張る予定。