【カオ転三次】酒と葉巻と病と死神 ~みんな楽しく踊ればいい~   作:マカーブル

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本作をお読みいただき、たくさんのお気に入り登録やご感想をありがとうございます。
誤字脱字の指摘等も、いつも助かっております。



ようやくここまでたどり着きました。長かった。そして、作者の力量不足がもろに出た。
戦闘シーンって難しいですね。続けるうちにもっと上手になりたいものです。

それでは、主人公VSガイア連合の3人の決着編です。
お楽しみいただければ幸いです。



後書きに画像生成AIによるイメージイラストを表示しております。
AIによる生成画像に不快感を感じる方はご注意下さい。





第21話 人間らしくと言うのなら、人間として生きていくべきだろう?

 

 

 

 

 

「………私の負けか……」

 

「………ああ、お前の敗北だ」

 

「見事だったよ。正直、聞きたい事でいっぱいだ。とは言え、まず聞かねばならないのは……」

 

「ああ……」

 

「何で私は、全裸で縛りつけられているんだ? しかも胸に注射器が刺さったままで。事案にも程が無いか? ワクチンのスリップダメージも地味に痛いし」

 

「いや、普通に【シバブー*1】で拘束して、【マカジャマ*2】でスキルを使えなくしただけだぞ? 今のお前なら状態異常が通るからな*3」

 

「あ~……私の衣服はスキルで作った物だからそうなるのか……身体の方まで効果が及ばないだけまだマシ……か?」

 

「まぁ、狙ったわけじゃないが【シバブー】の謎の光*4のお陰で、卑猥な事にはなって無いから問題ないな」

 

「何だ、見たかったのか? 別に私は見られても気にしないが?」

 

「はッ、見られたかったら長身褐色巨乳美人になってから出直して来るんだな」

 

「なれるぞ? 気付いているだろうが、私の身体はスキルで構成しているからな。外見なぞ自由自在だ。長身褐色巨乳美人がお前の癖な訳か? な(・)っ(・)て(・)や(・)ろ(・)う(・)か(・)?」

 

「ついでに銀髪も追加だな。で、まさかと思うが、それで拘束を解いてもらえるとか思ってないだろうな?」

 

「ダメか?」

 

「ダメだ。それと、さっきからあっちでグオングオン言ってるお前の鎌はそろそろ消しとけ?」

 

「ああ、アレは放っておいたら爆発するだけだから気にしなくて良いぞ?」

 

「いや、消せや敗者。お前が聞きたい事が聞けなくなっても良いのか?」

 

「仕方ないなぁ、このショタジジイは。……ほら、消したぞ、勝者」

 

「何なんでしょうね、この中身があるようで無い会話は?」

 

「つか、思いっきりスキル使ってるじゃねぇか。そこはスルーで良いのかよ?」

 

「構わんぞ。ここまで見事に完敗したんだ。この後トドメを刺(・)さ(・)れ(・)る(・)のはもちろん、この茶番と答(・)え(・)合(・)わ(・)せ(・)も楽しみたいからな。あと、スキルはOFFにするだけなら『封技』状態でも可能だぞ?」

 

「……さて、お互い時(・)間(・)も(・)無(・)い(・)し(・)ふざけるのもこの辺にするか。で、何から聞きたいんだ?」

 

「そうだな、私が【黒死舞踏会(ル・グラン・マカーブル)】の『人形』を差し向けた時、結界の中でお前たちはどんなやり取りをしていたんだ? 察するに、全ての策はあの時点で決まっていたんだろう?」

 

「ああ、あの時は………」

 

 

 

 

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「それで、最後の1つの使い道ですが……」

 

「ああ、それについても決めてある。それは───」

 

 

 探求ネキからワクチンの最後の一つを受け取り、手持ちの霊符(カード)と合わせ、術式を構築する。

 陰陽道の形代を基礎に、式神*5を精製し、その核に使うのがこのワクチンだ。

 

 

「───ワクチンを核にした俺の姿の式神を、俺(・)の(・)身(・)代(・)わ(・)り(・)として結界内に残す。そして、クソガキの【穢れ】からこ(・)の(・)結(・)界(・)を保護させる」

 

 

 俺の姿をした『クソガキの【穢れ】に対する特攻と、結界の維持』に特化した式神が完成し、早速その効力を発揮して結界の維持の為に『人形』の【穢れ】を祓う作業を引き継いでいる。

 

 

「……当然、考えがあるんだろうが、何が狙いなんだ?」

 

「色々理由はあるが、主な理由は『保険』だな。この結界はさっきまでは俺が維持していて、保ってあと数十秒だった。だが、この式神を利用すれば、ワクチンの有効限界までなら問題なく耐えられる」

 

「それは理解できます。……で、セツニキ。次(・)は(・)私(・)に(・)何(・)を(・)作(・)ら(・)せ(・)た(・)い(・)ん(・)で(・)す(・)か(・)?」

 

「話が早くて助かるな。結界の維持はワクチン式神(こいつ)に任せて、探求ネキには『この結界が放つ浄化の波』を溜め込んで、霊視ニキの合図で一気に解き放てるようにしてもらいたい」

 

「さらっと酷い無茶振りをしてくれますね? この緻密なパズルも同然の結界を、彼女にバレないように、見た目と機能を維持したまま別物に作り変えろと?」

 

「出来るだろ?」

 

「任せてもらいましょう」

 

 

 ここでの即答がヤケクソじゃなくて、己の力量と目の前の課題を正確に見極めた上で、『可能』と言う結論に至った者特有の即答なんだよな。頼りになるぜ。

 

 

「……つまり、俺への援護射撃の為に背水の陣で鉄砲水を用意するって事か?」

 

「それもあるが、メインの理由は『俺をクソガキの目から隠す事』だな」

 

「まさかとは思いましたが、彼女の傍で『命賭けのかくれんぼ』をするつもりだと?」

 

「exactly(それな)」

 

「正気か? セツニキの力を信用しない訳じゃねぇが、セツニキの【浄化】よりクソガキの【穢れ】の方が総量が多い上に、『かくれんぼ』って言うなら【(・)浄(・)化(・)】(・)も(・)せ(・)ず(・)に(・)、(・)あ(・)の(・)『(・)人(・)形(・)』(・)の(・)群(・)れ(・)の(・)中(・)で(・)潜(・)み(・)続(・)け(・)る(・)ってのかよ?」

 

「exactly(それな) 任せておけよ。かくれんぼは得意だからな、陰陽道的に考えて」

 

 

 まとめると、『ワクチン式神に俺のフリをさせつつ、結界を維持』『探求ネキは結界を改造して、浄化の鉄砲水用のダムをバレないように構築』『俺はクソガキの傍で後詰めとして潜む』。

 そして、霊視ニキには───

 

 

「この『切り札』の『使う』タイミングは任せたぜ? 【見抜く者】(霊視ニキ)」

 

「ああ、任せろ。ッたく、本人が一番無茶してるせいで、無茶振りに文句が言えやしねぇ」

 

「それですね、まったく」

 

「さて、それじゃあ始めるか。霊視ニキはワクチンの接種だ」

 

「おう。……と言うか、これデカくねぇか? 500mlのペットボトルくらいあるんだが?」

 

「流石に成分を変えずに減量加工までは、時間的にも物理的にも無理でした。我ながらまだまだですね」

 

 

 

 

 

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「なるほど、私がセツニキだと思って警戒していたのはワクチンで作られた式神か。見事に騙されたな」

 

「まぁ、何かを隠す事に関して陰陽道は最強だからな」

 

「で、セツニキ自身はどのタイミングで『かくれんぼ』を始めたんだ?」

 

「お前が暴れる霊視ニキに『人形』ごと斬りかかったタイミングだな。あの瞬間は、お前の意識から俺と探求ネキが外れていたからな」

 

「ああ、確かにあの時は霊視ニキと殺し合う事で頭が一杯だったか。見事な見極めだな」

 

「そう考えると霊視ニキは良い仕事をしてくれたな。流石だわ」

 

「霊視ニキと言えば……霊視ニキもあのワクチンを接種したんだよな? あの量を? どうやってだ?」

 

「……普通に腕に注射しだぞ。まぁ、量が多くて大変だったが」

 

「……ビジュアルがやっぱりその筋の輩の麻や「言わせねぇよ!!」k………えーー?」

 

「ったく、油断も隙もねぇな。どこまでも口の減らねぇクソガキだ」

 

「「(……実はちょっとそう思ってたのは言わない方が良いですね(な))」」

 

「──あっ(察し)」

 

「……お前ら?」

 

「「「何でもない、何でもない」」」

 

「……はぁ、変な所で相性が良いな、お前ら」

 

「彼女も『俺ら』の素質は十分と言う事ですかね。良いか悪いかは別として」

 

「だな。良いか悪いかは別として。それで、他に聞きたい事はあるか?」

 

「何が良くて悪いのかは分らんが、まぁ良いか。そうだな、お前たちが『2枚の切り札』を創り出した『仕込み』は理解できた。他は……探求ネキの放った【浄化】の鉄砲水だが、あの結界由来の物にしても、やけに私の【穢れ】を【祓う】勢いが強くなかったか?」

 

「ああ、それは単純に結界に残っていたワクチン式神の貴女の【穢れ】への特攻効果と、私が追加精製した【霊水】*6の操作で勢いを増したせいですね」

 

「汚れを洗い流すのに水だけだと足りないから、洗剤と一緒に高圧洗浄機で勢いをつけた感じだな」

 

「いや、セツニキ、その例えもどうかと……」

 

「ああ、大体そんな認識で間違いないですよ」

 

「なるほど、私のスキルは頑固な油汚れだったのか」

 

「……お前らそれで良いのか?」

 

「「別に構わないですが(が)?」」

 

「……ああ、うん。俺が悪かった」

 

「あと、分からないのはセツニキがどうやって隠れ通したのかと、霊視ニキからワクチンを受け取ったタイミングの詳細だな」

 

「ああ、と言っても、そんな複雑なもんじゃないな」

 

 

 

 

 

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 霊視ニキとクソガキの殺し合いの隙を突いて、こうして『かくれんぼ』を開始した訳だが、予想通りキツイな。

 

 クソガキは【黒死舞踏会(ル・グラン・マカーブル)】とか名付けていた。前世だと、確か1970年代に発表された、終末を扱ったグロテスクな笑劇(ファルス)だったか?*7 

 それで『舞踏会』か。実際にそこに飛び込んでみれば、『舞踏会』って言うよりは『死者がひしめく狂乱の宴』だけどな。あれか? 『死の舞踏』要素か? 体感する側はたまったもんじゃねぇな。

 『人形』の構成はシンプルだ。クソガキの蒐集した『情報』を色々盛ったガワでコーティングしただけの物だが、基本スペックがレベル30の悪魔と同等以上で、中身が中身だから触れるだけでも感染する。

 霊視ニキはワクチンの効果で弾いてるし、探求ネキは結界の中で無事だが、俺は基本避けるしかないな。

 それだけなら何とか凌げるが、クソガキは他にもスキルを発動させている。

 

 

【享楽する死神】*8

 

 

 これのせいで、クソガキが動き回ってるだけで倦怠感が襲い掛かってくるな。『かくれんぼ』の最中で、大っぴらに【浄化】するわけにはいかないから、穢された体内に向けて外に漏れないように【祓う】のがギリギリだ。

 倦怠感がきつくて、避けそこなった『人形』から感染した【穢れ】の対処も同様だ。触れた部分が一部黒ずんできてるな。だがまだ意志でどうとでもなる範囲の痛みだ。 

 

 あいつの本霊はゲーデなのか? 確かに言動といい、死者の情報を得る異能といい、関りが無い訳じゃないんだろうが、俺の勘は「それだけじゃない」って言ってるんだよなぁ? 決めつけるのは危険だろう。

 

 

 

 

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 さて、クソガキが楽しそうにオモチャの自慢をしてるが、【天驚地爆断】*9か。初代ペルソナのアンクウが使えるスキルだったな。確かに『使われたら負け確定』だな。使わせないけどな。

 

 霊視ニキもここが『ワクチン(切り札)』の切りどころと見たか。

 ドーピングだの〇薬だのレイ〇ーだのは、ちょっと笑っちまったな。危うく隠形が解けるところだったぜ、危ない危ない。

 あ、霊視ニキ、俺が見えてるからってこっち見て睨むなよ。ほら、クソガキにバレちまうぞ?

 

 

 

 

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 その後も霊視ニキとクソガキとの一進一退の攻防は続いて、俺も【享楽する死神】の影響に耐えつつ、例えるなら満員電車の中で他人にぶつからないように頑張るかくれんぼを継続中だ。

 霊視ニキの渾身の一撃で『人形』の群れに風穴が空いた時は、正直言ってヤバかった。巻き込まれるギリギリだったからな。

 そして、あの後、クソガキが霊視ニキの誘いに乗って事実上のタイマンが始まって、探求ネキの鉄砲水(切り札の一枚)も切られた時の事だ。

 

 

「何回目だ? 油断していたつもりも、目を離したつもりも無かったんだがなぁ? 経験の差で片づけるのも限度と言うものがあるだろう」

 

「何回でもやってくるだろうぜ。俺たちも、いつもしてやられてるからなぁ」

 

 

 クソガキはそう話しつつ、意識を探求ネキと俺と思い込ませているワクチン式神から霊視ニキへ戻(・)し(・)つ(・)つ(・)あ(・)る(・)。

 霊視ニキはそう答えつつ、クソガキから意識を向けられる直前に俺(・)を(・)見(・)て(・)ワ(・)ク(・)チ(・)ン(・)を(・)音(・)も(・)無(・)く(・)投(・)げ(・)渡(・)し(・)た(・)。

 

 なるほど。この先は最後の殺し合いと騙し合いで、切り札を最後まで残した奴が勝つ勝負な訳か。

 霊視ニキのベットは俺と霊視ニキで、俺のベットは霊視ニキと俺自身。

 霊視ニキがタイミングを外す事は、まずありえないだろう。これが霊視ニキの事実上の勝利条件だからだ。

 

 

 

 なんだ。いつも通り絶(・)対(・)に(・)俺(・)が(・)勝(・)つ(・)ギ(・)ャ(・)ン(・)ブ(・)ル(・)じゃないか。 

 精々生き残って『掛け金払い損の無様な勝者』か、『勝って報酬を搔っ攫う泥臭い勝者』のどちらかになるとするか。

 とっちが良いか? 前者に決まってんだろ。残念ながら外れそうだがな。

 

 

 

 

 

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「と、後はお前も知っての通りだ。切り札は多くを持ちつつ先に見せて、最後に使った側が勝つもんだ」

 

「……いや、そっちよりも実質、技術と根性だけで、【享楽する死神】の影響下で【黒死舞踏会(ル・グラン・マカーブル)】の中を生き延びた事に驚いているんだが? 探求ネキも結局殺せなかったし」 

 

「まぁ、俺は【浄化】に関しては自信があって、最低限とは言え感染した【穢れ】も祓えたし、『人形』の多くは探求ネキとワクチン人形に引き受けてもらったしな」

 

「私は大っぴらに【霊水】が使えて、セツニキの囮になる意味もありましたからね。派手に立ち回っていれば良かったので数分程度は問題ありませんでした。とは言え、長くは保たなかったでしょうね」

 

「それで賭けの勝者になっても、その様な訳だが? 私も死ぬが、お(・)前(・)も(・)死(・)ぬ(・)ぞ(・)? 完全に手遅れだからな、その感染状態は。見えない所も真(・)っ(・)黒(・)なのだろう?」

 

「知ってる。だが、こっちは全滅してないし、俺が死ぬのはお(・)前(・)の(・)後(・)だ。俺(・)た(・)ち(・)が勝者なのに変わりは無いな」

 

「違いないな。まったくもって私の完敗で、お前たちの勝利だとも」

 

 

 

 

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「さて、もういい加減決着の時間だな。そっちは文字通り絞めつけられてるせいで、余り締まらない結末になりそうだな。今から、お前をぶん殴るが、何か言い残す事はあるか?」

 

「あははははははは、あの時の意趣返しか? そうだな…………可憐な少女であるところの私は、背後から突然襲われて、得体の知れない薬で抵抗する事が出来なくされ、裸に剥かれて縛り上げられて、今まさに暴行を受けようとしているんだが、何か思う事は「教育的指導(【魂砕波】)ーーーー!!!!」*10 あ痛ぁああああああああ!!!!」

 

「懲りないよなぁ、あいつらも」

 

「実に『俺ら』な緩さですよねぇ」

 

 

 

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「うおおおおおおお、魂が砕けるように痛い」

 

「自業自得だ、クソガキ。ちょっとは反省してろ」

 

「「残当」」

 

「…………で、わざわざ『絶対に即死しない技(【魂砕波】)』で私を瀕死(HP1)にしたのは何故だ?」

 

「ああ、今のお前を殺すのは、人間じゃなくて薬じゃねぇとな」

 

「!?」

 

「この勝負の前のお前のこれまでの話だが、お前は人間のつもりだろうが、この世界に生まれてから、お前は『人間の暮らし』をしてねぇだろ」

 

「……確かにそうだな」

 

「お前を悪魔扱いするつもりも、生まれてからの暮らしを侮辱するつもりもねぇが、人間の暮らしをしてこなかった奴は人間とはやっぱり違(・)う(・)もんだ。今のお前は、自覚があるかもだが言わば【病】だな。だから、お前を殺すべきは【薬】じゃなくちゃならねぇ」

 

「………………」

 

「【薬】を作ったのは探求ネキで、お前の所まで運んだのが俺で、撃ちこんだのがセツニキだ。確かにお前を殺す意志はあるが、それでも【病】を殺すのは【薬】の役目である事に変わりはねぇ」

 

「………………」

 

「【病】として一回死んだら、【人間】として付いて来な。歓迎するぜ」

 

 

 

 

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 『死の勝利』と言う名の概念、及び、その名を冠する絵画がある。

 私が生きて死んだ14世紀から200年後のブラバント公国*11で描かれた絵画で、人と死の対比を描いたものだ。

 その絵の中では、死は老若男女も身分も関係なく万人に訪れ、抗う事は無意味で、人は嘆き、不安に駆られながらも死を受け入れている。

 

 前世でこの絵画を見た時は、素直にこう思った。

 

 

 「ああ、ど(・)ち(・)ら(・)も(・)楽しそうだな」と。

 

 

 そして、こう思ったんだ。

 

 

 「あの頃は【死(病)】だけが【人間】を殺して、今では【人間】も【死(病)】を殺せる」と。

 「ああ、何方(どちら)も此方(こちら)を殺せるんだ」と。

 

 

 そして、もう一度こう思ったんだ。

 

 

 「ああ、ど(・)ち(・)ら(・)も(・)楽しそうだな」と。

 

 

 

 

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「くくくく、あははは、あははははははははは」

 

 

「「「………………」」」

 

 

「なるほどなるほど!! 確かにお前の言う通りだ!! 私は人間のつもりだったが、確かにこの様では人間とは言い切れないな。夢から覚めた気分だぞ」

 

「そりゃよかったな。で、納(・)得(・)で(・)き(・)た(・)か(・)?」

 

「ああ、素晴らしかったぞ。今世に生まれて最も楽しい時間だった。次からは人(・)間(・)と(・)し(・)て(・)楽しませてもらおう」

 

「まずは口の利き方からか? クソガキ」

 

「それは保証しかねるなぁ? ああ、大人の威厳とやらは十分に伝わったぞ、霊視ニキ先(・)輩(・)?」

 

「わざとらし過ぎるから止めろ。どこまでも口が減らねぇな」

 

「おや、酷いな。本心から言っているんだぞ?」

 

 

 

 

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「さて、ガイア連合へようこそってところか? 霊視ニキこと、花山薫だ。よろしくな」

 

「探求ネキこと、七倉瑞樹です。よろしくお願いしますね」

 

「星祭の名無しこと、セッツァー・ギャッビアーニだ。生憎、今世の本名も前世の名前も誰にも名乗るつもりはねぇな」

 

「そう言えば名乗っていなかったな。私の名は四条灯だ。女神転生らしく、コンゴトモヨロシクとでも言えば良いか?」

 

「割とどいつもこいつも好き勝手してるから、お前も好きにすりゃ良いさ」

 

「さて、こうなると私もコテハンが欲しい所だな、どんなのが良いか………」

 

「んなもん、決まってんだろ」

 

「まぁ、確かに。大概は外見からですが、彼女はちょっと方向性が極まっていますしね」

 

「逆にこれ以外ありえんのか?」

 

「ん?」

 

「「「黒死ネキで」」」

 

「あれ? 私の意見の入る余地は?」

 

「ねぇよ」

 

「ロリカードの外見でも吸血鬼って訳じゃねぇし」

 

「決まりだな」

 

「あれ? いや、納得のコテハンではあるが、あれ?」

 

 

 

 

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午前0時の時計の音と共に墓場に死神が現れる

 

 

死神がヴァイオリンを弾き、不気味に踊り始める

 

 

踊る死神の骨が擦れ合う音が鳴る

 

 

死神たちは不気味にワルツを踊る

 

 

体を捩らせ、踊る死神の骨が擦れ合う音が鳴る

 

 

死神たちは跳ね回り激しく踊る

 

 

夜明けを告げる雄鶏の声が響きわたると

 

 

死神たちは墓へ逃げ帰り、辺りが再び静寂に包まれる

 

 

 

 

 

 ああ、そう言えば、私は今世では月しか見た事が無かったな。

 これが今世での初めての夜明けで、初めての朝日か。

 

 

「キレイだな」

 

 

 素直にそう思った時、私の意識は今世での事実上初めての『死』へと向かって沈んで行った。

 

 

 

 

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「『黒き死の病を乗り越えた時、朝日は昇り死神は眠る』だっけか?」

 

「ええ、確かに彼女の言う通り『この異界の出口』も開きましたね」

 

「外はまさに朝日の昇る時間って訳か」

 

「相変わらず異界の中は時間経過もいい加減ですね。今は何日なんでしょうね」

 

「それにしても、分かっちゃいたが、実際にこの目で確かめると納得がいかねぇよな」

 

「あれだけの【穢れ】を放った人物が、こんな可(・)愛(・)ら(・)し(・)い(・)赤(・)ん(・)坊(・)なんですからね」

 

「"見"える事がこれだけ恨めしかったのは始めてだな。殴りにくいったらありゃしねぇ」

 

「お疲れさまでした。霊視ニキのお陰で彼女の初見殺しを無事に乗り切れましたからね」

 

「無事?」

 

「ええ、無事」

 

「そこに居るセツニキだ(・)っ(・)た(・)も(・)の(・)については……」

 

「ノーコメントでお願いします」

 

「………………帰るか」

 

「そうですね。また騒動を起こしそうな『俺ら』が加わったものですね」

 

「ああ、まったくだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガイア連合 特殊任務 『隠蔽された異界の攻略』 完了

 

成果:異界の主であり、転生者でもある自称「四条灯」の保護に成功。

   極めて友(・)好(・)的(・)な接触に成功し、ガイア連合への好感度も極(・)め(・)て(・)高い。

   戦闘への忌避感も無く、今後ガイア連合での活躍が期待される。

 

被害:死者2名。(蘇生に関しては問題なし) 

   自称「四条灯」・・・人間に殺されないと異界から出られないギミックにつき、やむを得ない処置。

   セツニキ・・・同行者によると「かっこつけた代償」との事。ブラックウーズみたいになっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:
暗黒魔法(神経属性)対象1体を『緊縛(BIND)』状態にする。

*2:
作品によって微妙に効果が違うが、今回は対象一人を『封技(スキルの使用不可)』状態にする効果。

*3:
ワクチンを打ちこまれて全耐性がOFFの状態

*4:
主に大人の事情で『直接描写したら叱られるモノ』を隠す為の光源不明の光。大きなお友達の大敵。

*5:
『嫁式神』ではなく、陰陽道における本来の意味での『式神』。

*6:
【エストマ(ここでは【穢れ】を祓い浄める効果)】+【アクアダイン】

*7:
ハンガリー系オーストリア人の作曲家、ジェルジ・リゲティが1975年から1977年にかけて作曲した唯一のオペラ。

*8:
これ一つで五つのバフとデバフを掛ける欲張りセット。効果は『呪殺貫通を得る』『自身の回避率が向上する』『スキル発動時に敵の高揚感を一定時間消沈化させ、攻撃力・防御力・回避と命中を減少させる』『自身と味方が敵の物理攻撃を回避した際、一定時間敵を消沈化させ、回避と命中を減少させる』『術者の生存中、敵は消沈化している場合、受ける打撃ダメージが増し、与える打撃ダメージが減少し、回避と命中を減少させる』

*9:
元ネタはアニメ『機動武闘伝Gガンダム』の流派・東方不敗の最終奥義【石破天驚拳】。初代ペルソナにおいて全スキル中、最高の攻撃力を誇る物理攻撃。アンクウが使用できる。本来は単体攻撃だが、本作では『溜めが完了したら、シーン全体攻撃で威力は敵全滅が確定レベル』とする。要するに真5の人修羅の放つ【地母の晩餐(全滅確定技)】みたいな扱い。サバイバルアクションでボスを倒せないままタイムリミットになると使われがちなアレ。

*10:
万能属性攻撃。対象のHPを1にする。

*11:
現在のベルギー~オランダ周辺








お読みいただき、ありがとうございました。



次に読者であるあなたは「やっぱり」と言う。



ええ、恐らく読者全員が予想していたでしょうが、主人公がガチで死ぬと、【魔装術】が解除されて赤ん坊の姿に戻ります。
実年齢? 1歳いってるかどうかですね。

これでガイア連合所属当初の最年少記録を大きく更新しました。やったー!!
なお、幼女ネキが加入する頃には実年齢的には年上だろうから問題ないな。ヨシ!!

ロリカードのガワなので【死の河】再現は義務。
と言う訳で、ガイア連合の三人には、原作の原作のヘルシング教授一行よろしく、「死者一名」で乗り切ってもらいました。
完封よりもこっちの方が風通し良いかな~って。

ぶっちゃけこれで「完」ってつけても良いような終わり方ですが、まだまだ書きたい事はありますんで続きます。
しばらく長期エピソードは良いかな。めっちゃ疲れる。
というか、溜め込んだネタを消化したい。

それでは、今後とも本作をお楽しみいただければ幸いです。




・四条灯(黒死ネキ)
ついにコテハンが付いた主人公。
実年齢的に赤ん坊である事も判明、と言うか、別に隠していないかったし。
「お前の生活、人間って言わんよね?」と言われて「確かに」とめっちゃ納得。
今後はガイア連合で人間らしく殺し愛をしまくる予定。 あれ? やる事変わら無くね?
暴れるだけ暴れて、先輩三人にワカラセられた。


・霊視ニキ
普通に黒死ネキが赤ん坊だと"見"えていたので、めっちゃ殴るのに罪悪感。
それはそれとして、相手がクソガキ過ぎたから普通に殴ってはいた。
彼が居ないと詰む場面多数。
最後まで頼れる漢で、大人の威厳を示す。


・探求ネキ
あらゆる無茶振りに応える万能クリエイター。
常識人に見えても所詮は『俺ら』。どっかずれている。
創り出すと言うカテゴリーにおいて、そろそろセツニキを超え始めている頃。
ここから先も器用万能に磨きが掛かっていく。


・セツニキ
命がけのかくれんぼを完遂。
「これやったら勝ち確」なら、そりゃやるだろ。命がチップ? いつも通りだろ。
現時点での修羅勢筆頭。 彼も普通に頭ガイアなのである。
意地でも主人公より後に死ぬ為、死亡確定の感染状態でも根性で平常運転。
最後までカッコつけてみせた。


・緊縛の秘石
作中では未だに男にしか使って貰えていない不遇なエロアイテム。
セツニキさん、何で美少女を縛り付けるのにワイを使ってくれなかったん?
対戦相手の持ってた由来不明の不審物とか使う訳ねーだろ? そんなー(´・ω・`)
なお、後日持ち主のクソガキに返却された模様。
















イメージイラスト(※ AI画像注意)

「本来の姿の黒死ネキ」


【挿絵表示】
























































































え? 全裸で拘束されてる黒死ネキの画像?

作 っ て ま す よ ?    深 夜 の テ ン シ ョ ン で 。

ただ、一応R-15程度に抑えてはいますが、万が一運営に怒られたら困るので、流石にここでの公開は控えさせていただきます。
いや、見せろよと言う方は、感想欄でワッフルすれば良い事が起こるかも?
















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