【カオ転三次】酒と葉巻と病と死神 ~みんな楽しく踊ればいい~ 作:マカーブル
本作をお読みいただき、たくさんのお気に入り登録やご感想をありがとうございます。
誤字脱字の指摘等も、いつも助かっております。
思ったよりも文章が伸びそうだから、この辺で一回分割。
前話の予告よりちょっと手前になりましたね。まぁ、予定は未定ですし(言い訳
今回はショタおじの提示する条件が何なのかと、皆が予想していた人物が、予想外であろうの形で登場します。
お楽しみいただけたら、そして、受け入れていただけたら幸いです。
※作者注
作中にペルソナ3の根幹に関わるネタバレの描写があります。
作中で警告を描写しますので、未プレイでネタバレを踏みたくない方は、「ネタバレ終了」の描写の部分まで読み飛ばす事を推奨します。
後書きに画像生成AIによるイメージイラストを表示しております。
AIによる生成画像に不快感を感じる方はご注意下さい。
「三つの条件か。聞かせてもらおう」
「一つは『ガイア連合のメンバーに対して、双方の合意無しに
「ああ、同じ組織のメンバーに対するプライバシーの保護か? 当然の要求だし構わないぞ」
セツニキからの報告と、私自身を過去視した事で、ショタおじには私の持つゲーデの権能も当然把握しているか。
今までは遠慮する必要など皆無だったが、組織に所属する以上はそうもいかないのは当然だろう。
とは言え、だ。
「ところで、『双方の合意』がある分には構わないのか? 他にも『ガイア連合以外の者』や『ガイア連合が契約で縛っている悪魔』等の扱いは?」
「転生者同士の模擬戦なんかで、双方が合意している場合は構わないよ。ガイア連合以外の者については、君の良識に任せるよ。信じがたいけど、人間性はまともみたいだしね。契約で縛っている悪魔については、都度許可を取ってね。契約を交わしていない悪魔については問題ないかな」
「一言余計だが、了承した。別に私は快楽殺人鬼と言う訳では無いんだがな? では、これについては詳細を詰めて正式に契約を交わせば良いか? 一応、ソレ系の権能持ちの悪魔からも情報は抜いているからな。不備なく可能だと思うが」
「そうだね。契約書はこっちで用意するから、しっかり確かめてからサインしてくれれば良いよ」
一つ目の条件については、常識的な内容とやり取りで無事にまとまったな。
「二つ目だね。『最低でも終末後まで、海外、特にヨーロッパ方面には行かないでもらいたい』」
「………ああ、黒死病的な意味でか?」
「だね。君の霊的な制御能力を見る限り大丈夫だとは思うけど、わざわざ火薬庫で煙草を吸って欲しくは無いからね」
私の放つ【穢れ】は黒死病を中心としていて、フィレモンから得たペルソナ能力を除く、私本来の異能は『
前々世で黒死病と深く繋がり、前世でも無関係と言う訳ではなく、今世ではコレだ。
言い様によっては私は『黒死病の化身』だからな。そんな概念持ちの私が海外、特に『人口の三分の一を失った』過去のあるヨーロッパへ赴こうものなら、か。納得しかないな。
「これはヨーロッパが危険だから、ではなく、『終末の引き金になりかねないから』と言う認識で構わないか?」
「そうなるね。君の場合だと例えば『黒死病の化身は終末の四騎士に繋がる』とか、
「闘争と飢餓と勝利を飛ばして、いきなり四番目か? 随分とせっかちな連中だな。実は終末が早く訪れて欲しいとでも思ってるんじゃないのか?」
「何とも言えないね」
そう言ってショタおじは肩をすくめた。
メシア教については、私が生まれた時にごっこ遊びで殺した俗物くらいしか詳しい情報源が無かったからな。今後も情報収集が必要となるだろう。
ガイア連合と言う名の組織に所属する以上、運命的な意味でもメシア教にも関わる機会もありそうだしな。異界で殺し続けた木偶とはまた違う天使どもなのか、それとも……ああ、今から殺すのが待ち遠しい。
……おっと、思考がずれているな。
「改めて、その条件も了承した。聞けば納得しかないしな」
「助かるよ。もちろん『絶対に行けない』じゃなくて、『行く必要があるなら、行ける』程度の縛りにしておくから」
「それは助かるな。では、これについても契約は一つ目と同様に頼む」
これで二つ目。次で最後か。
「それで、三つ目だけど────」
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「瑞樹から聞いたわよ!! 新入りの子がペルソナを使えて、しかも滅茶苦茶強いんですって!?」
ショタおじと三つ目の条件についても話がまとまった所で、突如としてそんな声が響き渡り、部屋の襖が開かれた。
「貴女が瑞樹の言ってた子? うっわ、本当にフォーマルスーツのロリカードじゃん!! めっちゃオシャレ!!」
「……琴音、落ち着いて下さい。彼女は今、ショタおじとの面談中なんですよ?」
「いいえ、こんなチャンスは逃す訳にはいかないわ!! 最近は瑞樹が居てくれるけど、今までずっとソロだったのよ? 絆のパワーで戦うペルソナ使いとして、常に頼れる仲間は募集中!! ヘッドハントも辞さないわ!!」
「……すみません。貴女の事を軽く伝えた所、彼女が暴走してしまって……」
「ねぇ、貴女、タルタロスに興味ない? 深夜0時から一時間だけの【影時間】に、ペルソナ使いだけが入れる謎の迷宮!! 中では色んなギミックを解き放題で、色んなシャドウを討伐し放題!! 今なら強くて頼りになる先輩美少女が2人も付いてくるわよ!!」
部屋に入ってくるなりハイテンションでまくし立てるのは、探求ネキから『琴音』と呼ばれた少女。
恐らくは腰ほどまであるであろう、少し癖の強い明るい茶髪をポニーテールにまとめ、頭の左側の髪を束ねるヘアピンはローマ数字の『
見た目や言動に違わず、明るく溌溂とした印象を周囲に与えているな。実に分かりやすい陽キャと言ったところか。
そんな、
と言うかこれ、『ペルソナ3』の移植版に登場した女主人公を幼くしたような容姿だが、
「出たな、妖怪『タルタロス誘い』」
「誰が妖怪よ!? 誰が!?」
「今まで数多くのペルソナ使いをタルタロス攻略に勧誘するも、ことごとく失敗し続け、ついにはペルソナ使い以外にも勧誘をかけ始めた事から、ついた呼び名が妖怪『タルタロス誘い』。まぁ、見ての通り『ペルソナ3』の女主人公の容姿と運命を持った『俺ら』だな」
「汐見琴音よ。よろしくね」
「なお、コテハンは『ハムネキ』な」
「そりゃ、前世だと私もハム子って呼んでたけどさぁ!! 本人になるなんて思わないじゃん!! もうちょっと可愛いの無かった訳!?」
「で、最近は私が琴音に付いてタルタロス攻略に参加していますね」
「瑞樹には本当に感謝してるわ。それはそれとして、もっと仲間が欲しい!!」
まぁ、セツニキの説明と、このやり取りでおおよその事情は把握できたか?
とりあえず、一番気になる点を聞いておくか。
「お前たち三人が、明らかに『元ネタ』より幼いのは、
「有り得そうだとは思ってはいるな。確証がある訳じゃないから、今は『備える時期』だと思って行動している」
「なるほど。ではハムネキのタルタロス攻略もその一環か」
「そうよ!! ねぇ、そういう訳だから、貴女も一緒にタルタロスに行きましょうよ!!」
正直、タルタロス自体は興味がない訳ではない。
だが───
「悪いけど、彼女をタルタロスに行かせる訳にはいかないんだよ」
───ショタおじの言葉が、ハムネキのタルタロス勧誘歴に新たな一敗を刻みつけた。
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|※作者注
|ここから次の文節まで、ペルソナ3のネタバレを描写しています。
|ネタバレを踏みたくない方は次の文節の「ネタバレ終了」の部分まで読み飛ばしてください。
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「それで、三つ目だけど『ペルソナ関係の大型認知世界には入らないで欲しい』だね。具体的には【タルタロス】【マヨナカテレビ】【メメントス】だね」
「あるのか、その三つの認知世界が。正直、興味があるんだが、私を近づけない理由は何だ?」
「認知世界が、人間の心理を何らかの形で反映させた世界だって事は知ってるよね? 認知世界の外から中を覗く事で、心の鏡として機能したり、認知世界に入る事で、対象の認知を書き換える事も出来たりするね」
「ああ、ペルソナシリーズで語られた設定だな。わざわざ説明すると言う事は、
「そうだね。だからこそ
「……ああ、そこで私を認知世界に入れない理由に繋がる訳か」
「そう。君の放つ【穢れ】だけど、ちょっと純度が高すぎるんだ。現実でなら戦いを優位に進める武器になるけど、認知世界では容易に他者の心を穢しつくす諸刃の剣になるだろうね」
「本人としては実感しづらいのだが、理屈は分かるな」
「特にタルタロスがヤバいかな。君の【穢れ】の純度で殺しをしたら、一気に『死の概念』が加速しかねないし、そもそも君自体が
太古の地球に飛来し、地球と衝突する事で、
完全復活すれば、地球上の全生命を殺しつくす存在である以上、間違っても刺激する訳にはいかない。
流石にこれは、私がどうこう言うような次元の問題では無いな。了承以外の選択肢は無いだろうな。
「理解した。要するに私の存在が、
「早々に気付けて良かったよ。ああ、その辺に湧く普通の『認知異界』なら、通常の異界同様に潰す分には大丈夫だろうね」
「ふむ、ペルソナ関係の案件に全く関われないと言う訳では無いと? それなら蚊帳の外に置かれずに済みそうだな」
通常の異界とはまた違う『認知異界』か。機会があれば殺したいものだな。
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|※作者注
|ネタバレ終了。
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「納得しかありませんね。ショタおじの言う通り、早々に気付いて良かったです」
「まったくだ。こうなると、このクソガキの身柄を確保できたのも運が良かったな。知らずに迷い込んでたらと思うとゾッとするぜ」
「えらい言われようだが、私もそう思うぞ。私だって別に無差別に死を撒きたい訳では無いからな」
前々世は死を想って死んだ。
前世は享楽にふけり死んだ。
今世は明るく楽しく、殺したり死んだりするつもりだからな。
だと言うのに───
「「「え?」」」
「……お前たち、私の事を何だと思ってるんだ?」
「殺し愛ガチ勢」
「ドMでドS」
「劇場型の中二病」
「失礼過ぎて、いっそ笑えるぞ」
───誤解が生じているようで嘆かわしいな。
「え~~~? この子そんなにヤバいの? 霊圧も落ち着いてるし、会話も普通じゃん? 本人もタルタロスに行けるなら行きたそうだし、連れてっちゃダメ?」
本気で言っている訳では無いのだろうが、ハムネキは私の勧誘に未練があるようだな。
ふむ、この場合、手っ取り早い説得は……
「ねぇ、
「ほう? 何かな?」
ショタおじは私を
そうなるとこれが初のオーダーと言う訳だ。何を言うのかは分かり切っているがな。
「ハムネキに見せてあげてね」
「
「え? 何? 何が始まるの?」
ショタおじの言葉を受け、すこしハムネキに
私の事を
セツニキと探求ネキは、私とショタおじのやり取りと、これからのハムネキの反応を予想してあきれ顔だ。
「【隠蔽】*1解除。続いて、霊圧の一部を開放」
「───!!!!????」
瞬間、室内の空気が文字通り変わる。私の隠蔽していない霊圧に触れ、清浄と言えた空気は死の気配が濃厚な【穢れ】に浸食されていく。
覚醒していない只の生き物なら、良くて昏睡。悪くなくても死ぬか? ふむ、【魔装術】の理解に伴い、制御力も上がったが出力も上がったな。 体感2~3割程か?
ショタおじには、そもそも【穢れ】は届いていないし、セツニキは軽く手を振って実にスムーズに【浄化】している。探求ネキはしっかりとショタおじの傍のポジションを確保だ。抜け目ないな。
そして、ハムネキはと言うと───
「いやいやいやいや、ないないないない!! 何それ、嘘でしょ!? 生きてる人間が纏って良い【穢れ】じゃ無いって!!」
初めて念に触れたキルアみたいな反応*2で部屋の隅に飛びのいたと思ったら、少しの絶句の後に元気に話し始めているな。
流石はタルタロスを登っているだけあって、この手の【穢れ】には敏感で慣れてもいるな。
「と、まぁ、これが彼女、黒死ネキの放つ【穢れ】だよ。普段はきっちり【隠蔽】できてるし、霊的な制御能力も【魔装術】のお陰で極めて高いから、俺の目から見ても『問題ない』から」
「おや、望外の高評価だな。これは期待を裏切らないようにしなくてはな」
「いや、これで結構悩んでるんだぜ? 君の扱い、マジでどうしよう、って」
「「残当」」
ここぞとばかりにハモるセツニキと探求ネキ。おやおや、手厳しい事だ。
「う~~~~~~…………良く分かったわよ。私が分かってなかっただけね、これ。こんなのタルタロスに持ち込んだら、活性化一直線じゃない」
「分かって貰えて何よりだよ。それじゃあ、探求ネキ、ハムネキの事は頼めるかな」
「ええ、分かりました。琴音、行きますよ。ショタおじたちはまだ面談の途中なんですからね」
「はーーい。それじゃあ、黒死ネキだっけ? タルタロスの件は残念だったけど、今度また食事でもしようね~~」
そう言って二人は退室して行った。
騒がしくも明るく溌溂な
見ていて実に面白いし、是非あと腐れなく殺し合いを……
「黒死ネキ、殺気が漏れてる漏れてる」
「おっと、失敬」
折角高評価を貰ったばかりなのに、少々はしたなかったな。
焦らずとも、お楽しみの機会はこの先幾らでもあるのだからな。
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「それじゃあ、面談はこれで終わりかな。お疲れ様。そして、ようこそガイア連合へ。俺たちは黒死ネキを歓迎するよ」
「お疲れ~。まぁ、納まるところに納まった感じか」
「つつがなくガイア連合に参入で来たようで何よりだ。私も今後が楽しみだよ」
「で、俺たちからは今日は以上だけど、黒死ネキからは何かあるかい?」
ショタおじが気楽に聞いてきたので、良い機会だと思い頼み事をしよう。
ちょうどこの場には、私が知る限り、一番適任な
「では、お言葉に甘えて二つほど頼みたい事がある」
お読みいただき、ありがとうございました。
ロリハム子爆誕!!
いや、一発ギャグではなく、理由もありまして。
最初は普通に妖怪『タルタロス誘い』としてハムネキを登場させようと思ったんですが、そこでふと気が付いたんですよ。
・時系列的に考えて、作中の時代から半終末、終末までに十年前後の時間がある。
・セツニキや探求ネキは、それぞれの作中で年齢的な意味でも成長している。
・登場人物全員が年を取らないサザエさん時空とか、主要人物は据え置きで、任意の人物だけが年を取るこち亀時空でもない限り、ハムネキも年を取っているはず。
・そうなると、ハムネキがガイア連合の初期勢として、ずっとJKの姿でいるのは不自然。
・仮に半終末、終末の時間軸でJKの姿であるなら、時系列的に考えて今はロリだろ、
・『十年前、シャドウ研究所の爆発事故で両親を亡くし、それ以来各地を転々とする』と言うP3Pの設定を踏襲するなら、ちょうどその頃にガイア連合に合流したとすれば辻褄は合う(強引)。
・カオ転読者って、皆、幼女好きだよね?(ォ
と、理論武装も完璧()だし、思いついたネタに走る事にしました(結局は思いつきネタの暴走)。
と言う訳で、本作でのハムネキは当分の間はロリです。ご了承ください。
……この理論で行くと、現在のカヲルニキってショタだよな?
………………問題無いな、ヨシ!!
で、黒死ネキの大型認知世界へ参加できない理由を解説してみました。
そりゃ、こんな劇物を人類の共通認知の領域に入れる訳にはいかないと言うねw
一応、『潰して終わり』系の突発認知
これで作者がネタを思いついた時の保険も確保だな、ヨシ(ォ
次回こそ、前話で予告した黒死ネキからショタおじへのお願いを描写するぞ~~
それでは、今後とも本作をお楽しみいただければ幸いです。
イメージイラスト(AI画像注意)
霊圧を少しだけ開放した黒死ネキ
【挿絵表示】
黒死ネキから放たれる【穢れ】のイメージ(注:恐い系のイラストです)
【挿絵表示】
ロリハムネキ(7~8歳)
【挿絵表示】