【カオ転三次】酒と葉巻と病と死神 ~みんな楽しく踊ればいい~   作:マカーブル

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本作をお読みいただき、たくさんのお気に入り登録やご感想をありがとうございます。
誤字脱字の指摘等も、いつも助かっております。

作中の挿絵として画像生成AIによるイメージイラストを表示しております。
AIによる生成画像に不快感を感じる方はご注意下さい。


思い付き番外編も前編、中編とそこそこ順調に投稿し、さて後編……と、書き進めていたら、何か必要以上に文章量が膨らんで1万文字を超えても書き終わらない。
リアル事情で執筆できない日もあるし、これ以上投稿間隔を空けたくない。
見所も分散されてる印象になったので、ここは予定とは違うけど後編を分割する事にしました。
若干、盛り上がりに欠けるかもしれませんが、ご了承いただけると幸いです。





番外編 上げて落とすのは、芸人に対するお約束なのだろう?

 

 

「はぁ…… まったく、何でこんな事になるかなぁ……」

 

「公正公平な等価交換と、少しの偶然、後は私の()()()が想像以上に上手くいったせいですね」

 

「それをきっちり自覚した上で狙ってやってるから、なおさら質悪いよね。油断してたボクも悪いんだろうけどさぁ」

 

 

 そう言いつつ、キノネキは目の前で澄ました表情でいる()()()()()に向かい銃を構える。

 いつの間にか彼女の思い通りになってしまった事を認めつつも、どこか納得のいかない想いを抱えて。

 

 そして、こちらに向かって銃を構える、()()()()()()()()()()()()()()姿()()()()をその目に捕らえつつ、キノネキは今夜の出来事を回想するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 対化物戦闘用13mm拳銃『ジャッカル』

 全長39cm 重量16kg 装弾数6発

 専用弾 13mm炸裂徹鋼弾

 弾殻 純銀製マケドニウム加工弾殻

 装薬 マーベルス化学薬筒NNA9

 弾頭 法儀式済み水銀弾頭

 

 前世では漫画『HELLSING』に登場し、主人公(アーカード)の愛銃として猛威を振るった代物で、『女神転生』シリーズでもストレンジジャーニーにて『ジャッカルP』の名で登場している。

 

 元々はガイア連合の新潟県魚沼支部長である田舎ニキが、以前にオーストラリアで【ユルング】と戦う事になった際に報酬の先払いとして手に入れた経緯がある。*1

 その誕生経緯は、所有者の居なくなったデモニカの初期化の際に、主亡き後もデモニカ内部にあった死してもなお悪魔に対して戦いを挑まんとする決意と意思のMAGが、結晶化して生まれた魔銃である。

 

 仮にジャッカルPがオカルト銃でなくとも、その重量と発砲時のリコイル(反動)だけでも人類には扱えない代物であり、元の持ち主である田舎ニキも、自身が【魔】特化型である為、撃つたびに腕がきしみ、数発も連射すれば骨折するような代物なのだと言う。

 

 結果、田舎ニキはより相性の良い『古式呪唱銃』……星方武侠アウトロースターの『古式銃(キャスター)*2へと持ち替える事を検討していたのだが、その際に黒死ネキ(ガワがロリカード)と言う能力的にも問題なく『ジャッカルP』を使いこなす事が出来て、なおかつ、『HELLSING』の元ネタ再現にもなるトレード相手に巡り合ったのである。

 

 黒死ネキ自身も『ジャッカルP』をいたく気に入り、本来のトレード対象の【偽装】のスキルカードだけでなく、追加でマッカも支払う大盤振る舞いも見せている。

 そして、『ジャッカルP』は黒死ネキの手に渡り、彼女のお気に入りとして日々悪魔を打ち抜き続けているのである。

 残弾? どれだけ撃っても弾切れとは無縁の100万発入りのコスモガンですが何か?

 爆弾? 誕生経緯的にそんなもん仕込まれていませんが何か?

 

 

 

 


 

 

 

 

「───と、言う経緯で田舎ニキとのトレードで手に入れてな」

 

「おお~、正直羨ましいな。ボクはどっちかと言うと銃はリアル志向だけど、フィクションを再現した物も同じくらい興味があるし」

 

 

 山梨県富士山中 星霊神社のガイア連合山梨支部にて黒死ネキとキノネキは談笑していた。

 会話の内容は黒死ネキの手に入れたジャッカルPや他の原作再現の銃器についてだ。

 

 

「私も元ネタ再現は割と意識はしているな。『HELLSING』原作に登場した銃器などは一通り揃えてコレクションしているしな」*3

 

「え!? それじゃあ、ジャッカル以外にもハルコンネン*4とか、ワルサーP38*5とかあったりする?」

 

「ああ、ハルコンネンは見た目だけだが、チャイカに持たせようと思って製造部に依頼して作らせたな。ジャッカルもそうだったが、いずれは本物を手にする機会もあるかも知れん。ワルサーP38もあるぞ。まぁ、新規作成のレプリカだが」

 

「へ~。けど、結構意外だったよ。黒死ネキってどっちかって言うと銃よりも大鎌で直接殺しにかかるイメージだったし」

 

「別に間違いでは無いぞ? 実際に私が一番よく使うのは大鎌だしな。それはそうと、興味があるなら見に来るか? 私もキノネキの銃知識やコレクションには興味があるしな」

 

「いいの? それじゃ、お言葉に甘えようかな」

 

 

 意外なところで意気投合する事になった、合法ロリ同盟の黒髪銃使い(片方は専業では無い)の二人は、この後、黒死ネキの個人宅にて夜が更けるまで銃談議に花を咲かせる事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「スリーブガン? そうだね、実用性で選ぶならウェルロッドかな? Mk.Iが9x19mmパラベラム弾、装弾数5。Mk.IIが.32ACP弾、装弾数6。正直円筒にグリップが付いただけでデザイン的にはカッコ悪いけどサプレッサー一体型で実際にイギリスやアメリカの特殊部隊が使用してるよ。ボルトアクションで単発なのも欠点かも?」

 

「デザイン優先ならFN ポケット・モデル M1906。その改良型のFN ブローニング・ベビーかな? これは双方とも.25ACP弾、装弾数6。シングルアクション。フランスやスペインでもコピー生産されてるよ」

 

「FN ポケット・モデル M1906にはアメリカ輸出仕様も有って、これを原型にコルト M1908 ベスト・ポケット その後継ジュニア・コルトを製作しているよ。これは双方とも.25ACP弾、装弾数6。シングルアクション」

 

「威力で選ぶかカッコよさで選ぶかは好みだね。実質ウェルロッドとデリンジャー、そしてFN ポケット・モデル M1906とその派生しか選択肢はない感じかな。ボクならコルト一択だね!!」

 

 

 以上、「スリーブガンで何かお勧めはあるか?」と言う黒死ネキの軽い質問に対するキノネキによるガチすぎる返答である。

 あらゆるジャンルにおいて、マニア(オタク)は同好の士を得た時と自身の知識を披露できる機会を得た時は、普段の10倍以上喋るものなのである。

 それはガイア連合有数のガンマニアであるキノネキも例外ではないらしい。

 

「ふむ、私も原作再現と言う事で『犬の餌』*6の持っていたワルサーPKK*7なら持っているのだがな」

 

 

 そう言って黒死ネキが軽く右腕を振ると、その手には銃身83mm、全長155mm程の小型拳銃が握られていた。

 

 

「単にコレクションアイテムとして用意したが、結構使い勝手は良いな。()()()()()()()要人警護官(SP)がコレの後釜としてSIG SAUER P230*8を採用しているのだったか? ああ、そう言えば『キノの旅』の作者のペンネームの元ネタでもあったな*9

 

 

「えーと、黒死ネキが意外とそっち方面の知識があったのにも驚いてるけど……そのワルサー、()()()()()()()()()

 

 

 キノネキが驚くのも無理は無く、黒死ネキの現在の姿は10歳前後の少女の姿に黒い()()()()()()()ネグリジェを纏っただけの、可憐さと妖艶さが混然一体となった姿であり、隠す場所など無い、()()()()()()()()()を振ったらその手に拳銃が握られていたとあれば、「どこから出した?」と思うのは当然である。

 

 

「さぁ? 召喚したのかもしれないし、生成したのかもしれないな。手品の種明かしは、正解を言い当てられた時だけにするものだろう?」

 

「あー、確かに。よく考えたらボクも似たようなことは出来るし、その格好でされたからちょっと驚いちゃったね」

 

 

 愉快そうに笑う黒死ネキと苦笑するキノネキ。

 あくまで原作再現アイテムのコレクションとして銃器を飾っている黒死ネキと、純粋なガンマニアとしてそれを楽しむキノネキと言う、少しずれつつも重なる点も多い同好の士として、割と穏やかな時間は過ぎて行く。

 

 ───が、

 

 

 

「お、かかったか」

 

「どうかしたの、黒死ネキ?」

 

 

 

 ───穏やかな時間は、喜劇の時間へと移り変わる事となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、場面は喜劇の会場へと移る。

 

 

「「「全力で黒死ネキは処女なのかの答えを導いて見せる!!」」」

 

 

 

「あははははははは。あいつら、小賢しく小声で話していたと思えば、既に絶叫になっているじゃないか。これも一種のお約束と言うやつか?」 

 

「……ホントにあいつら、毎度毎度……懲りないなぁ……」

 

 

 知人宅で趣味談義をしていたら、唐突に「面白いものが見れるだろうから、一緒に来ないか?」的なノリで誘われたキノネキは、現場に到着すると同時に「またあの三馬鹿ラスか」と呆れると同時に、その末路も予想がついた。

 さっき黒死ネキの言っていた「コレクションが増える」と言う言葉通りなら、これからあの三馬鹿ラスは黒死ネキに蒐集される、つまり殺される事になるのだろう。よりによって猥談のネタにしているのが黒死ネキならば猶更だ。

 ……と、最初は思っていた。

 

 しかし、予想外なことに当の黒死ネキ自身は、すぐに三馬鹿ラスの前に姿を見せる事無く、愉快な喜劇でも観賞するかのような表情で三馬鹿ラスの猥談を眺め続けていた。

 それも、わざわざ周囲にバレないようにする()()まで行って、だ。

 

 そんな事とは露知らず、三馬鹿ラスの討論は激化の一途をたどっていく。

 傍で聞いているだけでも「中世ヨーロッパ出身者だから若くしてヤることは当然だと思っている」だの、「初めては結婚する人と」と希望しているだの、「私よりも強い相手に奪われたい」願望があるだの、本当に好き勝手言っている。

 それどころか、内容はどんどん斜め上にエスカレートして、黒死ネキへの考察どころか、単に自分たちの性癖を声高々に叫んで互いの罵り合いへと発展していっている。

 何なんだ、「チェリーを食い散らかす」とか、「ワカラセからのクッコロ」とか、「処女を賭けても良い」とか!!

 

 

「あはははははは。あいつらの中で私はどんなキャラなんだ? 貞操観念の緩い売女なのか、初心(うぶ)未通女(おぼこ)なのか、マゾヒストなのか、サディストなのか、単なる耳年増なのか、もうさっぱり分らんなぁ!!」

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

「ええ~~~………………(顔真っ赤) 黒死ネキは良いの? こんな好き勝手ネタにされてるのに……」

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 自分が猥談のネタにされているにも関わらず、一切怒る事も恥じ入る事なくケラケラと笑いながら観賞を続ける黒死ネキ。

 キノネキからすれば知人をネタに繰り広げられる猥談を、知人本人の横で聞かされ続けると言う、ある種の拷問を受けているのだが、それすらも愉快だと言わんばかりであった。

 ネタにされている当人が怒りも恥じらいすらもしない以上、一応は部外者の自分が割って入るのは筋違いになるのでは? と、判断に困る状況に陥りアワアワと顔を赤くして狼狽えるしかないキノネキは「え? 何でボクはここに居るの?」「これ、もしかしてこいつらの話が終わるまでずっとこのまま?」「って言うか、何で黒死ネキはボクをここに連れて来たの?」等々、思考がグルグルと回り、結論の出ない疑問に囚われているのであった。

 

 だが───

 

 

 

「あー、流石に一旦クールダウンするか。ラチが明かねぇ」

 

「だな。いつもみたいにヒートアップしなかったからか、頭に血が上っても落ち着くのも早いわ」

 

「確かに、頭を冷やすべきですね。では、改めて癖の主張では無く、確かな根拠を持っての討論としましょう」

 

「おお、それなら参考資料にしようと思って持ってきたブツがある。お前らもこれさえ見れば、俺の主張こそが真理だと理解できるはずだぜ」

 

 

 

 ───馬鹿が己の運命を決定づける書物(ナマモノ本)を取り出した事により事態は動き出す。

 

 

 

「ああ、あいつら()手に入れたのか。()()()()から製本まで結構早かったようだな」

 

「は? ちょ!? ええええええええええ!!!?」

 

 

 『ボクと師匠のヒミツの関係

 182mm×257mm程のサイズの数十ページの冊子で、俗に言う、B5サイズのR-18同人誌であり、内容は『黒死ネキ×キノネキの薄い本』である。

 自分と隣の知人が裸で絡み合っているナマモノ本を目にし、黒死ネキは特に焦らないが、キノネキは違う。

 何もかも予想外であり、ある種の羞恥プレイを味わっていた最中に、唐突に自分が(無断で)モデルにされたR-18本の登場である。

 

 

「え? 何それ? 聞いてない!! ボク、そんなの知らないんだけどぉ!?」

 

「まぁ、書いたのはいつも通りナマモノネキだしな。モデルに無許可なのもいつもの事だ。何気に内容自体は結構芸術性が高かったから、ネタとは言え侮れんぞ?」

 

何で内容知ってるの!? って、今はそっちよりも、あいつらの口を封じないと!!」

 

 

 既に本として世に出てしまっているとは言え、目の前でDTDK(エロ男子)に自分を(無断で)モデルにしたエロ漫画で馬鹿な猥談とかされてたまるか!!

 既に手遅れとは言え、ヤりたい盛りの馬鹿ども(D T D K)にナマモノ本の内容を語られて、ただでさえ赤かった自分の顔は、直接的な羞恥で更に真っ赤なっているのが自覚できる。

 

 やっちゃおう。あいつらをやっちゃおう!!

 

 銃を構えるのはボクだ。

 照準を定めるのもボクだ。

 (アモ)弾装(マガジン)に入れ、遊底(スライド)を引き、安全装置(セーフティー)を外すのもボクだ。

 そして、もちろん引き金を引くのはボクの意志だ!!

 

 この場に来る前に返そうとしたのに、何故か「そのまま持っておいた方が良いぞ?」と持たされたままだった()()()()()P()を熟練の手さばきを持って一瞬で発射可能な状態へとし、右手で持った()()を左腕を台座として固定する。*10

 

 既に三馬鹿ラスの自分たちをネタにした妄言は完全にライン越えの領域であり、妄想100%の同人誌の内容をさも真実であるかのように思い込んですらいる。

 これ以上の発言を許せば、どんな妄想を垂れ流されるのか分かったものではない。

 一瞬でも早くこの馬鹿話を止めさせる!!

 

 

「つ、つまりこの書物に描かれている事とは!?」

 

「ああ、きっと真実なんだろう!!」

 

「そうか、既にキノネキは黒死ネキに性的に喰われて───」

 

 

 

 

「───いる訳ないだろうがァぁぁぁぁああああああああああぁぁああーーーーーー!!!!」

 

 

 

Bang!!   パリーーーン!!   ズドン!! 

 

 

 

 我慢の限界を超えて絶叫となったキノネキのツッコミと共に放たれたジャッカルPの弾丸は、それまで三馬鹿ラスを外部から遮断していた【()()】の効果を貫通し、()()()()()()()()()()()()三馬鹿ラスの中間地点の地面へと着弾。

 繰り返すが、()()()()()()()()()()()()着弾した弾丸は、地面を広範囲に渡って抉り飛ばし、その衝撃は三馬鹿ラスまで届いたのである。

 

 

「あ…い…?」

 

「う……え……?」

 

「お………?」 

 

 

 熱狂を一瞬で冷ます、冷や水ならぬ超威力の弾丸に、呆然とする三馬鹿ラスの前に───

 

 

「おやおや、特攻付きとは言え、()()()()()()を貫通するか。流石は特化型とでも言うべきなのだろうな」

 

「いや、のんきな事言ってる場合じゃ無いからね!! 今度と言う今度はライン越えだからね!!」

 

「「「あ、あ、あ……」」」

 

「やあ、三馬鹿ラスの諸君。良い夜だな。相変わらずの馬鹿っぷりで何よりだ」

 

「それで? 言い残す事はある? あっても聞いてあげないけどね!!」

 

「「「アイエエエ!! 黒死ネキとキノネキ!? 黒死ネキとキノネキナンデ!?」」」

 

 

 

───つい先ほどまで、サスケニキの手に意気揚々と掲げられていた書物(ナマモノ本)のモデルとなった二人は、その黒いネグリジェとベージュのパジャマを三馬鹿ラスの前に晒したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやいや、実に面白いトークライブだったな。()()()大いに笑わせてもらったぞ」

 

「……正直ね、当事者の黒死ネキが気にしないで笑ってるんだったら、ボクが出しゃばるのも違うかなって思って我慢してたんだよ……けど、無断でモデルにされた同人誌で勝手に手籠めにされてる事にされて、我慢とかできるわけないだろぉ!!

 

 

 『不自然なほどに自然な静寂』は、突如として響き渡った銃声によって()()()()()、取り戻された『自然な静寂』は、再び上書きされた『静寂』に支配される。

 そんな【隠蔽】された場所に、5人の男女は顔を合わせていた。

 男女の関係を一言で表すのなら、『下ネタ芸人と死刑執行官』だろうか。

 

 そんな中、恐怖と緊張感で動転しつつも、3人の男性───三馬鹿ラスの一員であるサスケニキは何とか口を開いた。

 

 

「……あ、あの、お二人は一体いつからそちらにいらしたのでせうか? 気のせいでなければ、見えない壁の向こうから突然現れたような……」

 

 

 それは、恐怖を上回る疑問。

 確かにこの二人は、自分たちなど比較対象とする事すらおこがましい強者だが、それでも気配を消して接近していたにしては登場が突然すぎる。

 まるで、『()()()()()()()()()()()()()()()()()』とでも言うような登場だったのだから。

 

 

「ああ、その認識でも合っているぞ。折角の生ライブなのだから、つい()()したくなってな? ()()()()()【隠蔽】を施して、周囲に気付かれないようにして、好き勝手している所を観賞させて貰っていた。今回は私が処女か否かがお題のようだが、()()()()、尽きる事なき猥雑なネタには感服するな」

 

「「「………(滝汗)」」」

 

 

 バレてないと思っていたのは自分たちだけで、当の本人にその様を笑いながら見られていた。

 その事実を理解し、流れる汗と震える体が止められない三馬鹿ラス。

 

 

「巻き込まれたボクはたまったもんじゃ無いんだけど!? もしかして、最初からこうなる事を分かっててボクを連れて来たの!?」

 

「いいや? 期待はしていたし時期的にそろそろだとは思っていたが、こいつらのトークテーマまでは実際に始まるまでは分からないからな。ここまで都合よくハマるとは思っていなかった。正直私も驚いている」

 

「……ええと、それ確信はしてなくても、ある程度は予想がついてたんだよね? どういう事なのか説明してもらっても良い?」

 

「先ほども言っただろう? 手品の種明かしは、正解を言い当てられた時だけにするものだと。真相が気になるのなら、まずは考えてみると良いぞ。きっと愉快な結論に至れるからな」

 

「……うわぁ、悪い顔してる。それ、結論に至っちゃったら取り返しがつかなくなるやつなんじゃないの?」

 

「だが、気になるんだろ?」

 

「それはそうだけどさぁ……」

 

「あ、あの……」

 

 

 愉快そうな黒死ネキとゲンナリしているキノネキであったが、そこにクロマニキが意を決したように……否、実際に決死の覚悟で話しかけて来た。

 

 

「キノネキはお怒りである事は分かりましたが、その……黒死ネキは私たちの討論で不快な想いなどは……その……」

 

 元々、今回の三馬鹿ラスの討論は「黒死ネキにバレたら殺されるだろうから、バレないようにヒートアップしないようにしよう」と言うコンセプトで行われていた。

 しかし、討論の中で「黒死ネキはエロに寛容である」と言う、三馬鹿ラスの中での真実に至り、シバき合いにこそ発展しなかったものの、いつの間にか普段と変わらぬ絶叫混じりの言い争いになった事には変わりは無い。

 討論がどれ程都合の良い結論に至ろうとも、結局のところ自分たちの生死は目の前の黒死ネキが握っており、現在は文字通りの生きるか死ぬかの瀬戸際なのだ。

 ならば、どれほど恐ろしくとも確認しなければならない。

 自分たちの討論を、黒死ネキがどう感じていたのかを、だ。

 

 

「ああ、()()()()()愉快なトークライブだったぞ。()()()楽しませてもらったとも。次回も期待しているぞ」

 

 

 黒死ネキのその言葉に、「自分たちは死なずに済むのか」と表情を輝かせる三馬鹿ラス。

 やはり黒死ネキはエロに寛容だった。それどころか、推奨すらしてくれている。

 自分たち的には真面目にしている討論が、完全にお笑い芸人のトークライブ扱いになっているが、些細な問題だ。

 魅力的であるも恐怖の対象でもあった黒死ネキが、気軽に、明るく、恥じる事無く普段から猥談をするような、つまりは自分たちのような者の理解者となってくれる事の方が余程重要だ。

 

 

「そ、それでは私たちは!!」

 

「ああ───」

 

 

 そんな三馬鹿ラスの想いを、黒死ネキは十二分に理解しており、だからこそ───

 

 

 

「───もちろん、この後ちゃんと殺すぞ♡」

 

 

「「「何でぇええええええええ!!!???」」」

 

 

 

───『上げて落とす』のが芸人へのお約束だと言う事も、当然理解しているのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
名無しのレイ様 作 【カオ転三次】故郷防衛を頑張る俺たち 第六十七話 オーストラリアへ。 より

*2
実質MPを弾丸へと変化させる銃であり、膨大なMPを所有する田舎ニキならマシンガンのように乱射可能。なお、デザインは超ダサイ模様

*3
主に『HELLSING』作中に登場したイギリス銃やドイツ銃等旧ソとかベルギー製の銃もそれなりに

*4
漫画『HELLSING』に登城するオリジナル兵器。吸血鬼セラス・ヴィクトリアの主兵装。30mm対化物用『(カノン)』。弾は劣化ウラン弾と爆裂徹鋼焼夷弾。主力戦車(MTB)を除く全ての地上・航空兵器を撃破できる。

*5
実在する拳銃。ルパン三世の愛銃としても有名。『HELLSING』では少佐が使用していた。

*6
ルーク・バレンタイン(CV子安武人)。漫画『HELLSING』における記念すべきアーカードに()()()()()()吸血鬼第1号(連載順的な意味で)。

*7
ドイツのカール・ワルサー社製の小型自動拳銃。警察用拳銃のワルサーPPを小型化した物。小型軽量で隠しやすく、ジェームス・ポンドも愛用。どこぞのチョビ髭も32ACP弾仕様のPKKを所持しており、自殺の際に使用したらしい。

*8
スイスのSIG SAUER(シグ・ザウエル)社が製造している自動拳銃。1970年代に活発化したドイツ赤軍などの極左組織に対抗するためにより強力な新型拳銃を求めており、新型拳銃のトライアルにP230も候補の1つとして提出された。

*9
『時雨沢恵一』の時雨沢は銃器ブランドのSIG SAUER(シグザウエル、シグザウアー)を英語風に発音した「シグサゥアー」からとったもの。

*10
『HELLSING』でアーカードがよくやってた構え方






お読みいただき、ありがとうございました。

はい、前書きにも書きましたが、予定よりも文章量が膨れ上がって書き終わらず、投稿間隔が開き過ぎになりそうで、SS1話分としての見所も分散されちゃいそうなんで、素直に分割です。
結果的に後編その1,2みたいな形になるので、後日に話が出揃ったら通し番号とかにタイトルを変更しようかな……

キノネキの語ったスリーブガンのガチ解説は、以前私がキノネキの作者の山親父様の感想欄で「スリーブガンのお勧めある?」と書いたら帰って来たお返事を、そのまま流用させていただきました。
いつか絶対使わせてもらうと決めていたので、使えてよかったw
山親父様、と言うか、キノネキ、ありがとうございます。

結局ヒートアップして大声になってる三馬鹿ラスが何故周囲にバレなかったのかと、黒死ネキとキノネキ視点での描写となります。
黒死ネキに関しては、大方の予想通り「猥談程度じゃむしろケラケラ笑って観賞する」になります。
キノネキに関しては、彼女は総受けネコと言う評価に反対意見がまったくつかないと言うネw

後編その2では結構露骨に散りばめられた違和感の正体を判明させる予定です。
お楽しみにお待ちいただければ幸いです。


・黒死ネキ
今回の一件の黒幕(ォ
いや、だって色んな意味でバレバレだし?w
お気に入りの芸人のトークライブを満喫する。この後コレクションを増やす予定。
今話での挿絵は、この世界線での【魔装術】を使っていない実年齢の姿。つまり10歳前後。
彼女が裏で何をしたのかは、次話をお待ちください。


・キノネキ
今回の一件の被害者枠(
「三馬鹿ラスが馬鹿やって、その被害者にぶっ飛ばされる」と言う様式美を担当w
いや、だって黒死ネキってエロじゃ動じないし、代わりにリアクションしてくれる人が必要ですし?
今回は自分が猥談の対象じゃないと思っていたら、不意打ちで自分の総受け本を持ち出されてキレる。残当。


・三馬鹿ラス
狂言回し。こいつらを登場させる=こいつらを酷い目に遭わせる、な訳ですが、基本的に自業自得だからみんな笑って済ませてくれる。
今話であっさりと死刑宣告を受けた訳ですが、果たして次回で生存の目はあるのか?
正直、自分で言っといて「ネェな」と言う感想しか出てこないw



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