【カオ転三次】酒と葉巻と病と死神 ~みんな楽しく踊ればいい~ 作:マカーブル
本作をお読みいただき、たくさんのお気に入り登録やご感想をありがとうございます。
誤字脱字の指摘等も、いつも助かっております。
作中の挿絵として画像生成AIによるイメージイラストを表示しております。
AIによる生成画像に不快感を感じる方はご注意下さい。
後編その2もようやっと書き終わった~ 何でまた一万文字越えてるかな?
書きたい事書いてたら文字数が膨れ上がったからですね。まさに自業自得。
今話にて思い付きの番外編も終了となります。
書き始めた時はこんなに長くなる予定じゃ無かったんですが、まぁ良いか。
このSSを読んで、お楽しみいただけましたら幸いです。
希望は一瞬にして絶望へと反転し、死への恐怖はより生への執着となって心を苛む。
助かると思ったのに。彼女は楽しそうに笑っていたのに。見逃してくれそうな雰囲気だったのに。
「何故?」
その言葉は彼らの頭を占め、その疑問は一時的に恐怖を超えて回答を求めた。
要するに、どれだけ恐くても聞かずにはいられなかった。
「あ、あの、やっぱり俺たちの討論がお気に触られたのでしょうか?」
「いいや? いつも通り愉快なトークライブだったぞ」
サスケニキの似合っていない敬語での問いに事も無げに答える。
「じゃ、じゃあ、キノネキのお怒りを鎮めるために?」
「いいや? 普通に私がお前たちを殺すつもりなだけだが?」
ヨロイニキの
「で、では、ガイア連合の風紀の為……なのでしょうか?」
「いいや? と言うか風紀を乱している自覚があったのかお前たち?」
クロマニキの自分たちを客観視した疑問にも否と答える。
「「「じゃあ、何で!?」」」
自分たちが気に障った訳でも無い。知人の怒りを鎮める為でも無い。所属組織の風紀の為でも無い。
では、黒死ネキが自分たちを、ちょっとコンビニに寄る程度のノリで殺そうとしているのは何故だと言うのか!?
「『私にバレたら殺される』のだろう? そう言う縛りでトークライブをしていたのだろう? その恐怖で殴り合いを自制できたのだろう? そのお陰で馬鹿なりに結論に至れそうになったのだろう? じゃあ、
「「「……あ、あ……あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!」
確かに言った。「バレたら殺される」と。
確かに思った。「殺されたくないから、バレないようにしよう」と。
確かに至った。「黒死ネキはエロに寛容だ」と言う結論に。
しかし、だからと言って、そう言われればそうなのだろうけれども!!
「ち、違ッ!? いや、違わないかも知れないけど、違ッ!?」
「あ、あれは俺ら馬鹿どうしの馬鹿な馴れ合い的な、馬鹿なあれで、その!?」
「決して!! 決してそのような立派な覚悟があったというわけでは無いのです!! 馬鹿な私たちの馬鹿な過ちだったのです!!」
「「「どうか、どうかお慈悲をぉおおお!!」
自分たちの命が掛かっている以上、当然ではあるが見苦しくもある命乞いをする三馬鹿ラス。
だが、彼らも心のどこかで分かっているし諦めている。
黒死ネキが「殺す」と宣言した以上、自分たち如きがどう足掻こうと無駄なのだと。
それでも、例え可能性など皆無であろうとも、生き足掻きたいじゃない、人間だもの。
「良いぞ」
「「「「え?」」」」
「私はこれで結構慈悲深くてな? 殺す事は撤回しないが、楽しませてもらった分程度は良い想いもさせてやるさ」
「「「「えええええええ!!??」」」」
叫び声は4つ。当の三馬鹿ラスと横で聞いていたキノネキの物だ。
絶対にオモシロ無惨に殺すと思っていた黒死ネキから、まさかの慈悲を掛けると言う発言。
三馬鹿ラスの嘆願が通じたと言うのか? 奇跡が起こったと言うのか!?
「ちょ? 黒死ネキ?」
「何、ちょっとした取引だ。公正公平な、な。知っての通り、私は【ゲーデ】の権能で『私の傍で死んだ者の全情報を蒐集出来る』。ただ、ショタおじとの契約で、これには当人同士の合意が必要なんだ。これからお前たちを殺す際に、お前たちの
そう言って黒死ネキはその可憐さと妖艶さが混然一体となった視線を、三馬鹿ラスの一人一人に向ける。
10歳前後の幼い姿であるにも関わらず、同い年の少女と戯れるような、遥かに年上の女性に弄ばれるような、殺される寸前だと言うのに心地よさすら感じる三馬鹿ラス。
思わず陶然とする三馬鹿ラスに対し、黒死ネキは言葉を続ける。
「お前たちが死の恐怖を感じながらも、知りたかった事を教えてやろう。討論したんだろう? 互いに罵り合ったんだろう? 良いぞ、教えてやろうじゃないか───」
そして、紡ぎ出されるのは、まさしく悪魔の囁き。
「───『
そして訪れる余りにも長すぎる一瞬。
「ちょ!? 黒死ネk───」
「「「分かりましたぁぁあああああ!!!!」」」
その一瞬の静寂の後、驚きの声を上げようとしたキノネキだったが、それを遮るように三馬鹿ラスの絶叫が響き渡る。
「黒死ネキが処女かどうかを教えていただけるのなら、俺らの記憶とか幾らでも捧げます!!」
「俺ら如きに、過分なお慈悲を賜り、恐悦至極とはまさにこの事!!」
「黒死ネキが処女かどうかと、私たち三人の全ての記憶。死出の手向けに吊り合うはずもない価値を等価と扱っていただけた事、誠にありがとうございます!!」
「え? ちょ、君たち!?」
「取引は成立だな。
「ん? ねぇ、ちょっと黒死ネキ?」
黒死ネキの言葉に違和感を感じ、問いただそうとしたキノネキだったが、それは黒死ネキが片手を上げて制した事により中断される。
この時、もっと早くに真相に気付いていれば、もう少しは結果は違っていたのかなと、後にキノネキは思い返す事となるが、状況は既に後の祭りだった。
「さて、私が処女かどうかだが……」
美少女説明中 ───しばらくお待ちください─── 美少女説明中
「「「おおおおおおおおおおおおおお!!!!」」」
「───………ッ!?(真っ赤)」
黒死ネキが言葉を終えた時、三馬鹿ラスは歓喜と感動に打ち震え、天を仰ぎ滂沱の涙を流し続けていた。
我が人生に一片の悔い無しとはこの事か!!
この後すぐに殺されるのは分かっていても、己の選択に後悔などあるはずがない。
死ぬまでの僅かな時間をこの『
キノネキは口をハクハクと震わせながら、顔だけでは無く全身を真っ赤にさせていた。
黒死ネキの実年齢は自分の半分ほどのはずだ。
そりゃ、彼女は前世のみならず前々世の記憶も保持しており、色んな意味で人生経験豊富だろう。
だからと言って、あそこまで赤裸々に語れるものなのか?
「さて、三馬鹿ラスの諸君。覚悟は良いかな?」
「「「はい!!!!」」」
「あははははは。
黒死ネキは心底愉快そうな表情で大鎌を構え、三馬鹿ラスへ向けると、彼らへ最後の言葉を送る。
「───このやり取りも、これで
「「「え?」」」
三馬鹿ラスは、最後に「それはどういう……」と、疑問を思い浮かべるも、次の瞬間には黒死ネキの大鎌によって痛みも心構えも無く首を刎ねられる事となった。
そして、ほぼ同時に【
その場に倒れた三馬鹿ラスは、傍目にはただ屋外で寝こけている様にしか見えない。
そして、三馬鹿ラスの情報を、その権能で蒐集した黒死ネキは───
「あはははははははははははははは!! くふッ!! ふはッ!! あはははははは!! ちょ!? おまっ!? あはははは!! くはっ!! ゲホゲホッ!! あははははははははは!! 腹が!! 痛い!! あははははははははは!!」
その目に涙さえ浮かべて大爆笑していた。
そして、その様子を見ていたキノネキは、ようやく共感性羞恥による赤面も治まり、冷静な思考が出来るようになっていた。
そして、今夜の出来事を思い返し、自身の感じた違和感について考えを巡らせる。
「これって、もしかして……」
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「あはははははは。ああ、今回も最高に笑えたな。やはりこいつら、面白過ぎるな!!」
ひとしきり大笑いし落ち着いたのか、余韻に浸りつつも満足した様子の黒死ネキ。
それに───
「黒死ネキ、これって貴女の仕込みだよね?」
───今夜はまだまだ楽しめる。
「あはははは。手品のタネに予想はついたかな、キノネキ?」
「わざわざヒントをばら撒いてたのって、ボクに気付かせたかったからでしょ? さっきの「3回目」とか、もうほぼ答えだよ。それに、いつもは「情報の蒐集」って言ってる黒死ネキがあいつらに敢えて「記憶を寄こせ」って言ったのって……」
「『美しい記憶の国』だったか? アレは中々印象深いエピソードだったな?」
『美しい記憶の国』
ライトノベル『キノの旅』におけるエピソードの一つ。
入国は自由だが、出国時に滞在時の記憶を消す薬を飲む事に同意しなければならない国の話。
滞在時は快適に過ごせるが、国の中の様子は国の外の誰にも伝えさせては貰えない。
大雑把にはそんな内容のエピソードだ。
どれほど美しい記憶であろうと、覚えておくことはできない。
誰かに言葉で伝える事も出来ない。許さない。
美しい記憶を得たと喜んでいた三馬鹿ラスも、それを覚えておくことは出来ない。
だって、
「あのエピソードは言外に伝えたい事とか、他にもあったと思うんだけどね。『人の言葉』じゃ正しく伝わらないから、『それ以外なら』って想いとか」
「それには同意するが、私の持ち出す取引の裏も読まずに、何回も同じ手口であっさり引っかかるあいつらも正直どうかとは思うぞ。ちょろい分には私が得をするだけだがな」
「まぁ、それはあいつらの自業自得だし良いんじゃないかな? それよりも……」
結果的に何も得る事無く、黒死ネキに記憶を差し出すだけとなった三馬鹿ラスの事はあっさりと捨て置かれ、キノネキは話を進める。残当。
「正直、聞きたくないけど聞かなきゃ気になって仕方なくなると思うんだよね。黒死ネキは蒐集した情報をコレクションしているし、モノによっては
「しているな。キノネキも知っての通りだ」
「うん、ボク自身も黒死ネキの蒐集した深層の悪魔の情報とかを貰った事もあるしね。けど、今回の件で確信したけど、黒死ネキって
「しているぞ。もちろん多少の検閲はしているがな」
「……それって、もちろんあいつらの情報も……」
「大人気商品だぞ」
「……それ、トレード相手にナマモノネキとかいたりする?」
「取引相手の情報は渡せないな……と言いたいところだが、アレに関してはお互い様だな。いるぞ」
なお、キノネキには知る由も無かったが、他にもセツニキやミナミィネキ等も常連である。
セツニキは「あいつら面白過ぎだし、過去スレ漁るよりも確実だし」と黒死ネキと似たような理由で、ミナミィネキは「彼らって、結構な頻度で斬新な切り口でのエロ視点を発掘したりするんですよね。割と参考になりますから」との事。
黒札は娯楽とエロに常に飢えていると言う事の証明みたいなものである。
「うん、ナマモノネキは作家だし、あいつらが傍から見たらネタで満載なのも分かるんだよ。それで、黒死ネキがナマモノネキから得ている報酬って、もしかして……」
「新作の試し刷りが出来たら、出版よりも先に回して貰っているな。発売日より先に読めると言うのは、結構な特典なのだと実感できるぞ」
「うん、色々ツッコミたいけど、それはまぁ、分かるよ。ねぇ、黒死ネキ? ひょっとしなくても、さっきあいつらが持ち出してた本……」
「ああ、
しれっとした顔で『自分と知人を勝手にモデルにしたエロ同人誌』を読んだと話す黒死ネキに、再び赤面しそうになりつつも、ぐっと堪えてキノネキは話を続ける。
「……まさかとは思うけど、黒死ネキがあいつらが馬鹿やる事を予想できたのって……」
「ああ、ナマモノネキの新刊のネタが『私とキノネキ』だったからな。単純なあいつらの事だし、「自分で思いついた」と勘違いしてトークテーマに挙げるんじゃないかと思って網を張っていたな。……正直、余りにも予想通り過ぎて少し驚きはしたが」
「うわぁ…… で、今夜ボクが巻き込まれたのって……」
キノネキの予想は外れて欲しそうな様子の確認に対して、黒死ネキは大して気負いなく笑って答えた。
「あいつら共々、面白そうなリアクションをしてくれそうだったから、ちょっと巻き込んでみた」
「ねぇ!! ちょっと、それ酷くない!?」
あんまりと言えばあんまりな理由に、思わずツッコミを入れざるを得ないキノネキだったが、その後にもたらされる衝撃と比べれば些細な問題でしかなかった。
「正直、単なる面白半分の思い付きだったが、予想通りに予想外かつ予想以上のオモシロ情報が蒐集できたから私は満足しているぞ。コレとかな」
そう言って黒死ネキが掌をかざすと、三馬鹿ラス視点での記憶が、立体映像のごとく空中に浮かび上がる。
その映像は───
「「「おねえちゃんをたたえよ!!」」」×たくさん
ドンドコドンドコ
「「「キノおねえちゃんをあがめよ!!」」」×たくさん
ドンドコドンドコ
「「「おねえちゃんわっしょい!!」」」×たくさん
ドンドコドンドコ
「「「キノおねえちゃんわっしょい!!」」」×たくさん
ドンドコドンドコ
「「「わっしょっしょーいっ!!」」」×たくさん
ドンドコドンドコ
───子供達が頑張って担いだ神輿っぽい物に乗せられたキノネキ。
馬鹿どもがドラム缶を打ち鳴らし、子供たちがわっしょいわっしょいする、微笑ましいと言えない事もないかもしれなくもない、そんな光景。
そして神輿っぽい物の上で正座して顔を両の掌で隠してぷるぷる震えるキノネキは、顔どころか耳や手といった見えている肌、その全てが真っ赤っ赤であったとさ。*2
「わぁああああああああああああああああ!!!!????」
「あはははははははは。中々微笑ましい光景じゃないか。別に恥じるような事じゃないだろう? あははははは。」
子供たちからの感謝の気持ちと、馬鹿どもの馬鹿によって成し遂げられてしまった自分の黒歴史を映像化して見せられ、叫んで取り乱すしかない
そして『
そうだった!! あの馬鹿どもの情報が蒐集されたのなら、当然あいつらと関わって恥ずかしい思いをした自分の情報も含まれているんじゃないか!?
黒死ネキ自身は
こんな黒歴史が他人の目に留まったらたまったものでは無いし、まして大切な義妹や義姉たちや、探求ネキのような親しい黒札たちにバレたらどう思われるか……
「ああ、馬鹿どもは関わっていないらしいが、この映像はキノネキの義妹や義姉たちの間で保存されて、探求ネキのような親しい黒札たちには届けられたそうだぞ。私の所にも届いたから、恐らくは合法ロリ同盟で一括りにされたか?
「ねぇ、誰か嘘だと言ってよ!?」
さっきから世界が自分に残酷過ぎて、何かもう泣きそうになっているキノネキだが、黒死ネキからすればこれからが本番だ。
今回の蒐集の成果が予想以上だった事もあり、
「残念ながら現実だぞ。さて、キノネキにとっては嬉しくも残念なお知らせがあってな」
「……まだ何かあるの?」
既にライフはゼロ状態であるキノネキは、これ以上は勘弁して欲しいと思いつつも、聞かずに逃げたらより酷い事になるのも分かっているので戦々恐々としつつも確認はとらざるを得ない。
「私の取引相手の一人に、キノネキが相手なら別に取引内容を秘匿しなくても良いと言っている者が居てな? キノネキの『情報』が手に入ったら優先して廻して欲しいと言われている」
「え? それってまさか……」
「
「瑞樹ちゃん!?」
「ああ、流石に実は黒幕が探求ネキでした、などと言うオチは無いから安心して良いぞ。ごく普通にキノネキのオモシロカワイイ様を愛でたいだけらしいからな」
「安心できないんだけど!?」
「と言うか、さっさと喰われれば良いんじゃないか? もちろん性的な意味で」
「いや、デリカシー!!」
次々に明かされる衝撃的過ぎる事実に、息も絶え絶えなキノネキと終始愉快そうな黒死ネキ。
本当に良いリアクションをしてくれて、見ていて飽きないが、
「さて、私の手元には、たった今蒐集したばかりの『キノネキのオモシロカワイイ様』の『情報』がある訳だが、このままだとキノネキに
「ちょ!?」
「さて、
単純でいて複雑な問いかけ。
黒死ネキに悪意は無い。
彼女はキノネキを貶めるつもりなど微塵も無く、キノネキの内心はともかく、やっている事は取引相手との公正公平な
もちろん、黒死ネキにも思惑は有り、「こうなれば良い」と割と露骨に誘導もしている。
キノネキにとって質が悪いのは、どちらに転んでも黒死ネキは一切損をしない事で、どちらに転んでもキノネキにとっては困る事になる点だ。
一つは、このまま黒死ネキの誘いには乗らない事。
こちらを選べば、この場は普通にお開きになり、後日、黒死ネキの言う通りに今夜のキノネキの痴態は、探求ネキを始めとした多くの者に知られる羽目になる事だろう。
そして、もう一つは───
「………それって、ひょっとしなくても、
「何分、折角の
「いや、だってボクと黒死ネキって相性悪すぎだし。逃げるが勝ちって言うか……」
「そう言うと思って、
───黒死ネキの
「うん、正直そんな事だろうと思ったよ。それじゃあ、このジャッカルPはありがたく使わせて…………もらう前に確認しようかな?」
「ほう、何か気になる事でもあったかな?
何故か穏やかな笑顔を見せつつ、キノネキは黒死ネキへ問いかけ、黒死ネキも愉快そうにそれに応じる。
さぁ、茶番の時間だ。
「このジャッカルP、元ネタよろしく爆弾とか仕込まれてたりしないかな?」
「しないぞ。大事なコレクションを壊すような真似はしないさ」
「そっかー、それじゃあ……」
穏やかな笑顔を崩す事なく、キノネキは質問を続ける。
そう、黒死ネキの事を
「このジャッカルP、『
「するぞ。まぁ、アレンジはしているから、爆発しても本体は破損しないがな」
「へー、すごいねぇ」
「そうだろう? はっきり言って自信作だ」
「「HAHAHAHAHAHAHAHA!!」」
二人は愉快そうに笑う。とても楽しそうに。
そして、黒死ネキは右手をグッドサインの形にし、続いて親指を
そして、キノネキはジャッカルPを投げナイフでの扱うかのように、腕全体をしならせ、手首のスナップまで利かせた美しいとすら言える投擲フォームで
「
「いい加減にしろよ、このクソガキぃいいい!!」
─── B O M B ───
キノネキによって射出されたジャッカルPは、黒死ネキによる起爆で、ちょうど二人の中間点で文字通りの爆音を上げて爆破する。
その爆炎の中から、
「おやおや、あんなに素直だったキノネキがすっかり疑心暗鬼になってしまったな。師匠として嘆かわしい限りだ」
「誰のせいだと思ってるの!? あと、誰が師匠なのさ、誰が!!」
「ふむ……」
キノネキの言葉に、少し考えるそぶりを見せた黒死ネキ。
次の瞬間にその姿はブレて輪郭を失うも、更に次の瞬間には別の姿を形成していた。
長く美しい黒髪は同じだが、流れるようなストレートヘアだった黒死ネキとは違い、やや乱雑なヘアスタイル。
鋭い目つきは同じだが、やや気だるげな黒い瞳。
白いブラウスに黒いネクタイ、ブラウンのパンツにはガンベルトを巻き付け、ベージュのロングコートを着崩して羽織っている。
そんな、20代から30台程に見える、
「って、『師匠』!?」*5
「今夜は元よりお遊びです。良い機会ですから、少し手ほどきをしてあげましょう」
「いやいやいやいやいや、黒死ネキでしょ!? それって【魔装術】と【変化】だよね!?」
「ええ、そうですよ。分かっているのなら取り乱す必要などないでしょう? ほら、早く構えないと私に殺されますよ?」
そう言ってキノネキへとジャッカルPを向ける『師匠』の姿の黒死ネキ。
外見が違うだけで、中身は黒死ネキだと分かってはいる。分かってはいるが、普段以上に苦手意識が刺激される姿に、キノネキは戸惑いを隠せない。
しかし、キノネキも修羅勢に名を連ねる者であり、戸惑いはするが視線は逸らさず、側座に相手に銃を構えて見せる。
「反応自体は悪くありませんが、精神的に不安定なのはいただけませんね。やはり、手取り足取り教育してあげる必要がありそうです」
「いや、ボクの処女は瑞樹ちゃんにあげるから、指導は必要ないかな」
「ちょっと追い込み過ぎましたか? 冷静な煽りに見えて、結構混乱していますね? まぁ、良いでしょう。 ヤる気になったと言うのなら、それでいい。私が楽しむには十分条件です」
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「はぁ…… まったく、何でこんな事になるかなぁ……」
「公正公平な等価交換と、少しの偶然、後は私の
「それをきっちり自覚した上で狙ってやってるから、なおさら質悪いよね。油断してたボクも悪いんだろうけどさぁ」
そう言いつつ、キノネキは目の前で澄ました表情でいる
いつの間にか彼女の思い通りになってしまった事を認めつつも、どこか納得のいかない想いを抱えて。
そして、こちらに向かって銃を構える、
今夜だけで黒歴史をどれだけ量産したのか思い返したくも無いが、要するに、だ。
「別に難しく考えないで、貴女をぶっ飛ばせば色々解決するよね?」
「おや、ようやくそれに気が付きましたか。少々遅すぎますが、心は決まったようですね」
「うん。ここで『師匠』を倒して、ボクの黒歴史は無かった事にさせて貰うよ」
「結構。それでこそ殺し甲斐があると言うものです」
そこで二人の会話は終わる。
外部からは気付かれることのない【隠蔽】された『不自然な静寂』の中で、二人は舞い踊る。
楽しい今と、まだ見ぬ先を見据えながら。
そう───
───結局何も得る事無く、うっかり忘れ去られそうになっている三人の馬鹿を放置して。
お読みいただき、ありがとうございました。
やっべ、キノ虐って楽しい(ォ
あれですね、善良で初心なボクっ娘って弄りたくなりますよね?
まぁ、9割本気の冗談はさておき、流石に弄り倒しすぎましたね。後悔は有りませんがw
あくまでギャグ時空の事と思っていただければ幸いです。
最後のキノネキの挿絵、彼女が持ってるオートマティックは本来は左利き用のカスタムですが、構図が良かったんで採用です。
さて、この文章を書いているのが5/12の深夜なのですが、同じく5/12に未明に某アビャゲイル様の所で「探求ネキによるキノネキの処女喪失ファ〇クだ~」とか予告された訳でして?
その時点では今話の完成度が7割くらいだったんで、「やっべ、アビャゲイル様より先にこのSSを投稿しないと、キノネキの処女ネタで弄るタイミングが読者的には『他所で既に散らした後』になっちゃうじゃん」とマジ焦りしながら仕上げましたw
……ラスト付近、ちょっと雑だったか? うーむ……
と、言う訳で普段は予約投稿で12時に投稿していますが、今回は例外と言う事でw
・黒死ネキ
今回もやりたい放題したクソガキ。
三馬鹿ラスから蒐集した『情報』は人気商品。そりゃ、自分と関係ないなら普通に面白いしねw
面白半分で適当に準備しておいた仕込みがハマりまくって、自分に都合が良い事ばかり起きてちょっと困惑。まぁ、都合が良い分には好き放題しても良いよね? なお、キノネキの被害w
・キノネキ
被害者枠。三馬鹿ラス&黒死ネキの組み合わせと関わると、高確率でこうなる事を学習する。
けど、自分の知らない所で自分の黒歴史を知られている可能性も学ぶ。どうしろってんだ!!
黒死ネキとは戦闘スタイル的に相性が悪く、普段は逃げるが勝ちで対処している。
浄化系が苦手で黒死ネキの相手とかやってられるか? それはそう。
『師匠』はキノの師匠であって、キノネキの師匠では無いですが、やっぱり意識はしてしまう。
・三馬鹿ラス
今回以前にも「黒死ネキのスカートの中身は?」と言うお題で「黒」「スパッツ」「穿いてない」で大論争を巻き起こしていた。
教えて貰えたよ? その記憶ごと持ってかれたけどな!!
黒死ネキの仕込む餌に何度も引っかかっては『美しい記憶』を得るも忘れる羽目になっているw
ちょっと気をつけたら気付けるようにしてくれてるのに、毎回引っかかる。
目先の餌に目がくらみ過ぎてるから、自業自得ではある。残当。
・探求ネキ
キノ先輩のオモシロカワイイ『情報』…… 良いでしょう、しっかり『取引』しましょうか。
キャラ崩壊? 好きな子が『偶然』映ってるお笑い動画を見てるだけですが何か?
最後に、構図や背景が微妙だったの採用見送りにした生成画像を。
リボルバーを構えるパジャマキノネキ
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ブラウンのスーツ姿の『師匠』
【挿絵表示】