【カオ転三次】酒と葉巻と病と死神 ~みんな楽しく踊ればいい~   作:マカーブル

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本作をお読みいただき、たくさんのお気に入り登録やご感想をありがとうございます。
誤字脱字の指摘等も、いつも助かっております。

作中の挿絵として画像生成AIによるイメージイラストを表示しております。
AIによる生成画像に不快感を感じる方はご注意下さい。


今回は過去一更新に間が空いたなぁ……お待ちいただいた皆様、申し訳ございません。
結構長めの番外編を書いた反動+仕事がクソスケジュールだったのが痛かった。

今話は脳缶ニキと見所ニキと一緒に異界ツアーの序盤です。
『棺のチャイカ』の登場する設定を、今作風にアレンジした独自設定もありますので、そう言うのが苦手な方はご注意ください。




第35話 使用者の限定される技術など、別に大したものでは無いだろう?

 

 ガイア連合山梨支部 星霊神社 修行場異界 入り口付近

 

 

 いつも通りチャイカのレベリングと動作テストに来たら、図らずも脳缶ニキと見所ニキと臨時パーティを組む事になった。

 その際、脳缶ニキの眷属であるベール*1が、まだレベル5と言う事もあり護衛としてデビチル繫がりで少女姿のデュラハンを『再現』したが、脳缶ニキと見所ニキには思った以上に受けたようだ。

 前世でも人気のある悪魔だったようだし、さもあらん、か?

 

 とは言え、こいつは仲魔にした悪魔では無く、殺して蒐集した情報を基にスキルで再現した『人形』だ。

 見た目は愛らしい少女だが、中身は【サバトマ】と【ネクロマ】と【ドロイド】の複合術式に各種暗黒魔法を詰め込んだ、言わば『人の形をした攻撃スキル』だ。

 『デュラハンとしての記憶』も『再現』している自律思考も可能な『人形』で、レベルも40あるから、私以外でコレに対抗できるのは、この面子の中ではチャイカくらいだな。それも、一切の制約を無視すれば、と条件が付く。

 

 脳缶ニキと見所ニキが「写真を撮っても良いですか?」と聞いてきたので、軽く説明してやる。

 ガワは美少女でも、中身は『暗黒魔法で構成された【穢れ】のカタマリ』であると。

 

「───と、このデュラハンに関しての説明は以上だ。お前たちは攻撃対象から外しているから、見るだけなら問題無いし、写真撮影がしたいなら拡散しなければ大丈夫だぞ」

 

「なるほどなるほど。そのデュラハンちゃんは黒死ネキの発動させた『ヒトの形をした攻撃スキル』で、勝手に写真撮影とかしたら『【穢れ】や【呪い】に勝手に触れた』的な扱いになる、と。同じく、勝手にネットで拡散とかしたら、『毒を川に流す』みたいな概念行動で、やっちゃったら『人を呪わば穴二つ』の対象になっちゃう、と」

 

「そう言う事だな。まぁ、仮に盗撮してネットで流そうとしても、流すような余裕が()()のは修羅勢くらいだろうがな」

 

「ですよね~。レベル40相当の【穢れ】や【呪い】の対象になったら、その時点で大概の人は死にますよね。それじゃ、注意事項も聞いたし、許可も出てるし、僕は『ベールを抱えるデュラハンちゃん』って言う、デビチル勢の夢の光景を一杯撮影させてもらいますね~。黒死ネキありがとう~」

 

 

 脳缶ニキは納得した上で注意事項を守って撮影に勤しむか。

 説明を聞いても「ルールさえ守っていれば大丈夫」を実行できる者は意外と少ないと思うのだがな?

 その辺り、脳缶ニキは()()()()()()()()()()()な。()()()()()

 

 

「え? 何それ恐い。すいません、折角ですけど、俺はやっぱり遠慮させてもらいますね。うっかりネットに流しちゃって呪われそうだし」

 

 

 一方、見所ニキの方は至極真っ当に恐れおののいて、撮影を断念か。

 これで単なる臆病者では無く、自分の身の程を正しく理解した上で、好奇心と欲望をあっさりと捨てての撤退なのだから実に面白い。

 ()()()()()()()はタガが外れている奴以上に少ないのだがなぁ?

 

 

「さて、脳缶ニキの撮影が終わったら出発するか。チャイカ」

 

「うぃ。準備する」

 

 

 そう言ってチャイカは背負っていた棺を降ろし、中から獲物を取り出す。

 

口径  12.7mm

銃身長 700mm

使用弾薬 12.7x99mm 魔法思念弾(NATO弾仕様)

装弾数 7発

作動方式 ボルトアクション方式

全長 1380mm

重量 13.8kg(スコープ非着装)

 

 命中精度を高めるために前方に二脚、後方に一脚を装備したスナイパーライフル───に、しか見えない機杖(ガンド)、つまりは魔法使いの杖だ。

 デザイン的には『PGM ヘカート II』だな。人気モデルだけあって設計も容易に行えた。

 

 取り出した機杖(ガンド)の機関部より伸ばした接続索を、チャイカの本体である棺へと繋げ、スキルを発動させる。

 虚空へと向けられていた機杖(ガンド)の銃口部分に魔法陣が展開され、術式が形成される。

 

 

「───顕れよ。〈響き悟るもの(ザ・ロケーター)〉」

 

 

 甲高い音が響き渡る。

 細く涼やかであるが、後少しでも音程が上がれば人の耳では認識できなくなるような音。

 そんな高音域の音は断続的に響き渡り、やがて異界の空へと消えて行った。

 そして、1分程時間が経過し───

 

 

「───完了。成果、問題なし。半径10km以内の把握、成功」

 

 

 チャイカの放った〈響き悟るもの(ザ・ロケーター)〉───広範囲の【エコーロケーション】により範囲内の悪魔や人間、式神等の現在地を確認し、意識の共有により私も同様にそれらを把握する。

 

 

「ふむ、反応からして8km程進めばレベル20前後の悪魔が湧くな。先に()()()おくか」

 

 

【パンデミアブーム】*2により大量の媒介生物(キャリア―)を生み出し、今回は『死病』では無く『誘引』の概念を込めた伝染病として成立させる。

 具体的には【マリンカリン】*3や【ブレインジャック】*4だ。いちいちこちらから足を運ぶより、向こうから来てもらった方が手間が省けると言うものだ。

 

 

「行け」

 

 

 媒介生物(キャリア―)どもを目的地へ向けて放つ。これで後は現地へ向かうだけだな。

 

 

「チャイカ、いつも通りに」

 

「うぃ。【変化】起動。本体の形状変化、開始」

 

 

 チャイカの言葉に反応し、本体である黒い棺はその形状を大きく【変化】させる。

 それまでは小柄な少女であるチャイカが背負う事が出来る程度のサイズであった棺が、みるみる巨大になり、その体積は既に自動車程になっている。

 そして、大型化が止まると棺の輪郭はぼやけ、黒いモヤとなって新たな形へと形成されていく。

 

 

「いやいや、これ、マジですか?」

 

「あの棺、単なる原作再現アイテムって訳じゃ無かったのか……」

 

 

 その様子を驚愕の目で見る脳缶ニキと見所ニキの二人。

 まぁ、初めて見るならそう言う反応になるだろうな。

 そして、【変化】を終え、その場には一台の黒い乗用車両(ヴィークル)が存在していた。

 

 

「【変化】完了。ヴィークル、『スヴェトラーナ』。状態、問題なし」

 

「良し、足も確保できたし、行くか」

 

「えっと、黒死ネキ? それって『棺姫のチャイカ』に登場したヴィークルって訳じゃ無いですよね? 名前は同じでもあっちだと幌馬車みたいなデザインだったし」

 

「その車……車? 棺桶? いや、それは置いといて、見た感じ()()()っぽく見えるんですけど?」

 

「原作再現で幌馬車風でも良かったんだが、今後は公道も走らせるつもりだからデザインは現代風にしているぞ。ナンバーも申請中だ。まぁ、偽造だがな。後は、こっちの方が悪魔を()()()()()()()だろ?」

 

「ああ、そう言う事なら納得ですね。轢き殺しやすさは重要ですからね」

 

「あれ? ツッコミどころはそこじゃないよね? これ俺がおかしいの?」

 

「一般常識と感性的には見所ニキが正しいぞ。こちらの業界で長くやっていくなら脳缶ニキ側に寄る必要があるがな。なお、脳缶ニキは天然でも計算でも()()()()が出来る奴だから参考程度に留める事をお勧めするぞ」

 

「それを黒死ネキが言います? 一般的な常識も感性も持ち合わせてるのに、好き好んで()()()()にいる人の代表じゃないですか」

 

「お互い様だろ。さて、それでは出発するか。道中の雑魚は放置で構わんな」

 

「異議なーし!!」

 

「うーん、大丈夫なんだろうけど、慣れるまで大変そうだなぁ」

 

 

 

 

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 修業場異界の荒野を、ある意味背景と親和性の高いデザインかも知れない黒い装甲車で走行する。

運転手はチャイカ、助手席に私、後部座席には脳缶ニキ、見所ニキ、一番後ろがデュラハンとベールだ。

 チャイカの本体は棺、つまりこの装甲車そのものであり、別に運転席に座らずとも()()()()()()動ける訳だが、その辺りは実際に操縦していると言う認識も重要らしく、本人も「正確な運転、大事」と案外楽しそうに自分自身を運転している。

 

 そして、先ほどから目の前に飛び込んで来る悪魔どもをチャイカが轢殺しつつ、私がそのMAGを余さず回収し()()()()()()()()()()()()()()()

 いちいち各下との戦闘を行わずとも、車で轢き殺して、経験値その他はしっかりと頂く。

 イメージ的には『ペルソナ5』で、メメントス内のシャドウをモルガナカーで轢いて時短をしてるようなものか? ここは認知異界では無いがな。

 

 

「あれ? 何かボクとベールのレベルが上がったんですけど?」

 

 

 と、このようにパワーレベリングにもなる訳だ。 

 まぁ、今走っているのはレベル15前後の悪魔の湧くエリアだからな。脳缶ニキの適性エリアに近いから、レベルも上がりやすかったか。

 もちろん、こんな養殖など面白くないし連携テストと言う目的から外れるからな。この後は実戦形式の予定だ。

 

 

「灯、提案あり。予定コース外にレア悪魔反応。寄り道許可、申請」

 

「ほう? 距離は?」

 

「500mくらい」

 

「狙撃は?」

 

「可能」

 

「では、許可する。撃って良いぞ」

 

「うぃ」

 

 そう言うとチャイカは()()()停車させ、ルーフより身を乗り出し、二脚を車体に乗せ機杖(ガンド)の銃身を固定させる。

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 自身の【ハイアナライズ】を発動させ、対象の悪魔の詳細を把握。

 

 結果は───

 

 

  【御魂 アラミタマ(レベル10)】

  『弱点:疾風 無効:その他全属性』

 

 

 ───確かにレア悪魔だな。 私も数えるほどしか遭遇した事は無いぞ。

 個体ごとに弱点が異なり、弱点属性以外は全て『無効』と言うのが【御魂】に共通する特性だな。

 

 某ドラクエで言うところの、はぐれメタル枠だ。これは是非狩りたいところだな。

 

 

「目標補足。【ヒートライザ】【コンセントレイト】【魔法思念弾】───」

 

 

 チャイカは対象を確実に仕留めるべく狙撃の際のバフを積む。

 正直、過剰強化だが、御魂を狩るなら必要なのは確実性だ。間違ってはいないな。

 

 

「───顕れよ!!〈切り裂くもの(ザ・リッパ―)〉」

 

 

 そしてチャイカの宣言と共に機杖(ガンド)より放たれる魔弾。

 狙撃銃(ヘカートⅡ)の外装のイメージに沿って825m/秒で発射された弾丸は、0.6秒でターゲットへと到達し命中。

 その弾丸に込められた()()()()は【アラミタマ】の()()を起点に発動する。

 込められた属性魔法は【ガルーラ】であり、それ自体は大した威力では無いが、弱点属性であり、通常の魔法の様に距離による威力の減衰も無く、内部から発動させる事により威力の分散も無い。

 結果として、そのダメージは普通に放つ【ガルダイン】を大きく超え、レベル10に過ぎない【アラミタマ】を文字通り八つ裂きにし四散させる。

 

 

「撃破成功。ドロップあり。寄り道する?」

 

「流石にアレは無視する訳にはいかんな。拾いに行くぞ」

 

「マジかー。この距離から撃ってああなるんだ?」

 

「あれ? 【魔法思念弾】って言ってましたけど、それって『棺姫のチャイカ』のオリ設定だったんじゃ?」

 

「もちろん、似て非なるモノだぞ。物は試しに作ってみたが、大して自慢できる物でも無いな」

 

 

 『棺のチャイカ』の作中において、【魔法思念料】と言う概念が存在する。

 強い想いを抱いて死んだ生物の死骸を加工して精製し、魔法使いが詠唱を媒介としてその思念料内の記憶を抽出、消費する事で望む現象として顕す、と言うのが作中の魔法だ。

 言ってしまえばリアルにおける石油等の化石燃料に相当する物で、魔法と言う弾丸と、それを打ち出す為の火薬を兼用したような代物だ。

 メガテン世界風に言えば、魔石を銃弾の様に加工して魔法のブースト要素にしているとでも表現すれば大きくは違わないだろうな。

 

 ところで、私は自身のゲーデの権能により、『死者の情報の蒐集』と『情報の保管と加工』を得手としている。チャイカの素材に使った『私50人分を圧縮加工した情報媒体』も、その成果物だ。

 毎日の様に虐殺している悪魔の死骸やMAG、情報等々を加工して物質化し、【魔法思念弾】として精製するのは、そう難しい事では無かったな。

 私にしかこねる事の出来ない粘土で陶芸もどきをするような権能頼りの加工精製なので、他者による再現性と言う意味では落第点もいい所だがな。

 

 そして、根本的な問題として【魔法思念弾】を用いての魔法行使は『魔法思念料内の記憶(情報)を抽出し現象へ変換する』と言う過程が必要な点だ。

 私や私と繋がりのあるチャイカには、権能として一工程で行使が可能だが、他の者はそうはいかない。

 気温、水分、風向き、地脈、その他この世全ての要素と、魔法思念料内の記憶(情報)を『望む現象を起こす為に辻褄を合わせ制御しなければならない』と言う遠回り極まる工程が必要だからだ。

 

 要するに、現状では『作れるのは私だけ』『使えるのは私とチャイカだけ』と言う欠陥技術だ。

 その分、使いこなせるのなら『汎用性が高く、射程と弾速に優れた強力な魔法』を気軽に行使できるようになる訳だがな。

 現状ですら数kmの射程で、825m/秒の速度で、ダイン級の効果の魔法を減衰無しで、大した消費も無く気軽に連射も可能なんだ。悪くは無いな。

 

 

「───と言う代物だな。便利だとは思うが、先ほども言った通り、大して自慢できるような物では無いな」

 

「「いや、それ、めっちゃ凶悪だから!!」」

 

「そうか?」

 

「チャイカちゃんのレベルって、まだ20なんでしょ!? それが数kmの射程からライフルの狙撃速度で、あらゆる属性のダイン級の威力の魔法を減衰無しで気軽に撃って来るって、普通に悪夢ですからね!?」

 

「レベル20って、一つの属性に特化でもしない限りは、精々中級魔法を2,3種類くらいしか覚えてないって段階だと思うんですけどォ!? チャイカちゃんのスペックがオカシイのはもちろんだけど、なんて物使わせてるんですか!?」

 

「おや? 案外高評価なのか? 現状だと格上相手には「ちょっと気を付けていたら避けるのは簡単」程度でしかないのだがな?」

 

 

 今後に期待ではあるが、やはり現状だとそこまで凶悪とは思えないがなぁ?

 脳缶ニキや見所ニキは、チャイカとは同レベル帯だし、私とは感想も異なるか?

 

 

「……どう思います、見所ニキ?」

 

「……基準が修羅勢の、それもトップクラスの人たちだから、じゃないかなぁ?」

 

「……あー、自分自身も強すぎるせいで、「まだ大した事無い」って思っちゃうのかぁ……」

 

「解せぬ」

 

 

 もう少し形になったら、研究者系の連中にでも放り投げるか?

 技術としての使い勝手が上がって、より強くなる者が増えると言うのなら、それは私にとっても都合が良いからな。私を殺せる者と出会える機会的な意味で。

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、【アラミタマ】のドロップ品がそれですか?」

 

「ああ、【魔導書】だな。仲魔のレベルを上げられるアイテムだが……まぁ、現実はゲーム程甘くは無いと言ったところか」

 

 

 【魔導書】

契約者よりレベルの低い仲魔を1レベルアップさせる。

この効果でのレベルアップはレベル10が上限である。

 

 

「ゲームだと、どれだけ高レベルでも更に上昇させられてましたけど、そこまでのご都合主義アイテムが、たかがレベル10の御魂からドロップする訳無いですよね」  

 

「ゲーム通りの効果だと、【クシミタマ】*5とか血で血を洗う争奪戦不可避ですよね」

 

「一応、レアアイテムである事は変わりないから確保はするがな。使い道が無ければガチャかオークションにでも流すさ」

 

 

 さて、寄り道をした分、先行させていた媒介生物(キャリア―)どもの『釣り』も予定より成果が多そうだ。

 本来の目的の連携テストも、存分に行えそうだし、気分を変えて楽しむとするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、到着だな。ふむ、結構釣れたな」

 

「うぃ。釣果大量」

 

「「………」」

 

「残念ながらレアな悪魔は居ないか。見た所初見の悪魔も居ないようだし、お前たちの連携テストで狩り尽くして構わなさそうだ」

 

「うぃ。頑張る」

 

「「………」」

 

「どうした、二人とも? 先程から黙ったままだが?」

 

 

 脳缶ニキと見所ニキは、目的地が近づき、釣った悪魔の群れが見え始めると急に言葉が少なくなったが、何が不都合でもあったか?

 

 

「えーと、黒死ネキ? ボクも見所ニキも、悪魔を釣って来るって言うから、てっきり2,3匹、多くても5,6匹くらいだと思ってたんですよ。情報とか見る限り、この異界の悪魔って、固まってても2,3匹くらいみたいだし」

 

「ですね。戦うのは俺と脳缶ニキとチャイカちゃんの3人だし、そんなくらいと思ってました」

 

「ん? 同レベルで同数の悪魔とか、大した経験にならないだろう? それに、いちいち殺す悪魔を探し回って移動するのも面倒だしな」

 

「だからって……」

 

「……ねぇ?」

 

「「これは多すぎ!!」」

 

 

 レベル20前後の悪魔どもを【マリンカリン】や【ブレインジャック】等の『誘引』の概念を込めた伝染病の媒介生物(キャリア―)どもで釣った結果、目測で100匹程は集められたな。

 所詮は雑魚だが、それでもこいつら全てが同時に襲ってきたり、範囲魔法等を放つと言うのなら確かに同レベル帯では脅威ではあるか?

 

 

「ああ、いざと言う時は私が皆殺しにするし、死んでも蘇生させるから、そこは安心して良いぞ」

 

「あ、ケツモチはしてくれるんですね。なら安心かな」

 

「えええぇぇぇ!? そういう問題!?」

 

 

 

 そういう問題だぞ?

 と言うか、ドン引きしているようで、見所ニキは結構冷静に『どう立ち回れば良いか』を考えているな?

 私が後詰めに居る以上、この場での全滅は有り得ないと理解し、自分が戦闘で死亡する事も含めてのパーティでの立ち回りを考えて実行しようとする。

 戦闘で死亡する事に恐怖を感じつつも、『パーティの勝利の為の必要経費』と判断し、()()()()()()()

 うん、実に『()()()()()()』じゃあないか。そのコテハンに偽り無しだな。

 

 脳缶ニキはもっとシンプルだ。

 自分が死ぬのを、()()()()()()()()としか思っておらず、この状況を『強い助っ人がケツモチしてくれる状況でレベリングし放題』と()()()理解しているな。

 その精神性は『死亡は単なる状態異常』であると()()している者の領域にある訳だ。

 

 

「さぁ、それではお前たち。殺したり殺されたり、死んだり死なせたりしようじゃないか。きっと色んな意味で病みつきになるぞ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
デビルチルドレンに登場するパートナー悪魔。見た目はミニマスコット的なデザインのピンク色のグリフォン。

*2
黒死ネキのオリジナル仕様。エフェクトは鳥類や齧歯類、虫等の『病原体の媒介生物(キャリア―)』の群れ

*3
暗黒魔法系 神経魔法。複数対象を中確率で『魅了(CHARM)』状態にする。P1仕様。

*4
複数対象を中確率で『洗脳』状態にする。

*5
メガテン5では【福音書】(プレイヤーキャラを1レベルアップさせる)をドロップする。





お読みいただき、ありがとうございました。

本格的な戦闘前のちょっとしたじゃれ合い的な話でした。
次回は久しぶりのバトル回ですね。

『棺のチャイカ』の【魔法思念料】は、要は『生物の死骸に含まれる記憶情報を、魔法使いが様々な魔法(現象)として変換して撃ち出す』と言う行為をする為の媒介ですね。
こう言う設定なので『生物の化石』とかも立派な燃料。地層から産出されてたりします。
あちらの原作では魔法とは『記憶情報を燃料にして放つ物』なので、『自分の記憶を代償に強力な魔法を放つ』と言うシーンもありました。

こんな設定なので、本作へ流用するにあたって、殺した相手の情報を蒐集出来て、その情報を物質として加工出来る黒死ネキとの相性が良すぎる訳でしてw
現状ではほぼチャイカ専用とは言え、気楽に撃ちまくれるお手軽魔法強化弾丸を量産できると言う事になりました。

現状では作成者も使用者の限られていますが、将来的にはどうなるんでしょうねぇ?



・黒死ネキ
今回はパーティの保護者ポジ。
とは言え「死なせない」つもりは無く、じゃんじゃん悪魔と殺し合いをさせるつもり。
自分だったらこの状況になれば喜ぶし、こいつらなら「本気で嫌がりはしない」と理解しているので特に躊躇なく悪魔を釣りまくった。


・チャイカ
まだレベル20だが、レベリング2週間で20まで上がっていると言う事実。
普段からこんな感じに悪魔を大量に狩っているからこそ。
自身の本体に刻まれた『メメント・モリ(死を想え)』と『カルペ・ディエム(今日という日の花を摘め)』の言葉通り、黒死ネキと楽しい日々を送っている。
使用者が限定されるとは言え、お手軽強化アイテムを使い放題なのでレベルに見合わない高火力を実現。
【変化】と【魔装術】で棺の形状を自由自在に出来るので、便利さ特化型の式神として活躍中。


・脳缶ニキ
タガの外れている人。経歴を考えればむしろ当然。
自分だけなら無茶はしないけど、今回みたいなケースだと遠慮もしない。
特に狙った訳じゃ無いけど、見所ニキとはイイ感じに精神性や感性で対比的な関係に。
この時点での脳缶ニキってどんな感じの戦闘スタイルだっけ? まだ碌な仲魔いないけど。


・見所ニキ
常識人。それはそれとして、自己客観視と言う点では異常者の領域。
転生者の中では才能面では凡人だが、それを正しく理解して相応の努力が出来て、時々格好つける程度には見栄もある。
自分より優れた者を素直に「凄い」と認め、「自分も頑張ろう」と素直に思える。
それが出来ない奴が大半だと言う事を、当人はあまり実感できていない。
本編では「死ぬのは恐い」と思いつつも「俺が自分の出来る事をしてれば、パーティでの勝利は出来るし、黒死ネキが後詰めだから最悪でも全滅は無い」と納得していて取り乱したりはしなかった。


・デュラハンとベール
何気にベールは道中の悪魔の轢き殺しでレベル7まで上がっていた。
デュラハンはベールの護衛としての概念で造り出されている為、穢れのカタマリではあるがベールは抱っこされても問題ない。
要するに、フレンドリーファイアも大丈夫(ォ





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