【カオ転三次】酒と葉巻と病と死神 ~みんな楽しく踊ればいい~   作:マカーブル

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本格的なバトルに入る前の「どうしてこうなった」の説明回。
【運命】さんってクソ過ぎんだろと言うネ?





第38話 人も悪魔も、運命に翻弄される事に変わりは無いのだろう?

 

 「運命に愛される」と言う言葉がある。

 

 ニーチェの『運命愛』においては、自己の運命を肯定的に受け止め、その中で生きていく事を愛すると言う意味であり、どんな境遇であっても、それを必然と捉え、愛する事で、人生を積極的に生きていく姿勢を指す。

 

 運命とは避ける事の出来ない必然的な概念であり、起きるべくして起きる出来事であり、それは良いも悪いも全て、必然的な流れの一部であると肯定し受け入れなければならない。

 受け入れる事は自己の運命を愛する事であり、そして愛する事で人生の創造性を高め、より豊かな人生を歩む事が出来るのである。

 

 そして、転生者たちが『ATLAS作品のごった煮』と呼び、主に『女神転生』シリーズや『ペルソナ』シリーズが混然一体となったこの世界における【運命】とは、紛う事無きクソ脚本家である。

 

 『主人公』の人生の箔付けの為に、家族や友人と死別させるなどは序の口であり、『物語』の演出の為に生涯消える事無き心的外傷(トラウマ)を刻み込むのも常套手段だ。

 裏切り、拷問、届かない救済、etc.etc……

 様々あるが、最も多く用いられる手段は、識者による意見が大体一致している。

 すなわち、必要以上に難敵と遭遇させる事

 それも、決して避けて通れない人生の岐路において、だ。

 

 

 

 

 

 

 

「と、言う訳で私はそこなワンちゃんと一緒に遊んでくるから、お前たちはそっちの聖職者もどきと一緒に討論でもどうぞ」

 

「「「はぁ!?」」」

 

 

 唐突な黒死ネキの宣言に、脳缶ニキと見所ニキだけでなく、彼女の式神のチャイカまでもが思わず声を上げる。

 

 

「大体やね、そっちの聖職者もどき、わざわざギリギリまでレベル落としているんだもの。その状態だと、私が楽しめない……もとい、私が参戦するのは卑怯ではないか。それに、私はそやつから護衛のワンちゃんを引きはがすと言う役目を果たさねばならぬ。悲しいけど、コレ適材適所なのよね」

 

 

「いや、何で急にロリカードRP!?」

 

「普通に全員でボコれば良くないです!?」

 

「灯、また悪い癖」

 

「……どう言うつもりなのですか? 貴女は私と代行者殿との会話を邪魔しようとしていたのではないのですか?」

 

「言葉ニ嘘ハ無イ。シカシ、我ラヲ愚弄スル意図モ感ジラレヌ。黒衣ノ娘ヨ、何ガ目的ダ?」

 

 

 唐突に始まった黒死ネキのロリカード(クソガキ)のような言動に、味方のはずの3人はおろか、対峙する2柱の悪魔も戸惑いを隠せない。

 

 

「目的? 今日の私はこいつらの引率のようなものでな? 本来ならこんな会話もせず、さっさとお前たちを殺すのが良いのだろうがなぁ? 殺そうと思うだけならまだしも、実行しようとすると絶対に()()()()()()()()()と、不思議と確信する事になってな?」

 

「「「「「…………………」」」」」

 

()()()とは実に厄介なものだな。()()殿()もわざわざレベルを下げたのは何故だ? 脳缶ニキに会いに来るだけなら、姿隠しの権能を十全に使えるレベルで来て、脳缶ニキが異界に来るまで潜んでいた方が確実だったはずだ。わざわざ()()殿()を頼ったのは何故だ? そんな目立つ暴力装置など、むしろ目的の妨げでしかないはずなのにだ。本来なら必要無かったのに、急遽必要にでもなったか?」

 

「……ああ、そう言う事ですか。我々は、知らずに非論理的なマネをさせられていた訳ですか」

 

「チッ、コノ程度ノ器デノ顕現デハ自覚モ覚束ヌカ……」

 

「一方、こちらは元々は単なる確認作業の予定だったと言うのに、予定外の寄り道で釣果が無駄に多くなるわ、そのせいで滞在時間が長くなり、予期せぬトラブルに遭遇するわ。挙句、目の前には大悪魔の分霊が2柱だ。都合が良すぎるだろう? 偶然で片付けるにしては、な」

 

「あ~、そう言うやつですか。これ、僕は文句言っても良いやつですかね?」

 

「で、先程試してみたが、私と侯爵殿は本来なら脚本の埒外だったようだな。問題なく別行動が出来そうだぞ? おかげで私は楽しめそうで何よりだ」

 

「先程のふざけた物言いは最終確認であると。なかなかどうして、油断ならない方ですね」

 

「……えっと、あの? すいません、俺には何が何だかさっぱりなんですけど?」

 

 

 当人たちは次々に納得の表情を浮かべているが、蚊帳の外に置かれて理解が追い付かない見所ニキが思わず声を上げる。

 それに応じるのは聖職者風の姿の金髪の偉丈夫だ。

 

 

「では、僭越ながら私からご説明させていただきましょう。今の黒衣の少女からの話から、おおよその流れは理解しましたので。よろしいですか? それでは───」

 

 


 

 

 そして、()()()()()()()()()()()()()()()()である悪魔は語る。『運命』と言う名の強制力を。

 

まず、2柱の悪魔の事情は

・金髪の偉丈夫は、諸事情から地獄の副王の代行者である脳缶ニキと話さねばならない事が出来た。

・確実に会う為なら、姿隠しの権能を十全に発揮できるレベルで顕現して、異界に潜み脳缶ニキが訪れるのを待てば良い。

・しかし、()()()低レベルで顕現し、浅黒い肌の戦士を護衛として混乱に乗じてと言う手段を選んだ。成功確率は()()()()低いはずなのに、だ。

・そして、向かった先に()()()都合よく脳缶ニキが居た。

 

続いて、脳缶ニキの事情は

・修行がひと段落して()()()()異界に潜る理由を思い立ち、潜ろうと思った。

・道中で()()()チャイカがレア悪魔を発見して寄り道をする事になる。

()()()()悪魔の大群と戦う事となり、()()()危険な手段に打って出た。

・予定よりも長時間、悪魔と戦う事となり、その場に足止めをされる形となった。

()()()()2柱の悪魔と遭遇する事となった。

 

そして、黒死ネキの行った確認は

・初手で2柱の悪魔を有無を言わさず殺す事を考えたが、自分が楽しめなくなると()()()確信できた。

・金髪の偉丈夫と脳缶ニキの会話を邪魔しようとする事自体は出来た。

・その後の会話から、自分と浅黒い肌の戦士は、()()()()()()()()()()()()()と判断した。

 

 


 

 

「いずれも、単なる偶然と言えばそうですが、こうも露骨で、こうも()()()()()()()()都合の良い事が連なるのならば、いわゆる『運命』の干渉なのでしょうね。恐らく、中心は代行者殿であり、我々は周辺キャストと補助要員と言ったところですか」

 

「付け加えるのなら、私と侯爵殿はどちらかが一方的にならない様にする為のバランサーだな。脳缶ニキと総裁殿が出会った以上、お互いだけならもう『物語』には()()()()らしい」

 

「えーと、はい。全員にとっての偶然が都合よく『物語』になるように『運命』によって仕組まれた、って事ですよね。……これが運命愛され勢の『物語』かぁ……うわぁ……」

 

「そして、ここで先程の茶番に繋がる訳だが、別におぜん立てされたからと言って、それに従ってやる義理は私には無い訳でな? 干渉可能な範囲で好き勝手させて貰う事にした」

 

「ですよねー。あ、僕も面倒そうなんでパスで。 僕の人生は僕のモノですし?」

 

「……まぁ、あなた方からすればそうでしょうとも。ですが、踊らされてしまったとは言え、この状況が私にとって千載一遇の機会である事には変わりはありません。 悪魔らしいやり方で話を聞いていただきます

 

「……我ガ言ウノモ何ダガ、普通ニ互イノ要望ヲ交換シテカラデモ良カッタノデハ無イカ?」

 

 

 状況の理解からの、あまりにもフリーダムな人間サイドに対し、ここまで話をしておいて結局は暴力での解決になりそうな事に釈然としないものを感じた浅黒い肌の戦士であったが───

 

 

「悪魔と【TALK】するのって、こっちが絶対優位な時だけだよね?」

 

「そもそも殺せば思惑も何もかも全て分かるのでな、もし必要なら蘇生させれば良いだけだ」

 

「あの、流石にそれは倫理観がオカシクないですか?」

 

「「アポなし野郎に発言権とか無いし」」

 

 

 ───【悪魔】の扱い方としては、実に『正しい』答えが返ってくるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、私は引率者として、脳缶ニキが強大な悪魔と接触するのを阻止しなければならないなぁ。その為には、そこな総裁殿を殺せば良いわけだが……」

 

「……コウモ白々シイ茶番ニ付キ合ワザルヲ得ヌト言ウノモ業腹デハアルガ、戦士トシテハ貴様ノヨウナ強者ト相対スル事自体ハ本懐デハアルナ」

 

「ご理解いただけたようで何よりだ。千載一遇の機会を逃したくないのは私も同じだからな。楽しませてもらうぞ、侯爵殿……いや、そろそろ名で呼ぶべきかな?」 

 

「今更ダナ。モハヤ名乗ルマデモ無カロウガ、戦士ノ礼トシテ名乗ラセテモラウゾ」

 

 

 そう言った浅黒い肌の戦士は両手両膝を地面につけ、四足獣の如き姿勢をとる。

 直後、浅黒い肌の戦士の身体は黒いモヤに覆われ、その輪郭を変化───否、()()()()()()()

 そして、モヤが晴れた時、その場に存在していたのは強大なる存在。

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 一見すると、その姿は黒青色の狼と言えた。

 もっとも、グリフォンを思わせる巨大な翼を持ち、眼光鋭い蛇の頭を尻尾に備え、口角から炎を覗かせる、体高が2m近くある巨躯の四足獣を狼と言うのであれば、だが。

 

 獰猛さと誠実さを兼ね備えた戦士の眼差しを、自身と相対する黒衣の少女へと向け、その悪魔は名乗りを上げる。

 

 

 

「我ハ 72柱ガ序列35位 【堕天使 マルコキアス】

 悪霊ノ軍団30ヲ束ネシ侯爵ニシテ、偽リナキ者ノ闘争ヲ助ク者。

 我トノ闘争ヲ望ミシ者ヨ、汝ノ名ヲ名乗ルガ良イ」 

 

 

 強大なる悪魔、【堕天使 マルコキアス】の言葉を受け、この場の混乱の元凶とも言える黒衣の少女は名乗りを上げる。

 

 

 

「ご高名を拝受させていただき恐悦至極。

 私の名は四条 灯。通り名として黒死ネキを名乗らせてもらっている。

 同時に、このガイア連合においては『修羅』の名も背負わせてもらっているな。

 そして【マルコキアス】よ、貴方の認識に一つ訂正しなければならない事がある」

 

「ホウ? 聞カセテモラオウカ」

 

 

 どちらかと言えば慇懃無礼とも言える名乗りを上げ、【マルコキアス】への返答とする黒死ネキ。

 そして、彼女の言う【マルコキアス】の認識違いとは───

 

 

「私が望んでいるのは、正確には闘争ではない。殺し合いだ

 

「……汝、我ヨリモ【グラシャラボラス】*1デモ相手ニシタ方ガ良イノデハナイカ?」

 

「無論、機会があれば喜んで殺し合わせてもらうとも」

 

「………………ソウカ」

 

 

 ───地獄に名を轟かす大悪魔をドン引きさせるには十分だった。

 

 

 

「良ク分カッタ。汝ハコノ場ヨリ我ガ隔離セネバナルマイ。全霊ヲ持ッテ相手ヲシヨウ」

 

「おやおや、図らずも本気で私を殺そうとしてくれるようで何よりだ。その結果もどうなるか予想は出来ているかな?」

 

「我ガ死ヌナ。()()()()()()()()()?」

 

「あははははははは。いいや、どうもしないぞ。貴方と殺し合える『運命』に感謝したいと思っただけだ」

 

 

 心底楽しそうに笑う黒死ネキと、どこか達観した様子の【マルコキアス】。

 こうして両者はこの場より離れ、互いに納得の上で闘争と殺し合いを展開する事となる。

 

 

 

 【堕天使 マルコキアス】

 ソロモン72柱の序列35位の大悪魔。

 その権能は、自信・自画自賛・快楽の感情を司るとされ、召喚者の闘争を助け、あらゆる質問に誠実に答えると言う。

 そして、他の悪魔と一線を画す最大の特徴は、彼が()()()()()()()()()()であると言う事であろう。

 つまり、彼は極めて真っ当な戦士であり、高潔な武人なのである。

 

 

 

 そして、この場どころか、この異界内における()()()()()()()の隔離に成功したのは、間違いなくこの誠実な大悪魔の最大の功績だと言えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「………………」」」」

 

 

 1人と1柱がこの場を去った後、何とも言えない空気が残された者たちの間で流れていた。

 最初はこの場から、強大な悪魔を人間が隔離させようとする図だった筈なのに、いつの間にか逆の流れになっていたような……いや、きっと気のせいだ。

 

 

「……この一件が終わったら、【マルコキアス】には何か差し入れでも持って行きましょうかねぇ……」

 

「うぃ。良案。頑張った者への労い、大事」

 

「え!? それをチャイカちゃんが言っちゃうの!?」

 

 

 よりによって黒死ネキの式神であるチャイカが、主である黒死ネキの相手の肩を持つような発言をして良いのかと、思わずツッコミを入れる見所ニキ。

 なお、当のチャイカは、その当然の疑問に対し───

 

 

「残当」

 

 

 ───当然の返答をした。

 

 

「……さて、今更ですが私も名乗らせていただきましょう。本来なら最初にすべき事でしたが、どうしてこうなったのでしょうね?」

 

 

 苦笑しつつ、金髪の偉丈夫は抑えていた魔力を開放する。

 黒死ネキから「ギリギリまでレベルを下げている」と評された通り、今回の顕現では存在が零落しないギリギリのレベルに過ぎないが、それでもなお、脳缶ニキたちを上回る強大な悪魔である事に変わりは無い。

 

 

「私は 72柱が序列31位 【堕天使 フォラス】

 地獄の29の軍団を率いる総裁にして、倫理と論理を授く者。

 この度は我らの副王様の代行者である、そちらの───」

 

 

 ここで金髪の偉丈夫───【フォラス】───は脳缶ニキを向き直る。

 彼の言葉はここで途切れており、その視線は雄弁に語りかけている。

 すなわち、「名乗れ」と。

 

 

「ああ、これ僕が名乗りを上げる場面だね。

 僕の名前は───」

 

 

 脳缶ニキは軽い口調で【フォラス】の視線に言葉で応じつつ、同時に視線をチャイカと見所ニキへと向け、指先を【フォラス】へと向ける。

 

 

「───脳缶ニキだよ。それはそれとして、こっちもアイサツするね」

 

「───顕現せよ!! 〈叩き潰すもの(ザ・スラッガー)〉」*2

 

「流石にもう慣れた!! 【パワースラッシュ】」*3

 

 

 脳缶ニキの合図で、彼の名乗りと同時にガイア連合流の『アイサツ』が【フォラス】へと叩き込まれる。

 【フォラス】は魔法全般に強く、物理攻撃に弱い。*4

 だからこその先制物理攻撃であり、「悪魔と【TALK】するのは、こちらが絶対優位な時だけ」と言った脳缶ニキと、「悪魔からの用件に聞き耳は不要」と言ったチャイカの言葉もあり、更にあからさまな合図もあって、見所ニキもその連携に遅れる事無く合わせて見せたのであった。

 

 

「───ご丁寧な『アイサツ』、痛み入ります。代行者殿の通り名は、脳缶ニキ殿とお呼びすれば良いのですね? 改めて、この度は脳缶ニキ殿と副王様の()()()()に疑義を抱き、まかり越しました」

 

 

 チャイカと見所ニキの攻撃を受け、多少の手傷を負いつつも、ペースは乱さずに語る【フォラス】。

 

 

「とは言え、議論を行うにしてもそちらがそう出る以上、先程も言った通り、こちらも悪魔らしいやり方で話を聞いてもらう事にしましょう」

 

 

 【フォラス】のレベルは、悪魔【堕天使 フォラス】としての格を持って顕現出来るギリギリのものでしかないが、この場の3人を大きく上回るものである事に変わりは無い。

 相手が聞く耳を持たないと言うのであれば、力ずくで聞く耳を持たせれば良い。

 最もシンプルで確実な、論理的な結論である。

 

 

「来なさい、我が下僕どもよ。代行者殿……いいえ、脳缶ニキ殿たちへ我らなりの『返礼』を行うが良い」

 

 

 その言葉に応じる様に、【フォラス】の周囲に展開される無数の召喚陣。

 29の地獄の軍団を率いる地獄の総裁たる【フォラス】により呼び出される悪魔どもは、無論本来の強さには及ばない、現在の【フォラス】のレベル相応に劣化した程度の存在でしかない。

 だが、それでもなお、そのレベルは脳缶ニキたちと互するものであり、単純な数の暴力は脳缶ニキたちを圧殺するに足るものである事に変わりは無い。

 

 

「一応、お伝えしておきましょう。元々私は脳缶ニキ殿と『お話』がしたくてこの場に来たのです。()()()争いなど、しないに越したことは無いと思うのですが?」

 

 

 諭すように語る【フォラス】だが、その内容は「この戦力差は覆せないだろう? 抵抗は無意味だ」である。

 そんな【フォラス】の言葉を受け、脳缶ニキは───

 

 

「お前は一つ大きな勘違いをしている」

 

「ほう?」

 

「僕たち人間の最大の力! それは生まれ持った才能でもチートじみたシキガミでも、ましてや使役する悪魔なんかでもない! それは……」

 

「それは?」

 

「仲間たちとの間に結ばれた、絆の力だッッ!! 【コォーーーール】ッッ!!

 出でよ、僕の相棒!! 【ベール】!!」

 

 

───絆の力()で、自らの相棒であるベール(レベル11)を呼び出した。

 

 

「ゼット、ベール、出番? ガンバル、ガンバル!!」

 

「……? 確かに中々質の良い眷属のようですね? ですが、質は良くともレベルが低すぎる。この状況を覆すにはとても足りませんよ?」

 

 

 如何に質の良い眷属であろうと、所詮は低レベル。

 【フォラス】の言うように、この状況では足しにすらならないか弱き存在に過ぎない。

 にも関わらず、何故脳缶ニキは「勝った」と言わんばかりの表情でこちらを見ていると言うのか?

 

 

「……ドン引き。脳缶ニキ、外道」

 

「脳缶ニキ、流石にそれは人としてどうかと……」

 

 

 そして、何故脳缶ニキの仲間の2人は、信じがたいものを見る目で脳缶ニキを見ているのだろうか?

 いや、脳缶ニキだけでなく、彼の後方の()()()を見ているような……

 嫌な予感に従い、【フォラス】はチャイカと見所ニキの視線の先へと自身も視線を向ける。

 

 そこには───

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 ベール(護衛対象)が突然腕の中から消え、明らかな最前線(死地)に召喚されており、その事に驚愕の表情で目を見開くデ ュ ラ ハ ン(【フォラス】より高レベルの存在)が居た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 この世界における【運命】とは、紛う事無きクソ脚本家である。

 

 『物語』の演出として最も多く用いられる手段は、識者による意見が大体一致している。

 

 すなわち、必要以上に難敵と遭遇させる事。

 

 それも、決して避けて通れない人生の岐路において、だ。

 

 

 

 

 

 

 

なお、クソ脚本の犠牲者(『物語』の対象)になるのは、悪魔であろうと変わりは無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
ソロモン72柱の序列25位。外見はグリフォンの翼を生やした狂暴な犬。あらゆる学問を瞬時に授けたり、人を不可視にしたりする力を持つが、最大の権能は流血と殺戮を引き起こす事。ネビロスのペットでもある

*2
力場を直接相手に叩きつける物理属性魔法。銃撃スキルの【ワンショットキル】(単体に大威力の物理攻撃)と同様の効果。

*3
敵単体に中威力の物理攻撃。

*4
真・女神転生3-NOCTURNE TRPG~東京受胎~ に登場するフォルカス(フォラスの別名)の耐性。





お読みいただき、ありがとうございました。


【運命】さんはクソ脚本家。 異論? ある奴いるの?

今まで数多のカオ転三次において様々な登場人物が【運命】さんの脚本の犠牲になってきましたが、よくよく考えたら、悪魔視点だと「出向いた先で超強い人間と遭遇戦になる」なんだよな、と言うネ?

今回のエピソードにおける【マルコキアス】と【フォラス】からしてみれば、【運命】さんに翻弄された先で『【黒死ネキ】と【脳缶ニキ】と遭遇する』と言う、余りにも酷過ぎる『物語』な訳でして?

自分で書いてて、「この2人に絡まれるとか、相手の悪魔が気の毒すぎねぇ?」となると言うネ?

と言う訳で、次回から本格的なバトル開始ですが、色んな意味で酷い事になる予感しかしないなぁw



・黒死ネキ(レベル46)
【運命】さんのクソ脚本に気付くと、ノリノリで自分が好き勝手出来る範囲を確認して、一番美味しい所(高レベル悪魔との殺し合い)を掻っ攫っていった。
仕方ないよネ、これが一番適材適所だしネ!!
脳缶ニキたちの心配? してないよ? 
普通に乗り越えると確信しているし、万が一があっても、それはそれで自分の楽しみが増えると思ってる。


・脳缶ニキ(レベル23)
【運命】さんのクソ脚本を自覚。こっちも自分に出来る範囲で好き勝手するつもり満々。
絆の力()でベールを最前線に召喚。
台詞は元作から引用。使い勝手良すぎるw
あ、護衛のデュラハンちゃんも来てくれるの? ありがとう^^
ぶっちゃけカオ転三次において、彼に絡んだ奴とか人間も悪魔も碌でもない未来しか見えねぇ。


・チャイカ(レベル24)
脳缶ニキの外道ムーブにドン引き。
マスターの黒死ネキとは別ベクトルのヤベェ奴の存在を改めて認識。世の中ヤベェ奴の巣窟だネ。
やる事自体は「眼前敵の完全沈黙までの間、能力使用限定解除開始」なのに変わりは無い。
ネタでも無く、マジでコレが可能だったりする。


・見所ニキ(レベル24)
流石にもう慣れたw
とは言え、染まった訳では無く対応できるようになった的な意味。
彼だけならこんな『物語』には巻き込まれていないが、この場の面子的には仕方ないネ
強く生きて欲しい所。


・ベール(レベル11)
ゼットが召喚してくれた!! デバン、デバン!! ガンバル!!


・デュラハン(レベル40)
召喚時の黒死ネキの指示的に『ベールの護衛』以外をするつもりは無かった。
折角蚊帳の外で平和にしていたのに、脳缶ニキがやらかした。ガッデム
実行するつもりは無いけど、脳缶ニキ相手に不慮の事故を起こしたくなった。


・マルコキアス(レベル50)
中層の上限レベルで顕現。作者の推し悪魔(ォ
世にも珍しい「嘘が嫌いで武人気質な悪魔」。正直者の味方でもある。
人間形態でのイメージは、リリカルなのはシリーズのザフィーラあたり。
フォラスが護衛を頼んで来たので普通に応じた。詳細までは聞いていない。
強敵相手の闘争は望むところであるが、今回の相手はちょっと違うだろと思っている。
同僚の狂犬を相手にするのともまた違うし、かと言って護衛放棄もできない。
思い切り貧乏くじだが、自分の役割は全うする。


・フォラス(レベル35)
【堕天使 フォラス】として顕現できるはこの辺が限界。
本来はギリギリまでレベルを落とす事で隠れやすくするつもりだったけど、道中で脳缶ニキたちとばったり。
【運命】さんから『脳缶ニキたちでもギリギリ勝てる様に』と言うクソ調整を受けた犠牲者。
外見は漫画『ゴッドサイダー(作:巻来功士)』の悪魔神父フォラス。
こいつ、原作漫画でベルゼバブ(外見美女で両性具有)と愛し合ってたんだぜ?
本作では普通に重用されている部下的な感じ。
論理学と倫理学に精通する知的な悪魔であるが、相手にしているのが脳缶ニキと言う不具合。





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